ロクでなし魔術講師と異能者と超能力者   作:TouA(とーあ)

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暇が出来てハーメルンを開いてみるとお気に入りが500…ん?500超え!?えぇなんで!?えぇ!?

いやほんと有難う御座います。ただ有難う。そして、これからもよろしくお願いします。

ではどうぞ!!




最初のѰ難

 

 

 前任のヒューイ先生が突如失踪した所為で土曜日に振替られた授業の日。

 既に二十五分ほど遅刻しているグレン先生に対してフィーベルを筆頭にクラスではイライラが募っていた。

 

 

「どうしたのかな…先生、最近は遅刻せずに頑張ってたのに」

 

 

 ティンジェルが呟いた言葉は僕も十分に同意出来るものだ。先生が授業に取り組み始めてからは遅刻は無かったに等しいからな。

 

 

「あ、先生ったら、何考えてるんですか!?また遅刻ですよ!?もう……え?」

 

 

 教室の扉が無造作に開かれ、新たに人の気配が現れた。その気配に対してフィーベルは説教をくれてやろうと待ち構えていたのだが、その人物を見るやいなや言葉を失い、立ち尽くした。

 

 

「まずオレ達の正体はテロリストっ!ま〜簡単に言っちゃうと女王陛下にケンカを売る怖ーいお兄さん達ってわけ」

 

「は?」

 

 

 教室に入って来たのはチャライ男とダークコートを着た男。周りを見るに誰一人として彼らに見覚えが無いようだ。勿論、僕も無い。

 

 

「で、ここに入った方法。守衛さんをブッ殺して、厄介な結界をブッ壊して、そんでお邪魔させていただいたのさ。どう?オーケイ?」

 

 

 クラス中のどよめきが強くなる。動揺が伝播し、言い知れぬ恐怖が広まっていく。

 

 

「適当な事言わないでっ!ふざけた態度を取るなら私にも考えがありますよ?」

 

「へぇなになに?教えて」

 

「……っ!貴方達を気絶させて警備官に引き渡します!それが嫌なら早くこの学院から出て行って!」

 

「《ズドン》」

 

 

 フィーベルが魔力を練り始めた直後、チンピラ風の男が唱えた呪文がフィーベルの耳横を駆け抜け、背後の壁を小さなコインの様な穴を空けた。

 

 

「《ズド───」

 

 

 もう一度フィーベルに向かって呪文を唱えようとする男に僕は咄嗟にサイコキネシスを使……えない?

 

 

「──ン》《ズドン》《ズドン》」

 

 

 三線、連続で唱えられた呪文がフィーベルの首と腰と肩を光の線が掠めて走る。

 あまりの貫通力にフィーベルを含めたクラスの全員が男の放った呪文の正体を悟った。

 

 

「軍用魔術の…【ライトニング・ピアス】!?」

 

 

 黒魔である【ライトニング・ピアス】。

 指さした相手を一閃の電光で刺し穿つ、軍用の攻性呪文(アサルト・スペル)だ。見た目は初心者向け魔法の【ショック・ボルト】と大差無いものの威力・弾速・貫通力・射程距離は段違いであり、シンプルな見た目に反して恐るべき殺戮の術である。加えて男は、その魔法を短く切り詰めた一節詠唱の上に連続起動(ラピッド・ファイア)で繰り出した。つまりたった数発の超絶技巧の魔法で彼らが僕等より格上である事が証明されたのだ。

 

 だがそれが問題なのではない。

 

 いの一番の問題は僕が超能力を全く使えない、ということだ。

 冷静に考えてみれば奴等が教室の前に立った時点で心の声がテレパシーとなって聞こえてきた筈であり、事前に消…ゴホン、対処も出来た筈だ。超能力者ということがバレる事をお構いなしに対処しようにもその肝心な能力が使えないのであれば意味がない。

 今になって奴等だけではなくクラスメイトの心の声が誰一人として聞こえない事に気付く。だが聞くまでもなくクラスメイトの心は恐怖一色ではあるが。

 

 

「こんなかでさ、ルミアちゃんって女の子いるかな?いたら手を挙げてー?もしくは知ってる人教えてー?」

 

 

