ヒロインの一人にTS転生したので主人公を他のヒロイン達に押し付けたら……   作:メガネ愛好者

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 どうも、メガネ愛好者です。

 今回はちょっとした捕捉回です。所謂箸休め回ですかね?
 また、アンケートに協力してくださった方に感謝を。ご協力ありがとうございました。これで方針も定まりました。
 今後の展開に賛否両論と別れるでしょうが、こういう作品なんだなぁ程度の認識で読んで頂けると幸いです。ぶっちゃけ私の趣味の塊のような作品ですからね。



人物紹介・現状補足(1)

 

 第四話時点の状況

 

 

 ・登場人物紹介・

 

 

 名前:ロア・イーリス

 年齢:11歳

 

 本作の主人公にして、この世界(オルトリンデ)の元となったゲームにおいての第二ヒロイン……に憑依転生した元成人男性。(職業は自宅警備員)

 

 前世ではめんどくさがり屋でいい加減な性格をした怠け者だった。親しい友人はおらず、そもそも人と関わる事自体億劫になっていたせいもあって周囲の人間関係は絶望的。両親も既に先立たれているため孤立無援の生活を送っていた。

 

 転生した理由は不明。死んだ覚えもないし、神様に会った覚えもない。最後に覚えているのは適当に時間を潰した後いつも通りに就寝したところまでであり、次に起きたら赤子となって今生の母シアルに抱かれていた。ワケガワカラナイヨ。

 

 

 転生してからの彼もとい彼女を一言で表すと無愛想の塊。

 彼女の肉親であるシアル以外の者に対して心を開くことはなく、笑顔やらの感情の変化を見せることはほとんどない。

 常に愛想無く振舞っている上、極力人と話そうともしない。そのせいで同年代の子達からは不気味がられている。……それでも彼女は見た目は美少女と言って過言では無い為、一部の男子からそこそこの人気を得ている模様。「あれはあれでアリ。寧ろあれでいい」とのこと。

 

 しかし当人から発せられる近寄りがたい雰囲気により、未だライル以外で仲を深めようとする男子(チャレンジャー)はいない。

 尚、このことにロアは気づいていない様子。寧ろチラチラと向けられる視線に対して全く気付いていない。

 

 

 当初は「異世界転生ヒャッホー!」と言った具合に大喜びしていたが、自分が女性に生まれ変わったこと、その上ギャルゲーのヒロインに転生していることを知ったことでテンションはダダ下がり。

 更には幼少の頃に冒険者から理不尽な暴力を受けたことで当初の喜びは消え失せた。元はゲームでもここは現実だと思い知らされることになったきっかけでもある。

 

 このことをきっかけに前世で一度はなってみたいと憧れていた冒険者に対しては嫌悪感、不快感、そして無意識に恐怖心を抱くようになる。

 開拓者に関しても今生の父が行方不明になった原因(未界探索による行方不明)に繋がるのであまり良い印象は持っていない。そもそもが冒険者を生み出した元凶とも言えるため、寧ろ冒険者よりも印象が悪いまである。

 

 

 今は元男性の意地としてライルから恋心を持たれないよう奮闘しているようだ。

 しかし時間が経つにつれて次第にライルを友達として捉えるようになる。ライルの行動力に根負けしたことで半ば強引に友達になったものの、今では友達としてなら別にいいかと諦めもとい妥協した。

 有り体に言えば"絆された"とも言えるが、当人にその自覚はない。

 

 今のところライルに対して恋愛感情を抱いてはいない。ライルのハーレムに加入する気もない。

 

 そもそもな話、彼女自身ハーレムはそこまで好きではなかったりする。

 例えシステム上にハーレム要素があったとしても、彼女はイベントCGを回収するだけで基本内容はスキップし、意中のキャラを中心とした個別ルートを好んで進めていた。

 それらのこともあり、ハーレムを築く可能性のあるライルに友達以上の好意を向ける気はなかった。あくまでも友達としてなら好ましいと思う程度の認識。

 

 

 そんな彼女だが、前世を含めてライルが初めての友達であるらしい。その為、友達(仮)になった当時は「友達って何をすればいいんだ?」と言った具合に頭を悩めていた。

 

 元々他人とのコミュニケーションが極端なまでに苦手で、改善する努力もめんどくさがってしなかった。何よりも他人に対して臆病な面を持っていたことも相まって、その結果コミュ障になったと思われる。尚、自身に臆病な面があることを自覚していない。

 

 今でこそ日常会話に支障をきたさない程度には改善されたが、それでもまともに受け答え出来るようになるまでにはかなりの時間を要したらしい。ライルのことを無視していたのも、単純に仲を深めたくなかった他「どう言葉にすればいいのかわからなかったから」と言った理由があるぐらいだ。

