iron whale   作:セメント工房

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ついに儀式に出席させられます・・・


13話 儀式と村人との交流・・・

ーーーコセラーム村 村長の家ーーー

あれからなんとか村長の家に帰ってきた卓也ら一行であったが、卓也とこうきは唖然としていた。

「ど、どうやらあと一時間で祭りの準備が終わるらしい・・・」

そう言って卓也はカタカタ震えながら、腕時計型の端末を開いた。

「今の時間は、四時だ・・・」

卓也たちの間隔では今は四時だった。

「や、やばいよ・・・」

「と、取り敢えずこれ以上の風評被害を抑えるために村長に口止めしないと・・・」

そう言ってこうきはマコリットの部屋に向かった。

「べ、ベレッタ・・・。ちょ、ちょっと春樹にこの事を伝えてくるよ」

「う、うん。分かったけど・・・大丈夫?」

ベレッタは卓也の右手を両手で握った。

「あ、あぁ。大丈夫だ・・・。ただ突然滅茶苦茶な出来事が起こったから動揺しているだけだよ・・・」

そう言って卓也はベレッタの頭を撫でた。

そして、トイレに向かった。

ドアを開けて中に入り、カギを掛けて時計型の端末を起動させた。

「通信回線オープン。マザーコントロール(艦に積まれているデータリンク)に接続。T1呼び出し」

『待っておったぞ。わが助手よ!』

「あぁ。お前の声を聴いて安心するとかもうまっきかもしれねぇぜ・・・」

『いったい何があったんじゃ?』

「あぁ、それがな・・・」

 

 

そう言って今までの出来事をすべて話した。

 

 

『そいつは面倒臭いのぅ・・・』

「だろ?何なら今からくるか?」

『絶対にいかん!』

「即答か・・・」

『まぁ何はともあれ、無事でよかったぞ。今後も引き続き調査を行ってくれ』

「了解」

『健闘を祈る』

そう言って通信を切った。

「ふぅ・・・行くか」

そう言って卓也は端末をしまい、トイレを出た。

 

リビングに戻るとこうきが戻って来ていた。

「あぁ。卓也、なんとか食い止めることができたよ・・・」

「そうか!良かった!」

そんな会話をしていると、マコリットが戻ってきた。

「さて、今から祭りなんじゃが・・・今回はお主ら二人の祭りじゃ。じゃから二人は今から祠で行われる儀式に出席してもらう。本当に突然で申し訳ない」

「いえいえ。別に気にしてませんよ」

そう言って卓也は笑って見せた。

しかし、こうきはジト目で見ていた。

そして卓也のアキレス腱を軽く蹴った。

 

 

 

 

 

そんなこともあり、二人は山の中腹辺りの祠に来ていた。

祠というより小さな神殿のようであった。

真ん中には石畳の道が10mくらい続いており、三体の像が立っていた。

天井はなく、夕暮れ時というのもあり少し薄暗いが、像の姿が伺える。

真ん中の像は、戦艦らしき船を持って立っていた。

恐らく創造の神ハミリーだと分かった。

そして右側の像は操舵ハンドルのようなものを持っていた。

操りの神タリアーだろう。

そして左側の像は筋肉質であった。

戦いの神コウェルだ。

像自体の大きさは1.5m位だが全員顔立ちが良かった。

そのせいか、卓也は少し破壊したくなった。

そしてその像の前に椅子があるのに気が付いた。

「マコリット。あそこに座ればいいの?」

「ああ。そうじゃ」

こうきはさっさと左側の像の下にある椅子に座った。

「早ぇよ・・・」

卓也も急いで右側の像の方に座った。

 

 

それから五分くらいすると、村人たちがぞろぞろと集まってきた。

「あれ?さっきの旅人君たちじゃないか!」

「まさかあの子たちが神様だったなんて!」

「俺たちに幸運を持ってきてくれたんだ!」

「有難や有難や」

村人たちは卓也とこうきに拝み始めた。

そこから15分位たった。

儀式が始まった。

しかし、儀式と言ってもただ単に拝まれるだけであった。

目の前に机が置かれ、そこにお酒や謎の植物、変なお香みたいなものを炊かれ、非常に煙たかった。

 

 

 

 

 

約30分位で儀式は終了し、二人は解放された。

「あ~辛かった・・・」

「てか目の前でお香炊かれたせいで一酸化炭素中毒で死にそうだった・・・」

「本当に危なかったよ・・・」

二人は口々に文句を言っていた。

 

 

 

山を下りて村に着くなり二人は女性陣に質問攻めにあった・・・。

 

 

 

 

「・・・はぁ・・・やっと解放された・・・」

「そうだね・・・」

あれから一時間、二人はようやく解放された・・・。

「あ、あの!」

「はい?」

不意に後ろから声を掛けられた。

振り向くとそこには、紫色の瞳が特徴的で、自分たちよりも年上だが村の中では珍しい18~20歳前後の女性であった。

髪が腰辺りまであり、特徴的な赤みがかった金髪にそこそこスタイルの良い体で、手にバスケットを持っていた。

「どうかしましたか?」

卓也がそう聞くと、彼女はバスケットを差し出してきた。

「これ、作ったんです!受け取ってください!」

「あ、ありがとうございます・・・」

受け取るや否や、彼女は走って行ってしまった・・・。

「きれいな人だったな・・・」

「なんだこうき。ああいう人が好みなのか?」

卓也はニタニタしながらこうきに聞いた。

「フンッ!」

「ソゲフ!」

卓也はこうきに一発殴られた。

 