 しん、とクラスが静まり返る。

 やはり奴等の狙いはルミア=ティンジェルだったのだ。いやこの呼び方は正しくないな。

 

 エルミアナ=イェル=ケル=アルザーノ。

 

 つまり彼女は王家の人間だ。そして僕と同じく特異な力を持っている。そのどちらかを、あるいはその両方を利用する為に学院にテロを起こしに来たのだろう。

 しかしなぜ彼女がこの学院に在籍し、且つフィーベルと共に暮らし、名を偽っているかまでは知らない。超えてはいけないラインであることが感覚で分かっていたからだ。超能力が使えない今では知る事も出来ないが。

 

 

「あ、貴方達、ルミアって子をどうする気なの?」

 

「ん?」

 

 

 再び突っかかってきた少女を見て、チンピラ男は面白そうに笑う。今になって超能力が使えないことを疎ましく思うとは、使えたら今すぐにでも学院のシミにしてやるのに。

 

 

「お前、ルミアちゃんを知ってるの?それともお前がルミアちゃんなの?」

 

「私の質問に答えなさい!貴方達の目的は一体何!?」

 

「ウゼェよ、お前」

 

 

 今までヘラヘラとした表情から一転、突如、男は蛇の様な冷酷な顔になった。言わずともわかる、アレはマズイ。

 

 

「うん、お前からにすっか」

 

「……え?」

 

「私がルミアです」

 

 

 男がフィーベルの頭に指を向けた瞬間、ティンジェルが席を立ち男の動きを止めた。

 男は興味を失ったと言わんばかりにフィーベルから視線を外し、ティンジェルの前に立った。何度も念じるが一向に超能力が使える気配が無い。

 

 

「うん、知ってた。良かったね〜ルミアちゃんが出てくるか、誰かが教えてくれるまで一人ずつズドンッしちゃうゲームだったんだ。ルミアちゃんファインプレー!!」

 

「外道……ッ!」

 

「遊びはその辺にしておけ…ジン」

 

 

 チンピラ男を(たしな)めるようにダークコートの男が口を開いた。

 ダークコートの男はティンジェルを連れて教室から消えると、チンピラの男は【マジック・ロープ】でクラス全員を縛り上げ、呪文の起動を封じる【スペル・シール】の魔術を掛けて完全に身動きを封じた。今は一般人と同じである僕は魔術を破壊する事も反撃することも出来ない。

 

 

「あっそうだ。君達の担任の講師だっけ?オレの仲間に殺されているだろうから期待しても無駄だよ?」

 

「─────ッ!」

 

 

 チンピラの男は僕らが抱いていた一縷の望みさえ粉々に破壊した。

 僕は先生の()()()()()()()()為、簡単に死ぬような講師ではない事を分かってはいるが、千里眼が使えないから事実確認が出来ない。それに希望を抱くには敵が強大過ぎる。

 

 

「いいねぇいいねぇその顔ッ!キャハハハハ!!あ、そうだお前こっちへ来い」

 

 

 チンピラの男はフィーベルを引っ張り教室から消えた。何をされるか…誰も口にしないが心の中では分かっている。

 

 

─────なぜ僕は…僕はッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 僕はハッと目を覚ました。

 がばっと起き上がり、時刻を確認する。まだ起きるには早い時間だ…いや、そんなことはどうでもいい。

 

─────くっ……。

 

 突如側頭部に襲ったズキッとする痛みに、僕は思わず顔を顰めた。久し振りに起こってしまった超能力の一つであることを認識する。

 

 予知夢。

 

 あれはただの夢では無い。

 夢を見た時、そして頭痛がする時、僕は未来を断片的に視ることが出来た。勿論この能力にも、他の能力と同じように欠点がある。テレパシーのオン・オフが出来ないのと似ていて、この能力は使おうと思って使えるのではない。そして知りたい未来を狙って視ることが出来る訳でもない。予知はある日突然ランダムにこれから起きる出来事を視せてくれるだけの能力だ。

 ちなみに超能力が使えなくなるという予知では無い。夢の中ではいつもああなのだ。あれがもし現実になれば【ロクでなし魔術講師と異能者と頭がピンクの陰キャラ】になってしまう。なんて恐ろしい話だろうか。

 

