あなたが手を引いてくれるなら。   作:コンブ伯爵

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※今回は作者の確認用も含めたキャラ紹介回となっております。
※この回を飛ばしても本編はお楽しみいただけますが、本編では恐らく明かされないであろう裏話も盛り込んであるので見てもらいたいと思っています。

※よろしければ、お付き合い下さいませ。



閑話 キャラ設定・第七鎮守府編

ㅤ主人公・ヒロイン

 

 

ㅤ“君の手を引いてやる”・鞍馬 翔

 

 第七鎮守府の提督。

 

 “翔”は“しょう”ではなく“かける”と読む。

 

 うどんよりそば派、コーヒーより紅茶派。お気に入りは“レプトン”のレモンティーと“午前の紅茶”のミルクティー。

 父親から言われて幼稚園から勉強させられていたため、軍学校では頭はかなり良い。

 口癖の『日本男児として〜』は父親から由来する。

 

 ちなみに運動神経もかなり良いのだが、生まれつき極度の貧血持ちで風呂は三分しか浸かることが出来ず、また炎天下では日傘が必須アイテム。海に来てもパラソルの下で寝るしか出来ない。

 故にスタミナが絶望的に低く、腕相撲など単純な力比べでは女子にも劣る。

 

 好きな人のタイプはあまりない。ある程度美人で性格が良い女であればまあ良いだろうと思っている。

 しかし中学生の頃から電という超絶美人かつ性格の合う娘と出会ったためそこらの人間に恋愛感情は持てないようだ。

 ついでに理性は鋼などとは比べ物にならない程に硬く、電と毎日寝ているくせに何も起こさないし、学生時代の混浴露天風呂でも何も起こさなかった(昔話参照)。最近翔自身、貧血体質が原因の“不全”ではないかと怖くなってきている。

 

 電とは絶対的な信頼関係を築いていて、翔曰く『掛け声無しで背中合わせキャッチボールが出来るレベル』とのこと。

 

 中学生時代、ある鎮守府に迷い込んだ所を電に助けてもらうのだが、その出会いによって艦娘と人間の女子の区別が曖昧になり、艦娘を恐れ、酷い扱いをする日本人に疑念を持つようになる。

ㅤこの電とはお出かけの帰りに深海棲艦の襲撃に遭うのだが、翔を庇って砲撃を受けてしまう。砲撃跡地に落ちていたピンバッジをネックレスにして、今でも大切に想っている。

 軍学校で電と再会するのだが、艦娘と人間の溝への疑念が後に日本を変えるという野望へと変わり、ある件をきっかけに電と共に知識を蓄えわずか19歳にして提督の道を進むこととなる。

 

 両親は深海棲艦の襲撃によって亡くした。ちなみに父親は海軍に勤めていて、一度防衛艦にて航海中、深海棲艦に襲われたことがある。

 奇跡的に振り切ったものの、その時深海棲艦が人型であることを確認しそれ以来深海棲艦との接触に関する研究に移ったが、奇しくも深海棲艦からの襲撃で最期を迎えてしまった。

 

 母親は面倒見がよく、電が艦娘ということを知らずに家に入れていたが、艦娘だと知って驚きはしたものの息子に免じて受け入れるようになった。

 得意料理は低予算低カロリーの豆腐ハンバーグ。なかなかレベルの高い主婦だった。

 

 

 

 

 “あなたの手を頼りに”・電

 

 コタツより火鉢派、マクドよりマック派。

 

 俗に言う“ドロップ艦”として第七鎮守府に来たが、軍学校に飛ばされて難を逃れた。

 生まれつき(?)目がものすごく悪く、艤装を出していない状態では光の強弱程度しか分からない。

 これが原因で軍学校の訓練で最悪の成績を叩き出し落ち込んでいる所を翔に慰めてもらい、色々あって二人で日本を変えるという野望を持つこととなる。

 

 視覚が鈍いからか、野生動物から妙に懐かれる。トンビを頭に乗っけて遊んでいたら、翔から怒られたなんてエピソードも。

 

ㅤ翔とは絶対的な信頼関係を築いていて、電曰く『私の目なのです。』とのこと。

 

 武装は天龍から譲り受けた黒い刀。砲撃が当たらないなら振れば当たる武器を使えば...という天龍の言葉を聞いて、ダメ元で入学後初めての演習に持っていった結果最も多くの艦娘を倒し、MVPを授与される。

 

 ちなみにこの刀はものすごく軽い。電は身長が低いため両手持ちで安定させているが、砲や魚雷を積まない...

