道具を使うもの ~Tool user~   作:水津の月

1 / 20
初投稿です。なろうでもやってます。


プロローグ

----この世界は一人一人が適正道具(ツール)を持つ世界。この物語は、そんな世界の一少年の、笑いあり、涙ありの物語である…!

 

 

「異世界物語モノのテンプレみたいな導入だな。」

と、今若干、いや、かなりメタいことを話した僕は、沖原郷(おきはら ごう)である。

僕は今日から高校一年生だ。今その高校に向かっているのだが、その高校は一人一人の適正道具を探し、そしてそれを活かしていく学校だ。ちなみに、受験はそこそこ難しかった。

この世界には、適正道具(ツール)という概念が存在する。あるものはシャーペンが適正道具で、人の倍以上の速さで文字を書けたり、またあるものは、土管が適正道具で、土管に入れば世界中のどこの土管にでもワープできる…らしい。

そんな自分の新しい可能性を期待しながら、高校までの道を歩いている。お金を無限に稼げたらいいなーとか宝石が無限に手に入ってウェヒヒな生活を送れたりしないかなーと思っていたら…

「よー。お前も彼埜高校(かのこうこう)だっけ?」

と話しかけてきたのが親友の日下部快人(くさかべ かいと)である。

「おい。親友の進学先ぐらい覚えておけ。」

「悪かったな。どうせ俺は記憶力ないですよー」

「お前よく彼埜高校入れたな!」

「鉛筆転がして出た数字を塗りつぶしただけだが」

もうこいつの適正道具わかってんじゃん。

「まぁ…よろしくな!高校でも」

とまぁ、これまたテンプレな会話をしながら一緒に登校した。

「そういやなんでお前は彼埜受けようと思ったの?」

と快人に聞いてみた。すると、

「なんかなー。頭良い方じゃないじゃん?俺。だから、適正道具で人生一発逆転狙えないかなー…って。」

鉛筆じゃ無理だと思うぞ。お前。

「ほら、就職氷河期だし。俺あのままじゃまともな職場に行けないだろうなー…って半分賭けで受けた。」

「さいですか。でも受かってよかったじゃん。」

「まぁな。これで俺の人生も花開く!たぶん!」

鉛筆でか。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

彼埜高校についた。適正道具を専門に扱うから結構デカいって聞いてたけど…こりゃ相当デカいな…

「はーい。みなさん。席についてくださいね~」

入学式が終わり、クラス分けも決まって皆それぞれの教室に分かれていった。

僕は1-D、快人は1-Cだった。快人は授業について行けるのだろうか…

(補足!もちろん適正道具の事だけでなく、普通の教科も習うよ!)

「私がこのクラスの担任になります、称山四季(たたえやま しき)です~。よろしくおねがいしますね~。それでは、右の列から自己紹介をお願いします~。」

「はい!木嶋英輔(きしま えいすけ)です!趣味は…」

などというこれまたテンプレなホームルームも終わり…

「これでホームルームを終わります~。今日は普通の勉強で、適正道具のカリキュラムは明日からになります~。近くの人には、各自挨拶をしておいてくださいね~」

…一部「えー」という声も聞こえてきた。まぁ、皆適正道具が楽しみだろうからなー…

それにしても称山先生はおっとりとした先生だな。口調も何気にタイプだ。

…などと思っていたら、声をかけられた。

「はじめまして!今日からよろしくね!沖原君!」

彼女は隣の席になった智東香里奈(ちとう かりな)さんである。ショートカットの黒髪に八重歯が特徴的な元気な子だ。趣味は同人制作らしい。少し意外だ。あとクラス全員に恥じらいもなくその趣味を言えるのもなかなかにすごいと思う。

「はじめまして…えっと…よろしく…です…」

彼女は斜め前の席の宮内瑠璃(みやうち るり)さん。栗色のボブカットにメガネが特徴的な物静かな子。趣味は読書らしい。あとから聞いた話だと、このときは友達が欲しくて話しかけたらしい。可愛いな。

「よう!今日からよろしくな!」

と気さくに話しかけてくれたのは、前の席の赤海柊平(あかみ しゅうへい)くん。赤髪がとても特徴的。中学時代のあだ名は刺身だったらしい。赤身魚…

この4人が生活班、そして、適正道具のカリキュラムもこの班でするらしい。

僕の適正道具(ツール)というロマン満ち溢れた高校生活が今、始まる!

 

~次回予告!~

「あなたの適正道具は…つまようじです。」

「えっ。」

 




次回から適正道具カリキュラムがはじまります。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。