 

 加えて友達を作ろうとしなかったのも人付き合いに対する苦手意識がそうさせたと思われる。自分の至らなさが原因で相手に不快な思いをさせてしまったらという不安から無意識にも人を避けるようになっていた。

 

 ライルと恋仲になりたくないのも、元男性としての嫌悪感と抵抗感……は最早二の次で、今では「オレみたいな男か女かよくわからん奴なんかよりも違う子、それこそヒロイン達を好きになった方がいいだろ」とライルにより良い相手と添い遂げてもらいたいと本心から願っているゆえ。

 

 別に彼女はライルが嫌いなわけではない。少し苦手ではあるけれど、それでも友達として見るなら好意的である。

 

 

 だが彼女自身、そこまでメンタルが強い方ではない。先程述べた通り、自覚無しの臆病な性格から彼女は割と傷つきやすい。

 その為、ライルを自分から遠ざけようとするためにと口喧嘩したまではよかったが、初めて出来た友人にハッキリと拒絶されたことに予想以上にショックを受けたようだ。

 

 友人に嫌われるという経験自体が初めてのことだったのもあり、その結果不安や後悔、罪悪感を重く受け止めすぎて体調を崩してしまう。しかしロアはそれが体調不良の原因だとは気づいていない様子。

 

 現在は自室に引きこもり中。今は何も考えたくないようだ。

 

 

 相手のことを気にするあまりコミュ障を拗らせ、それが悪化したことでめんどくさがり屋になってしまった彼女。しかしそれも友達が出来た事で隠れていた側面――努力家で他人想いな部分が顔を出すようになるが、果たしてこの先それがどのような結末に繋がることやら……

 

 

 

 

 

 余談だが、転生してからシアルさん譲りの家事スキルを(不服にも)身に着けてしまったことで、ぶっちゃけ彼女のヒロイン力は元男性とは思えないぐらい高くなっている。

 

 特に料理に関しては冒険者適性が自身に無いことが発覚してから始めた”とある作業”の影響と、周囲の環境もあってかなり上達した。現在も上昇傾向にある模様。

 

 更に言えば、この11年の間に着々と精神や考え方が女性よりに変化し始めているのだが……案の定、無自覚である。

 

 

 

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 名前:ライル・ディアファルト

 年齢:10歳

 

 この世界の元となったゲームの主人公。通称『ハーレム系主人公』。

 黒髪黒目の中世的な顔立ち。ゲーム上の設定や本人が言うには「平凡な容姿」らしいが、ロアにしてみれば十分にイケメンの部類に入る。

 

 そもそもギャルゲーは……いや、それに限らず二次創作に登場する大半の主人公は大抵が平凡から美化されイケメンにクラスチェンジされている。故にロアからしてみれば「それで平凡とか異世界レベル高ぇ……」としか思えない。

 また、余談として作中でもロアが言っている通りにその辺りにいる一般市民達も軒並み整った容姿をしている。男子はイケメンに、女子は美少女に、そして大人はとても老いているとは思えない程に若々しい。(そんな中でも周囲にいる同年代の男子諸君の目を惹くほどの美少女認定されているのだから、ロアも人のことを言えないだろう)

 

 

 普段から温厚で滅多に怒らない。一生懸命で根は真面目、多少押しに弱い場面もあるが決めるところはきちんと決める心優しい少年……それが本来の彼だった。しかしロア(転生者)が介入したことでイレギュラーが発生したのか、原作とは多少異なる変化が現れてるようだ。

 

 幼少期時点ではそこまで行動力があった訳でもなく、寧ろオドオドとした気弱な性格だった彼だが、ロアの対応に加えて彼女と友達になりたいという衝動が加速するあまりにアグレッシブな少年へと生まれ変わる。

 

 ロアに対しては強気に出て、積極的に交友を深めに行く。一時期はロアと友達になろうと必死になるあまりに周囲からのアドバイスを一緒くたにしてしまうなどの半暴走状態に陥ってい。がむしゃら通り越してヤケクソだったのかもしれない。その時のライルはロアにとって軽いトラウマのようなものになっている。

 

 多少(?)強引な手を使ってようやくロアと友達になってからはそのアグレッシブさも薄れていき、次第に元の温厚な少年に戻っていった。

 しかしふとしたきっかけで顔を出すことがあるので完全に戻った訳ではないようだ。これに対しロアは彼のことを「ナキメオオカミ(※1)の皮を被ったドレッドシープ(※2)」と評している。

 

 元々は冒険者になることが夢だった彼だが、ロアが冒険者を嫌っていること、何故嫌っているかの理由を知ってからは徐々に憧憬の念が薄れていく。それによって目標としていた冒険者の道を自ら閉ざすことに。