 いや、積めないので戦う時はこの1本に頼ることとなる。

 しかしあまりの兵装の軽さに高速移動が可能、その速さは島風を余裕で追い越し、重い砲の照準は追いつかない。

 また異常なまでに切れ味が良く、そこらの鋼程度の金属なら余裕で切れる。

 ちなみに一度翔が誕生日(?)祝いに刀の鞘を作ってくれたのだが、納刀すると真っ二つになったという逸話も。

 

 

 ...あと、こんにゃくは切れる。

 

 

 

 

 在りし日の電

 

 昔家の近くにあった鎮守府に翔が迷い込んだ時、外まで案内してくれた艦娘。

 その一件以来仲良くなり、家にも呼んで遊んだり両親に車で色んな所につれていってもらったりしていたが、深海棲艦の襲撃から翔を庇って砲撃を受ける。

 

 艦娘にはダメージの大半(約9割以上と言われているが、諸説あるらしい)を服に転移させ、一撃で轟沈しない加護がついているのだがその恩恵を受けられるのは海上だけ。

 

 陸地(生身)で砲撃を受けた彼女は────。

 

 後に翔は“二人目”の電と出会うが、この事件含む前世(?)の出来事はまったく記憶に無いらしい。

 

 

 

 

 第七鎮守府メンバー

 

 “貴方の不幸は私の所為”・山城

 

 犬と猫では猫派。クーラーより扇風機派。

 

 『不幸だわ...』と『姉さま...』が口癖の戦艦。

 使う爪楊枝はポキポキと折れ、出すシャワーはいつも激アツか冷水、拾うどんぐりからは全てあの虫が出てくると言ったようにものすごく運が悪く、その度に『不幸だわ...』と嘆いている。

 しかし、どんな不幸があって絶望的な状況に陥っても、姉さまに逢うために...とひたむきに前を向き続ける姉妹愛に溢れた...いや、まみれた艦娘。

 

 前任からは無駄に資材を消費するということであまり出撃することは無く、あっても弾除けに使われていた。

 

 それを知った山城は艦娘同士で結託し、反乱を起こそうと暗殺訓練に励んでいたのだが、幸か不幸か前任は逮捕されてしまった。

 

 第七鎮守府から提督がいなくなり大本営鎮守府へ異動しないかという話を受けたが、(本人は気づいていないが)まだどこか人間を信じたい思いがあった山城はその時やつれていた摩耶の看病をする、という建前で第七鎮守府に滞在。

 そして翔がやってきた。

 

 暗殺訓練によるものか、三次元把握能力に長けていて砲撃命中率が他の戦艦よりも少し冴えている。特技は投擲。地味かもしれないが、コントロールはかなり良い。

 

 

ㅤ砲撃もこのくらい当たればいいのに...不幸だわ...

 

 

 

 

 “背中は任せろってんだ!”・摩耶

 

 コーヒーは砂糖も牛乳も入れちゃう派、パンよりご飯派。

 

 一人称は『アタシ』、竹を割ったような性格の重巡洋艦。

 提督のような上司やら格上相手でも怯まない堂々とした立ち振る舞いを見せるが、心から信頼出来る相手にはある程度の敬意は見せるらしい。そこ、貴重なデレとか言わない。

 前任がいた頃は対空の要としてずっと出撃させられていたが、ある防空駆逐艦が編入したことにより用済み扱いを受ける。

 そのとき中破していたのだが資材を使うという理由で入渠させてもらえず、翔が着任するまで放置されていた。

 

 大本営への異動は用済み扱いを受けた記憶から人間に対して反感を持ち、二度と人間と関わらずに生きたいと誘いを断る。

 

 翔の着任当時、左足はほとんど動かすことが出来ないほどに傷が化膿して半ば壊死を起こしていたのだが、化膿の臭いでみんなに迷惑を掛けていたのと自らの正義感から鉄パイプを杖代わりに、鎮守府の警備をしていた。

ㅤもちろん山城たちは迷惑になど思っているわけ無く、むしろ安静にするべきだと説得を試みたが失敗。

 

 その怪我は翔着任後、入渠すると驚くほど綺麗に治った。

 

 前述の通り正義感が強く、また駆逐艦の面倒見が良い。遊ぼー遊ぼーと誘われたら『しょーがねーなぁ。』と、渋々楽しそう(?)に連れていくその姿は龍田曰く必見とのこと。

 駆逐艦たちからは『頼れるおねーさん』として見られているようだ。

 

 ちなみに身だしなみにはかなり気をつかっていて、彼女曰く『格好ついてないと堂々と出来ない』(顔を赤らめながら)とのこと。

 

