「其処だ!」
弾ける音と共に敵の足を射抜く。
膝をつき動けなくなってしまう
其処に更におまけとばかりに女騎士が近づき
「命脈は無常にして惜しむるべからず…葬る! 不動無明剣!」
足が動けなくなった相手に追い討ちを掛けるように聖剣技を打ち放つ
其れで息絶えたのか、もはや動かなくなる相手騎士
其処は戦場であった。
だが今其の最後の敵が倒れ、クリスタルとなった
「ふぅ」
ラムザは一つ大きく息を吐く。
漸くあの独特な緊張感から解き放たれたのである。
すると
「んぁぁぁ~~、ラムザ~、つ~か~れ~た~」
そうやってラムザに寄り掛かる女騎士。
「シーラさん、戦闘が終ったばかりで哨戒に出た人たちが戻ってきてないからね?」
「そんなのはエバンズに任せておけば良いんだよぉ。私が疲れたんだからどうにかしろ~」
なんともむちゃくちゃなことを言うシーラと呼ばれた女性。
彼女は本来はなんでもない一般の女騎士であった。
だが、アグリアスの聖剣技を見て目を輝かせ、アグリアスに何度もせがみ見せて貰いなんと其れをマスターしてしまったと言うのだから驚きである。
「俺一人では無理だっての、ほら遊んでないでいくぞ、シーラ」
其のそばにやってきたのは同じく騎士のエバンズ
しかし彼もまた騎士でありながら騎士とは言い難い装備をしていた。
確かに其の身に纏うのは騎士の鎧である。
だが、其の手に持っているものは騎士剣はおろか剣すら装備していない
其の手に収めている物はフォーマルハウト
つい先日、闘技場で戦った際の商品として手に入れた紛れもない”銃”である。
騎士なら剣を使えと思うが其処は其れ
本人曰く
「こっちの方がシックリ来る」
といって銃を手放さなかったのであった。
しかもムスタディオに銃技を習い機工士しか扱えない筈の狙撃まで覚えてしまったのである。
そして、二人の異端の騎士を指揮するのはラムザ・ベオルブ。
「ラムザ、哨戒に行ってきたぞ。このあたりは問題ない状況だ。それとシーラ、だらしないぞ」
そして新たに2人が其の輪に加わる。
哨戒から帰ってきたホーリーナイト、名はアグリアス・オークス
彼女こそシーラがごねて技を見せたあまり技を盗まれてしまった聖剣技の持ち主、ホーリーナイトのアグリアスであった
アグリアス自身、見よう見まねで出来るものでもないだろうと思って何度か見せた。
そして戦闘中にも何度も技を繰り出してはいた。
しかしそれだけで技が使えるようになってしまうなど考えもしなかったのであった。
そして帰ってきたのはもう一人
女忍者のアリスであった
「アグリアスさん、アリスさん有難う。それなら此処を出発しても問題はないね」
今は、この5人で旅をしている。
本当はもっと居た
だが彼らはとある伝説と対峙する事になってしまった。
あるものは伝説とであったことで恐怖し
またあるものはアグリアスやラムザの説得でしぶしぶ隊を離れることになったのである
彼らが出会った伝説。
それは”ゾディアックブレイブの伝説”に登場するルカヴィであった。
其の為にラムザは部隊を一旦解散し、自分ひとりだけで其の伝説に対抗しようとしたのであったが
「何を馬鹿な。お前さん一人では無理だから私も手伝うに決まってるだろうに」
「同意権だな。あれだけ強大な敵だ、一人では無理でも二人、三人と数が射ればどうにかなるだろう」
「私はお前の剣になると決めたのだ。一人だけでは行かせはしないぞ?」
「私では、私ではお力になれないでしょうか!?どうか、どうかお側に居させて下さい」
と言う事でシーラ、エバンズ、アグリアス、アリスの4人が残ったのであった。
その夜、ラムザ達が眠り夜の番をしているシーラとエバンズ
「なぁ、エバンズや」
「どした、シーラ?」
「部隊を解散させたのは良いとして、人数少なすぎる気がしないか?」
