iron whale   作:セメント工房

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ち、


血が足りない・・・・

(うっわ何言ってんのこの人! Byこうき)


17話 この街超平和だね~

ーーールニマール 喫茶ドルフィンーーー

午前4時、卓也たちはレクの淹れたコーヒーを飲んでいた。

「やっぱり朝はコーヒーに限るな~」

「そうだね~艦では簡単なやつしか飲めなかったもんね~」

二人はのんびりとした口調で話していた。

「朝からコーヒー以外を飲んどる奴の気が知れんわぃ」

マスターはコップを拭きながらそう言った。

「俺はそこまでじゃないけどあるなら飲みたくなるよな」

卓也はそう言いながら机に頬杖をついた。

「だよね~。・・・そういえばレクさん」

ふとこうきが何かを思い出したようにレクに質問した。

レクはいつもの様なにこやかな表情で反応した

「どうしたんじゃい?」

「この街に役場ってありますか?」

「あるが・・・どうしたんじゃ急に?」

レクは不思議そうに聞いてきた。

「実は僕達この街に引っ越そうかなとか考えてる訳なんですけど・・・」

レクは驚いていた。

「おぉ、そうかそうか・・・ならば土地の事を聞きたい訳じゃな?」

二人は揃って首を縦に振った。

(さっすがマスター!分かってくれる!)

「よし分かった!土地を買うにはじゃな・・・」

 

それから1時間近く話を聞いた。

 

 

「・・・という訳なんじゃ」

「成程成程・・・」

レクの話によれば、要は役場に行くと土地を買うことも借りることもできるらしい。

それ以外にも、役場は色々なことをしてくれることが分かった。

「ところで、その役場はどこにありますか?」

「あぁ、そこの横の道から大通りに出て、南に大体そうじゃな・・・2時間あれば着くじゃろう・・・」

「つまり俺たちが来た道をさらに進んだところだな・・・」

卓也は今後の行動について考え始めた。

そしてこうきにひそひそと予定について話した。

(俺が今考えた予定なんだが・・・ヒソヒソ)

(成程成程・・・ヒソヒソ)

話し終えると、こうきはグーサインを出した。

それを見た卓也は納得したように頷き、レクの方を向いた。

「レクさん、せっかく宿を貸していただいているんですが、3日間だけ空けさせていただいても宜しいでしょうか?」

レクはまたもや驚き、

「あ、あぁ・・・構わんが・・・」

とだけ言った。

「「ありがとうございます」」

二人は深々と頭を下げた。

「まぁ荷物は置いといても良かろう」

「分かりました」

すると、時計がボーンボーンっと六回鐘を鳴らした。

「さて、朝食を作るかね」

するとこうきが言った。

「手伝いましょうか?」

「おぉ、良いのか?」

「勿論です!ね?卓也」

「あぁ。泊めさせて頂いているので、その位は」

レクは二人を見て少し驚いた。

しかし、すぐににこやかな表情を浮かべた。

「じゃぁ、お願いしようかのぅ」

「「了解です!!」」

二人は敬礼した。

 

 

 

それから一時間、朝食は完成し、コアとチルとベレッタの3人が起きてきた。

「おはよう・・・」

「おはようございます・・・」

「おはよぅ・・・」

3人は眠そうに目を擦り、ベレッタに至っては二度寝しそうにうとうとしていた。

「おはよう、3人とも。朝ごはんできたよ」

こうきが3人に言い、席につかせた。

「「「「「「「いただきます」」」」」」

 

 

 

 

朝食が終わり、各自それぞれの事を始めた。

「それじゃあ、今日も修行に行ってきます!」

「行ってらっしゃい」

コアは卓也に見送られて師匠なる人物のもとへ出かけて行った。

チルとマスターは開店準備をしていた。

「さて、俺たちも出かけるか・・・」

「そうだね!」

「うん!」

三人は部屋に戻り、準備を始めた。

 

 

それぞれ準備が整うまでに15分弱かかった。

「ではマスター。しばらく出かけます」

「あぁ、まぁいつ戻って来てくれても構わんよ」

「では用が済み次第って事で・・・」

「こうきさん!ちゃんと戻って来てくださいね!」

「大丈夫だよ。荷物もあるし」

そう言ってこうきはチルの頭を撫でた。

チルは嬉しそうにえへへと笑った。

その後ろでベレッタが拗ねた目でその光景を見ていた。

「じゃあ行くぞ、こうき」

「じゃあね、チル」

こうきはチルの頭から手を放し、手を振った。

チルは少し寂しそうな表情を浮かべ、手を振り返した。

 