 そうではなくて、問題は、夢の中で見た『僕のクラスにティンジェル狙いのテロリストがやってくる』ということだ。

 

 僕の夢は百パーセント当たる。近い未来、テロリストがティンジェル狙いで学院を襲ってくる。だが断片しか視えなかったため、その後の展開もグレン先生の安否も分からない。これらの百パーセント起こる事実を踏まえた上で僕が起こせる行動を幾つか挙げてみる。

 

 

 1.事前に元凶を叩く

 

 これはあまりにも危険度が高い。身の危険、ではなく僕の存在がテロリストに晒さられる危険である。平穏無事の生活を送りたい僕にとって一番避けたい展開だ。それに僕だけではなくて両親を危険に晒す可能性があるため必然的に却下だ。

 

 2.成り行きに任せる

 

 僕が目立たない様にするにはこれが一番手っ取り早い。だがそれは先生を、フィーベルを、そしてティンジェルを失う事を黙認するということでもある。僕は……うん、却下だ。先生からはまだ学びたい事が沢山あるからな、うん。

 

 

 冷静になっみると僕はとある事実を思い出した。

 考えてみればあのテロリスト達と関わりのある講師が一人()()()()()()()。その講師は怪しくはあったものの直接何をする訳でもなく、突然()()()()()()頭から外していたが今思えばあの講師が黒幕ではないか。それならばテロリストがティンジェルを捕らえ、学院のどこかへ消えた話も説明がつく。となると…だ。

 

 

 3.手分けして敵を無力化する

 先生が学院に来る前に襲われたという事実を踏まえた上で、そのテロリストを退けたと仮定する。先生は学院に助けに来るだろうが間に合うかは分からない。それならば先生の方に黒幕の処理を任せて僕がテロリストを無力化する。状況に応じて逆にしなければならないが、これが最善策だろう。

 

 

 つまり、グレン=レーダスという魔術師にめっぽう強い男が学院に存在し、ルミア=ティンジェルを守る騎士(ナイト)となっている、という事実を敵組織に認知させる事が出来れば上出来だ。 味方にはこの成果が僕のお陰ではなくグレン=レーダスという元帝国宮廷魔導士団の手に依って成し遂げられたという事実が認知されればオッケー。

 

 

 やることは決まった。

 僕はいつものように支度をして学院へと向かった。

 

 

 

 

 

 × × × × × × × × × × × × × × × × ×

 

 

 

 

 

 やってきましたテロリスト。

 名前は確か…チャラチャラした男がズドンでダークコートの男がレイクだ。ん?違うって?覚え易いからいいだろう。

 ちなみに千里眼で先生の安否を確認したところ余裕綽々で勝っていた。敵はボコボコにされた上に“極小”と書かれた紙を股間に貼られている。グレン先生より社会的に殺された敵に同情するまである。はっきり言って僕よりむごい。

 

 

「じゃあ縛っちゃうよ〜。あ、抵抗した奴ブッ殺すから」

 

(誰か抵抗してくれねぇかなぁ〜面白くねぇなぁ〜!)

 

 

 ちなみにテレパシーを応用して、僕はフィーベルに『敵に従え』という言葉を、ティンジェルには『素直に名乗り出ろ』という言葉を囁いていた。いわゆるサブリミナルだ。

 だからフィーベルは【ライトニング・ピアス】を一発だけ牽制として撃たれただけで終わり、ティンジェルはズドンに名前を挙げられただけで素直に名乗り出て従った。

 

 

「あれ?レイクの兄貴、目隠ししろって言ってたっけ?まぁいいや!テメェら目隠しもつけとけよ〜」

 

 

 目隠しを付けさせることで僕の動きを感知させない。居なくなったとしても誰も分からない。

 ちなみに僕が眼鏡を外し、直接相手を見てしまうと相手を石像に変えてしまう。だが目を瞑っていれば問題ないし対象の人物との間に何かしらの壁があれば目を開いていても問題無い。

 夢で見たようにズドンは目隠しをつけたフィーベルを連れて教室から出て行った。教室にもロックを掛けて僕達を完全に閉じ込めた。敵は去っても教室内は未だに緊張に包まれている。

 

 千里眼を使いフィーベルを捜索。ふむ、どうやら魔術実験室で目隠しプレイを楽しむようだ。

 

 瞬間移動。

 

 僕は魔術実験室の前に瞬間移動し、手を縛っていたロープを引き千切り目隠しを外す。そして二つある()()()()()()()()()()()

 瞬間、二百メートル以内だけであった心の声が一気に世界中へと範囲を広げた。早『おい待てコラァ!』済ま『What happens?』ちょっ『오래간만!』だから『 Wie konnte das passieren?』オイ『做吧!』いや『ハンバァァァァァァグッ!!』…『Why Japanese people!?』えぇい喧しい!最後に至っては日本人だろ!!とっとと済ませるぞ!

