iron whale   作:セメント工房

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低血圧でフラフラする~・・・


それではどうぞ


16話 偶然ってこんなに簡単に起こるんだね・・・

ーー喫茶ドルフィンーー

偶然が偶然起こり、その状況で卓也たちは唖然としていた。

しかし当然、そんな卓也たちの事情など知る由もないコアは、キョトンとしていた。

「お~い、お主ら大丈夫か?」

レクは卓也たちに話しかけたり、目の前で手を振ったりした。

「「っは!」」

「ようやく気が付いたか・・・。この娘とどこかで会ったことでもあるんかい?」

「いえ、ただ・・・」

こうきはそこまで言うと言葉を詰まらせた。

「ちょっと変なこと聞くけどいいかな?」

卓也はコアに聞いた。

「え?いいけどどうしたの?」

彼女はコテンっと首をかしげた。

「もしかして出身地ってコセラーム村って所?」

「ええ!?なんで分かったの!?すごーい!」

コアは卓也の予想が当たり、驚いてはしゃいでいた。

「それじゃあもう一つ、もしかしてお姉さんがいてたりする?」

「うん!いるよ!」

「じゃあ最後の質問。実家がパン屋さんだったり?」

「そうだよ!すっごーい!全部当たってるよ!一体お兄さんたち何者!」

卓也の予想がすべて当たったことで卓也とこうきは結論を出した。

 

(間違いない・・・)

 

(この子・・・)

 

((モカレの妹だ・・・))

 

そこまで来て二人は自分たちがまだコアに自己紹介していないことに気が付いた。

「あ、そうだ自己紹介まだだったね。俺の名前は卓也」

「こうきだよ」

「ベレッタです」

いつもの順番で挨拶した。

しかし、ベレッタだけはなぜかこうきの後ろに隠れていた。

「よろしくね!それにしても・・・」

そう言ってコアはベレッタを見た。

「ベレッタちゃん可愛い!」

コアはベレッタに抱き着いた。

「ひぃ!こうき助けて~!」

ベレッタは初対面の人が苦手なこともあり、コアが突然抱き着いてくる事に恐怖していた。

そんな事とは知らずにコアはそのままギューッとした。

「はぁ~癒される~」

「く、苦しいよ~」

コアに抱きしめられ、ベレッタは少し苦しがっていた。

「あの娘、初めて来たときもチルに同じことをやっておったのぅ・・・」

「余程年下が好きなんですね・・・」

卓也とこうきはレクと話しながらその様子を見ていた。

 

 

ある程度落ち着いたところで、レクとこうきは客席でチェスを始めた。

そして、卓也とコア(ベレッタを抱きしめたまま)はカウンター席でチルの淹れたコーヒーを堪能しつつチルと話していた。

話しているとコアはさっきの卓也の質問に対して聞いてきた

「そう言えば何で卓也君は私があの村の出身だって分かったの?」

「ん?それはだな・・・」

 

そう言って卓也は一部を隠して旅の話とコセラーム村での出来事を話した。

 

 

 

 

「・・・という訳さ」

「成程・・・つまり卓也さん達はコセラーム村でコアさんのお姉さんと知り合ったわけですか」

チルはその話を聞いて驚いていた。

「そう言うこと」

「すっごーい!これは運命だよ!」

「運命までは言い過ぎだけど、確かに凄いな」

(アニメではよくある事だけど・・・)

卓也は内心そう思いながらコーヒーを啜った。

「それにしてもこのコーヒーうまいな・・・」

するとチルは少し照れたように、持っていたお盆で顔を隠した。

「そうですか・・・ありがとうございます」

それを離れたところで聞いていたレクが自信満々に言ってきた。

「そりゃわしが直々に教えたんじゃ!うまいのは当たり前じゃわい!」

「そ、そうなんですか・・・」

そしてレクが自慢げに話していると・・・。

「チェックメイト!」

こうきは嬉しそうに駒を置いた。

「ぬわあぁぁぁ!」

「おじいちゃん。調子に乗っているからです・・・」

「今までいろんな客とやってきたが・・・まさか若造にやられるとは・・・」

そう言って地面に跪いた。

「いや、そこまで残念がらなくても・・・結構いい勝負でしたよ」

こうきは苦笑いを浮かべながら、レクを慰めようとした。

「まぁ良い。わしの負けじゃ・・・」

そんな会話をしていると、時計がボーンボーンと鐘を六回鳴らした。

「うわっ!もうこんな時間じゃ!そう言えばまだ部屋に案内していなかったのぅ。ついてきなさい」

そう言ってレクに案内され、店の奥に案内された。

 