 一方で冒険者に比べればそこまででもなかった開拓者に向ける憧れが次第に強まっていき、結果冒険者への道を閉ざしたと同時に開拓者の道へと歩むことになる。

 

 

 ロアとの別れ際に開拓者になる目標を告げるも、元より開拓者に対してあまりいい印象を持っていなかったロアはこれ幸いと彼に嫌われるため……そして、何より彼が自ら危険な場所に向かわないようにとその目標を全否定。

 

 まさか否定されるとは思っていなかったライルは予想外のことで上手く頭が整理できず、また一時的な別れによる焦りが彼から冷静さを奪う形となってしまう。それが災いし、”ロアに否定された”という事実からどうにか説得しようと猛反発。結果それが大喧嘩に繋がり……

 

 

 現在は王都アウルス(※3)にて父、母、生まてから3年程の妹に加えて祖母の五人で暮らしている。数週間後には王都にある『王都ルーベンシア学校(※4)』に入学するらしい。

 

 

 

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 名前:シアル・イーリス

 年齢:30歳

 

 ロアの母親。未亡人。元冒険者。

 天真爛漫でとにかく明るい性格の持ち主。

 ただ、あまり弱気なところを人前で出さないようにしているせいで、感情を押し殺してしまう癖がついてしまっている。

 

 冒険者時代は結構やんちゃでよく無茶をした。一時の母となった事である程度落ち着きはしたものの、時折かつての片鱗を見せることもある。

 冒険者クラス(※5)は【上位】。得物は槍。主にリーチを生かして敵を翻弄する戦闘スタイルを取っていた。尚、拳闘にも多少の心得がある。

 

 

 当時はゲリックとレイラ、そして旦那であるロイド(※6)ともう一人、男性の魔術師を含めた五人パーティーで活動していた。レイラとは幼馴染。ゲリックとロイド、魔術師の三人は王都の冒険者ギルドで知り合う。

 

 ロイドとは19歳の時に結婚(※7)し、そのままの勢いでロアを授かる。

 

 冒険者をやめてからは生まれ故郷の街——マルタ(※8)で料理店を開く。

 元々料理の腕前はパーティー内でも優れていた方であり、ロイドもある程度腕に覚えがあった。今ではロアもたまに手伝いをしている。

 

 開店した当初はとにかく忙しく、安定するまでに数年の時間を要した。その上ロイドが唐突に未界へと向かい行方をくらましたことで負担が倍増。過労で倒れそうになるまで体を酷使してしまう。

 その度にレイラなどから無理をするなと注意されていたが、大丈夫だと言って働き続けた。

 

 そして数年かけてようやく軌道に乗ったところでロアを連れてゲリック達の元に足を運ぶのだった。

 

 

 

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 名前:ゲリック・ディアファルト

 年齢:32歳

 

 ライルの父親。国に二人しかいない【最上位】の冒険者の内の一人。得物は両手剣。

 とにかく逞しい人。基本的に寡黙ではあるが、全く喋らない訳ではない。

 

 生きる伝説とまで言われるほどの実力者。冒険者で彼を知らないものはまずいないだろう。

 

 身の丈以上の大剣を片手で扱い、そのひと振りで数十もの魔獣を薙ぎ払う。強固な甲殻で覆われた魔獣はその甲殻ごと粉砕し、巨大な魔獣を前にしても怯むことなく文字通り投げ飛ばした。巨人と壮絶な殴り合いを交わし、巨竜を単騎で打ち倒すなどの数々の武勇伝を持っている。

 最早その身体能力は人の域を凌駕しており、仲間内では魔獣よりも魔獣染みていると言われていた。

 

 【戦神】【怪力無双】【不倒の英雄】と呼ばれる彼は、この国の危機を何度も救った偉大な冒険者として今後も語り継がれていくだろう。

 

 

 19の時に当時17だったレイラと結婚。三年後にライルを授かる。

 現在も冒険者活動を続けており、それによってあまり家には帰れていないようだ。それでもレイラとの仲は良く、未だ熱は冷めきっていない。

 

 

 

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 名前:レイラ・ディアファルト

 年齢:30歳

 

 ライルの母親。元冒険者。

 現在は専業主婦兼シアルの料理店でウェイトレスをしている。

 因みに料理の腕は…………少なくとも厨房を任せることは出来ないレベルだとシアルは語る。

 

 冒険者クラスは【上位】。聖術を用いてパーティーの後方支援を担当していた。

 大人しい性格で引っ込み思案。少々ドジな面も見られる。

 

