クラスメイト K [本編&おまけ完結]   作:ちびっこ

42 / 153
黒曜編です。

一人称と三人称が混ざり読みにくいと思います。
後、原作でわかるところはカット、もしくは詳しく書いてません。
もちろん駄文です。
それでも読む方はよろしくお願いします。


黒曜編
認識のズレ


 モグモグとご飯を食べる。私も図々しくなったものだ。他人の家に泊まり、ご飯をご馳走になるとは……。

 

「ディーノさんはいつまでこっちにいるんですか?」

「そうだなー……。しばらくは居るぜ」

 

 私の顔色を窺うな。リボーンに気付かれるだろうが。……もう気付いてるか。リボーンは私とディーノが昨日から泊り込んでる時点で何かあるとわかっているはずだ。

 

「そういや、昨日と今日に風紀委員がやられたらしいぞ」

「えー!? そうなの!?」

「あらあら、大丈夫よー」

「……悪い」

 

 動揺し、最後の一口のハンバーグを落としてしまった。まさかこの話題が半日も早くなるとは思わなかったのだ。当然のように、2人にこの事件が重要と気付かれた。リボーンはまだ私の周りを警戒してる可能性もあると思い、ズレを防ぐためわざわざ沢田綱吉と一緒に居たのだが、意味がなかった気がする。

 

「そのやられた風紀委員はどんな感じなんだ?」

「重症で発見されてるらしいぞ。やられれた奴はなぜか歯を抜かれてるんだ。全部抜かれた奴もいたらしいな」

「まじでー!? ずっと家に居てよかったー……。不良同士のケンカに巻き込まれたら最悪だったよ。ね、神崎さん?」

「ん。そうだな」

 

 沢田綱吉に返事をしながらディーノを睨みたくなる。私が話さないと判断してリボーンに聞いただろ。

 

「よし。ツナ、町の平和を守るのはボスの仕事だぜ」

「ちょっ……ディーノさん!?」

 

 ディーノに頼るべきじゃなかったと本気で思った。だが、ディーノがここで何も言わないのもおかしい気もする。……ズレを少なくするためにロマーリオ達がイタリアに残ることにしてよかった。ディーノが暴走しようとしても必ず失敗する。

 

「イーピン、一緒に風呂入る?」

 

 頷いたイーピンを見て、沢田奈々に許可を貰い入りに行く。風呂場に辿りついた時にドタドタと何かが転がるような音が聞こえたのは気のせいだろう。

 

 

 

 

 

 目覚ましが鳴ったので起き上がり、2人を見る。今日もよく眠れないかもしれないと思ったが、眠れた。2人が添い寝してくれたおかげだろう。まだ夢の中の2人に布団をかけなおし、着替えて洗面所に向かった。その後リビングに向かう途中で寝起きの沢田綱吉と出会う。

 

「おはよ。神崎さん」

「ん、おはよ。……リボーンとディーノは?」

「オレの部屋にいるよ。話があるみたい。すぐ終わるって言ってたけど……。ランボとイーピンは?」

「夜更かししすぎたみたい。気持ち良さそうに眠ってる」

「チビ達はいいよなー。学校がなくて」

「そうだな」

 

 2人の話の内容が気になったが、お腹が減ったため後回しにする。

 

 ご飯を食べていると、2人が降りてきた。話の内容を聞こうとすれば、沢田綱吉が先に気になって質問していた。並中生がやられた内容について話していたらしい。リボーンはもう無差別に並中生がやられてることを知っていた。しかし、関連性がまだわかっていないようだ。

 

「が、学校休んだほうがいいんじゃ……」

「……通学路は風紀委員が強化してるだろ」

「そうだな。ツナ、休むなよ」

「えー!?」

「心配ならリボーンも一緒に居れば大丈夫だろ」

「しょーがねーな。オレも一緒にいってやってもいいぞ」

「それならいいけど……」

 

 あからさまな誘導にリボーンは乗ってくれたようだ。恐らくだが、学校に行かなくても問題ない。ただ、病院に行くフラグを折るのはまずい気がするのだ。そこでリボーンは歯の数がランキングになってると気付くからな。

 

「ツナ達は学校だからなー。オレはどうすっかなー」

「良かったらディーノさんも一緒に……!」

「却下。私達を送った後、迷わず帰れるとは思えない」

「心配すんなって。道は覚えたぜ」

「……リボーンが居れば大丈夫ですし、ディーノさんは家でゆっくりしてください」

「わーったよ」

 

 しぶしぶ返事をしたディーノを見て、下手な動きはするなと釘を刺すことに成功したようだ。元々、ディーノは日本に居ないのだ。これ以上、ズレればわからなくなる。出来るだけ大人しくしてほしい。

 

「ツナ、さっさと用意しろ。サクラはもう着替え終わってんだぞ」

「ご、ごめん!」

「まだ時間があるから大丈夫。焦らなくていい」

「ありがとう! つーか、着替えようとしたのに追い出したのはお前じゃん!」

 

 慌てて着替えに向かった沢田綱吉をみて、溜息が出る。ズレを戻すためにここまで頭を使うことになるとは思わなかったのだ。

 

「本当にオレはここで待機するしかねーのか?」

「言っただろ。君が役に立つ時は非常事態だ。それにまだ始まったばかりだ」

「やっと言ったぜ。今回の事件がツナに関係してるってな」

 

