連載版 僕のヒーローアカデミア~希望の娘と絶望の転生者~ 作:アゲイン
娘、観戦する
そんな十七話でございます
ここ数日急に閲覧数が増え、評価をいただくことが出来ているという事態に正直驚いております
まだまだ物語の深いところまで書けていないにも関わらずこのような評価を受け、感謝の言葉しかございません
ジョジョネタで受けているのか、思いきりその回のみ伸びがよいのは上手く書けていると受け取っていいものか・・・ダンロン成分が足りているのかという悩みはございますが、これからもよい作品に仕上げていければと思います
長文失礼いたしました
抽選で選ばれたペア二組がそれぞれヒーロー側、敵側に別れ攻防を行う。
ヒーロー側は敵が守るオブジェクトに接触すれば勝利となる。
反対に敵側は十五分オブジェクトを死守するか、確保テープを相手にくくりつけ戦闘不能扱いにすれば勝利だ。
そのようなルールで始まった最初の模擬戦だが、なんというのか見ていて不安になる。
「これはひどい」
あの爆発頭、敵側だからって自分のやりたいことを優先して単独行動を強行しすぎだ。もじゃ髪君はタイマンを選んだからよかったものの、普通なら挟まれて終わりだ。相手の戦力を過小評価しすぎているとしか見えないぞ。
「まずい展開ですわね」
隣で観戦していた百も同意見のようで、画面に映る二人の戦いに苦い顔をしている。
爆発頭はほぼキレて短絡的な攻撃ばかりで、それを読んだもじゃ君は彼の大降りの一撃を上手く返した。あの動きはおそらく近くでよく見ているからこそ出来る類いのものだろう。二人は同級生だった可能性が高いか。なにがあの爆発頭のトサカにキているのか分からないが、どうやらもじゃ君のことが気に入らないらしい。
そこから爆発頭は自身のスーツの武装である手榴弾型の籠手からピンを抜き、今までの比ではない大規模の爆破を起こして模擬戦会場のビルの一画を吹き飛ばした。
「・・・わお」
「な、なんてことを! 出久さんは無事ですの!?」
画面が一時ブラックアウトし、中の様子が見えなくなった。すぐに復旧したがそこに映るもじゃ君はぼろぼろだ。出久君というらしいが、最初のテストのときにもそうだがあまり個性を使わないようだ。あのとき見せた威力から戦闘向きの個性であっても扱いに慣れていないのか体が付いていってないみたい。
単純な増強型でもあそこまでピーキーなものは珍しい。普通はある程度の力加減は覚えているものだけど。
「どうやら軽傷に治まったみたいですわね」
「運が良かった」
爆発そのものに巻き込まれていなかったのが要因かな。爆風で煽られただけみたい。それでもダメージがないわけじゃないのによく立つものだ。
それから爆発頭を誘導するようにして動き、クロスカウンター気味の軌道を変えあの凄まじい一撃を天井に向けて繰り出した。それはオブジェクトが置いてある上階の下であり、その部屋に待機していた無重力少女と連携してライダーを撹乱。そのままオブジェクトを確保してヒーロー側の勝利となった。
いろいろとあったがこれでこの戦いは終了。講評に移れば百の的確に過ぎる解説により良いも悪いも丸分かりである。
これにはオールマイトも悔しげに拳を震わせている。
「それでは気を取り直して次の対戦カードの発表といこうか。・・・その前に!」
来たまえ、という彼の言葉に応じるように現れたのは今までこの場にいなかったあの野郎で。
「少々事情があって伊留御少年には席を外してもらっていたが、どうやら用事も済んだようなのでこれから参加してもらおう。いいかね伊留御少年?」
「・・・問題ねぇっす」
戦闘服に着替えたやつは不貞腐れたような表情でそこに立っていた。正直もう少し立ち直るのに時間は掛かるかと思っていたけれど、案外図太い根性をしていたみたい。
それでもこちらには目線を寄越すことはなく他を向いている。苦手意識はあるみたいだ。
「さあ、次の対戦カードはこちらだ!」
オールマイトの声に反応し画面の方に視線を向ければ、そこに映る敵側のメンバーにわたしの名前が。それから尾白 猿夫と葉隠 透が組となった。
こちらが三人という人数的には優位となってしまうがそんなわけはなく。
「・・・俺かよ」
相手側、ヒーローメンバーの方にレーザー野郎、
そしてこちらも他に轟 焦凍、障子 目蔵がメンバーとなる。
「よし! これで両者出揃った! これより三対三の対戦を行う!!」
読了ありがとうございました
感想などあれば大歓迎ですので遠慮なくお願いします