iron whale   作:セメント工房

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とうとう首都(王都)に到着です
今まで首都って書いてましたが実は王都でした。
すみません


では気を改めて、どうぞ!


18話 おとぎの国で・・・

ーーールニマール 大通りーーー

12時を回った頃、一台の車が馬車しか走っていない大通りを時速80km位で走っていた。

「首都まであと3時間位かな?」

「そうだね。地図で見るとその位」

こうきとベレッタがさっき買ったサンドイッチを食べながら、アリヤートからもらった地図を見ながら話していた。

「長いような短いような時間だな・・・」

卓也は微妙な顔をしながらぼやいた。

「でも、ルニマールまでの道に比べれば短いよね」

「そうだな!」

ベレッタに言われ、卓也は左手でベレッタの頭を軽くなでた。

 

 

ーーーおとぎの国のような街の大通りを一台の似つかわしくない車が走っていくーーー

 

暫く走ると段々と建物が減っていき、しまいには道もいつの間にか舗装されていない道になっていた。

やがて森の中へ入って行った。

そしてその先にはトンネルがあり、中へ入って行った。

当然、ランプなどある訳が無く、ヘッドライトだけが頼りであった。

さらにはこのトンネルは無駄に長く、30分位はトンネル内にいた。

ようやくトンネルから抜け、ひたすら森の中の道を走り抜けた。

 

 

そして時計が午後2時を指そうとしていた頃・・・

「ねぇ見て二人とも!海だよ!」

ベレッタが指さす方向を見ると、そこには海が広がっていた。

道は沿岸部に出て、そのままずっと海沿いを走るようになっている。

「あぁ、なんだか海を見てると懐かしく思えてくるよ・・・」

「そうだなぁ・・・」

「春樹は今どこで何してるんだろう・・・」

「またろくでもない研究でもしてるんだろうな・・・」

「かもしれないね!」

二人はニヒヒと笑った。

するとベレッタが思い出したように訊ねた。

「そう言えば春樹って学者さんか何かなの?」

「いや、あいつは・・・学者さんモドキだよ」

卓也はしばらく考えてから答えた。

「モドキ?」

今度はこうきが話し始めた。

「そう。学者さんみたいに学校や施設でちゃんとした国が認めてくれた所で研究とか勉強するんじゃなくて自分の家で勝手に研究してるだけなんだよ」

「そうだったんだ・・・」

「でも知識は確かだけどね」

こうきはそう言ってベレッタに微笑んだ。

 

 

 

暫く走ると、道は再び石畳に戻っており建物もちらほらとみるようになっていった。

10分も走れば、賑やかな街にでた。

そしてそれと同時に、ある物が見えてきた。

 

「港だ・・・」

「となると・・・恐らくあれもあるよね・・・」

「あぁ・・・」

「一体何があるの?」

二人は深刻そうな二人を見て恐る恐る聞いた。

「ベレッタ。俺たちが乗ってきた艦ってなんだったっけ」

「えっ潜水艦・・・だっけ?」

「そうだね。つまりあれは種類的には何になるか分かるかな?」

ベレッタはさらに考えた。

「えっと・・・軍艦?」

「そう。そして俺たちが一番恐れているものだ・・・」

そんな会話をしていると、目の前に艦が見えてきた。

 

 

全長は自分たちの乗っていた艦よりちょっと短い位だが、前と後ろには主砲が2基ずつ搭載されており、睨みをきかせていた。

そして、建物3階くらいの高さの艦橋に3本の柱からなるマスト。

しかしレーダーや無線機のアンテナなどの装備がない為、ちょっと頼りなさそうに思えた。

2本の煙突を挟んだ艦の真ん中には怪しげな砲があり、その周りには機銃らしき物が付いていた。

「あれは・・・駆逐艦だね」

「でも、なんか頼りない装備だな・・・」

「そうだね・・・この感じだとまだレーダーとか無いと思うからね・・・」

「そう言えば真ん中にあるあの怪しげな砲は・・・」

「恐らく・・・魔力を使った何か・・・とか?」

「いやいや、無いだろ多分・・・」

そんな会話をしていると、段々と艦に近づいてきた。

 

「なんか、同じ形の船がめっちゃ並んでるな」

そう、最初に見えていた艦の横には同じ形をした艦が5隻も停泊していた。

「なんか意外とこういうのが厄介になりそうだ・・・」

「数で押し出されたらたまった物じゃないよ」

二人は戦闘になった時の想像をしていた。

そして、はぁ~っと溜息をして肩をおとすのであった・・・。

 

そしてそれ以外にも、駆逐艦よりも大きくて強力な相手を見つけた。

「戦艦だ・・・」

「でかいな・・・」

「おぉ・・・」

3人は戦艦を見て驚いていた。

それ以外にも重巡洋艦やさまざまな戦闘艦をみて溜息を吐いていた。

 

「詳細を探って弱点を見つけよっか・・・」

「そうだな・・・」

3人は本来の目的の為にさらに車を走らせた。

 

30分も走ればその場所に着いた。

大きな石でできた壁で囲まれたそこは・・・

 

 

「ようやく着いたな首都・・・いや王都と言うべきだったな」

「そうだね・・・4日でここまで来れた」

「なんかあっという間に着いちゃった気がする・・・」

3人は首都・・・いや王都ゴルバトゥーダについた。

あいにく高い壁で囲まれている為、街の様子が見えない。

因みに入り口には・・・

 

 

「やっぱりダメですか?」

「勿論だ。こんな得体のしれない乗り物なんぞ・・・出直してこい!」

門番の兵士がおり、車での侵入が困難であった。

「仕方ないか・・・」

卓也は入ろうとしていた南門を離れ、壁の周りを回り始めた。

 

