牙狼・雷流鋼伝   作:ラルク・シェル

3 / 3
これで完全に完結しますが、後書きに設定紹介になりますのでお楽しみに。そしてじつは暁にも投稿しようと考えてます。


完結

永遠の力を得た金城滔星・エイリス融合体に苦戦する雷牙と流牙だったが、そこに鋼牙が現れると3人は獣翼闇装・牙狼に変化した。そして大河を含むすべての黄金騎士と波奏と符礼の協力で、滔星を永遠の苦しみと一緒に魔界へ封じて戦いが終わり。鋼牙も雷牙も流牙も顔を見合わせる。

 

「本当に不思議な事だ…こうして俺の息子と、別の世界の黄金騎士が出会うなんて」

「俺も驚いたよ…」

「そうだよな…母さんとアンタがまた会えるなんて」

 

流牙が波奏と符礼を見て笑い出すと、続くかのようにして2人も微笑む。そして波奏は霊体の体のまま流牙に優しく抱き着く。感覚はないけども母親の懐かしく温かい感じをする流牙。

 

「ええ、あの時から私達はずっとアナタの鎧の中で英霊として見守って来たわ」

「そうなんだ…じゃあ、ゼドムを討伐できたのも母さんと符礼が手伝ってくれたおかげか…」

 

ボルシティ最後の戦いから今までずっと、2人が見守っていた事を知って少し目に涙を流した。すると符礼は鋼牙と雷牙に目を向ける。

 

「しかし奇跡と言っても不思議じゃない…こうして牙狼の称号を持つ者が3人もそろうなんてな」

「本当ね…まるで、黄金を取り戻した時と同じ」

 

さらに波奏も涙を流しながら視力を失っても流牙の鎧が黄金の輝きになった事を思い出す。

 

「別に…俺はただ大切な人を探して偶然現れただけだから。それに俺も久々に息子に会えたしな」

「父さん」

 

鋼牙はすぐに雷牙に顔を向けると、久しぶりに息子と話を始める。

 

「雷牙…ゴンザと零は?」

「もちろん、ゴンザはいつも元気だよ…でも、零さんは父さんと母さんを探しに」

「そっか…アイツも異空間に旅立ったのか…ところで、あの二刀流は?」

「零さんから教わりました」

「やっぱりな」

 

鋼牙の戦友で親友の涼邑零は幼い頃の雷牙に魔戒騎士の全てを教え、2人を探しに自分も異空間に旅に出た。雷牙の二刀流を見てすぐに涼邑に教わったのだと気づく。などとほのぼのしい時間が大分過ぎていき。

 

「さてと、そろそろですね」

「ふむ…たしかにな」

「え?母さん、符礼…なにを?」

「お別れよ」

「なっ!?」

 

そんな波奏の言葉に驚く流牙。

 

「こうして我々が実体化出来たのは、この空間と3人の牙狼が揃ったからさ」

「でも、どうやら限界みたい…また私達は消滅するわ」

「そんな…」

 

せっかく2人に再会できたのにまた別れるなんてあんまりだと感じる。

 

「だけど、安心して。私達はいつでも流牙の心と鎧の中で居続けるわ」

「そうだ…お前がさらに強くなるまでな」

 

すると波奏と符礼の体が徐々に消えかけてきたが、気にせずに語り続けた。

 

「じゃあな、流牙。お前は本当に俺にとって最高の弟子だ」

「これからも…私達はアナタを見守るからね」

「もちろん…俺もずっと母さんと符礼法師の事を思い続けます!」

 

流牙に別れを言って波奏と符礼は笑いながら消えて行った。流牙はまた少し涙を出しながら、これからも2人見守ってくれると信じてた。それから鋼牙も

 

「さてと…俺もそろそろ」

 

そう呟いた瞬間に鋼牙の体が少しずつ薄くなってきた。元々色んな異世界に渡り続けてきたので、この異世界に居られる時間も2人より短い。だが、そんな時に雷牙が引き止めた。

 

「待って、父さん!一緒に帰ってくれませんか?俺にも大切な人や仲間が出来たので…会わせてあげたいし…それに、ゴンザの特製スープを一緒に!」

 

せっかく父に再会したから一緒に元の世界に戻ろうと説得する。しかし当の本人は顔を横に振り。

 

