連載版 僕のヒーローアカデミア~希望の娘と絶望の転生者~ 作:アゲイン
書けた分を二話ほど投稿いたします
今回は娘の視点となっております
そんな感じの六話でございます
わたしの高校デビュー
あの後、わたしは父に関する様々な質問を受けた。別に隠すようなことはなかったのでバンバン暴露していったら特待生として雄英に迎えてもらうことになった。やったぜ。
受験に困ることはなくなったので、入学までの間、わたしは自分なりにさらに力をつけるための訓練をしたり、プロの活動を見たりしていたが、それ以外は普通に生活していた。
ちなみにわたしはすでに雄英内の寮に特別に住まわせてもらっている。おそらく監視のためだろうし、こちらとしても都合が良かったので特に不満はない。
特に学校内での設備を使わせてもらえたのが良かった。心置きなく個性を使っても迷惑にならないし、個性の使用で減ってしまったエネルギーも美味しいご飯で補給できる。父と居たときは家事は全てやってもらっていたので自分でいろいろするのがそれなりに楽しい。でもやっぱり父に髪を鋤いてもらえないのが少し寂しいかも。自分でやってもこれだけはなんとなく違和感が残る感じだ。
そんな日々を繰り返し、いつしか雄英高校の入学式の日になった。ようやくわたしも高校デビューだ。楽しみだな。
◆
寝起きの髪を整えるのに時間を掛けてしまい、目標の時間から少し遅れてしまった。教室の場所は把握しているので迷うことはないが、それにしたって周りの視線がすごいことになっている。
中学でもこんなだったけど高校ではもっと、こう、粘っこいというか、性の対象に見られているのを感じる。男子のそんな視線の中に女子からの嫉妬のような視線が混じっている。
わたしは髪以外は母に似ている。
写真でしか見たことはないがわたしに瓜二つの顔立ちをしていた。過去にどこにいるか聞いたことはあったが父は答えてはくれず、代わりにわたしを抱き締めてくれた。
泣きそうな声でわたしに囁く父の声は母への愛に溢れていて、それと同じくらいの愛をわたしへ捧げていると何度も語ってくれた。
それ以来母の話題を父にすることはなかったか、と思いを馳せながら、何時しかわたしは自分の教室、1-Aの扉の前まで来ていた。
ここから始まるのだ。わたしのヒーローへの道が。
わたしは覚悟を新たに、前へと踏み出した。
◆
わたしが教室に入った瞬間、それまで騒がしかったクラスメイトだろう人たちがピタリと喋るのをやめ、こちらに注目してくる。
何度もこういった反応はされるが、正直わたしより明らかに個性的な面々が見えているのでそこまでの反応をしてほしくはないのだが。
「おはよう」
・・・・・・、だめだ誰も返してくれない。挨拶もできないとかつっかえ、いややめておこう。これから共にヒーローを目指すのだ。ここで変に偏見を持ってなんとするのだ。
「わたしの席を教えてもらえない?」
「・・・あっ!? あの、お名前はなんですの?」
こちらの問いかけにようやくフリーズを解いて話しかけて来てくれたのは、この中でも目立つ高い身長の女の子。
「あなたは?」
「わ、私は八百万 百と申しますわ」
「そう。わたしは希望ヶ峰 希。百って呼んでいい?」
以外に可愛い感じだったので是非とも友達になりたい。こう言うときのわたしは積極的なのだ。
「えっ、そう、ですわね。いやいや全然構いませんわ!!」
「よかった。わたしは希でいいよ」
やった。友達ゲットだぜ。友達だよなこれ?
まあいい、こんな感じでどんどん友好の輪を広げていこう。
読了ありがとうございました
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