連載版 僕のヒーローアカデミア~希望の娘と絶望の転生者~   作:アゲイン

61 / 63
どうもアゲインと申します

突然の父 何があった?

そんな五十五話でございます


修行編だと思っていた私がいました

 とある海域の某所。

 才改学園を乗せた学園艦のデッキの上で黄昏ている男がいた。

 

 というか私だ。

 

「・・・・・・やあ、画面の前の皆様。

 おそらくタイトルを見て来てくださった方は残念な思いでいると思う。

 そうさ、修行編なんて嘘さ。

 そんな描写を挟む暇があるなんて、この底辺作者にできるとでも思っていたのか?

 できるかチクショー。

 だいたいなんだよ『コンボイの謎』って。やったことねぇよ。世代がちげぇよ。なんであの娘知ってんだよ。

 

 私だって見たかったさ。

 目標に向けて努力する娘の姿を。みんで見たかった・・・!

 でもなあ! 描写されなければそれは無いもの同然なんだよ!!

 

 理由はいろいろある!

 

 世界征服の準備に忙しかったから。

 モノチッチの突然の不調。

 大いなる世界の意思の介入。

 

 そういった事情が重なった結果私たちは修行風景の入手が途中で途切れてしまったバカヤロー!!

 なんでだ!

 娘の成長記録が撮れないじゃないか!

 私の人生で一番重要な使命を邪魔しやがって!

 ムシャクシャしすぎて島が一つ消えただろうがどうしてくれる!

 結構重要な研究施設だったんだぞ!

 

 ええいそんなことはどうでもいい!!

 娘の一瞬のきらめきに比べればどうということはない!

 

 華開かんとする過程でこそ見られる未成熟ゆえの葛藤!

 友の励まし、応援に心震わせ限界を越えんとする覚悟!

 困難に自ら望んで立ち向かっていく、無謀ともいえる挑戦心!

 

 それを!

 それを・・・見ることが・・・私には出来ない・・・・・・!

 

 絶望だ・・・!

 この世に溢れる悪行の中でこれほどのものが存在するだろうか!

 

 愛する存在の成長を見ることが出来ないことがどれほどの責め苦であることか!

 なに? 盗撮しといて何いってやがるだと?

 うるせぇ! そんなこと知ったこっちゃねえ!

 今はそんなこと言ってないんだよ!

 娘の成長が見られないことについていってんだよ!!

 それにお前らだってさんざん画面の前で娘の活躍について見たきただろうが!

 あれ? そういうことなら皆様もまた同類ということに「仕事をしてください」タコス!?」

 

 うぼぁーーー!

 この学園長を足蹴にするとは何事か!!

 

「何をするというのだね!!」 

「いや、仕事してくださいよ」

 

 甲板に打ち付けられた私に冷たい視線を向けながら仕事をしろとせっつくのは、教師陣の一人。

 

 『超超人級の薬剤士』にして学校医としても働いている、薬師寺(やくしじ) 投子(とうこ)である。

 

「うっかり沈没した無人島の研究施設の代わりを見つけるってご自分でいってたじゃないですか。面倒なのに手が空いてた私から言っといてくれって押し付けられたんですよ? ああ面倒臭い」

 

 ああ、その件だったか。

 だったらわざわざ蹴らなくたっていいのに。

 だって。

 

「もう終わるけど」

「は?」

 

 呆けたように力の抜けた顔をする薬師寺君だが、突如海面を割った衝撃によって体勢を崩してしまった。

 大きな水飛沫が船を叩き、中にいる者たちに多大な被害をもたらしながら、それは出現した。

 

「・・・は?・・・え?」

 

 一番にそれの存在を確認した薬師寺君はいきなりの展開についてこれていない。

 ここは私のほうからきちんと発表しておこうじゃないか。

 

 

 

「龍波動空母エビデゴラスだ。すまん、世代だったもんでな」

 

 ついでだから作っちゃった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 あ、体育祭は明日からだって。

 

 




読了ありがとうございました
感想など大歓迎ですので遠慮なくお願いします

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。