艦これSS〜一筋の航跡〜   作:鉄製提督

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ほのぼの回にしようとしたら、大事な部分書けてなかったorz


第五話「休日」

 

夢を見ていた

 

"暗い…冷たい…ここは、何処...?身体が浮いてるような気がする...,,

 

僅かにある意識の中、ふと誰かの声が聞こえてきた。

 

"誰?何を言ってるの?,,

 

誰なのかも、何を言っているのかも解らない。薄れゆく意識の中、何かを掴んだ。

 

"鉄の....欠片...?,,

 

辺りを見回すと同じようなものが雪のように降ってくる。

それを見て、全てを察した。

 

 

''そウだ、思い出シタ、ここハ____ミナゾコ____,,

 

 

「っ!?」

突然、叢雲が飛び起きた。

(今、何か悪い夢を見た気がする....)

 

「お?やっと起きたか。」

 

叢雲が目を覚ますと、摩耶が二段ベッドの上から覗き込んできた。

 

「!?摩耶!驚かさないでよ、もう!」

 

「ごめんごめん、まさかここまで驚くとは思ってなかったわ。」

 

そう言ってるが、摩耶の口元はニヤついていた。

 

「それより、さっさと着替えろ。提督から全員お呼ばれなんだ。」

 

「?」

 

 

 

二人は身なりを整えた後、執務室へと向かった。

 

(なんの夢だったかしら、よく思い出せない。)

 

そんなことを考えていると、いつの間にか執務室に着いた。

 

既に二人以外の艦娘は集まっている。

全員集まったところで、春日が口を開いた。

 

「集まったね。それでは、今日の流れを話そう。」

 

彼の一言で場の空気が張り詰める。

 

「...今日は、1日海で遊ぶ!以上!」

 

彼の言葉で張り詰めた空気が一転、和気あいあいな雰囲気へガラリと変わる。

叢雲は1人だけ、思考が一瞬止まった。

 

「....は?」

 

「実は昨日の一件がかなり助けになったようで、上から休暇の許可が下りたんだ。」

 

昨日の戦闘のおかげで、製油所はほぼ無傷、戦闘後すぐに稼働を再開できたらしい。

 

(着任二日目にして休暇....ほんっとに自由奔放ね。)

叢雲は頭を抱えた。

 

「といううことで解散!各自水着を用意して砂浜で遊んでよし!僕はここで仕事を片付けてるから、何かあったら来るように。」

 

各々で執務室を後にしていく。

 

「ねぇ、摩耶。」

 

「ん〜?どした?」

 

「水着なんて持ってないんだけど、私。」

 

摩耶は「待ってました!」と言わんばかりに口元が笑っていた。

 

「だったらいいとこあるぜ!ついてこい!」

そう言うと摩耶が走り出す。

 

「ちょっと待ってよ!」

叢雲も後を追う。

 

「着いた着いた!ここで水着探せばいい!」

 

鎮守府の端辺りにある、とある部屋の前に着いた。そこには「酒保明石」と書かれたのれんがかかっていた。

 

(誰がいるかは一目瞭然ね。)

 

「いらっしゃいませ!明石の酒保へようこそ!」

やはり明石が中にいた。

 

(やっぱり)

 

「明石。コイツ用に水着探してんだけど、なんかいいのあるか?」

 

「お任せ下さい!こっちにたくさんありますよ!」

手招きをされ、二人は奥へ進んでいく。

 

「この中から自由にどうぞ!」

そこには、まるで服屋のようにたくさんの水着が置いてあった。

 

「こんなのとかどうですか?」

そう言って差し出してきたのは、かなり露出の高いビキニだった。

 

「い、いやいや!こんなの着れないわよ!恥ずかしいし…そう!こんなのでいいわ!」

 

とっさに近くにあった水着を取る。競泳用水着のようなデザインのものだった。これなら露出も少ないから大丈夫だろうと思ったようだ。

 

「えー?そんなのでいいのか?もっと可愛いのあんぞ?」

 

「そーですよ。もっとおしゃれしてみたらどう?」

 

「これでいいわ。うん。気に入った。」

若干棒読みになる。

二人は少し不満そうな顔をしていた。

 

(流石に吹雪とかはビキニじゃないだろうし、丁度いいわね。)

 

 

だが、叢雲の読みは大きく外れていた。

 

いざ砂浜に来てみると、なんと全員ビキニタイプの水着を着ていた。

普段男勝りな性格の木曾までもが、女の子らしい格好をしていた。

(嘘、これじゃ私のカッコの方が浮いてるじゃない…)

 

「わぁ、叢雲ちゃんの水着良いね!」

吹雪が声を掛けてきた。

 

「そ、そうかしら?みんなのと結構違うからどうかと思ったんだけど…」

 

「そんなことないよ。叢雲ちゃんらしくて似合ってる!」

 

「あ、ありがと....」

 

褒められるとは思ってなかったのか、叢雲は頬を少し赤くする。

 

「さ!行こ!」

吹雪が叢雲の手を取り皆の方へ連れて行く。

 

「ほらほら!早く海入ろう!」

 

その後は、海で泳いだり、砂浜でみんなと遊んだりと、戦争が起こっていることを微塵も感じさせないような幸せな時間が続いた。

 

 

 

 

 

__どれほど遊んだだろうか、もう日が沈みかけていた。

「ん?アレ民間船じゃねぇか?」

 

摩耶が見ている方向を向くと、クルーザー型の小型船がこっちに向かって来ていた。

 

「こっちに来ているみたいね。危ないからみんな海から上がりなさい。」

 

岸にいた加賀に従って、海から一斉に上がる。

しばらくして、船が砂浜に軽く乗り上げ、止まった。

 

船から、長い黒髪の少女が降りてきた。

(え、女の子?)

「あ、あの...春日英人はここにいますでしょうか?」

 

「ここの司令官よ。彼に何か用なの?とゆうか、貴方は誰?」

 

「私は春日紫織(かすがしおり)です。英人の妹です。」

 

To be continue

 

 

 


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