iron whale   作:セメント工房

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2話目です


1話 出港しよう(前編)

ーー辻平家 地下 伊404真下

 

「「え?どゆこと」」

「分かりやすく説明するとだな。この船は次元を移動する事ができるのだ!」

そうはいわれたが、ピンと来ない。

「つまり、これで過去に行ったり未来に行ったり出きるってこと?」

「そうだ。」

「てかこの船って、伊号400型潜水艦だよね?」

「そうだが?」

「つまり、兵装とかは?」

「フフフ、よくぞ聞いてくれたぞ、こうき!この船の兵装はだな、魚雷発射管が前に8門、後ろに2門、そして右左舷にミサイル発射管が右4左4門ついているのだ。甲板には、セミオートマチック40口径14cm砲が1門、これは電子の塊を打ち出すこともできるぞ。そして航空機格納筒上部には、20mmフルオートマチック3連装機関砲がついている。」

俺には何の事かさっぱり分からない。しかし、セミオートだのフルオートマだの言ってたが、

「その砲とかはコンピュータ制御なのか?」

「そうだ。セミオートは自分でターゲットを絞り、調整はコンピュータが行って、引き金は自分で引くのだ。フルオートはコンピュータが自動でやってくれるぞ。」

「なるほど」

「取り敢えず各部を見せながら説明するぞ。」

 

俺達は春樹の話を聞きながら、艦尾の方へ向かっていった。

正直、奴の話は素人の俺には難しい。しかし退屈な授業に比べたら遥かに楽で面白い。

「この船は第二次世界大戦中に極秘で造られた伊400の外見をしているが、内部や兵装はかなり近代化しているぞ。」

「まずこんなの、どこでてにいれたんだ?」

さっきから思っていた事を聞いてみた。

「手にいれたもなにも、造ったのさ。自分で」

「「造った!?」」

「そうさ。まぁ殆ど機械に任せたがな?だからだいたい2年位かかったかな?」

「逆にたった2年で完成させたとは・・・」

 

 

そう言っている内に艦尾についた。

そこにはスクリューはなく、代わりに戦闘機のエンジンノズルのようなものが2つついていた。

「この船は最大速度は、100ノットだ。 勿論、水中でだ。水上では最大120ノット出せるぞ。あまりそんなに出さんがな。次元移動する時は88ノットと4KWの電気と1kmの直線が必要だ。因みにこの船は、12KWの電気を貯めておくバッテリーを2本積んでいる。勿論変電装置付きでな。まぁ通常運航時はたった2KWが最大だがな。」

春樹はさらさらとこんなことを言ってるが、俺達は呆然としていた。

そんなこんなもあってある程度外観を見た後、

「さて、続いては甲板とかも見てもらおう」

そう言うと春樹は俺達を甲板まで案内してくれた(甲板までは階段を使った)。

 

 

 

前方部甲板につくとまず目に入ったのが伊号400の特徴である格納筒である。

「中には何が入ってるんだ?」

「フフフ、ボートとジープとか他いろんな必需品が入っている。たいしたものはない!」

 

春樹はハハハと笑いながらそういった。なんか聞いたこっちが馬鹿馬鹿しく思えさえもしたが、気にしない事にした(気にしたら負け)。

するとこうきが、

「そう言えば甲板は黒く塗ったのか?」

言われてみたら甲板はこれでもかと言わんばかりに黒かった。

「フフフ、よくぞ聞いてくれた!これこそこの船の特徴、甲板はすべてソーラーパネルだ!これにより、無補給でどこへでも行けるようにしたのだ。因みにこの甲板のソーラーパネルすべてで約2KWの発電量があるのだ!」

 

 

そしていよいよ、艦内に案内された。

中は意外と広く居住性も良さそうな感じがした。艦内は大まかに5つの区画に別れており、前から魚雷発射管室、操縦室、作戦室、居住区画、そし機関室である。

「おぉ・・・これが幻の潜水空母の内部かぁ・・・」

こうきははしゃいでいた。

「フフフ、殆どが近代的だがな。」

 

 

まず 俺たちが案内されたのは 魚雷発射管室だ。

「送転から発射まで、全部が機械制御だ。当然、緊急時マニュアルモードもあるぞ。」

 

 

 

次は操縦室に案内された。

 

 

操縦室は似たような席が2つと、ど真ん中に一つ席があり、前方斜め上には巨大なモニターがあった。

 

操舵席には、座席を中心に四方八方、上下、斜め上下左右、気持ち悪くなる位、モニターがあった。そして座席の前には 飛行機の操縦桿のようなものと、左手のおく位置あたりには スイッチが十数個と、 レバーが二本あっあ。

それはまるでシミュレータみたいだった。

「この船の操作は、起動させるのがめんどくさいのを除くとそこそこ簡単だ。 船体の操作だけなら、 ここで全部済んでしまう。」

「じゃあここで全部できるってこと?」

「そういうことだ」

隣の席は、プロ仕様のパソコンみたいに画面が2つあり、タブレットとキーボードが繋がっていた。

「この席で、魚雷とミサイルなどの兵装の設定を行う。タブレットには、戦闘データも残るから見直すこともできるぞ。」

そして最後の席にはタブレットがついてるだけ。

「ここは、マスターチェアと呼んでいる。 ここの席には、リーダーしか座れない、言わば艦長席のようなものさ。こここの席では、全てのシステムをコントロールできるぞ。」

 

こうして、ある程度の説明を終えた春樹だが、全員(二人だが)を作戦室に集めた。

「君たちを集めたのは言うまでもない」

「「いやあるだろ」」

春樹は眼鏡をくいっとあげ、

「俺はこの船を使っいろんな所を君達と旅がしたい。だから、俺と一緒にこの船で旅をしないか?」

艦内にはしばらく沈黙が続いた、

 

 

そして、その沈黙を破ったのはこうきだった。

「僕はいいよ。どうせこんな所、退屈だし居てても仕方ないし・・・だよな、卓也」

どうやら、俺と同意見だったらしい。

「あぁ、勿論だ!」

「フフフ、そうと決まれば、まずこの船の操作方法を知ってもらわねばならん!と言うわけで、これから3日間学校が終わり次第、毎日ここに来るように。そして出航は3日後の午前3時だ!それまでに、面倒事はすべて片付けるように!」

「「了解!(`・ω・)ゞ」」」




次回はうまくいけば出航回です!

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