この素晴らしい王国王女に運命の出会いを!   作:しょうぷー。

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ただの日常回なのになんだこのサブタイトル。
しかし作者の語彙力では今回の話にはこのサブタイトルしか浮かばなかった。
1+1=2と信じるしょうぷー。です。
誤字、脱字などがあればと教えて下さい。


囲いの中の絶望

狭く息苦しいこの空間でただ信じれるのは己のみ。

不完全な密閉空間に閉じ込められた1人の男はある人のために戦い続ける。

この空間に居合わせた者ならば誰もがかみを信じられずその男とこの世の不条理に絶望するしかないだろう。

例えるならばこの空間は脱出する手前で扉の鍵を持ってくるのを忘れたおバカさんとでも言っていいだろう。

そうしてそんなおバカさんは自分だと自分を卑下に卑下を重ねて遂には底を突き破って世界の果てまで辿りついた。

この狭き囲いの中に閉じ込められた彼はただこの状況を嘆く。

 

「紙がなーい!!!!」

 

トイレに閉じ込められた彼はただここにはいない紙を恨むばかりだった。

 

 

上記の文の意味

 

狭く息苦しい(トイレは基本狭いし済ました後は臭いよね)この空間でただ信じれるの己のみ(他に誰を信じるの?)不完全な密閉空間(だって自分で鍵を開けられるし)に閉じ込められた(自分から閉じこもったけど)1人の男はある人のために戦い続ける(アイリスの名誉のためな)

この空間に居合わせた者ならば誰もがかみを信じられず(信じるも何も紙はその場にないけどな)その男とこの世の不条理に絶望するしかないだろう。

例えるならばこの空間は脱出する手前で扉の鍵を持ってくるのを忘れたおバカさんとでも言っていいだろう。

そうしてそんなおバカさんは自分だと自分を卑下に卑下を重ねて遂には底を突き破って世界の果てまで辿りついた。

この狭き囲いの中に閉じ込められた彼はただこの状況を嘆く。

 

 

 

 

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彼は健全な男子だ。大きい方もするし小さい方もする。ここ最近は若いお姉さんに興味が出て来たぐらい健全な男子だ。そんな彼がトイレに紙がない事に気付いてから既に10分は経とうとしていた。

 

「…どうする、このまま助けを呼ぶか?でもそれだと今までクールキャラで通してきた努力が全て水の泡だ。

じゃあいちかバチかで『テレポート』を使って森とかに行くことにかけるか、それこそダメだろ!失敗した時のリスクがでかすぎる」

 

彼は一体誰に対しクールキャラで通してきたのか気になることではあるが彼は非常にテンパって自分でもよく分かっていなさそうだ。

そして彼にはタイムリミットが存在する。それはあと1時間もしないうちにやってくるだろう。まさかこんな事になるとは思わずアイリスに『料理スキル』を使って昼ご飯をご馳走すると言ってしまった。もしこのまま彼が無理やりこの囲いから出てしまえば彼は文字通り汚れてしまった手で彼女に料理を振舞わなければいけない。しかしこのまま彼がトイレにこもりぱなしになってしまうとアイリスからの信用が失われ、更に彼を探しに来るものがいるかも知れない。そうなってしまえば彼はトイレに紙を持ってこなかったアホだと王国中に広まってしまう。

そんな時に限って運命は残酷である。それは、彼がトイレにこもってから15分を過ぎようとしていた時。

トイレの小さい方をしている騎士の2人組の会話が彼を更にどん底に突き落とした。

 

「なぁ、知ってるか?アイリス様がリオン様に料理を振舞ってもらうらしくて、それに喜んだアイリス様がご自身の大好物のグレプリンを断ったらしいぞ」

「本当かよ、あのアイリス様がグレプリンを我慢したのか、グレプリンを我慢出来るほどリオン様の料理が楽しみなんだろうな、くぅ〜俺も食ってみたいな」

 

作ってあげるから紙を持ってきて!