「悪いが雷牙。俺はまだ帰ることは出来ないし、戻る気もない」

「え?」

「その理由…分かるだろ?」

 

鋼牙の言葉に帰らない理由を理解した。それは時空に飲み込まれた、鋼牙にとって愛すべき人で雷牙にとって大切な母親。

 

「……母さんを?」

「そうだ。俺はカオルを見つけるまで、俺は諦めない…だからな?」

「……分かったよ。父さんが母さんを見つけるまで、俺は待ってるから」

『当然、俺も待っているぜ♪』

 

雷牙だけでなくザルバもいつかカオルを見つけて戻ってくるまで、待ち続けると決意する姿を見て鋼牙は安心して微笑む。

 

「それを聞いて安心した…じゃあな」

「はい」

 

そして鋼牙が歩き出した途端にスーッと光の中に消えた。すると異空間が崩れ始める。元々この空間は、滔星とエイリスによって作られたので封印された今、この空間は維持できなくなって崩壊するのだ。それと同時に、雷牙も流牙も体が薄くなってきたが、気にせずにお互いに視線を合わせる。

 

「こうして俺達が出会ったのも、運命だな…」

「また別れても、俺達は守るべき物として戦い続けるだけさ」

「ああ」

 

流牙と雷牙が握手をすると、異空間が崩壊して2人も消えてしまう。そして2人はそれぞれ最後に消えた場所に戻ってた。戻った流牙は周りを見てザルバに尋ねる。

 

「ザルバ、さっきのは夢?」

『そんな訳ない。ありゃ現実さ』

「やっぱり…」

 

すると流牙は立ち上る月を見上げると心に誓った。

 

[俺…これからもがんばるから、母さんも符礼も俺の心と鎧の中で見守ってくれ!]

 

流牙の守りし者としての旅はまだ続いた。

それから雷牙も元の世界に戻ると、すぐに雷瞑館に帰るとゴンザに今回の事を話したりする。次の日に眠り続けるマユリの前で

 

「おはよう…マユリ」

 

いつもとおり朝の挨拶をして部屋から出ようとした瞬間、後ろに物音がしたので振り向くと信じらないものを目にする。それは眠っていたマユリが起きて立ち上がっていた。そしてマユリが最初に口にした言葉は

 

「おはよう…雷牙」

 

初めて見せるマユリの満開な笑顔に雷牙も釣られて微笑んだ。

どんなに時代や世界や場所は違っても、魔戒騎士は人と大切な人を守り続ける。

 

牙狼・雷流鋼伝 終




金城滔星・エイリス融合体

魔戒騎士と魔戒法師に対する強い怨みの陰我で亡霊になった金城滔星と、多少の時空操作が可能なエイリスの欠片・分身体が、ゼドムの種をツナギにして融合した存在。不死に近い再生力を持ち。魔法陣から手と足を出現させたり、体から蔦のような触手や刃の葉やトゲと魔導ホラーの武器に分身を作り攻撃する。最終目的は過去の自分達とメシアとギャノンとゼドムを吸収・融合して、ホラーの神として魔界に君臨し人間界を完全支配する事。
最後は3人の牙狼に翻弄し絶対に消えない炎に焼かれ、波奏と符礼に水晶の中に閉じ込められて永遠に魔界をさまよい続ける。
モチーフ・モデルは「牙狼・炎の刻印」のメンドーサ・アニマ吸収体。



獣翼闇装・牙狼


別々の時代と世界の黄金騎士が出会い、3人の力と経験と永遠に近い守りし者としての使命と思いが、合わさって誕生した最強の強化形態。カオルが思い浮かべた翼人と、心滅獣身を克服した光覚獣身と、黄金を解き放った頃と近い未来で闇を受け入れた漆黒が組み合わされた姿。牙狼剣も鋼牙は大剣で、雷牙は双剣で流牙は銃剣と変わる。
高速の飛行能力や鎧の強度アップに、腕から黄金の弾丸と鎖で攻撃だけでなく。過去から未来までの黄金騎士の英霊達から力を借りて、強力な烈火炎装の魔導火で相手を永遠に焼き続ける。
モチーフ・モデルは「牙狼・炎の刻印」の双烈融身ガロ。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。