比企谷八幡を追いかけて…   作:電柱人

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どうも電柱人です。
お気に入り登録していただいた方ありがとうございます!

今回は八幡登場回です。

では、どうぞ~




第2話 私は彼に近づく

入学式から1ヶ月が過ぎようとしている。

桜は散っていき、緑の葉に変わろうとしている。

 

この1ヶ月でクラス内のグループが出来上がりつつある。

リア充っぽいグループ、陰キャラで集まっているグループ、女子のオシャレグループ、トップカーストに位置している男女のグループ、大まかに分けるとこんなかんじだ。

ちなみに私はトップカーストに位置しているグループにいる。

別に私はこのグループに入りたかったわけではない。

気がついたらこのグループが出来上がってただけなのだ。

まあ、悪いグループではないと思う。

私もそれなりに楽しんでいるし。

 

今日も習慣化された授業が過ぎていく。

私は毎日放課後になるとため息がでる。

ため息の原因はわかっている。

彼、比企谷君が学校に来ていないからだ。

入学から3週間を過ぎた辺りからもしかしたら退院が早まって今日来るのではないか?なんて思い始め、毎日期待感と残念感を味わっているのだ。

そんな顔をしていると、

 

「日代さんどうしたの?」

「最近ため息ばかりじゃない?」

 

2人分の声が聞こえ、顔を上げるとあげてみれば…鈴木君と、矢田君ではないか。

 

「いや、別になんでもないよ」

「そう?何かあったら言ってね」

「俺ら力になるからさ」

 

私はありがとーとだけ2人に返す。

 

この2人、入学初日からなにかといって声をかけてきていつも私のところに来る。

2人は周りからはイケメンと言われるカテゴリーに入るらしい。

あとは、入学初日のときにきた姫野ちゃん、朧ちゃんだ。

2人もかわいいので結果としてトップカーストのグループになったのだ。

…実際言うと「嬉しくねぇぇ!!」と、キャラが崩壊しそうなほど良くない。

別に雰囲気が悪いとかいうんじゃないんだよっ!

私は注目されること、視線を必要以上に向けられることが嫌いなのだ。

このグループにいることで視線が360°どこ方向からも来る。

私の視線が来ない範囲は天井と床からだけ…

 

そんなこんなでまた私の1日が過ぎていく。

 

5月も後半になる第3月曜日、つまり入学から1ヶ月と1週間ぐらいの今日がきた。

 

私はベットから起き上がり時計を確認する。

すると同時に驚愕した。

簡単にいうとじ・か・んがヤバい(汗)

主人公のテンプレかよ!!って心でツッコミをしつつ、光の早さの如く着替えた私は、全力で通学路を走っていく。

こりゃあ大事件だぜ!とにかくダッシュ!

 

何とかチャイムの鳴る前に教室へ滑り込む。

 

「日代さん寝坊か?」

「そんな一面もあるのか…」

「おはよー日代さん」

「おはおは白ちゃん」

 

と、教室からさまざまな声が耳に入ってきた。

私はおはよーとだけみんなに返して席につく。

座ったと同時にチャイムが鳴り、先生が入ってくる。

私は鞄から教科書を出し顔を上げた。

その瞬間思わず

 

「えっ!」

 

と大きな声がでていた。

 

「?どうした日代」

「い、いえ、なんでもないです」

 

先生が不思議な顔して聞いてきたので、とっさに返事をして前を向く。

そう、私の前には彼がいたのだ。

顔は見えないが、猫背とアホ毛で彼だと確信する。

席は出席番号のままだったので、比企谷君の後ろは私、日代となっている。

そんなことはどうでもいい。私は彼と話がしたい。

だが、授業があって話しかけることができない。

こんな悔しいことはない。

なんで早く起きなかったんだよ私!!

すると、

 

「今日からこのクラスに比企谷が戻ってくる。比企谷、自己紹介を頼む」

 

と、先生が彼を紹介する。

比企谷君はというと、

 

「えっとぉ…ひきぎゃっ!…比企谷八幡です。よろ、しゅくおねがい、しましゅ…」

 

とカミカミだった。

 

「比企谷他にはないのか?」

「ええと、あっ、ありましぇん」

 

とだけ言い、席についた。

 

「まあいいか、授業を始める」

 

先生が授業を始めたので、黒板を見る。

…ふえぇ、授業よりも比企谷君ばかりみてるよぉ…と、自分でもわからないぐらい彼を見ている。

そんなこんなで授業が終わる。

彼に話しかけようとしたとき、

 

「白ちゃ~ん、ちょっと来てー」

と、いつものメンバーに声をかけられる。

ちくしょう!私不幸すぎるでしょ。彼とは接点をもてないかよ。

私は彼女たちのもとへと向かう。

 

「あのひき…ひき……ヒキタニ君どう思う?」

「俺はただの影薄いやつにしかおもえない」

「そしてあの目な!なんというか濁ってる?いや、腐っている?か」

「そうそう、なんかヤバそうだよね!」

 

私が来ると同時に4人は彼について悪口を始めた。

またか、ここでも彼はそうなってしまうのか…。

そう感じた私は、

 

「あれっ?名前比企谷君じゃなかった?」

 

とだけ言った。

 

「そんな感じだったかもねぇ」

「まあ、アダ名でしょ、アダ名!」

 

くうぅ、変わんなかったか…これ以上は無駄な気がしたので止めておこう。

とにかく!私の第1目標としては今日中に比企谷君に話しかけることだ。

 

時は過ぎて昼休み…

いや、聞いてよ…言い訳を聞いてよ…

比企谷君にさあ、話しかけらんないんだけど!

休み時間は寝てるか、トイレで時間まで隙がない。

不機嫌になりながらお昼を食べる。

 

お昼も終わり、そのまま流れるように授業も終わる。

…別になにもないのに言っても面白くないからね☆

 

そんなわけで放課後!

私は先生に雑用を頼まれてしまった。マジカヨ…

ちなみに頼まれた理由としては、私がまた学級委員になったからだ。

自分からじゃないんだけど推薦されてね、なったんですよ。

 

まあ、そんなこんなで仕事も終わる。

私はふと、テニスコートのそばを通りがかった。

私は、このときの自分を称賛したいと思う。

私の視線の先には比企谷君がいたのだ。

 

…思わず見とれてしまった。

今彼は、本を座って読んでいる。

その彼の顔は教室にいるときとは違い、少年のようにいきいきしていた。

目は濁っておらず、むしろ輝いていると言ってもいい。

そしてあの笑顔。見ている人を引き込むようないい顔だ。

 

私は彼に近づこうと一歩踏み出す。

そのとき、パキッと枝を踏んでしまった。

こんなときまで主人公展開か!

音がなった瞬間、彼はビクッとなり顔をあげる。

そして私を見たとたん、目が濁りだした。

そのまま彼は荷物を片付け帰ろうとしてしまう。

…今これを逃したらチャンスはない!

 

「待って!比企谷君!」

 

私は大きな声をあげ、彼を呼び止める。

すると彼は立ち止まり、振り向きながら

 

「…なにか用か?」

 

と、聞いてくる。

やった!と内心喜びながら、彼と話をしようと彼に近づいていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがでしたでしょうか?

今回は八幡に話しかけたところまでとなります。

次回の更新は未定です。


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