「道具が能力を吸い取る…と言うと?」
と智東さんは質問する。
「そのままの意味で、道具が使用者から能力を吸い取るんだ。そしてその能力で道具が暴走する。例えば…宮内の能力が暴走すると、その道具が実物のままになる。まぁ、暴走の程度は使用者の道具を使う力によるが…」
「ってことは、急に強い魔法を使うと駄目ってことね…」
「ま、そういうことだ。皆も、その辺にはよく気を付けてくれ。」
「「了解です!」」
「さて、智東の訓練を再開するか。ではさっきの指輪をつけてくれ。」
はい…と智東さんが指輪をつける。
「まずは…魔法適性の基本の『五属性』からか。…と言っても、火と水は使ったことはあるみたいだが…」
「はい。なんで知ってるんです?」
「俺の適正道具を忘れたのか?」
「あー…」
智東さんはドジっ子属性持ちの可能性あり
「さて、五属性の中でも基本となるのが『火』『水』『風』だな。主要三属性とも呼ばれる。」
「ほへー。」
なんだその間抜けな声は。
「そしてあとの二つが『光』と『闇』だが…」
「闇!?」
やっぱり。反応すると思った。
「闇なんて属性あるんですか!?」
「ああ…あるが…」
桜庭さんも若干引いてる。
「私、闇属性使いたいです!」
どっかで闇属性を好むなんてきのこかよ。ってどっかのコピペで聞いた気がする。
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「ダークホール!!」
好きこそものの上手なれとはよく言ったもので、智東さんは闇属性の魔法をどんどん習得していった。
「桜庭…練習用の指輪にしておいてよかったな。強くてニューゲームってレベルじゃないぞ、あれ。」
「…本当に。闇属性へのあの異様な食いつきはなんなんだ…」
「桜庭さん!他にはどんな魔法があるんですか!?もちろん闇属性で!」
「ああ…そうだな…」
と桜庭さんが言うと、長走先生が桜庭さんに近づいていき…コソコソ話を始めたようだ。
(桜庭、後教えられる闇属性魔法とかあるのか?)
(正直ないな…偏りなく教えたいのだが…)
(…智東って結構単純だよな?だったら…)
ゴニョゴニョ・・・
(なるほど!それは名案だ!)
「智東…すまないが、後の闇属性魔法は他の属性との融合魔法でな…。その魔法習得に対する意欲は素晴らしいものだが、先に主要三属性から取得してみないか?」
「分かりました!頑張って習得します!」
ちょろいなぁ…智東さん。
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「だー…疲れたー…適正道具を使うってこんなに疲れるのね…」
闇属性の時は全然疲れてなかったくせに。
「ふむ…とりあえず、火と水と風の基本は覚えたといったところだな。次からも同じような感じでやっていくぞ。」