 

 ...男勝りな性格だが、一人の乙女である。

 

 

 

 

 “うふふふふ”・龍田

 

 アイスクリームよりソフトクリーム派、ベッドより布団派。

 

 いつもニコニコと笑顔を浮かべている軽巡洋艦。

 嬉しいときはもちろん、好意、警戒心、殺意、疑問、怒り、全てを笑顔で表現する器用な娘。

 

 前任がいた頃の情報をみんなに聞いて回ったが、誰ひとりとして口を開くものはいなかった。

 ...それなりに抱えているのかもしれない。

 初めて出会ったときは常に薙刀の刃を翔に向けていたが、最近は薙刀自体しまって接している。

 前任の影響で人間...特に男を極端に嫌う龍田だが、翔に対してはかなり心を開いているようだ。

 また、本当に信頼出来る者は“さん”付けで呼ぶのが癖。雷はかなり前から知っていたらしい。

 

 ちなみに彼女は摩耶よりも駆逐艦の世話が得意で、なんでも前任の頃から面倒を見ていたそうで...

 

 

 彼女に関してはまだ謎が多い。本編を待たれよ。

 

 

 

 

 “おいしそう...って違います!”・春雨

 

 炭酸より乳酸菌飲料派、猫より兎派。

 

 光に当てると微かにピンクに見える、綺麗な白髪をもつ駆逐艦。

 “〜、はい。”を口癖としている。

  

 第七鎮守府に来て半年で司令官が逮捕され、練度が低くあまり虐待はされなかったものの、傷だらけで帰ってくる仲間を見て“司令官”という存在にトラウマを持っていた。

 しかし半ば無理矢理翔から買い物に連れていかれ、アイスという食べ物をもらってからというものの翔にはかなり懐いている。食べ物の力は恐ろしい。

 

 かなり気弱な性格で、常に誰かと居ないと寂しくなってしまう。提督不在期は雷と常に一緒に過ごしていた。

 大本営への誘いは知らない艦娘と触れ合うのが怖く、知っている艦娘同士で暮らしたいということで断った。

 

ㅤ第七鎮守府で初めて“外出”した艦娘だが、その楽しさを伝えたいと外出許可を提案する。

ㅤ対して翔はもう少し資金に余裕が出来たら、休日にみんなで出掛けたいと思っているらしい。

 

 最近の彼女の楽しみは、翔がたまに買ってくるコンビニスイーツを電と半分こにして食べること。お気に入りは“クリームたっぷりロールケーキ”。あのクリームの控えめな甘さが春雨の心を射止めたようだ。

 

 

 

 

 “私がいるじゃない!”・雷

 

 抱っこよりおんぶ派、ポテチよりチップスター派。

 

 電と瓜二つの、元気で子どもらしい駆逐艦。

 

 翔に一番に懐き、何かある毎に頼ってくれと声を掛けてくる。

 前任はうるさいと切り捨て、不要な艦娘を集めたいわゆる“倉庫”に閉じ込めていた。

 何ヶ月だか何年だか経って春雨という同じ駆逐艦と出会い、気弱な春雨を雷は励まし、二人は姉妹と言えるほどにとても仲良くなった。

 大本営からの勧誘は、寂しがり屋の春雨を見捨てるわけにはいかないと言って拒否。“親友”とはまさにこの二人を表すのだろう。

 

 電と再会してから二人で行動する機会が多くなった...かと思えば、電は翔とべったりなので結局春雨とよく一緒にいる所を見かける。

 

ㅤちなみに雷がどうにでも出来ないような大問題にも“私に頼ってもいいのよ?”と声をかけてくる。頼れる龍田に憧れて声をかける彼女はいわゆる“ありがた迷惑”な娘かもしれないが、パタパタと駆け回っては無理にでも人助けしようとする彼女の微笑ましい努力は、確実にみんなの支えとなっている。

 




後書き・作者

「ここまで読んでいただいた読者の皆様、ありがとうございます。作者のコンブ伯爵です。

今回は『閑話』という形でお送りしましたが、いかがでしょうか。
これを読んで翔くんや電ちゃん、第七鎮守府のみんなに対する印象が変わったと思います。

今まで『書き貯め無し』でお送りしてきましたが、今回はメモの内容をうまく繋げて書いたので前回からほとんど間を開けずに投稿できました。
もちろん、本編の次話はまだまだ執筆中です。

リアルの方はまだ少し余裕がありますが、忙しくなっても勉強合間の休みに執筆を進めたいと思っています。
絶対に失踪だけはしないので、どうか気長に待っていただけると嬉しいです。」

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