ジープのエンジンが作動し、暫くして動き出した。

そして大通りに繋がる細い道へと進んで行った。

 

大通りに出て、右に曲がりひたすら南に走る。

「まずは役場だね」

「そうだな。春樹に頼まれたやつだな」

彼らは春樹に頼まれた事を果たすべく、役場に向かっていた。

 

「にしてもこの道長いね・・・」

「レクの話によればこの道を真っ直ぐ行くと首都らしい」

「そうなんだ・・・」

 

その後は何気ない会話をしながら走る事1時間、役所に着いた。

車は役所の前に停まった。

「じゃあ、行こうか」

「そうだね」

「うん」

3人は車を降り、役所の中に入って行った。

 

中に入ると、広い待合室のようなところがあり、木製の長椅子がずらりと並んでおり、何人かの人が座っていた。

そして、その奥の方にカウンターがあり、何人かの受け付け係がいた。

3人はカウンターに向かった。

「いらっしゃいませ。どのようなご用件で?」

カウンターに着くと受付係の女の人が明るく話しかけてきた。

「えーっと土地を借りたいのですが・・・」

「そうですか。では少々お待ちください」

そう言って奥の方へスタスタと歩いて行った。

 

暫くすると、奥から紺色の瞳に、肩にかかる位まで伸びたプラチナブロンドの髪が特徴的なのほ・・・落ち着いた女性がやってきた。

「お待たせしました~。土地関係を担当しているアリヤート・ミリーです~。それでどのようなご用件でしょうか~?」

「あの、物件を借りたいのですが・・・」

「わかりました~。ちょっと資料を取ってくるのでお待ちください~」

「分かりました」

そう言うとアリヤートはまた奥に戻っていった。

「随分と不思議な感じの人だな・・・」

「なかなかの美人だったね・・・」

「てかこの世界来てから美人と良い人にしか会ってない気がする」

「そうだね」

すると、奥の方から何かが崩れ落ちた音と同時に、アリヤートの悲鳴が聞こえてきた。

「「大丈夫か(な)・・・?」」

3人は少し不安感を抱きながらアリヤートを待った。

 

 

暫くして、埃まみれになったアリヤートが資料を抱えて戻ってきた。

「お待たせしました~、これが各物件のしry・・・きゃ!」

3人に話しかけながら歩いてきたアリヤートは今度は何もない所でつまづき転んだ。

そして持っていたファイルを投げ飛ばし、卓也めがけて一直線に飛んできた。

「バシッ!・・・ありがとうございます」

真横に立っていたこうきは、飛んできた資料を卓也に当たる寸手の所で受け止め、何事もなかったかのように資料を読み始めた。

「・・・生きた心地がしなかったぜ・・・」

卓也は、心臓を軽くなでながら言った。

その後アリヤートから何度も謝られた。

そしてこれを機にアリヤートと仲良くなった。

 

 

「それじゃあ、ここを貸してもらえますか?」

「分かりました~」

卓也たちは、首都の近くにあり、港にも近い二階建ての小さな空き家を借りた。

 

そしてついでに、この国の国民にもなった。

 

「にしてもあんないとも簡単に家が借りられるとは・・・」

「でも住めるのは1週間後だけどね」

用件を済ませ、役所からでてそんな会話をしながら車に乗り込む。

「さて次はいよいよ・・・」

「首都に行く・・・!」

3人は顔を見合わせ、ニヤリと笑った。

キーを回しエンジンがかかり、車は首都ゴルバトゥーダへ向けて走り出した。

 

 

 

 

 

ーーー伊404 格納庫内ーーー

「フンフンフン♪」

格納庫内に、春樹の鼻歌が響く。

何かを作っているようで、手には工具が握られている。

そして、工具が向けられている方には、小さなロケットの様な筒が横たわっていた。

 

 

「よし!完成じゃ!」

『何ですかそれ?』

「これは宇宙から情報を集めるための衛星じゃ!これが上がれば・・・フフフ」

春樹はいたずらをする小学生のような笑みを浮かべていた。

「よし!明日の10時に打ち上げるぞ!」

『了解です!無事に上がるといいですねマスター!』

「そうじゃな!ハッハッハ!」

 

格納庫内に、春樹の笑い声が響いた。

 

場所はビロテノス王国から南に5000km離れた海域。

 

周りに航行する船は一隻もいなかった

 




はい!
また新たなキャラが出てきました!

次回は・・・まさかの脅威が・・・!

意見感想があればどしどし書いてください!
今回も、読んで頂きありがとうございました!

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