「ラムザが熱心に皆を解放しちゃったからなぁ。ボコだっていやいや出て行っていたし」
「何より致命的なのが白魔法使いもアイテム使いも居ないことだよなぁ」
アグリアスもアリシアとラヴィアンの説得がそうであったように、ラムザの説得もまたは其れは其れは凄かった。
ルカヴィ
悪魔の意とするゾディアックブレイブに出てくる伝説の生き物のはずだった。
だが、ドラクロワが持っていたそのクリスタル、聖石をドラクロワ自身が使い異形の生き物に成り下がったのである。
不浄王キュクレイン
それがドラクロワが手にしたルカヴィの力であった。
辛くも倒すことに成功したラムザ達であったが、相手が伝説の生き物とあれば普通の人間には太刀打ちできない
そう思ったのであろう、ラムザは必死になって仲間達と話し合い必死に残ると言っていたメンバーを除名して言った。
其の中でも運良く
と言うよりも口で適わないシーラとエバンズの二人
自らはラムザの剣でありどんな相手であろうともラムザの見方をすると決めたアグリアス
泣き落としで必死にすがりついたアリス
この4人が部隊に残ったのであった
「んでシーラ?なにか策でもあるのか?」
「多分、ラムザは自分が何時死んでもいいと無意識に思っている。ならば其れを引き止める人物が必要だと思う」
「アグリアスさんやアリスさんみたいな?」
「アグリアスさんやアリスさんみたいな」
ふむ、とエバンズが思案顔になる。
確かにアグリアスやアリスのような人材は必要だろう。
だが、現実問題その様な人間が他に居るのだろうか?
「其の事だけど1人、確実にラムザを止めてくれる人が居る」
シーラがそう言うとエバンズを見る。
エバンズも其れを見てふっと一人の少女を思い出した
「妹君か?」
「ん、アルマなら引きとめてくれるだろうて」
其れもそうかと思いながらどうやってメンバーに加えるのか、シーラと共に相談することにしていくのであった。
ただでさえラムザは妹を大事にしているのだ、そうそう簡単にメンバーに入るとも思えない。
と言う訳で
「兎に角、女をあてがえばどうにかなる!筈!」
「大雑把だなぁおい」
そんなこんなで、ラムザハーレムの結成を仕切る、シーラであった。
チートキャラ説明
シーラ(女)
ラムザの事は弟のように思っている。
背は低くラムザの胸くらいしかない
ゲーム基準で言えば一応汎用キャラ
ただしアビリティに聖剣技を身に着けた汎用キャラ
汎用キャラでありながら汎用キャラの枠から飛び出た存在。
アグリアスと違い聖剣技全ては使えないが不動無明剣、無双稲妻突きの二つを使うことが出来る。
右手にディフェンダー、左手にエクスカリバーと二刀流を習得しているまさに転生のアタッカー。
エバンズ(男)
ラムザパーティーでラムザ以外の男性
シーラ同様にラムザを弟のように思っている。
死んで欲しくない為にシーラのいうラムザハーレム計画に賛同する
ゲーム基準で言えばこちらも一応は汎用男性キャラ
ただしアビリティに狙撃、銃装備可能をセットしている
装備はフォーマルハウト。
此方は機工士であるムスタディオからしっかりと技術を学んだことでゲームで言う「足を狙う」「腕を狙う」「邪心封印」の三つ全て使える。
本家ムスタディオ互換バージョン
騎士装備をしながらの銃装備なのでラムザやアグリアス達が逃した相手や魔法が飛んできても其の身で受け止めることが出来る。
アリス(女)
ラムザに捨てられたくない一心で必死にすがり付いて部隊に残った人。
忍者として生まれ育ち今もなお忍者と居て生きている彼女はラムザとはなれるのを兎に角恐怖しているのであった。
ゲーム基準で言えば普通の汎用女性キャラ
ジョブ忍者
アビリティは戦技
能力的には特に変わった事は無くシーラ、アグリアスと共に前線に出て物理攻撃や戦技を叩き込む。