この世すべてに愛を   作:紫藤 霞

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 リオファネス城までやってきたラムザ一行。

 そこでマラーク率いる敵と戦ったのだがどうも様子がおかしかった。

 そして、戦闘が終わった直後、何と中から城門が開いた。

 息絶えた戦士が残した言葉

 

 化物が出た

 

 その言葉は、詰まる所

 

「ちぃ、ルカヴィか!」

 

 城の中から剣戟が聞こえるがそれ以上に悲鳴が聞こえる。

 ルカヴィ相手では普通の人間では相手にならないからだ

 そして何を思ったのかラムザは1人アルマを探しに走り去ってしまった

 

「あぁ、もう、こういうときに限って!」

「シーラ落ち着け、現状を簡潔に言えばルカヴィが中で暴れている、アルマが危ない、これで間違いは無いな?」

「はい、その筈です。早くラムザ様の所に行かないと」

「少しだけ待て」

 

 アリスの言葉に待ったを掛ける。

 エバンズが精神統一をする。

 本来の精神統一は攻撃をはずさないものであるがエバンズのそれはもう一段上で

 

「敵の数は最低でも2、片方に向かってラムザが向かってる」

「最大はいくつだ、エバンズ」

 

 アグリアスの質問に対して渋い顔をする

 確証をえられない、こんな数の数え方は分からないが

 

「最大で7か?よく分からん気配が城の中をうろついていて確定できん」

「それだけあれば十分だ、兎に角ラムザのところに急ごう。敵を迂回していけるか?」

「任せろ」

 

 場内は死体の山だった

 それも唯の死体ではない。

 ふつうならありえない、まさしく化物が倒したであろう死体。

 その光景は、想像を絶する、と言う言葉がぴたりとはまる

 

「ひどい有様ね。シンシア大丈夫?」

「えぇ、大丈夫よ。ラムザさんは無事かしら?」

「この先で剣戟とラムザの声が聞こえる。突入するぞ」

 

 その言葉を聴いて全員が戦闘体勢になる。

 アリス、シーラ、アグリアスを前衛に

 エバンズ、シンシア、クラウディアを後列にして扉を蹴破って中に入る

 其処にいたのは満身創痍のラムザと

 

「「ウィーグラフ?!」」

 

 神殿騎士団である、いやルカヴィであるウィーグラフが其処に排他のであった

 満身創痍のラムザにクラウディアが近寄りノンチャージでケアルガを書けその傷を治していく

 

「ほう、われらと同じ技術を持っているとはな。さて、ラムザよ仲間が来たのならば私も本気を出そう」

 

 聖石を取り出し空に掲げると多くの怨霊が集まってくる。

 そして怨霊の集まったからだが変化をとげルカヴィへとその体を変化させていくのであった。

 醜悪な姿

 不浄王キュクレインよりはましとは言え、魔人ベリアスもまた、人とは遠い姿をしているのであった。

 

「あれが、ルカヴィ」

「伝説の、怪物なのね」

 

 シンシアとクラウディアは始めてみる化物

 その姿から凶悪な力を感じ取っている。

 キュクレイン以上の力

 キュクレイン以上の魔法を打ってくる。

 羊の顔に四つ腕のベリアス

 

「はぁぁぁぁあ!」

「ダブル!マジックブレイク!」

「天の願いを胸に刻んで心頭滅却! 聖光爆裂破!」

 

 前衛の3人が健闘しているがベリアスの攻撃が止まらない。

 アリスとアグリアスが直接攻撃を

 シーラがあいて物魔法を封じるべく魔法力を奪っていくがそれでも相手の召喚魔法、リッチが飛んできてしまう。

 そしてその一撃だけで半壊する前衛部隊

 さらにアルケオデーモンの強力な攻撃を前にして防戦一方になってしまう。

 がしゃこん、と弾をつめてフォーマルハウトを打ち続ける

 

「クラウディアさんはケアルジャを掛け続けて!シンシアさん、召喚魔法には召喚魔法を!バハムートで押し切って!」

 

 二人はその言葉どおり範囲系回復魔法ケアルジャと召喚魔法バハムートを召喚する。

 リッチvsバハムートは本来ならばバハムートに天秤が傾く筈が、魔力の差なのであろうリッチと互角の魔力勝負となってしまう。

 それでも範囲攻撃を防げるのはありがたい。

 ラムザも前衛に突撃してベリアスに攻撃を仕掛ける。

 

 一見すれば互角の戦いを繰り広げているが、その実負けているのはこちらの方である

 

「2人とも魔力は持つか?!」

「御免なさい、次で最後です!」

「私も今のケアルジャでおしまいよ!」

「ちぃっ!ラムザ!」

 

 エバンズからの声だけで状況を把握したラムザ。

 ならば狙うは一点集中

 

「シーラさん攻撃変更!二刀流でアリスさんと一緒にごり押しして!アグリアスさんは斜線が出来たら聖剣技を!」

 

 その指示と同時に前に出るラムザ。

 三人の邪魔はさせないとアルケオデーモンのギガフレアにダークホーリーがラムザ襲う

 それを見たエバンズは咄嗟に一匹のアルケオデーモンの腕を狙い一撃だけは食い止める事が出来たが

 

「ぐふっ、ぁ」

 

 ギガフレアとダークホーリーの同時攻撃を前に倒れ掛けるラムザ

 さらにギガフレアを撃ったアルケオデーモンがラムザに近づくが

 

「うおおおおおおおおおっ!!馬鹿な…、たがか人間ごときに…!」

 

 その背後、エバンズたちの正面でベリアスは倒れた。

 それと同時に魔界から呼び出されたアルケオデーモン達もまた、消えていなくなったのであった

 

「ラムザ!」

 

 シーラが一番に駆け寄りその傷の状況を確認する。

 暗属性に純粋な魔力ダメージのために身体がぼろぼろの状況のラムザ

 

「クラウディア!」

「任させて……此処まで来てるならケアルジャでも足りない、アレイズ!」

 

 

 その魔法と共にラムザの傷が癒えて行く。

 ラムザの傷が癒えてようやく動けるようになったと同時に

 

「っ、アルマ!」

 

 がばりと起き上がるラムザ

 

「待って!まだ傷が」

「駄目だ、アルマの方が優先しないといけないんだ。皆分かってほしい」

 

 そうまでし立ち上がろうとするラムザをエバンズが押さえ込みシーラが座らせる

 

「時間がないのも判るが回復が終わるまでは待てその状況だとアルマを奪還できん」

「急がば回れだ、今は傷を癒せ」

「でも!」

「代わりに俺達が行く。」

「皆はラムザを見ていて。エバンズと私で声のした方に向かうから」

 

 前衛1人に後衛1人で行くと言うシーラ

 それに反対の意を唱えるラムザをきって捨てる。

 

「今のお前は完全に足手まといだ。傷がいえてから動け」

「ラムザ、追加情報。屋上に妙な気配がある。もし動けるように成ったら行って見てくれ」

 

 言葉を残してから、2人はアルマ奪還のために城の中を駆け出していくのであった

 

 それが既に、手遅れである事を知らずに


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