 

 変身能力(トランスフォメーション)

 

 読んで字の如く変身である。だがこの能力は完成度は高いものの唯一の欠点として変身までに二時間掛かる。だからこそ制御装置を外して時間を短縮した。

 

 今から僕は“斉木楠雄”ではなく“斉木楠子”だ。見た目は寡黙なショートボブの女の子。意図してなった訳ではないのだが隠れ巨乳である。外していた制御装置を再び着けて扉を開く。

 

 

「だ、誰だお前っ!」

 

 

 誰だチミはってか。そうです僕が斉木楠子です。

 ふざけた自己紹介は置いといて、僕は朝に母さんに持たされたティッシュを取り出した。

 

 

(誰なんだよコイツはっ!学院の生徒らしいが縛った奴にこんな奴居なかった!しかしまぁ…上玉だな。グヘヘッ)

 

(だ、誰!?誰が来たの!?)

 

 

 ネジネジネジネジ、ティッシュを尖端が鋭利になるように捻っていく。目の前の男の(よこしま)な考えは筒抜けなのだが、僕はひたすらティッシュをネジネジする。まだフィーベルは目隠しされている所為で僕の姿を見ていない。

 

 

「無視は酷いなぁ〜オレ泣いちゃうよ?」

 

 

 ネジネジネジネジ。

 

 

「おい返事しろよ……《ズドン》」

 

 

 堪忍の尾が切れたのかお得意の【ライトニング・ピアス】を僕に向かって放つズドン。

 僕は放たれた電光の一閃にネジネジしたティッシュを振るう。バチン、と電気の散る音が実験室に鳴り響き、電閃が弾き飛んだ。

 

 

「……へ?」

 

 

 大層な間抜けヅラを晒すズドン。空いた口が塞がらないのかまるでムンクみたいだ。

 

 

「ズ、《ズドン》!《ズドン》!《ズドン》!!」

 

 

 連続起動(ラピッド・ファイア)で何発も【ライトニング・ピアス】が僕に向かって放たれるが全て弾き飛ばす。ティッシュ一枚で。

 

 

「は、はぁぁぁ!?何なのお前!?それティッシュだろ!?」

 

 

 ティッシュだ。まごうことなき普通のティッシュ。スーパーのくじ引きで当たった残念賞のポケットティッシュ。

 さて遊びも終わりだ。グレン先生と遭遇したら意味がないからな。

 

 

「…へ?あっ」

 

 

 ティッシュをズドンの頬を掠めるように投擲する。

 掠めたティッシュはそのまま背後の壁に突き刺さり、まるで蜘蛛の巣の様に亀裂を入れた。

 

 

「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

 逃がす訳がないだろ?

 四つん這いでガムシャラに逃げようとするズドンを僕は首トンで気絶させる。これで暫くは起きないだろう。まぁ二度と起きれなくさせてあげてもいいのだが。

 

 さてフィーベルに僕が助けた、もといフィーベルにとっての彼女が助けたという事実を認知させなければならないのだが、どうするべきか……目隠しだけでいいな。

 

 

「あ、貴方は一体……」

 

 

 目隠しを外すや否や僕の顔をまじまじと見つめるフィーベル。まぁロープは解く気はないので行動は制限されたままだ。

 グレン先生にここに来る様にサブリミナルを掛けた直後、空間が歪み何十体もの盾や剣を武装している骸骨達が現れた。

 

 サイコキネシス。

 

 扱い辛い超能力の一つだ。精密な動作が難しいので大雑把な扱い方しか出来ない。

 だが今回はそれで十分だ。手を突き出し少し念じる。刹那、骸骨達は壁にめり込んだ。カランカランと武器や盾が虚しく落ちる音が轟く。

 

