その道の先は幻想郷   作:ソラ2000

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暑いです。物凄く暑いです。勘弁して欲しい……
そんなわけで2話が始まります。遂にあの子の登場ですよ!!


2話 俺も能力が欲しい

「これは……予想以上にひどいな……」

 

「仕方ないでしょ。誰もお賽銭入れてくれないんだから。」

 

そう、俺は昼食を作ろうとしていた訳だが、材料が何も無かった。元の世界では「博麗の巫女は貧乏」というおきまりのネタがあったが、いくら何でもこれはひどすぎる。ただの二次創作ネタだと思っていたのに……一体全体この巫女はどうやって生きているんだ。

 

「なぁ、霊夢。お前いっつもどうやって生活してんだ?」

 

「え?どうやってって……いつも縁側に座ってお茶を飲んでるんだけど?」

 

「違う、そうじゃない!!お前いつも何食って生きてるんだ!?何で食料が何も無いんだよ!!」

 

「だからさっきも言ったじゃない。お賽銭が私の収入なんだから。食料ならそこにあるじゃない。」

 

そう言って霊夢は戸棚を指差した。

だがそこにあったのはもやしだ。

 

「お前まさかとは思うが……もやしで生きてんのか?」

 

「ええ、そうよ……おかげで私は常に空腹状態よ。異変でも起こればお賽銭が入ってくるんだけどね〜」

 

この巫女は呑気だ。異変でも……か。ここで俺は気になることがあったので聞いてみた。

 

「なぁ、霊夢が言ってる異変ってのは何だ?」

 

「ああ、そうねぇ……なんて説明したらいいかしら。まぁ、幻想郷を巻き込む大きな事件ってところかしらね」

 

「なるほどねぇ。例えばどんな異変があったんだ?」

 

「うーん。私は知らないけど妖怪同士で争った吸血鬼異変ってのがあったらしいわ。まぁ紫の言ってたことだし本当かどうかは知らないけど。ちなみに私はまだ異変を解決したことがないわ……」

 

衝撃の事実だった。俺の記憶が正しければ吸血鬼異変は紅霧異変よりも前に起こった異変だ。そして霊夢は()()()()()()()()()()()と言った。それは紅霧異変の時にスペルカードルールが制定された筈だから今はまだスペルカードルールが無いということを意味している。

 

「そうなのか。とりあえずお腹も減ったし食料を買いに行きたいんだが、コンビニ的な店は無いのか?」

 

「こんびに?ってのが何かわからないけど食料なら人里に--------」

 

その時上から、

 

「おーい霊夢ー!!遊びに来たぜー!」

 

「『遊びに』じゃなくて『邪魔しに』来たんでしょ。」

 

「そんなこと言うなよ〜可愛い魔理沙ちゃん泣いちゃうぞ〜?」

 

「勝手に泣いてなさい。」

 

「霊夢が虐めるよー」

 

そんなことを言いながら俺に寄ってきた。やっぱりそうだ。この子はもう1人の主人公……霧雨魔理沙だ。(ヒャッホーイ!!嘘泣きしてても可愛いぞ!)

 

「お前今変なこと考えてただろ?」

 

「なっ、何のことかな〜(すっとぼけ)」

 

「まあいいや。お前が霊夢と同棲中の……ええっと……」

 

「ああ不知火 湧だ。湧で構わない。」

 

「そうかそうか。よろしくなっ!湧!私は普通の魔法使い、霧雨魔理沙だぜ!魔理沙で呼んでくれていい。」

 

「おう、よろしくな。魔理沙。」

 

そう言い終わると魔理沙は俺の元から離れて霊夢に詰め寄った。

もうちょっと居てくれても良かったんだけどなぁ……

 

「ねぇ魔理沙?私と湧が同棲ってどういうこと?(ピキピキ)」

 

うわぁ、青筋が立ってるよ……どうすんだよこれ。

だがそんなことも知らぬ顔で魔理沙が続ける。

 

「今朝、文の新聞に書いてあったぞ?まぁ文のことだから半信半疑で来てみたんだが、今回ばかりは本当らしいな(笑)」

 

「ちょっと天狗の所に行ってくる。」

 

「よし、俺も行こう。」

 

「あんたはここで待ってなさい。能力も持たない人間が言ったところで死ぬだけよ。」

 

「俺にだって能力はあるんじゃないか?」

 

というより能力持ちであってほしいというより願望だが。

 

「あんたに能力?外界人が持ってたらおかしいでしょ。」

 

「なぁ、ずっと気になってたんだがその外界人ってのは何なんだ?」

 

「ああそれはね、あんたみたいに幻想郷の外から来た人のことを外界人って呼ぶのよ。」

 

ここで疑問が生じた。俺の持ってる知識では外「来」人の筈だ。

まぁ全く同じ訳ではないか。

 

「どうして外「界」人なんだ?外から来たなら外「来」人じゃないのか?」

 

「幻想郷から見て外の世「界」にいる「人」間だからよ。まぁ他にも異界人って呼び方もあるけどそれじゃあまどろっこしくってね。まぁそういうことよ。」

 

