DeNAが調子よかったので…(苦しい言い訳)
「T4A1とは、最近この烏帽子宮を中心に活動している攻撃適正集団の事だ。まぁ、攻撃適正じゃないものもいるらしいが…不良集団だな。うん。」
と、まず上山さんから話された。
「アマンダ!質問!」
と智東さん。出会って数分程度なのに上山さんをアマンダ呼び(しかも呼び捨て)。僕には到底できないね。
「称山先生もそのT4A1ってのに入ってたわけ?」
「ああ、そうだろう。長走も話そうとした、と桜庭から聞いたぞ。」
ん…?長走先生…?
「え!?長走先生を知ってるの!?」
一番最初に口にしたのはやっぱり智東さん。
「ああ。攻撃適正保安委員会のメンバーだ。最近は高校生もあのグループにいると聞いてな…それであの学校に送ったんだ…まさか…こんなことになるとは…」
と上山さんが言うと、全員が黙ってしまった。
「そういえば、私たちの戦闘を見ていたわけじゃないよね?なんでそんなことを知ってるの?」
と智東さんが数秒の沈黙の後言った。
「ああ、それは私の適正道具です。」
と桜庭さん。
「えっ!?桜庭さんの?」
と声にしたのは赤海君。
「ええ。私の適正道具はイヤホンです。周囲半径100mから出ている音を拾えます。そしてその音のうち気になる音。つまり特定の部屋から出てる音などを限定して聞くことができます。それで、適正検査室で起こったことはほぼ把握しています。」
と桜庭さんが言った。
「ちなみにこいつは聖徳太子のようにいろんな音を聞き分けることができるぞ。」
と上山さんから補足。それは適正道具の能力なのか、それとも本人の能力なのか…すげぇ。
しかし一つ疑問点が
「桜庭さん、なんでその時学校にいたんですか?」
と僕はその疑問を口に出した。
「長走から連絡を受けてな。まぁ、連絡と言っても君たちの想像しているような携帯や無線ではなくブザーのようなものだけどね。攻撃適正の生徒がいたら、すぐに言うのではなく、後で説明する。もしかしたらその時に、急に周囲を攻撃するかもしれないから私が一応その部屋の会話を聞くことになる。危険だったらいつでも増援を呼べるように。もっとも、いままで暴れだした生徒なんて一人もいなかったから、今回のような騒動が起きても私は何も対処できなかった…すまなかった…」
と桜庭さん。
「対処しようともしなかったんですか?」
と、宮内さんからのキツイ一言が飛ぶ。宮内さんは宮内さんで、智東さんと違うベクトルですごいと思う。
「いや、一応増援は呼んだんだがな…そいつらは地上の支部から来る。地下の支部にいるのはごくわずかだ。そして今回地上があんなことになってね…道が大混乱だったそうだ。もっと早くつけるようにするべきだったな…」
と桜庭さん。
「いえ、あなたは何かしようとしなかったのですか?」
とまた宮内さん。
「私は完全に後方支援タイプでね…行っても何の役にも立たず、無駄死にするだけだったと思う。でも、今は行っておくべきだったかもしれないと後悔しているよ…」
と桜庭さんは悲しさと悔しさが混ざった表情で行った。
また数秒の沈黙
「…話を続けて良いか?」
と上山さん。皆頷く。
「それでそのT4A1の事だがな…分かっていないことが非常に多い。奴らは情報の隠蔽能力に非常に長けている。だが…」
「だが?」
と智東さん
「だが、重要な部分でひとつ分かっていることがある。それは、〝T4A1″という組織名だが…それは幹部の名字の頭となるアルファベットをとったものであるらしいということだ。」
えぇ…。組織名がそんな簡単なもので良いのだろうかと思ってしまった。
「なるほど…それで、称山先生が幹部だとしたら…」
と僕が。
「…Tの一人だな。称山四季は、前から行動が怪しくてな…しかし、尻尾を掴めていなかった。恐らく、T4A1の幹部だと思われる。桜庭から戦闘の詳細を聞いたが、称山はおそらくダブルツールだからな。幹部クラスの人間と言っても良い。」
ダブルツール?
「えっ…?ダブルツール…?」
と赤海君が聞いた。
「あぁ、ダブルツールというものは、二つの適正道具があるということだ。例えば、称山の場合は靴と銃だろうな。人より速い速度で動ける靴の適正と、エネルギー弾、というより魔法無視のような効果の弾だな。まぁ、そんな感じのものを放てる銃の適正と言ったところだろう。」
そんな人がこの世の中にいるのか…こえぇ…
「正直、T4A1の幹部クラスがこんなやつばっかりだとすると、厄介だな…」
と上山さんがこぼす。
「まぁ…これからは私たちが君を保護する!安心したまえ!」
と、上山さんはあった時のような笑顔に戻って言った。
―――某所
「すみません、オーダーセブンの事を聞いた高校生4人を逃がしてしまいました…」
と私はモニター越しに報告する。
「ククク…まぁ良い。あやつらは面白そうだからな。殺すにはもったいない。」
「すみません…私にも奴らを逃がしてしまった責任があります…。」
新しく会話に入ってきたのは…称山か。
「称山は、いつもやり方が手荒すぎる…。もうちょっと様子を見てからでも良かったろうに。…今度失敗を犯したら、幹部でも容赦なく〝例の部屋″行きだからな?」
とあの方はおっしゃった。
「ヒッ…こ…今度はもっと考えてから行動しますので…」
「…今度失敗したら、と言っておろうに。まぁ良い。これからが楽しみだわ…ククク。」
そう言って、あの方は通話を切られた。
称山「この世に地獄があるとするあらば、それは〝例の部屋″だろう…ってそんな怖くはありませんが普通にヤバいお仕置きが待ってるらしいです~。この前例の部屋に行った部下がかなり消耗していましたので~…」