 

「す、すごい…なんて魔術なの。私には知らない事が多過ぎる」

 

 

 どうやら上手く勘違いしてくれたらしい。まぁサイコキネシスの場合は固有魔術か何かだと適当に誤魔化せるからな。さすがにグレン先生には無理だろうけど。

 そそくさと実験室を後にした僕は千里眼を使いもう一人のテロリストを探す。実験室からは『これも外してよぉ〜!!』と泣き言が聞こえるが無視だ。

 

 

「誰だおまブベラッッッ!!!」

 

 

 千里眼→瞬間移動→サイコキネシス→オブジェクト化。

 壁に大の字にめり込んだレイクはそのまま気絶した。見せ場がなくしてしまい申し訳ないという変な気持ちになるのはどうしてだろうか。

 

 取り敢えず僕がするべき行動は終わらせた。後は先生とフィーベルに任せていいだろう。

 僕は“斉木楠子”から“斉木楠雄”に戻り、瞬間移動でクラスに移動し、目隠しをつけ、自分自身に【マジック・ロープ】を掛ける。そして助けを待っているかのように演じた。

 

 

 こうして最初のѰ難は終わりを迎えたのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 また、いつもの日常が始まった。

 テロリストについては帝国から箝口令が敷かれ、一切の情報を外部に漏らさない様にされた。

 

 黒幕はヒューイ先生。グレン先生の前任者である。

 ズドンもレイクも無事捕まったらしい。レイクに至っては意識を取り戻したらしく、グレン先生と一戦交えたそうだ。

 

 

『ガフッゲホッゲホッ…お、俺と』

 

『マジカルパーンチ!』

 

『キックじゃ、ない…か』

 

 

 どうやら一撃でやられたらしい。なまじいい声だけに活躍の場が無かったのは可哀想である。

 こうしてテロリストによる事件は終息したわけなのだが、少しだけクラスに変化が起きた。

 

 

(あの人は誰なんだろう…はぁ、会いたいなぁ)

 

(あのテロリストはまさか…“ダークユリニオン”!?)

 

 

 フィーベルはどうやら斉木楠子に羨望を抱いたらしい。他には中二病患者が更に病気を拗らせてしまったようだ。この様に変化が生まれた事により、厄介な事実がまた増えてしまったのだ。

 

 

「ルミアちゃんおはよー!」

 

「うん、おはよう!」

 

「「「「「おっふ」」」」」

 

 

 テロリストが強襲する原因となったティンジェルは何事も無かったようにいつも通り明るく皆の天使として笑顔を振り撒いている。

 

 ん?僕がティンジェルを恨んでないかって?

 確かに元凶はティンジェルだ。王家の人間であり、稀な力を持つ異能者。狙われる要素しかない。

 だがティンジェルに罪はない。ティンジェルが裁かれるというのなら、それは超能力を生まれながらに使えた僕は真っ先に裁かれる対象となる。生まれ持った特異な力が忌み嫌われるものであったとしてもその所持者に罪はないのだ。

 

 おっとティンジェルと目が合った。少し見過ぎたか?

 ティンジェルは真逆の位置にいる僕に微笑むとゆっくり口を動かした。

 

 

 

 

 

 

 『あ』『り』『が』『と』『う』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 おっふ。

 

 

 

 





1巻という最初のѰ難が終わりました。いかがでしたか?
ようやくスタートラインに立てました。これからもお楽しみ下さい。

以後謝辞。
『トガビト』さん、『佑ラス』さん、『夜空の剣士』さん、『独者』さん、最高評価ありがとう御座います!!
『≫ケミスト≪』さん、『Million01』さん、『クリアウィング』さん、『41歳のおっさん』さん、『サボテン日光』さん、『味噌太』さん、『kasama』さん、『tui』さん、『ヨッシーー』さん、『トマトボール』さん、『んんん(・∀・)』さん、『くずもち』さん、『アロンアルファZ』さん、『うましか』さん、高評価ありがとう御座います!!

皆さんの評価、感想は僕のやる気に直結してます!これからも応援よろしくお願いします!!


ではまた次回にお会いしましょう!感想、評価お待ちしてます!

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