iron whale   作:セメント工房

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初依頼
26話 ミッションコンプリートと初依頼


午後13:00:頃。

5人は喫茶ドルフィンの前にいた。

「なぜか・・・入りづらい・・・」

「だな・・・」

こうきと卓也は入ろうとドアノブに手を添えているが、一向に開けようとしない。

「どうしたのじゃ?入らんのか?」

春樹が後ろから声をかけてきた。

「いや、決して入りたくない訳じゃないんだ。ただ・・・」

「暫く僕達顔も出していなかったから少し気まずいんだよ・・・」

「そうか・・・」

そう言って春樹は なんの躊躇いも無くドアを開けた。

「「!?」」

「すみませーん」

そして店内に入る。

「いらっしゃいま・・・」

店内からは少女が声をかけてくるが、5人の集団を見るなり固まった。

否、正しくは5人の中のある人物を見て固まった。

それはこうきであった。

「・・・こ・・・こうきさん!!」

「うお!?」

その少女、チルは目に涙を浮かべながらこうきに飛びついた。

「「え?」」

何の事情も知らない春樹とタカは状況に頭の処理が追い付かなかった。

そして店の奥からももう一人の少女が顔を覗かせた。

「どうしたのチルちゃん・・・って!」

店の奥にいた少女、コアも卓也と目が合うなり目に涙を浮かべながら卓也に抱き着いた。

「卓也君!・・・ウグッ・・・帰ってきた・・・グスッ」

「ちゃんと帰ってきたよ・・・ただいま」

卓也はコアの頭を撫でた。

「「!?」」

その光景にさらに思考が遅くなる春樹とタカであった。

そして店の奥からマスターのレクが出てきた。

「おぉ・・・無事帰ったか!おや?初めて見る顔がおるのぅ」

そう言ったレクは春樹とタカを見た。

卓也とこうきは一旦チルとコアを離れさせた。

「無事、帰還いたしました」

卓也とこうきとベレッタはレクに敬礼した。

レクも3人を見て敬礼した。

「無事戻って来て何よりじゃ。所でそこの2人は?」

「申し遅れました。私はこのチームのリーダーを務める辻春樹と申します」

「タカ・コレーゼです」

そう言って2人も敬礼した。

「わしはレク・カミフレンじゃ」

「孫のチル・カミフレンです」

「コア・ホクウェルトだよ」

全員が自己紹介をした。

「所で、一体王都では何があったんじゃ?」

「私もそれが気になる!」

「私もです」

3人は興味深々で聞いてきた。

卓也は春樹に耳打ちした。

(もう話してもいいよな?)

(この人達なら問題はないじゃろう。それに隠してても仕方ないわい)

(了解)

卓也はこうきの方を向き、アイコンタクトを取った後、再びレクたちの方へ向き直った。

「今から俺たちについて話したいと思う。あなた達には色々お世話になったし、これからも良い関係でありたい。そんな意味も含めて俺たちについて話したいと思う。信じられれるかどうか分からないけど、話そう。包み隠さず」

そう言って卓也は話した。

 

自分たちの正体。

 

伊404の存在。

 

王都での出来事。

 

 

 

 

 

すべて話終えた頃には日が暮れていた。

「・・・という訳なんだ」

店内の空気は重かった。

「成程・・・ん?」

レクはふと何かを思い出した。

「もしや昨日の新聞の記事のこれって・・・お主らの事か!?」

レクはさっきとは違った表情で嬉しそうに聞いてきた。

その記事は不審船扱いの伊404の記事であった。

「恐らく・・・」

するとレクは5人を抱きしめた。

「お主らはこの国を守ってくれた・・・ありがとう!」

レクはそう言ってより一層強く抱きしめた。

(((((くっ苦しい!!)))))

その後、5人は一晩はここに泊ることになった。

春樹とタカも、すっかり喫茶ドルフィンメンバーとも仲良くなった。

そしてレクと春樹がカウンターで話していた。

「ところでお主ら今後どうするんじゃ?」

「そうですね、予定では港町を活動拠点としてなんでも屋を開くつもりです」

「そうか・・・では初依頼を頼もうかのぅ・・・」

「初依頼ですか?」

春樹は嬉しそうに聞いた。

「そうじゃ。と言ってもある物を隣の国から買ってきてほしいというものじゃがな」

「構いません。それである物とは?」

春樹は興味深そうに聞いた。

「コーヒー豆じゃ」

「コーヒー豆ですか?」

「そうじゃ。これを5袋位じゃ」

そう言って注文書を渡してきた。

「この紙を販売店に渡せばいいはずじゃ」

「分かりました。この依頼、引き受けます」

「頼んだぞ。あとこれが前金じゃ」

レクは春樹に5万ピックを渡してきた。

「こ、こんなに!?」

「安いもんじゃろこんなの?」

「ま、まぁありがたく受け取っておきます」

「フォッフォッフォ。初依頼としては良かったんじゃないかのぅ!」

レクは嬉しそうに言った。

その後、レクと春樹は仲良く話していた。

 

 

 

そんな風に夜は更けていった。

 




(話滅茶苦茶じゃね?Byタカ)
言うなバカ!気にしたら負けです!



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