そして ホント今更なんですけど、作中で出てくるすべり止めの集英高校って……。ジ〇ンプの? 苦笑
と言う訳で、集英高校合格! までなので 全然進んでないです、ごめんなさい……m(__)m
とりあえず、勉強会も佳境を迎えてる。
もうあまり時間無いし、それも当然なんだと思うさ。世の受験生であれば誰もが通る道だ! 最後まで頑張って頑張り抜いた者がきっと最後に笑える、と臭いセリフを考えてみてた。勿論口には出さないけど。
兎も角、まだ頑張らないといけないのは紛れもなく事実だ。
事実……、なんだけどなぁ……。
「いや、ほんと。やる気あるのか? 小宮山。珍しく朝来てると思ったら……」
大丈夫かコイツ、って思ってしまっても良いと思う。
一応、先生ポジションで大草と一緒に真中や小宮山に教えたりしてる。教えるのって、自分が理解してないと出来ないから、これ結構自分の為になったりもするんだよ。……まぁ、基礎中の基礎部分は流石にアレだけど。
それは兎も角、今日の朝の勉強会。小宮山も来たと思ったら、早速東城にロックオンしたよ。真中と東城が、って話をしてからのアプローチが凄い。その勢いで勉強すりゃいいのに、って思うくらいだ。
「ほらほら、これがゴリラの真似~~っ」
「あ、あははははっ」
それでいて、東城もそれなりに受けてて笑ってるし。東城は全く問題ないんだけど、小宮山は大丈夫なのかなぁ……?
「あははは……」
「ま、小宮山だしな。でも報われない恋ってのも悲しくなるもんだ……うんうん」
西野も苦笑いしてて、大草は何だか可哀想な人を見る様な目で…… いや違う。楽しそうな感じだ、アレ。
「あー、でも 小宮山が落ちた所で、別にオレには関係ないか。ムキになっても仕様がないし」
やーめた! って感じで オレは小宮山から目を離したら、流石に訊いてたのか、ゴリラ顔のままで更に顔面を大きくさせて迫ってきたよ。
「そりゃ流石に薄情すぎだろーーー!! オレたち、トモダチじゃんかぁぁ! 一緒に泉坂行こうぜぇぇぇぇ!」
「顔近いわ! それに、行きたいならそれに見合った努力しろっての! それに、そんなに芸磨きたいんなら、佶元養成所でも目指せ!」
なんだかんだで最終的には、オレが説教するハメになるんだよなぁ。何故か。
「あははは。やっぱ蓮って面倒見良いよねー。将来は先生、ってのも良いかも?」
「あ、それオレも思った。アイツ教えるの上手いし」
「オレもオレも。くぅ~ 漸く数学が得意になってきた所だ!」
何か好き勝手言ってくれてる3人。
「勘弁してくれ……。身が持たん。それに 少々聞き捨てならんかな? 真中数学得意になったって? んじゃ、コレ」
「……うげっ。か、確率の問題はトクイじゃないんだよなぁ……」
「あほ。確率も数学じゃ。ここも重要だっての」
そんな感じで朝の勉強会は終了した。
有意義だったかどうかは各々方に任せるよ。
その日も学校が始まり、一日はあっという間に終わる。
西野との関係も――うん。良好のままだ。ちょっとスキンシップの勢いが強く感じるけど、あの料理の威力に比べたら断然小さいもんだから大丈夫、って考えてたら、なんか心読まれたのか、ボディに良い感じでパンチ貰ったよ。
そんな感じの毎日だ。基本的に受験勉強優先で合間を西野に当ててる。西野も高校に入れたら……って オレが横にいるのに あの日の事言ってくれるもんだから、寒い筈なのに、色々と熱かったよ。
そんなこんなで、もう私立高校の入試日前日になったよ。高校は集英高校だ。すべり止めの高校だが、油断せずに万全をきそう、と西野としっかり約束した。
あ、後 もう1つ 厄介な問題を抱えてしまったりもしてるんだ。
それは真中と東城の件。勿論 真中から。
相談があるから~って言われて訊いてみたら、それだった。入試日前日だって言うのに。
「うー、どーやって気持ち、伝えたもんか……。なぁ、どう思う?」
「なぜオレに訊く? それに勉強の話かと思ってみれば、そっちかよ……。随分と余裕があるな。明日だぞ?」
「うっ…… かー! 良いじゃん良いじゃん! 神谷はどっちも余裕だから判んないんだよー、オレの気持ちっ!! それに集英なんてよゆーだ!! ぜってーー受かってやる!!」
「わーったわーーった。声のボリューム落とせって。……まぁ、集英高校に関してはオレも同意見だけど」
何か真中にオレの今までの苦労を一言二言で済まされたのが少々納得いかないが……。うん。勉強の部分は真面目にしてただけだから 何とも思わない。西野の方は、西野と付き合える様になったのは……、正直運が良かった、って解釈してるんだよ。オレ。西野にはオレがモテるって言われてたし、なんか変な声も聴いた気がするけど…… やっぱ自分の事を客観的に見れないんだよなぁ。あんま認めたくないとも言うかも。
って言うか、『オレ、モテるんです』って自覚するのもどうかと思うし。
そー言うので、調子に乗って破滅と言うか、悲惨な事になったイケメン君ってヤツ、姉経由だが結構知ってるし。あまり自覚しない方が良いって無意識で思ってるのかもしれないかな。
兎も角、今は真中だ。
「ほれ、小説の話とかで盛り上がってるんだろ? 楽しそうじゃん」
「あ、ああ。それはそうなんだけど……、やっぱ西野と神谷の姿見てると……そのー……」
「(……あ、東城もこんな感じでオレの事見てた気がする)はぁ、似た者同士と言うか何と言うか……。まぁ 兎も角だ。東城が好意的なのって、オレから見てもそう思うし、大草だって言ってただろ? その辺は自信もって良いんじゃないか? あんまし無責任な事は言えないけど」