 2人の顔を見て嵌められたことに気付く。ずっと私は明言を避けていた。しかし、今の言葉はディーノに頼ってここに居るように頼んだ内容と同じだった。

 

「サクラ、ランボだけじゃねーんだぞ。おめーが頼めば動く奴はな」

「1人で悩むより一緒に悩もうぜ。心配するな。オレ達はツナに黙っていた方がいい内容は話さねーよ」

 

 大人2人に勝てると思ったのが間違いだったな。私の意志が緩まった時に聞いてくるとは……。横目で確認すると沢田奈々が見当たらない。タイミングも狙っていたのだろう。

 

「ツナもしばらく戻ってこねーぞ。教科書を隠したからな」

「……どうなっても知らないぞ」

「オレはツナの家庭教師だぞ。またビシバシ鍛えれば問題ねぇ」

「それにお前だって関係ねー奴を巻き込みたいとは思ってねーだろ?」

 

 完全に負けたと思った。

 

「フゥ太の並盛中ケンカの強さランキング」

「……なるほど。ランキングを元に歯でカウントをしツナにケンカを売ってんのか」

「ちょっと待て。ランキングなんて簡単に入手出来るわけ……」

「フゥ太を助けてくれ……」

 

 声が震えた。自身の選択に後悔しか出てこない。だから……話したくなかったのかもしれない。声に出せば、自身が最低と突きつけられる。

 

「サクラは悪くねぇ。オレがツナを甘やかしたせいだ」

 

 違うという意味で首を横に振る。声を出し否定しようとすれば泣いてしまう気がしてのだ。そんな時間すらもったいない。私は落ち着かないといけないのだ。

 

 深呼吸していると着信音が響いた。表示を見ると兄からである。もしかすると事件を知り、私の心配をしているのかもしれない。私はもう1度深呼吸し電話に出た。

 

「……もしもし?」

『よかった……。サクラは無事だったんだね』

「ん。……私は?」

『落ち着いてきいてくれ。笹川君が襲われてしまったんだ』

 

 なぜ兄が知ってるのかと思い、すぐに返事は出来なかった。兄は私が驚いたと勘違いしたようで話を続けた。

 

『僕は笹川君と毎朝走ってるのを知ってるだろ? いつもの時間になっても笹川君が来なく、様子を見に行けば、襲われた後だったみたいでね……。僕がもう少し早く家を出ていれば……』

 

 肩の力が抜けて椅子にもたれ、「お兄ちゃんが無事でよかった……」と呟く。兄が笹川了平と走りこみをしているのを忘れていた。もし兄も一緒に被害にあっていたと思うと、私は後悔しかしなかっただろう。

 

『僕は頑丈だからね。心配しなくても大丈夫さ。それより、サクラは大丈夫なのかい? 僕が迎えに行くまで沢田君の家にもう少し世話になったほうがいい。僕は笹川君の家族が来るまで病院に居るべきだと思うからね』

「お兄ちゃんも病院で居た方がいいよ。私は外に出るつもりはないから安心して」

『わかったよ。ならば、僕は笹川君の怪我が治るように願いを込めて踊ることにするよ!』

 

 なぜ踊るのだ。謎である。ツッコミを入れるべきなのかもわからない。

 

『心配しなくてもいい。オヤジから学んだ、由緒正しい神に捧げる神秘的な踊りさ』

「……魔方陣を描くつもりか!」

『さすが、サクラだ! よくわかったね!』

 

 恐らく兄は電話越しであの独特なポーズをとってるのだろう。もう少しヒントを出せ。わかりにくくてツッコミが遅れてしまったではないか。しかし、兄のバカな――変態な行動のおかげでいつもの調子に戻った気がする。ただ、喜んでいいのかわからない。何とも微妙である。

 

『そうだった! 念のために伝えておくよ。黒曜中の学生には気をつけたまえ』

「え……?」

『犯人が去っていくところを見たのだよ。追いかけても良かったのだが、笹川君を置いていくことは出来なくてね』

「……それ、誰かに言った?」

『雲雀君に教えたよ』

 

 兄の言葉に固まる。原作より早く雲雀恭弥は正体を突き止めたかもしれない。

 

『サクラ? どうかしたのかい?』

「なんでもない。お兄ちゃんは病院で大人しくいるように」

 

 兄が余計なことをしないようにと念を押して電話を切り、リボーンを見た。

 

「どうしたんだ?」

「……雲雀恭弥と連絡が取れるか?」

「ちょっと待ってろ」

 

 電話が繋がらない姿を見て焦る。もう遅かったかもしれない……。

 

「次は、何があるんだ? そのヒバリっていう奴がどうにかなるのか?」

「雲雀恭弥は花見の時に桜クラ病にかかった。それのせいで一方的にやられるんだ」

「……ヒバリは桜クラ病になんてかかってねーぞ?」

 

 電話をかけながら話を聞いていたようでリボーンが言った。しかし、ちゃんと伝わってなかったようだ。

 

「3月31日の花見の時に雲雀恭弥に殴られたDrシャマルが、トライデント・モスキートを発動させただろ」

「……してねーぞ」

「ごめん! 教科書が見つからなくて遅くなっちゃった!!」

 

 沈黙が流れた。空気を読まずに戻ってきた沢田綱吉の言葉のせいではない。沢田綱吉が入ってきた瞬間にレオンの尻尾が切れたからだった――。

 




き、期待しないでください……(逃

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。