連載版 僕のヒーローアカデミア~希望の娘と絶望の転生者~ 作:アゲイン
体育祭の前にサイドストーリーとなります
今回は前編となります。才改学園はこんなところだよ、というないようです
それではどうぞ!
「えー、皆さんようこそですの。この才改学園は皆様の入学を歓迎致しますの。今回はこの私、『超高校級のガイド』こと
うー、緊張しますの~。
皆さん私より背が高いから、見下ろされてのこの視線は厳しいですの~。
「(う~、学園長の無茶ぶりですの~・・・!)」
巡はこの新しい入学者の方たちの案内を任されたんですの。新人さんたちはこの施設のことを知らないので、きちんと紹介しておかなければ危険が危ない状態なのです。
基本的にここの人たちは表の世界の軛から解き放たれた反動ではっちゃけているので内部がかなりカオスになっているんですの。
なので、ここでしっかり認識してもらわなければならないのです。しっかり、きちんとですの。
「それでは、ついて来てくださいですの!!」
◆
順序としては使用頻度の多い施設から、ということで、ここからですの。
「まず最初に紹介するのは教室棟ですの。皆さんが授業を受ける各教室があるところですの。こちらは教頭の『指方 学』先生ですの」
私の指す方向にいるのは学園長にヘッドハンティングされた方ですの。特化型の多いこの学園において各方面に満遍なく精通している貴重な、そしてまともな先生ですの。
「皆さん、この学園はその名の通り『再開』を目指したものです。暗い泥沼から、その泥を纏ってでも這い出ていた者たちの修練所だ。我々は諸君らの奮闘をそのまま評価する。そしてその努力が、君たちの絶望の矛先を鋭利なものとするだろう。
研げ、しかして武器とせよ」
おお、さすがは並みいる教師を退けて教頭という地位を勝ち取った強者ですの。言葉から感じる力強さが半端ねぇですの。
「---む?」
教頭先生は何かを察知したようで、まるで霞のようにその姿を眩ましましたの。おそらくはまたやらかした生徒、それか教師の動きに反応したんですの。
その一瞬の出来事に新入生の一部でニンジャコールが止まりませんの。でも教頭先生は違いますの。
ニンジャは存在しない。イイネ?
「このように、頼れる教師陣もあなたたちをバックアップします。安心はしていいですが、それに胡座をかくようではぶち殺されますので心掛けて励みましょう」
では、次にいくですの~。
◆
次はグラウンドですの。ここも船の中とは思えないほどの規模となっていますの。ありとあらゆる路面の状況を再現し、どんな状況でも動けるように訓練するため。
そして。
「---来ましたの」
今いるのはレーストラックの会場ですの。もちろんそこにはレーシングマシンのバイクの猛り狂う騒音が鳴り響いている。見えてくるのはデッドヒートを繰り広げる二機のマシンですの。
高速でゴールに迫り、ほとんど同時に到着しましたの。
「---どっちだぁああ!!!」
機体を止めてそう怒鳴りながらバイクから降り立ったのは、美しい
抜群のプロポーションをライダースーツで際立たせた長身の女性ですの。
「---はよ言えおらぁああ!!!」
こちらも同じように汗まみれの顔を晒すのですが、女性と違い全体的にごつい作りの男性ですの。
しかもその髪型も、女性のほうが長髪ストレートに対してドレッドという一見不良にしか見えないのですの。
「---出ました! カメラ判定の結果、同着! 引き分けです!」
「「くそがぁああああああああああ!!!!!!」」
結果判定に同時にヘルメットを地面に叩きつけたのです。恐ろしいのです。一撃でへしゃげているのです。仮にもこの学園謹製のものであるにも関わらずにですの。
『超超人級のライダー』、
『超超人級の走り屋』、
才改学園が誇る二大スピード狂としてその名を馳せる、教師の中でも注意が必要な御仁達ですの。
それでもここの使用にはこの方達の認可がなくては、勝手にやってレースに巻き込まれでもしたら重症ですめば良い方ですの。
「お二方、お疲れさまですの!!」
「「あぁんっ!!」」
こ、怖いですのーー!!
で、でも! ここで退いてはお役目を全うできませんの!
「あ、新しい入学者の施設回りに来ましたの! お二方にもご挨拶をと思いまして顔出しさせていただいた次第ですの!!」
「あーそんな話あったねー。マシンのこと考えてて耳に入ってなかったわ」
「
私の後ろに控えている方達を一頻り眺めた後、それはもう含みのある笑顔で語りかけてきますの。
「よう社会の底辺ども。ここじゃお前らみたいな奴等を一線級の使える人材にするために、日夜あたしらみたいなのが働いてる」
「始めに言っておくがよ、好き勝手できるとは思わねぇことだ。まずはお前らを笑ったり泣いたりできなくするところからやるんでな」
「そして注意しておくことだね。ここに今までの常識は通用しない。なぜなら」
「それに縛られていたからこそ、元の社会で落ちこぼれたからだ。その枷はここには存在しねぇ」
「最後に、他のどのルールよりも優先されるもんがある」
「これさえ守っときゃ、ミンチになることはねぇだろうよ」
「「
『『『イエッサァアアアーーーー!!!』』』
なんということでしょう。匠の見事な手腕により、見事連帯感を得た彼らの動きは、まさに軍隊か族のような規律正しいものとなりました。
「ご教授ありがとうございますの!!」
私もぴたりと敬礼で返しますの。怖いからですの。死にたくないからですの!!
「じゃあ、あたしらもっかいやってくっから」
「メンテが先だ。あばよ」
そういって躊躇なく整備室の方へとバイクを移動させていきましたの。脅威はついに去りましたの。
「・・・ふー。このように、ここは人外魔境の巣窟となっていますの。今言われたことを魂に刻んで決して忘れないようにするんですの。
それでは、早めの昼食を挟んだら次に施設にいきますの。レッツゴーー!! ですの!!」
早くいかないと席の確保ができませんの。自由な人たちはいくら予定を組んでいても無視してその場を荒らしてしまうんですの。迅速な行動こそが勝負の決め手になりますのーー!!
読了ありがとうございました
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