「そっか、そっかな……? 自分から告ったりしないのってプライドが高いから、とかあるのかなぁ――」
「は? 何? 真中ってプライド高いのか? それで?」
何か変な事言い出した。プライド高い感じは全くしないし。そっち方面のプライドが高かったら、喜々とあの恋愛参考書みたいなの、小宮山と読んだりしないだろうに。
「ち、違う違う!! もし、東城がそうオレに対して思っちゃったら どうしようかなぁーって」
「……だから、東城の方が告りに来てくれって、思ってるのか? うーん……(あ、いや、俺の時は西野からだったし……)」
「いやいや、やっぱり、ここは男らしく、告白は男からだろ!? 映画とかでもそう言う場面多かったし!」
「…………うぐッ」
「ん? どうした?」
「や、なんでもない」
あまり男らしくないかもしれない。何せ、最初 自分で 西野に絡んでたあの連中を前にして、西野と付き合ってるって言っておいて、覚えてないし。その上『落ち着いて考えて直してみろ』的な事言ったし……。西野が勇気ふり絞ってくれたのに。
その後…… そ、そのキス……して返事した気になったんだけど……。やっぱちゃんと言わなきゃダメかな。
それで 真中とのやり取りは終わって気付いたら放課後。
西野と一緒に下校だ。いつも通り。その間もなんかやっぱり考え込んでたよ。
「やー、とうとう明日だね。蓮、大丈夫? 油断してない?」
「……………」
「ん? おーい、れん?」
「……………」
しっかりと、返事はしたつもりだ。成り行きかもしれないが、西野のお母さんにも伝えれたし、西野も喜んでくれたし……。でも、はっきりと西野本人に言えたわけじゃないからなぁ。
ってずっと考えてたら、両頬を西野に捕まれた。これは メチャびっくりするよ、マジで。
「こらーーー」
「うわっっ!?」
「うわっ、じゃないよ! もう、なにボーっとしてんの? いっくら蓮が優秀だったとしても、変な凡ミスしてたり、繰り返したりしてたら、判んないんだからね!? もっとしっかりしてよー。蓮!」
「あ、ああ。悪い……。ちょっと別の事を考えてて……」
「そんなの後後っ! 今は受験に集中、入試に集中! ほーら、口を大きく開けてーーー、『頑張るぞ!!』 って言って、ほらっ!」
ぐに、ぐにっ、とオレの頬を引っ張る様にして開ける西野。
うん……。確かに圧倒的に西野が正しいよ。真中にああ言っといて、オレがこんなんじゃ世話ない。
でも、何を思ったのか――口に出てしまったんだ。
「――先に言わせてごめん。……オレ神谷 蓮は、西野の事が好きです。……大好きです。オレと付き合ってください」
「……………へ?」
なんでだろ。今言うタイミングだった? って自分で思う。でも……言っちゃったものは仕方ないから、西野の返事、待ったよ。
「な、ななな、へ?? 入試の話なのに、何言ってるの!? とゆーより、わ、わたしたち 付き合ってるよね? つき、あってなかったの?? え……えええ!?」
思った以上に西野混乱してた。
まぁ、間違いなくオレのせいだから、西野の手にそっと自分の手を当てて言ったよ。
「ははは……。いきなりでゴメンな。その、ちょっとこういう系のを相談されてさ、……告白は男からって話も聞いて……。オレ、ちゃんと言えてなかった気がして……」
「………え、えっと」
混乱はなかなか治らない様子だ。入試日前日の会話じゃないし、仕方ない。オレが悪い。って思ってたら、西野の顔が赤くなってるのに気づいたよ。それで笑顔になって言ってくれた。
「ふ、ふふ。ふふふ。うん。こちらこそ喜んで! 私も蓮の事が大好きです」
「っ……。あ、ありがと、な」
もう付き合ってる。お互いが好きだと言っていて、……キス、までしてるんだけど、それでもヤッパリくすぐったかったし、嬉しかったよ。
「いえいえ。でも なんだか意外だったかなー。蓮ってそう言うの気にしたりするんだ?」
「あー、うん。……オレも戸惑ったりしてるよ、正直。……(絶対 真中のせいだ)」
「ふふっ。そんな感じだよね? 違う蓮の一面が見れてあたしは満足だよっ! うーーん、明日の入試もこれでチャージ100%! 合格率も100%だよー」
油断しないようにー、なんて野暮な事は言わなかったよ。オレからこの流れにしたんだし。 西野は2,3歩前に出てくるりとこっちの方を見た。
「それに あたしはねー、蓮に告白できて、想いが通じて、それで……き、キスまで出来たんだよ? それも大好きな人とっ。あれ以上の幸せなんて他にはない、かな? 振り回される蓮も良いかもだけど、あたしは幸せだからね? 結果オーライだから良いじゃん」
「……っ。そう、か。そうかな。うん。オレも嬉しかった。はははは。何かゴメンな? ちょっと振り回して」
「いーえ、こういうのは大歓迎っ! あたしもすっごく嬉しい。ま、まぁ ちょっと恥ずかしいけど……」
今更だけど、キョロキョロと周囲を見渡してたよ。
オレもつられて見た。誰もいなくて良かった。
そして、翌日。オレ達全員、すべり止めの高校を難なく合格。
昨日の事もあって、色々と感慨深まったからかな、皆いるのに、そっと西野に……抱き着いたりは流石にしなかったけど、そっと手を取った。西野も同じ気持ちだったみたいだ。
最高に綺麗な笑顔を向けてくれたから。