iron whale   作:セメント工房

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異次元航海
3話 どこなんだよここはー!


ーワープ前(春樹ら視点)

「突っ込めええええええー!」

キイイイイイイン!

タービンのけたたましい音と共に、船体はメーター上最大出力のまま、敵艦めがけて突っ込んだ。

すると春樹が、小さな声で

「ワープ・・・」

そう呟いた。

しかし、その声は操縦などに必死な前の二人には聞こえるわけもなかった・・・

ー卓也視点

俺は操縦桿を握り締め、前数百m先の敵艦に怯えていた・・・

しかし、同時に少し楽しみがあった。これが何なのかはよく分からないが、何故かワクワクした。

そして敵艦接触まで数mになった瞬間、視界は真っ白になった・・・

次の瞬間、目の前の光景は暗い水路から信じられない光景が広がっていた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこには、何処までも続く青い空、青い海、地平線の彼方までただ青々とした、絵に描いた様な風景だった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ザバアアアアアアンッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

船体が着水し、水面を叩いた音で我に返った俺は、後方を確認した。

後ろには、土色の壁がそびえ立っているだけだった。

すると春樹は、

「出力を下げ、速力30ノットで航行、後ろの崖から少し離れよう。」

「「了解」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

船は其処から南に80マイル南下した後、停止した。

すると、こうきは急に席から立ち上がるなり、甲板へつながる梯子を登り始めた。

「お、おい!どこ行くんだよ!」

俺も席から立ち上がり、こうきの後をおった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハッチを開けて外へ出ると、そこには青々とし世界が広がっていた。

まるで、自分たち以外何もない、そんな気がしそうな位、何もない風景だった。

 

 

 

 

こうきは、カタパルトの先端の所に立ち尽くしていた。

 

 

 

 

 

しばらくすると春樹も上がってきた。

「大成功だよ!我が助手達よ!しかし、同時にとてつもないことをやらかしてしまった!」

春樹はそう言いながら俺たちに近づいてきた。

「一体俺たちは何をやらかしてしまったんだ?」

こうきは、不安気な表情で質問した。

「それはだな、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここに来る前、タイムコントローラの設定、忘れていたのに気付いたか?」

「ッハ!そういえば、設定せずにやってしまったかも・・・」

「ねぇ、それって設定しなかったらどうなるのさ」

こうきは、よりいっそう不安気に質問した。

「フフフ、その場合はランダムになるぞ。」

「何でそんな機能が・・・」

「因みに次元もランダムだぞ?」

「つまりそれって・・・」

「フフフ、何処に飛ぶかは、私も知らん!ドヤ」

「「じゃあここは、」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「どこなんだよおおおお!」」

「ふっはっはっはっはっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何もない異世界の海の上に、二人の少年の叫び声と、一人のマッドサイエンティストの少年の笑い声が響いた・・・

幸いにも、それを聞いたものは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誰もいない・・




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今後ともよろしくお願いします!

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