 

彼はそう叫びたい気持ちをぐっとこらえて改めて事の重大差を再確認した。アイリスのグレプリン好きは城に入る者ならば誰もが知っておりアイリスはそれを昼食後のデザートとして週に一度は食べている。一度手違いでグレプリンが入手できず、アイリスにその事を伝えると、周りの者を気遣い、気にしない素振りを見せたがその背中からは哀愁が漂っていた。それからというもの必ずグレプリンは用意するようにと城の料理人達にはきつく言われている。もちろんアイリスは知らないが。

そんなグレプリン好きな彼女がそれを我慢してまでも彼の料理を楽しみにしているのだ。

彼はそのプレッシャーを糧にして1つの案を生み出した。

『ゴーレム錬成』

非常に使い勝手がよく低コストで唱えれるその魔法を彼は特に気に入っていた。『ゴーレム錬成』は冒険者になり始めたばかりの新人の魔法使いでも唱えれる初級魔法だ。

しかし新人の魔法使いが作ったゴーレムだと3秒も持たずに土に還るだろう。ゴーレムとは作った後に何回も魔法をかけるのだ。つまり作った後にゴーレムの力を上げるために

支援魔法の『パワード』をかけたりして自分のゴーレムを作っていく。そしてその作ったゴーレムを登録しておけば次から登録されたゴーレムが『ゴーレム錬成』で一発で作れる。

 

彼のゴーレムは世界最強である。1時間以上をかけて支援魔法をかけまくったそれは強度も力も速さも全てにおいて世界最強である。しかしそんな世界最強のゴーレムでも人間が作り出したものだ、弱点はある。それはゴーレムを強くする者が誰しもがぶつかってしまう壁である。

ゴーレムは支援魔法をかけてしまえばしまう程大きくなってしまう。彼のゴーレムは世界最強なのでもちろん世界1でかい。だから彼はゴーレムを一から作らなければいけない。最低限の支援魔法と『リンク』という魔法をトイレの中で唱えた。

『リンク』それは、視界共有魔法である。その名の通り、対象者や対象物と視覚を共有する魔法である。

彼はそれを使いゴーレムにトイレットペーパーを持ってこさせようとしていた。

 

「ゴーレム、お前に決めた!」 「ンゴー!」

 

どこかで聞いた事があるようなセリフを吐きそのままゴーレムはトイレットペーパーがあると思われる用務室に向かった。

 

「こちらリオン、ゴーレムさん応答どうぞ」

「ンゴー」

 

こんな事をしても意味がないのだが雰囲気作りである。

 

『リンク』を使い続けとるとものすごく酔う。それはめっちゃくちゃ酔いやすい奴がバスの中の後ろの方で5時間止まらず進み続けている時ぐらい酔う。

 

「オロロロロロロロロロ、ふぅ。こんな魔法なら使うんじゃなかっ!?オロロロロロロロロロロロロロ」

 

彼もそれに漏れずめっちゃくちゃ酔っていて。酔いすぎて目の前がグルグルしていき遂にはもどしてしまった。

 

彼は物凄く酔いやすい体質である。転生する前は特に車酔いが酷く、どこかに出かける時は必ず酔い止めを持っていないといけなかった。小学校の修学旅行の時は泣く泣く辞退していたというほどの車酔いが酔いがひどい。

そんな彼だが、「この世界なら俺にできないことはない!」という謎の自信を持ち挑んだのが案の定先ほどのような状態になってしまい「トイレに入れてよかった」と本末転倒な事態を呼び込んでいた。

 

彼がトイレにこもってから30分、アイリスとの約束を踏まえるともう、1つの油断も許されない状況である。

 

「ンゴー」

そうしてやっと用務室まで辿りついたゴーレム隊員。このゴーレムが受けている命令はただ1つ。用務室からトイレットペーパーを持ってこい。その隊長の言葉を頭に入れトイレから1番近い用務室までやってきた。

しかしここで事件発生!

なんとこのゴーレム隊員、背が低すぎてドアノブに手が届かないのである。そんな事を知る由もない隊長は現在も吐きに吐きまくっていた。

「ンゴー?」

ゴーレムは基本下された命令を必ず成し遂げようとする。

その間の手段など問わずに。

ゴーレム隊員は自分の手の1つを魔力に戻しそれをもとに1つの魔法を唱えた。

「ンゴー!(ライトオブセイバー!)」

その魔法は紅魔族がカッコいいからと好んで使う魔法である。現れた雷は1つ100万エリスはくだらないドアに一直線に向かっていく。ぶつかった衝撃でドアは粉々に砕け、それだけでは終わらず壁をも破壊しその場所からお庭が見渡せるようになった。ゴーレム隊員は奇跡的に無事だったトイレットペーパーを持ち隊長の元に帰る。

 

余談だが後にぶっ壊されている壁を見てこんな事をするのはあいつしかいないという城の中の満場一致で彼の給料から壁の修理代が差し引かれた。全く身に覚えがない彼はこの悲劇に対し復習を誓った。犯人は彼の作ったゴーレムなのだが…

 

 

 

 

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軽快なバトル音が鳴りそうなその雰囲気に、その場にいる1人の少女と一体のゴーレム。