 

店は3階建てになっており、1階は店で2~3階は普通の家となっていた。

そして3人は3階の階段から一番手前の部屋に案内された。

「部屋はここを使ってくれ」

「ありがとうございます」

卓也たちは部屋に入った。

部屋はそこそこ広く、ベットと小さな机があるだけで、3人が過ごすには十分すぎる広さだ。

「随分と広い部屋だね・・・」

「そうだな・・・」

そんな会話をしていると、コアがチルを連れて部屋に入ってきた。

「卓也くーん!あーそーぼ!」

「一体何歳だよ・・・まぁいいけど」

「やったぁ!」

そう言って小さな机の上にトランプを置いた。

 

「へぇ~。じゃあ私と同じ年なんだ!」

「そうだな。にしてもモカレさんから聞いたんだが、何の修行してるんだ?」

「あ!お姉ちゃんとそんな話もしたんだ!私は歌の修行してるんだ~」

「歌の修行・・・あまり聞いたことがないな・・・」

「そうなんだ~。この国では結構多いんだよ、歌の修行する人」

「へぇ~。てことは歌上手いのか~」

「私はまだまだだけどね・・・」

卓也とコアが話している横でこうきとチルが話していた。

「こうきさんはチェスが得意なんですか?」

「う~ん、別に得意って程でもないけど・・・まぁまぁかな?」

「今度私と勝負してもらえませんか?」

「いいよ」

答えを聞いたチルはぱぁーっと音が聞こえてきそうに表情が明るくなった。

「ありがとうございます!」

 

 

上でワイワイガヤガヤやっているとレクがやってきた。

「お主ら。飯ができたぞ!」

「「「「「はーい」」」」」

 

2階のリビングには、料理が並べられていた。

どれも高級レストランで出てきそうな上品さが漂っていた。

「「「「「おお~」」」」」

「ちょっと客が増えたんで少し奮発してみたんじゃ!さぁ頂こうか!」

そう言って全員を席に着かせた。

「「「「「「いただきます」」」」」」

そして全員が料理を食べ始めた。

 

「所でお主らいつまで滞在するんじゃ?」

「そうですね・・・まだ未定ですがこの街には少なくとも1週間は滞在する予定です」

「そうかそうか!ならば暫く泊っていくとよい!」

そう言ってフォッフォッフォと笑った。

「いいんですか?」

「当たり前じゃ!何せ親友の孫じゃからな!遠慮なんか必要ないわい!」

すると、その話を横から聞いていたコアとチルが口をはさんできた。

「え!?卓也君たち暫くここに泊まるの?」

「こうきさんここに泊ってくれるんですか?」

卓也とこうきはそれにどう反応していいか困り、それ以外のことも考え取り敢えず泊ることにした。

「じゃあ暫くここにお世話になります」

「うむ!我が家の様にくつろぐとよい!」

「「やったー!」」

その答えにコアとチルは喜んだ。

 

 

 

 

 

 

ーーその夜ーーー

「・・・という訳だ」

『なるほど・・・あ、そうじゃ』

卓也は風呂からあがり、部屋で春樹と交信していた。

「どうした?」

『土地とか物件とかについても調べておいてくれ。今後陸に拠点を置く可能性があるからのぅ』

「了解」

『できれば買っておいてほしい。できればの話じゃがな』

「了解した」

『2週間後に無事合流しよう。では』

「そっちも見つからんようにな」

そう言って無線を切った。

 

 

 

ーーー伊404---

『現在、ビロテノス王国より南に4000km地点。周囲に脅威ありません』

「了解じゃセレナ」

春樹は待機地点よりもかなり離れた所にいた。

それも浮上した状態で。

『よろしいんですか?こんな所にいて?』

「あそこにいても暇じゃい。いいじゃろ、ちょっと位・・・」

『はぁ・・・知りませんよ?卓也さんに殴られても』

セレナは呆れたように言った。

それに対して春樹はフフフと笑って答えた。

「なぁに艦はそう簡単に沈ませないし、ばれなきゃ大丈夫じゃ」

 

 

 

夜は静かに更けていった

 

 

 

 

 




やべぇ、一年最後の考査なのに・・・

まぁいっか!
(よくねぇよ!勉強しろよ! By卓也)
嫌だぁぁぁぁぁ!
あと最初の方の話読み返したら今よりも文章が・・・

意見感想があればどしどし書いてください!
読んで頂きありがとうございました!

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