「なるほどな〜だいたいわかった。ありがと。それにしてもやっぱり俺には能力なんて無かったか……。」

 

一人落ち込んでいると、

 

「あら?湧は立派な能力を持ってるわよ?」

 

何処からともなく紫がスキマから出て来た。

この胡散臭い妖怪が本当の事を言ってるとは思えないが……。

 

「へぇ〜あんたが能力をねぇ……。紫の言うことだから怪しいけど。

そんなことより紫、あんた文の居場所知らない?ちょっと用事があるんだけど。」

 

「さぁ?私も詳しくは--------」

 

「知 ら な い ?」

 

「はぁ、人里で見たわよ。今頃新聞の購読者が増えてウキウキしてるわよ。」

 

「ありがと紫!文ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

今日の晩御飯は焼き鳥かもしれない。ただ今はそんなことどうでも良い。俺にも能力があったと言う事実。これが真実なら俺はどんな能力を持っているのだろうか。

 

「なぁ、紫さんよ。俺に能力はあるって言ってたがその能力ってなんだ?」

 

「フフッ、気になる?気になるわよねぇ?そんなあなたの能力は!ジャジャーン!!」

 

そう言ってテロップを出してくる。一体いつ用意したんだろうか。

そしてそのテロップにはこう書かれていた。

 

【なんでもわかす程度の能力】

 

「……は?なにそれ、わかすってなんだよ。」

 

「さぁ?水とか沸かせれるんじゃない?」

 

えー弱そう。ていうか使い道なくね?水でも沸騰させて妖怪に掛けたら良いってか。効くわけないだろJk。もうちょっと実用性のある能力が良かったんだけどなぁ……そんな事を考えていると、

 

「なんだそれ、紫の言う通り熱湯作るしか意味なさそうだな……」

 

「でも元の世界じゃそんな能力なんぞ持ってなかった気がするが。

どう言う事だ紫さんよ。」

 

「あなた、幻想郷(ここ)にくるときの事覚えてるかしら?。」

 

「ああ、なんか変な道を通った覚えがあるが、それがどうした?」

 

「実はその道が関係してるのよ。あの道は私が作った道。そしてその道を通った者はなにかしらの能力が付随される。その道を通ったからこそあなたに能力が発現したのよ。」

 

「へぇ〜流石は幻想郷の賢者。なんでも出来るんだな。」

 

「どんな能力が発現するかまでは操れませんわ。それだけは通った者によりますもの。」

 

「なぁ紫、私はそんな道を通った覚えがないぜ?」

 

「あなたは幻想郷の住民でしょ。」

 

「まぁそうだけどさ〜」

 

グウゥゥゥゥゥ--------

 

俺の腹が耐えきれなくなったらしい。今まで聞いたことがないほどの悲鳴を上げている。

 

「ああ、まだ飯食ってないこと忘れてたわ。なぁ魔理沙、食料って何処で買えるんだ?ちょっと材料買ってくるから。」

 

「八百屋なら人里にあるが、湧1人で行くのか?もしそうならやめていた方がいい。なんせこの神社と人里の間の道には妖怪が潜んでるからな。」

 

「あなた、昨日妖怪に殺されかけたばかりじゃない。戦えるわけじゃないのですから魔理沙に頼んではいかがかしら?」

 

確かにそうかもしれないと思ったが俺が個人的に人里に行きたいという思いが強い。もしかしたらけーね先生とかに会えるかもしれないからな。あのふくよかな胸を拝めるかも……

だからこうした。

 

「じゃあ魔理沙、俺について来てくれないか?護衛的な意味で。」

 

「護衛か〜いいぜ!私が連れてってやるよ!!」

 

こうして俺と魔理沙は食料の調達に出掛けたのだった------------

 

 

 

 

 

 

 

 

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魔理沙と俺が神社を出た後、霊夢が帰ってきたらしい。

 

「ねぇ、紫〜あの外界人がどこに行ったかしらない?また1人でほっつき歩いてるんじゃないでしょうね!」

 

「その点に関しては大丈夫よ。今頃魔理沙と一緒に人里にいるわ。」

 

「なら良いんだけど。それより……湧の能力って何なの?」

 

「霊夢は聞いてなかったのね。彼の能力は【なんでもわかす程度の能力】よ。一応調整とかも出来ますわよ。」

 

「なによその能力!!これで私が薪を割らなくて済むわね!!」

 

「はぁ……霊夢はそのめんどくさがりが無くなれば可愛いのに。」

 

「うっさいわねー少しでも楽出来るなら私はそっちを選ぶだけよ。」

 

「どこで間違ったのかしら……」

 

一人、頭を抱える八雲 紫であった------------

 

 

 

 

 




ということで魔理沙の登場です。
外界人についてはこの話で解説するつもりでしたが、お判り頂けましたでしょうか。まぁ主人公の知ってる幻想郷とは少し違うという事です。

それでは次回で会いましょう。

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