少女はこの国にいるものなら殆どの者が知っているであろうアイリス王女。

一体のゴーレムはとある世界最強の魔法使いが作り出した作品。

両者見つめ合いながらバトルが始まった。

 

ゴーレム隊員

 

▶︎ライトオブセイバー ▶︎炸裂魔法

 

▶︎見逃す ▶︎逃げる

 

ゴーレム隊員にある選択肢はこの4つしかない。

先ほども述べた通りゴーレムは目的のためなら手段は選べない。それは例えこの国の王女様相手でもだ。

ゴーレム隊員は自分の体の中にトイレットペーパーを埋め込み選択肢の中の『ライトオブセイバー』を選択。

 

「ンゴー!(ライトオブセイバー)』

 

しかしそれは防がれた。

 

「ンゴ!?」

 

「全く、いきなり何だこいつは?アイリス様怪我はありませんか?」

 

防いだ者こそ彼アイリスが信頼している者の1人でありその護衛のクレアだった。

ゴーレムはすぐさまその者の実力を見極めそのまま選択肢の中の逃げるを選び撤退した。

 

「なんだったのでしょうか、あのゴーレムは?」

「どうせあのバカに決まってますよ」

「そんなことは……ないと…思いますけど……」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ゴーレム隊員の体は既に原型を留めていない。

魔法を放つ際に消費する魔力は常に体の一部を犠牲にはなっている。二回も上級魔法を唱えてしまったせいで両手はもう存在しなく、更に最初の扉を破壊した時に起こった爆風でその体はボロボロだ。しかしゴーレム隊員は諦めない。例えその身が朽ちようとも枯れ果ててしまっても隊長の命令を完遂すべくその歩みを止めない。

歩いていくたびに体は崩れ、ゴーレム隊員の歩いていっな たその道はゴーレム隊員の元である土が転がっている。

しかしゴーレム隊員は一歩も止まろうなど考えていない。

そしていよいよゴーレム隊員は目的の達成まであと1歩のところまできた。クレアのせいで遠回りしなくてはいけなくなってしまったがいよいよ辿りついたのだ。

ゴーレム隊員は隊長が入っている個室の扉の前で叫んだ。

「ンゴー!!」

そして隊長が出てきた。

ズボンを履き、まるで何事もなかったかのようにそのまま出てきた。そんな彼の後ろには先ほどまで起動していたと思われるウォッシュレット。

その事で全てを察したゴーレム隊員。

自分は隊長に裏切られた、ゴーレム隊員はそのまま土に帰ろうとした。しかし自分は隊長に裏切られたままでいいのかという考えが浮かんできて最後に最大の復習を実行した。

「おっ?ゴーレム悪いな、ウォッシュレットあるの見逃していてな、っておいゴーレム!何してんだ!?やめろ、バカ!ゴー……

ゴーレム隊員は自分の体の全てを使い人類最強の魔法を唱えた。

「ンゴーー!!!!(エクスプロージョン!)」

途端、ゴーレム隊員は土は消えその魔法だけが残った。

彼は察した。「アイリスごめん、俺そっちにいけないよ…」

トイレは木っ端微塵になり彼はもちろんアイリスに昼食を振る舞うこともなかった。まぁそんな事だろうと思っていたクレアがグレプリンを用意したおかげで事なき事を得たがアイリスはその日、口を聞いてくれなかった。

 

ちなみにトイレの爆発は自分が悪いと思ったので弁償した。

彼の財布は彼の思いとは裏腹に軽くなった。

 

 

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グレプリン

オリジナルの食べ物。グレープとプリンからとった。

グレープはアイリスの頭についてるから好きなのかなと思ったから、プリンは作者が好きだから。今の所はアイリスの頭にグレープはついていません。

 

グレプリン獣

これもオリジナル。名前の通りグレプリンの元のモンスター。グレプリンを作るにはまずグレプリン獣を倒し、そいつの背中からグレプリンの種を引っこ抜きそれを何年もかけて慎重に育てていく。とても手間暇がかけられるものだ。もちろんアイリスもグレプリン獣をリオンに倒してきてもらいグレプリンの種を城の庭に植えて毎日水をやりを行っている。その最中は非常に機嫌が良く鼻歌をしながら

「はやく大きくなってください」と言いながらニコニコしている。そしてそのアイリスを見たものは今日一日平和な

気持ちになれると評判だ。

 

ゴーレム隊員

全長1mぐらいのゴーレム。全体的に丸っこい。太っているのではなくそういう風にデザインされた。隊長の命令ならば命に代えても守る。

「ンゴー!」

 

 

 

 

 




今回はオチらしいオチができたのではないでしょうか?

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