 

 

 

卓也たちは、昼頃にいた噴水広場に来ていた。

そこには多くの屋台が出ており、大変にぎわっていた。

「すごい賑やかだね」

「あぁ、そういえばベレッタは?」

二人は儀式が始まってからベレッタの姿を見ていなかった。

「ちょっと探してくる」

卓也はバスケットをこうきに預け、ベレッタを探しに行った。

一人取り残されたこうきはふとすぐ目の前にあった屋台に目を向けた。

そこには焼き立てのパンが売られていて、長い行列を作っていた。

ふとその屋台から漂ってくる匂いにどこか嗅いだことのある匂いだと思った。

その疑問はすぐに解決した。

それは自分の手元のバスケットからだと気づいた。

「もしかして・・・」

そう思って屋台の方を見てみると、店を切り盛りしている二人の女性に目が行った。

二人とも似たような髪色をしており、しかし髪型が違うため、さっきバスケットを渡しに来た女性がどっちなのかすぐに分かった。

 

 

「お~い。こうき~」

「しっかりして~こうき~」

「っは!」

「何ぼーっとしてるんだよ」

気づけば卓也とベレッタが戻って来ていた。

「ごめんごめん」

「全く、らしくねぇな」

「なんか、こうきあの女の人みつめてたよね」

そう言ってベレッタはパン屋の女性を指さした。

「あれ?さっきの人じゃん」

「さっきの人?」

「あぁ。突然バスケットを渡してきてすごい勢いで去っていった人」

「へぇ~。きっと恥ずかしがり屋なんだよ」

「そうかもしれないな~。よし、話しかけてみるか!」

「そうだね~」

そう言って卓也とベレッタはパン屋に向かって歩き出した。

「あっちょっと待ってよ」

こうきも慌てて二人の後を追った。

 

 

 

屋台に着くとさっきの女性ともう一人、三十路を超えたか超えていないか位の女性がいた。

「いらっしゃいませ~!ってあ!」

さっきパンを渡しに来た女性は卓也とこうきを見るなり、顔を真っ赤にして後ろを向いた。

「あらあらどうしたの?」

もう一人の女性は、のほほんとした口調で赤面した女性に話しかけていた。

「あの~。すみません」

「はい?どうしました?」

「さっきそちらの女性にこれを頂いたのです」

「あっそうなんですか~。さっき急にいなくなったと思ったら・・・」

「それで一言お礼を言いに来たのですが・・・」

「そうですか~。では、もし良ければ、もう少しで仕事が終わるので少し待って頂けますか?」

「はい」

三人は噴水の淵に腰かけ、もらったパンをむさぼりながら女性二人の仕事が終わるのを待った。

 

 

 

 

 

 

 

 

それから二十分位経ち、二人がやってきた。

「お待たせしました~」

「すみません。わざわざ忙しいのに・・・」

「いいですよ~」

「そういえばまだ名乗っていませんでしたね。俺の名前は卓也って言います」

「こうきです」

「ベレッタです」

三人は自己紹介した。

「レコ・ホクウェルトです」

「・・・モカル・ホクウェルトです」

のほほんとした女性は微笑みながら名乗り、もう一人は恥ずかしがりながら名乗った。

「つかぬ事をお聞きしますがお二人は姉妹ですか?」

「あら~。私そんなに若く見えますか~」

「え!?」

「あれ!?違いましたか・・・」

「実はこの子娘なんです~」

「そうだったんですか」

「でも確かにこの子には妹がいます~」

「そうなんですか」

 

 

その後、ホクウェルト親子と色々と話し、親友レベルに仲良くなった。

話によると、妹さんは隣の町に修行に出かけたらしく、今は手紙でやり取りしているのだとか・・・。

他にもいろいろ話をした。

 

 

 

 

 

他にも村人と仲良くなった。

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ。疲れた・・・」

「疲れたね・・・」

「うん・・・」

三人は村長の家に戻って来るなり、二階の借り部屋にあるベットでゴロゴロしていた。

「お主ら~。風呂が沸いたぞ~。先に入ってよいぞ~」

「ありがとうございます」

 

その後は、全員が順番に入った。

 

 

 

 

 

風呂から上がった卓也は、マコリットと話をしていた。

「んで、明日の6時頃にここを出ます」

「そうか・・・」

村長は少し寂しそうな顔をした。

「色々とご迷惑をおかけしました」

「いいんじゃ。それより、次の町の宿の宛はあるのかね?」

「いえ、まだ」

「実は隣町の喫茶店のマスターでわにの古くからの友人がおる。そこに話をつけておこう」

「本当ですか!ありがとうございます」

「では。今日は疲れたじゃろう。明日も朝早いんじゃ。ゆっくり休むとよい」

「それでは。おやすみなさい」

 

 

 

 

 

 

 

卓也たちは今日の疲れの為、すぐに眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー伊404---

「よし!完成じゃ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

格納庫内で春樹は、ついにビニールシートに覆われた、黒い狼を完成させたのであった

 

 

 

 

 

 




はい。長すぎました・・・
もうちょっと短くて読みやすい方が理想なんですが・・・


やっぱダメかー!



意見感想があればどしどし書いてください!
次回!隣町へ!


読んで頂きありがとうございました!

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