連載版 僕のヒーローアカデミア~希望の娘と絶望の転生者~   作:アゲイン

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どうもアゲインと申します

コネを使って楽しく戦争準備だ!

そんな四十九話でございます


この短い間にまた評価をしていただいてありがとうございます
とても励みになっております
サイドストーリーももう少しで投稿できそうなので、どうかお待ちください


華開く 時限爆弾 ちゃくちゃくと

「こいつの利用価値は言うまでもない。医療という面に限った話でも多岐にわたる使い道があるだろう。まさしく命を繋ぐ希望となるだろうさ。体を動かせない、そんな奴らのは喉から手が出るほど。

 

 地面を駆ける自由を。

 水を泳ぐ自由を。

 風を感じる自由を。

 触れ合える感動を。

 

 振り撒いてやろうじゃないか!

 存分に善人面して思いきりかっこよく彼ら彼女らを救ってやろう!

 救世主ってやつになってやろうじゃないか!

 ヒーローなんて不確かな、敵なんて傍迷惑な連中とは格が違うってことを見せつけてやろうぜ!!」

 

 ふはははははははははははははははは!!!!!!!

 実に、実に気分がいいぞ!!

 最高にハイってやつだーーー!!!

 

「戦争ビジネスもいいな!

 愛だ平和だ囀ずっている連中に見せてやりたいもんだ!

 問題がまるで解決していないのに終わった気になっているんだから爆笑もんだよね!

 火種はそこらじゅうにあるというのに、まるでそんなものは無いみたいにただただ表で起きる事件にばかりだ!

 

 だから、わからせてやろうじゃないか!!

 

 真に絶望せんとするためには、希望がなくてはならない!

 そのために、種を蒔こう!

 絶望の大輪を咲かせるために、世界に希望の種を蒔こう!

 世界に溢れる希望とやらが、どれだけ陳腐でありふれていて下らないかを、私たちのもたらす仮初めの希望で塗りつぶしてやろう!

 

 争いを起こそう!

 どうしようもない争いを起こそう!!

 絶滅しなければならないほどの大きな争いだ。殺し尽くさなければならないほどの戦争だ。主義主張が真っ向からぶつかり合う抗争だ。

 

 拳で足で頭突きで歯で、

 剣で槍で斧で弓で、

 毒で銃で爆弾でミサイルで、

 

 総力戦だ。まごうことなき『完全版ヒーロー大戦~永劫無限闘争ボクアカ』を、ここにいる全員で演出してやろうじゃあないか!!」

 

「我々は!

 この世全ての善を成そう!!

 

 我々は!

 この世全ての悪を成そう!!

 

 全ては、そう全てはしかるのちの絶望のためだ!!

 悪でなく善でなく、悪であり善である、この世全ての最も忌むべきものを、この地上にこの世界に、乱立する多種多様な駒を擁するこの盤上に、地中深くから地面を抉り砕いて登場してやろう!!!」

 

 ああ、いいぞ。

 これはいい!!

 これほどの材料はない、逸材はない、好機はない。

 今この時でなければ上げられない、大きな大きな打ち上げ花火。

 その下準備のために、彼らの協力があればなお良い。

 

「やってくれないかな、地ならしを頼みたい。この世界が希望に溢れれば溢れるほど、もたらされる絶望は期待できるなんてものじゃなくなるだろう」

 

 この提案に、諸手をあげて協力を申し出てくれるのはかつての仕事で出会った彼らだった。

 

『オーダーはなんだ? うずうずしてるんだ、早く頼むよ!』

「アイン、英国側の指揮を執れ。じっくりといけよ」

 

 白人、アイン・ドルガーは政争で敗れ、舞い戻った男だ。政敵の不正を暴くことを手伝い、犠牲となった妻子の敵討ちをした。

 

『はっはー! 祭りの準備か堪らんねぇええ!!』

「ボールス。合衆国に根付く差別問題に火を着けろ、肉を焼くようにな」

 

 黒人、ボールス・ゴドウィン。マフィアに狙われた貴族の娘を救うために裏の世界に足を踏み入れた男。返り討ちにしてやって今ではゴッドファーザーだ。

 

『あたいはいつでもいけるよ!!』

「マリー。歌姫の君には酷な頼みだが、どうか歌ってくれないか。悲しみの歌を」

 

 歌姫、マリー・アリアントワット。赤い髪の町娘は夢を見て、そして潰された。ならばと新たなレコーディング会社を立ち上げ、ライバルに十倍近い大差をつけて勝利した。

 

『いやはや、若いもんはいいですのー』

「弁天丸ー。お前さんにもどんどん働いてもらうからなー。頭の固い連中をそれとなく誘導しろ。心地良い夢を見せてやれ」

 

 老獪、大門寺 弁天丸。因習により双子の娘を殺さなくてはならない息子のために一族を裏切った。最終的に拳で語り合った結果、今ではいがみ合いながらも立派な子に育て合う関係だ。

 

 そして集められた御大層な者たちに次々と指示を出し、世界をよくしつつすぐに崩れ去るように、トランプの城を構築しよう。

 

「君たちの貢献に、我ら才改学園全力で応えよう。精鋭を用意して全ての行程を満遍なくこなしてみせよう。本気の度合いが違うってことがどれほどの脅威を生み出すか、

 

 

 ---結果をもって証明しよう」

 

 世界を相手取るのに人員はいくらあっても足りない。それなら潜在的なものを作り出し、民衆をその流れに乗せてしまおう。

 

「重要なものは何か、それをしっかり確かめながら、甘い密で世界を溶かそう」

 

 さあ、お互いに準備期間といこうじゃないか。

 励め、娘よ。

 父はこうして暗躍するから、そっちはそっちでがんばるんだよ。

 良い感じの混沌とした世界情勢を作り出しておくから、後で思う存分戦おうじゃないか。

 

 

「楽しみだ。ああ、楽しみだとも。なんもかんもぶつけ合って、最後に立っていたほうが勝者だ。そういう戦いを、しよう」 




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