 シアルとは幼馴染でその仲の良さから周囲の者達に姉妹だと言わせるほど。もしもゲリックと出会わなければ……下手すれば同性愛に目覚めていた可能性が高い。

 シアルはそこまででもなかったが、レイラにはその兆候がちらほらと見受けられたらしい。念を押すが、シアルにその気はない。

 

 17の時にゲリックと結婚する。それから二年間は慎ましやかな関係を保っていたが、シアルが結婚して子供が出来たことを境に少し大胆さが増した。一年後に無事ライルを授かる。

 

 

 

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 ——補足説明——

 

 

 

 ※1:ナキメオオカミ

 漢字にすると「泣き目狼」。臆病で常に泣きそうな顔をしている。人を襲うことはまずない。

 雑食で普段は木の実などを捕食する。肉も好きだが、好戦的ではない。そのせいで肉までに辿り着けない。何とも不憫な生き物。

 

 

 ※2:ドレッドシープ

 全身の羊毛がドレッドヘアのような見た目になっている。やたらと好戦的。

 群れを作ることはなく、単身で各地を徘徊している。羊のくせに一匹狼。

 まさかの肉食。好物はナキメオオカミ。(やはり不憫である)

 

 

 ※3:王都アウルス

 ロア達が住まう国——『アウルス王国』の中心に位置する巨大都市。

 開拓者、冒険者たちの多くはこの都市を拠点に活動している。

 勿論地元住民も多く住んでいる。ゲリックはこの都市出身の冒険者だ。

 

 

 ※4:王都ルーベンシア学校

 この世界は基本的に学校、学園に行くかは自由。10歳から15歳の五年間を過ごす事になる。途中入学も可能。

 

 冒険者か開拓者になるなら入学するのが一番の近道とも言われている。勿論一般職に就く者も入学した方が優位に立てるだろう。

 

 学業に加えて希望があれば基礎訓練も受けられるようだ。この学園の教員は生徒一人一人に合った教育内容を考えてくれるため評判はいい。苛めや虐待、差別なども今のところは確認されていない様子。

 

 そもそもが学校、学園自体の数が少ない。事実、ロアが住む街には学校も学園も未だに設立されていない。

 

 

 ※5:ロイド・イーリス

 ゲリック達と共に各地を冒険した仲間の一人。シアルの旦那さん。

 寡黙なゲリックとは裏腹に陽気で気の良い性格。パーティーのムードメーカーを務めていた。

 

 冒険者クラスは【上位】。得物は弓。その実力はトップクラスで、彼がいれば後ろを気にせずに正面の敵と対峙できるとまで言わしめた。

 パーティーの後方支援に努め、特にシアルとの連携はかなりのものだった。共に行動する機会も多く、いつしかお互いに相棒と呼ぶまでの信頼関係に発展する。

 

 ゲリックとレイラが結ばれた後もその関係は変わらないと思われていたが、ある時に彼がシアルを異性として意識していたことが発覚し、偶然それを知ってしまったシアルはそれを期に彼を意識するようになる。

 

 次第に二人の距離は着々と縮まっていき、最後は周囲の後押しもあって無事にゴールイン。その後すぐに子供を授かり、冒険者の活動から一時離れることになった。

 

 ロアが生まれ、そのまま四年間は穏やかな生活を暮らしていた三人だったが……ある日、ロイドは一枚の書置きを残して忽然と姿を消してしまう。

 

 その書置きにはただ一言「未界に向かう」とだけ残されており、それを最後に彼は消息を絶った。

 何故急に未界へ向かったのかはシアルでさえわからない。その一方でロアは彼を「欲に目が眩んだ大馬鹿者」と思い込んでいる。

 

 

 ※6:冒険者クラス

 ギルドが定める冒険者の階級。【最下位】【下位】【中位】【上位】そして【最上位】の五つの位に分けられている。

 しかし【最上位】に関しては特殊な事例によってのみ与えられる階級である為、一般的に【上位】が最高位とされている。

 現状で【最上位】の名を関する者は三人だけ。その内の一人はゲリックさん。流石人外。

 

 

 ※7:結婚

 この世界では男女ともに15歳を過ぎていれば結婚出来るらしい。だからと言って15歳で結婚する者はそうそう見受けられない。早くても17か18らしい。

 貴族は15歳で結婚する者が多いようだ。

 

 

 ※8:マルタの街

 ロアたちの生まれ故郷。

 のどかで自然豊かな街。王都アウルスから東部に位置している。

 

 西には見渡す限りの平原が続き、逆に東には大きな森が広がっている。

 周辺地域に魔獣が現れることはほとんどないようで、子供が街の外で遊んでいても然程問題はないぐらいに平和。森の中も害のない動物ばかりだ。

 

 


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