「称山先生…?」
どこからどう見ても称山先生だ。しかし、称山先生がこんなことをするはずがない。
「長走先生!」
智東さんが長走先生を確認しに行った。長走先生は撃たれたその場所に倒れていた。
「称山先生…ですよね…?なんで…こんな…?」
赤海君が聞いた。
「あら~。この人が言ってはいけないことを言おうとしたから 口 封 じ しただけよ~」
称山先生のいつもの口調ながら、とても強い声で言った。こんな称山先生は見たことがない。
「まぁ、あなた方にももちろん死んでもらいますよ~。私の秘密を知ってしまったわけですからね~。逃げようったって無駄ですよ~。私も攻撃適正持ちですから~」
ダァーン
銃声が響いた。その銃弾は、僕の足元に着弾した。
「た…称山先生…じょ…冗談ですよね?」
僕は聞いた。
「あら~。私が嘘を言っているように見えるかしら~?」
…体が怯んで動かない。だって…こんな…
「これが現実なら、やるしかないでしょ。何やってんの?みんな」
そう発言したのは、意外にも智東さんだった。
「ごめん!長走先生!結婚指輪借りるね!」
と、智東さんは急に長走先生の指輪を自分につけた。
「私の適正道具は指輪で能力は魔法なんでしょ?だったら…今やってるゲームの魔法に…」
「フレア!」
称山先生の足元に、小さな火柱が立つ。これが…魔法…!?
「あら~。魔法ですか~。智東さん攻撃適正をお持ちなのね~…ふふ。面白いわぁ~私たちの仲間にならないかしら?」
「仲間って何よ。」
「さっきそこの長走が話してた〝集団″のことよ~。ふふ。稼げるわよ~?」
「入るわけないでしょ!そんなの!」
「あら~。惜しいけれど…なら…死んでもらうしかないわね~。」
ダァーン
称山先生が撃った。
「プロテクト!」
智東さんの周りに薄緑色の結界のようなものが作られ、銃弾をはじいた。
「智東さん、何そ…」
「あんたら!のんびり見てる暇ないでしょ!称山先生をなんとかしないと、みんな死んじゃうのよ!?」
僕の言葉をさえぎって、智東さんが言った。
「まぁ…そーかもねー。やるしかないか。」
「赤海君!?」
赤海君が机の上に置いてあった二つのペンを持った。
「俺の適正道具がこれなら…とうっ」
ビュンビュン
赤海君がとてつもない速さで二つのペンを称山先生に向かって投げた。
「あら~、そんな遅いもの、かすりもしませんわよ~?」
称山先生はとてつもない速さで避けた…というよりも、いつの間にか避けていた。
「な…何が…」
赤海君もとても驚いていた。
「ふふ…。私、とても速いでしょう?」
…速いってレベルではない。まるで瞬間移動の域だ。
ダァーン
…また銃声が響いた。しかしこれは称山先生の居る方向ではない。
「戦いたくないけど…緊急事態…だから…仕方ない…。」
銃を持っていたのは宮内さんだった。
「宮内さん!?それどっから!?」
「長走先生のバッグに入ってた…」
いつの間に捜していたんだ…というか長走先生がどんどん謎の人物に…ってそんなこと考えてる暇なはい。僕は何かできないか?
「ナイス!宮内さん!じゃあ、私が称山先生を引き付けるわ!その間に銃で撃って!」
「…分かった。」
「よし…じゃあ…ヘイスト!」
智東さんもとても速く移動した。手にはハサミを持っている。
「いや~、一応筆記用具持ってきといて正解だったわ。」
ダァーン、ダァーン、ダァーン。
今度は称山先生の銃だ。
「智東さん、危ない!避けて!」
「大丈夫!」
カーンカーンカーン
銃弾は全部智東さんの周りで弾かれた。そうか、プロテクトが…
「厄介な魔法ねー…ではこれはどうかしら~?」
称山先生に接近し、ハサミの刃を当てる直前で称山先生が言った。
すると…
バーン
「なっ!?エネルギー弾!?」
智東さんのプロテクトを貫通した。智東さんは間一髪で避けたものの赤い光る弾が…銃から!?
「ふふ…私の攻撃適正はこれよ~?」
そのまま、称山先生は何発も弾を放った。智東さんは全て避けるが…すべてギリギリだ。
「厄介ね…こんなの反則よ!」
「私には、あなたの魔法の方が十分反則に思えるけど~。」
「…やるしか…沖原君!赤海君!ドアへ行って!」
逃げろ…ということだろうか?しかし…
「で…でも、置いていくわけには…」
「大丈夫!任せといて!」
「逃がさないわよ~…!」
称山先生がすかさずこっちへ来た。銃もこちらへ向けている。
「偏差…射撃…!」
「なっ!?」
それは宮内さんが放った弾だった。外れたものの、称山先生のすぐ前を通った。称山先生も、驚いて動きが止まる。
「今ね!バンムーブ!」
智東さんが称山先生に放った。
「…!?動けない!?」
…どうやら称山先生は動けなくなったようだ。なるほど…今のうちに!
「逃がさないわよ!」
称山先生がまた銃を放った。
「エネルギーじゃないのが救いだな…っと。」
しかしそれを、赤海君は持ってきたペンを投げ、相殺させた。
「智東さん…ありがとう!」
僕と赤海君はドアを開けた。間もなく、宮内さんにもヘイストをかけたようで宮内さんと智東さんも来た。
「…長走先生…ごめんなさい。」
…なんとか、適正検査室から脱出することができた。
「…これからどうするのさ…」
僕は言った。
「どうするって…なぁ…」
「…オーダー…セブン…実行して…」
…称山先生の声だ。適正検査室から聞こえた。
「…なぁ、みんなも聞こえたよな?」
赤海君が言った。僕も、宮内さんと智東さんも頷く。
「おい…あれ!!」
急に赤海君が叫んだ。赤海君は、窓の外を見て驚いていた。
「いったいどしたの?…って…えっ…」
智東さんも窓の外を見て驚いている。いったい何が…僕も、窓の外を見てみた。
「何…これ…?」
戦闘描写とか上手い人に憧れます。戦闘って非日常ですから書きにくいんですよね(むしろ日常だったら困りますが)