 

因みに、壁の周りは森だが車一台分の走るスペースがある。

「さて、どうしよっかな?」

「地図で見ると入り口はあそこを含めて3カ所だよ」

「そっか・・・」

「でも車を隠す場所ならたくさんあるね・・・」

ベレッタの言葉に卓也は反応した。

「どういうことだ?」

「王都の壁の外周りは殆ど森なんだ。さっきの入り口はすぐ港町に繋がっていたけど他の入り口は出てから次の町まで距離があるんだ。だから周りは殆ど森になってしまっているんだと思う」

卓也はぽかんとしていた。

しかし、すぐに納得した。

「成程な!よし、じゃあ適当な所に停めても隠せばいいんだな!」

「そう言う事!」

車は壁の周りを1/4週し、西門を目指した。

そして、西門よりちょっと離れた所の茂みに車を隠した。

 

「これで完璧だ!」

「うん!・・・さて行こうか!」

「どんな所なんだろう!」

3人はワクワクしながら西門へ向かった。

 

門の所に門番が立っていた。

そして、門に近づいた。

「こんにちは~」

「こ、こんにちは~」

「こ、こんにちは・・・」

3人は挨拶をして様子を覗ったが・・・

 

「こんにちは!今日もいい天気ですね!」

門番は愛想良く挨拶してきた。

「そ、そうですね~」

そう言って門を潜った。

 

 

後で気づいたことだが、門はあるものの通行料は取られないらしい。

あれは万が一の時の為らしい。

そして門番がたっているのは警察の検問の様なものらしい。

 

 

「通行料も取られなかったね!」

何事もなく通してもらい、一行は短い通路を歩いていた。

「そうだな」

「き、緊張した・・・」

卓也とベレッタは何気ない顔をしていたが、人付き合いがにがてなこうきは異常なまでに緊張していた。

 

 

そして通路を抜け、目の前に街の風景が写り、3人は目を見開いた・・・

 

 

 

 

 

石やレンガで舗装された道、レンガや木でできた家々、目の前にある広場の真ん中に噴水があり、その周りには笑顔を絶やさない人達に交じった、頭に猫耳を生やした人達や、背中から鳥の羽を生やした人達、全身が蛇の鱗で覆われた人達、魚のような人達・・・

明らかに異世界を感じさせる光景であった・・・

「まるでおとぎの国だ・・・」

「そうだね・・・」

「なんか夢でも見てる気分・・・」

3人は呆然と立ち尽くしていた・・・

 

 

 

 

「おーい、おーい!君達ー!」

「っは!」

何処からか少年に声を掛けられた事により、卓也は気を取り直した。

「ようやく気付いた・・・大丈夫?」

「あぁ、すまないね・・・君」

卓也は声をかけてくれた少年に礼を言った。

そこには、卓也と同じ身長、同じ年位の少年が立っていた。

目つきが少し悪く、黒い天然パーマの髪にいかにも東洋人といった顔立ちだった。

「いいよ。どうせ君達、ここ来るの初めてでしょ?」

「そうだな・・・て!」

少年と話していると、卓也はこうきが立ち尽くしたままである事に気が付き、慌てて声をかけた。

「おい!こうき!ベレッタ!しっかりしろ!」

「「っは!」」

何とか気を取り戻したこうきに卓也はホッとし、後ろの少年はジト目でその光景を見ていた。

「初めてここへ来た人はみんなあんなことになるんだよ」

「そ、そうなんだ・・・」

「まぁでもありがとうな。俺は卓也だ」

「こうき」

「ベレッタです・・・」

3人は名乗った。

「俺はタカ・コレーゼ。そこで靴屋をやってる。まぁ落ち着くまで休んでいくといい」

「すまないな」

3人はタカに案内されて、タカの店に向かった。

 

 

 

3人は落ち着くまで、そこで情報を集めた。

 

 

 

ーーー以下こうきメモーーー

 

門はあるものの通行料は取られないらしい。

あれは万が一の時の為らしい。

そして門番がたっているのは警察の検問の様なものらしい。(この時知った)

書物は高値で取引される程の高価な物らしく、見ることができる人間は限られている。

管理は国王の一族が担っている。

因みにタカは卓也たちと同じ年らしく、父親とこの店を営んでいるらしい。

出身はコセラーム村と山を挟んで隣にあるサデココルと言う街の出身らしい。

 

ーーーーーーーーーーーーー

「成程成程~」

「ところで卓也たちはどうしてこの街に来たんだ?」

卓也はその質問ににやりと笑った。

「情報収集~」

「そうなんだ」

この男は勘が鋭かった。

タカはその軽い言い方に何かを隠しているとしか思えなかった。

「怪しい・・・」

そして、3人と話している間、ずっと卓也たちを疑っていた。

 

 

そして、3人も落ち着いてきて、そろそろ行くことになった。

「ごめんな、お邪魔して」

「いいんだ。どうせ親父は明後日までいないから店は暇だったし・・・」

「そっか・・・それじゃまた来るよ」

「あぁ。いつでも待ってるぞ」

そして卓也たちは出て行った。

「さて・・・行動開始!」

そう言うとタカの姿は消失した・・・。

否、景色と同化したと言うのが正しいのだろうか。

「能力!迷彩!」

彼は能力者であったのだ!

そして彼は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

卓也たちを追跡し始めたのだった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いやぁ・・・
文才がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!




次回、ついに色々やらかしちゃいます!
意見感想があればどしどし書いてください!

本日も最後まで読んで頂きありがとうございました!

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