連載版 僕のヒーローアカデミア~希望の娘と絶望の転生者~   作:アゲイン

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どうもアゲインと申します

娘、コーディネートを披露
そんな十六話でございます


わたしと模擬戦

「わーたーしーがっ! 普通にドアから来た!!」

 

 いくつかの授業を受け、次の担当の先生を待っているとその巨漢はいきなりわたしたちの前に現れた。

 受験の時にあってからは顔を合わせることはなかったけど、その迫力にはやはり驚いてしまう。画風が違うと叫ぶ人の言葉には同意しよう。力強さの自己主張が激しい。

 クラスメイト達の熱い声援を受けながら、彼は教壇の前に立つ。

 

 オールマイト

 

 正義の象徴。わたしの父と因縁を持つ人。

 圧倒的な力を持つ彼と身体的には普通の父がどう戦ったのか。以前の決別のそれを、わたしは概要しか教えられていない。

 どんな戦いをしたのかはまた今度聞きに行こう。

 

「今日はコレ!! 戦闘訓練!!!」

  

ババン。と効果音でもつきそうな感じだ。その内容に沸き立つ教室。 

「戦闘……」

「訓練……!」

 

 やる気を声に込めた発言がそこかしこからあがる。

 

「そして、コレだ!!」

 

 派手な機械音を響かせ壁が棚状にせり出してきた。こんな機能を備えていたのかここ。

 

「入学前に送ってもらった『個性届け』と『要望』に沿ってあつらえた……」

「戦闘服!」

「そうだ! 形から入るってのも大事だぜ少年少女!! 全員着替えたらグラウンドβに集合だ!!!」

 

 

 

 

 『被服免除』というものがあるこの学校では、ヒーローの卵であるわたしたちにも、その個性にあった『戦闘服』を着ることができる。 企業なんかが作ってくれたものが大半だがなかには自前の人もいて、わたしも父に作ってもらったものを着ている。

 

 わたしの個性の特性上、体のいたるところからブースターとかが展開されるため、本気を出せば必然的に露出度は高くなってしまう。

 最低限胸やお腹、腰回りといった見せられないところを隠してはいるけれど、背中や脚腕といったところは機械的なブーツやグローブ型装甲、外付けユニットを装備するぐらいしかできない。特に背中は大型のブースターを展開することが前提のため肩を含め大きく開いている。時々この長い髪を巻き込むこともあるので注意が必要だ。

 これを製作してもらうにあたってかなり恥ずかしい思いをしたけど、性能は父の折り紙付きだ。

 

 スーツの着心地を確かめていると百たちが近づいてくるのが見えたので彼女たちの服にも目を向けてみた。

 

「希さん・・・その・・・」

「百も人のこと言えない」

 

 若干言いにくそうな表情で見てくるけど、彼女の格好だってかなり際どいことになっている。

 

「いや、あんたら変わんないから」

 

 そうツッコんでくる響香は彼女らしくロックな感じだ。この感じ結構好き。

 

「三奈は?」

「あっちで他のと絡んでるよ」

 

 彼女の指す方向を見れば上鳴や他の人たちに文字通り絡んでいる三奈の姿。あのコミュ力わたしも欲しい。

 でもあの中にいくのもなあ。

 

 何人かこちらをチラチラと見てくるのだ。明らかに性的な感情を持っているのが分かる。あの性獣に至ってはよほど興奮しているのか目が血走っていて、見ていて気持ちいいものではない。正直気持ち悪いのだが。

 

「よーし、皆そろったようだな!」

 

 そうこうしているうちに颯爽とオールマイトが登場した。

 シルバー・エイジと呼ばれていたころのコスチュームを纏ったオールマイトは掘りの深い笑みをさらに深める。

 生徒達一人ひとりを見渡し、満足げに頷いた。

 

「さあ、始めようか有精卵共!!」

 

 こうして、模擬とはいえど本気の戦いのコールがかかるのだった。




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