連載版 僕のヒーローアカデミア~希望の娘と絶望の転生者~ 作:アゲイン
申し訳ありません!!
急な用事で執筆の時間が取れませんでした!!
流れを切ってしまう代わりにストックを差し出すので勘弁してたください!!
一期生たちのSSでございます
雄英高校への襲撃に参加し、それなりの戦果をげた三人衆は帰還した足で御鏡と共に街へとくりだしていた。
成果の報告を済ませた四人はその働きを評価され、モノクローム直々に報酬を与えられていた。その報酬で、ここに来ていた。
「・・・なぜここなのだ?」
席に座りながら最初にそう呟いたのは、全身に包帯を巻いた男。
『超高校級の番匠』こと、宮造 斉像である。
治療も最低限に済ませたこの男は、自身の上に位置する少女の呼び掛けにより、あまり事情を知らされることなく連れてこられていた。
「学園長のおすすめなんですって!」
それに応えたのはその少女、『超高校級の整体師』御鏡 ミラである。
一期生筆頭という立場の彼女は、奮戦した仲間のためにできることはないかと絶に相談していた。
その相談を受けた絶は快く応じ、以前からの行き着けであった飲食店を紹介したのだ。
「いいじゃねぇかよ。折角の機会だぜ」
「ずっと船の中というのも気が滅入るしね~」
同調するように発言する二人も同じく一期生の襲撃者。
『超高校級のスウィングマン』、斑目 球道。
『超高校級のガンナー』、紅厳院 朱美。
彼らもまた、ミラによってここに連れてこられていた。
「別に不満があるわけではない。そうではなく、」
ミラの個性により直通で店に来ていたため、どのようなところなのかを知らなかった宮造は、奥の座敷で疑問に思っていた。
「何故、お好み焼きなのだ」
そう、ミラが紹介されたここは、お好み焼き専門といいつつもんじゃ焼きなどもある某とんぼりみたいなところなのだ。
経営難に陥ったところを絶に救われた過去を持つのでとても協力的だぞ!
「今日はお代は結構だ! さあ、食ってってくれよ!!」
事前に説明を受けていた店長、店員各人はそれはもう満面の顔で彼らのことを迎え入れていた。
恩人の教え子であるならばどうこういうのは粋じゃない、というのがここまでの態度をとられている理由である。
料金先払いの大幅収入も原因だろう。
「そんじゃあ、俺は豚玉肉増しで」
「私は海鮮」
「ここからここまでお願いします!」
ついていけない宮造を置いてどんどんと料理を頼んでいく。
「次席はどうするよ?」
「・・・・・・わかった。己も頼もう」
しぶしぶといった具合にメニューを開く宮造。そこまで乗り気じゃないのは実は理由があるのだが、ここでいうのも野暮というものだろうかと、そう、気を抜いたのが悪かった。
不運、だといえるだろう。
そういうしかないのだから。
「---広島焼きを頼む」
「・・・あん?」
斑目は、敵意を。
「へ~」
紅厳院は、薄い関心。
「ジュースおかわりください!」
御鏡は気にしていなかった。
「おい、次席。お好み焼きなら大阪だろうが。ここにもちゃんとそう載ってんだぜ」
斑目は敵意そのままに言葉を投げ掛ける。それは陽気な彼にあるまじき態度であった。
「・・・よもや、ここにもいたか」
そう応じた宮造も、不穏な気配を発し始めている。
「え、なんで? なんで雰囲気悪くなってんの?」
二人の男たちのいきなりの衝突に、紅厳院は困惑している。楽しいはずの慰労会でまさかの事態になってしまい動揺を隠せない。
「ふむ。もう少しですね」
御鏡は気にしていなかった。
「はっ。どうやら次席は本物を知らんらしい」
「ああ、軟弱者の貴様には似合っておろうがな」
ああ、悲しきは文化かな。
対立は人の業であるというところか。
たとえ仲良き間柄であろうと、理解し合えないものはあるのだから。
「決着つけてやらぁああああああ!!!」
「いったな腑抜けがああああああああ!!!」
些細なことにより、戦争勃発。
お互いに防御を捨てたガチンコである。
「いきなりなんなのこいつら!?」
「ああ!? ひっくり返すのしくじりました!!」
「いや止めてよ!! 筆頭でしょうが!!」
意外と常識人だった紅厳院は巻き込まれたくないので待避した。
御鏡はやっぱり気にしていなかった。
お好み焼きが宙を舞い、タレと青海苔踊りだす。
喧騒止まず、日が暮れるまでどんちゃん騒ぎがあったとな。
後に訪れたモノクロームは語る。
『今度は野外でBBQにするよ。はっちゃけ過ぎだバーカ』
読了ありがとうございました
感想など大歓迎ですので遠慮なくお願いします