俺が初代魔王なんて間違っている。   作:すのどろ Snowdrop

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5話:魔王達の当番決め 5,5話:彼女はカマクラの面影を見る

5話:魔王達の当番決め

 

はい、カット。

 

(メタい、メタいよお兄ちゃん)

 

なんだかんだで一悶着あったものの、めぐり先輩を呼んでから俺と小町が案内して、今はリビングで当番決めをしている。料理組は小町、川……サキサキ、陽乃さん、めぐり先輩、一色の5人で交代交代ということは決まったのだが……。

 

「せんぱーい、私は(先輩の)部屋の掃除がいいです!」

 

筒抜けなんだよなぁ。てことはあいつも以心伝心取得したのか。

 

「却下。自分の部屋は自分で掃除する」

 

「えー、なんでですかー」

 

それが普通だからです。

 

「リビングは4日に1度の掃除として……」

 

「お兄ちゃん、2日に1回の方がいいと思うよ?結構使うし」

 

「じゃあそうしよう。順番は1〜9のくじを引いて決めるか。創造神よ、我が命に従い全てを創造せよ」

 

新しい紙と番号が書かれた割り箸が創られた。

創造魔導便利過ぎない?魔力消費量デカいけど。

 

「時計回りでいいか。じゃ、小町から」

 

「3だね」

 

…………………

 

結果、

1,川崎沙希

2,戸塚彩加

3,比企谷小町

4,材木座義輝

待て、材木座は掃除できるのか?

 

(さぁ?)

 

(ちょっと怖いですね)

 

酷い言われよう。まぁいいや。

 

5,城廻めぐり

6,比企谷八幡

7,一色いろは

8,毒む……川崎大志

9,11代目魔王こと雪ノ下陽乃

 

(なんで魔王って言ったの?お兄ちゃん)

 

なんとなくだよ。

 

「次、魔力補充」

 

「それは私とめぐりと比企谷君と小町ちゃんで回した方が良くない?」

 

「そうですね、まだレベル低いですし」

 

「俺、小町、陽乃さん、めぐり先輩の順でいいですかね?」

 

俺で一気にやればみんな少なくて済むしな。

 

(小町的にポイント高いよ!お兄ちゃん!)

 

ポイント制度止めない?ていうかなんのためにあるの?

 

(8万ポイント溜めると小町を上げます)

 

わーうれしー。で、今何ポイント?

 

(128671ポイント)

 

「上限8万ポイントじゃねぇのかよ!」

 

つい大声でツッコミを入れてしまった。

全員ビクっとしてるし一部はガチ引きしてる。

 

「ど、どうしたの、八幡……」

 

と、戸塚にまで引かれた……。もう無理生きていけない。

 

(小町がいるよ!いつでもおいで、慰めて上げる!)

(私も慰めて上げますよー)

(お姉さんが慰めて上げよう)

 

おい待て何故陽乃さんまで入ってきている。

 

(八幡、引いてないから安心して?)

 

ktkrもう生きていけるもはや永遠の命を創れるまである。

 

「で、次は?」

 

なんかあったっけ?他。

 

「洗濯ですかねー?」

 

「あと訓練だね」

 

「洗濯は料理組お願いします。訓練は毎日3時間基本的に全員参加で」

 

休みも入れた方がいいか。うーん、

 

(魔王城自体にカレンダー普及する?)

 

じゃあ創造魔導で創るので普及を陽乃さんにお願いします。

 

「創造神よ、我が命に従い全てを創造せよ」

 

テーブルの上に比企谷家のカレンダーを見ながらカレンダーを創造する。

 

「毎週日曜は訓練お休みで」

 

「魔王城にはどう言えばいいかな?」

 

会議?

(放送?)

(手紙?)

 

(んー、次の定例会議でいっか。明後日だし)

 

「次」

「ない」

 

「待って、魔王城への普及はどうするの?」

 

「それもう決まった」

 

「「「いつ!?」」」

 

川崎姉弟とめぐり先輩の声が被った。

……何故材木座は驚かない。

 

(我も以心伝心を取得した)

 

なんでもありなのかな、この世界……。

 

(異世界だから)

 

**********************

 

4,5話:彼女はカマクラの面影を見る。

 

猫……。

 

『ミャウゥゥゥ』

 

近づいていく私に、比企谷君が召喚した猫が威嚇する。

後ろでみんなが私に叫んでいるようだが関係ない。

私が拒絶してしまったとはいえ、比企谷君が残した猫。

 

『雪ノ下、俺からのプレゼントだ。召喚、ラーブ』

 

もしかしたらあの王様は何かしていたのかもしれない。だから比企谷君が殺したのかもしれない。私達に本物を求めていた。きっと、そういうことなのだろう。私が信じてあげれば、もっといい結果になったのかもしれない。修学旅行の時も何か理由があったのかもしれない。

だからこの猫にも何かあるのかもしれない。もう間違えない。間違えられない。

 

「おいで」

 

ラーブの前にしゃがみこんで顎の下をくすぐる。

後ろがうるさい。今私はこの子と話しているのだから少しは集中させて欲しい。

 

『ゴロゴロゴロ』

 

この子の言葉は分からないけれど、たぶん喜んでいると思う。

 

「はぁぁぁぁ!」

 

「待って!葉山君!」

 

私はラーブに向って剣を振り下ろす葉山君を止めようとした。しかし、遅かった。私がこの子に集中していたから。もう少し後ろに気を付ければこの子は……。

 

『ミャウ!』

 

ラーブは振り下ろされた剣をそこそこ長い爪で受け止めた。

 

「うわっ」

 

葉山君を弾き飛ばした。

そしてラーブは私に近づいて……。

私が入るように魔法陣を展開した。

 

「な、何を……?」

 

そのラーブに、私は比企谷家のカマクラの面影をみた。

次の瞬間、私は白い光に覆われ、機械音声で

 

“以心伝心を取得しました”

 

と言われた。

どういうしかけか分からないけれど、私はその以心伝心の使い方を理解した。

比企谷君を想う気持ち……?

それがこの以心伝心に繋がるのだろうか。

私はそんな事を考えながら、白い光に身を任せた。

 

「ゆきのん!」「雪乃ちゃん!」

 

もう2人と会うことはないのかしらね。葉山君はどうでもいいのだけれど、由比ヶ浜さんと会えなくなるのは寂しいかもしれないわね。

 

 





賢者を冥界側の味方につけるか否か

  • 味方にする
  • しない
  • 味方にして、R18指定のストーリーを出す

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