大海原の祖なる龍   作:残骸の獣

25 / 44


遅くなったァ!
最近スランプ気味で辛み

書きたいことが文章にならないってキツイっす


オリキャラにオリジナルの実が出るので注意ですよっと(ちょいキャラになると思いますが)





25 閑話、秘密の宴

 

海軍本部、通称『マリンフォード』

海賊王ゴールド・ロジャーの死後、年々増え続ける海賊達から市民を守る為設立された組織。その総本山たる海軍本部には各国よりエリート戦士達が集められている。

海軍の階級はその実力と比例しており、大将を始め、少将以上の階級ともなれば能力者、非能力者問わず相応の実力を備える者ばかり。その力は下手な海賊団ならば1人で殲滅できてしまうほどだ。

その中でも、言わずと知れた『英雄』モンキー・D・ガープを始め最強種自然系の能力者達の集う〝中将〟の位においてはその名を聞くだけで海賊達は震え上がり、海兵の誰もが一目置く豪傑達ばかりが所属している階級である。

 

そんな〝化け物〟クラスの海兵たちの頂点に密かに君臨する者が1人、自身の執務室で椅子にもたれかかり暇そうに書類を眺めていた。

 

 

「ん~…どいつにしようかなあ…」

 

 

彼女こそ海軍本部、その中将達の頂点に君臨する女。中将総督ミラである。

ほかの海兵達の前では凛とした立ち振る舞いをし、威厳溢れるミラであるが、自室にお供のメイドと三人だけの時は普段の雰囲気は無く、だらだらと書類に目を通していた。

 

 

「『かげのおう』げっこーもりあ……『あくりょうきし』でるく・ふぁうすと……『くびかり』ぺねろぺ……『いばらむち』ぞるざるだん……

みら、これなにー?」

 

 

ミラの膝に座りながら一緒に写真付きの書類を眺めるメイド姿の少女の頭にはまるで狼のような耳が二つ、スカートからは銀色の尻尾が覗く。

 

 

「新しい七武海の候補者リストなんだが…中々いいのがいなくてなあ。

クロコダイルやミホーク程じゃないにしろ、影響力の強いヤツを選ばんと…」

 

 

七武海は世界政府公認で「海賊に対する海賊行為を許された海賊」である。海賊を狩る海賊、より多くの海賊がその名を恐れるように懸賞金は高く、ナワバリとして占拠する島も多いに越した事は無い。更に実力もありある程度話のわかる人格者というポイントを抑える海賊は彼女の思ったよりも少なかった。

 

 

「(こう考えるとクロコダイルやミホークはまだマシなほうだな。くまは特例として、少し懸賞金を落としてでもマトモな海賊を発見して1人くらい七武海に登用、もしくは接触くらいはしておかないと…)」

 

 

思考するミラ、そしてカッ!と目を見開く

 

 

「(コング元帥お疲れ様会の企画が…できん…それだけはなんとしても避けなければ…ッ!!)」

 

 

中将総督ミラ。物憂げに考えるその知的な表情とは裏腹に、頭の中は遊ぶ事で一杯だった。

 

 

その時ドアを蹴破るかの如く勢いでガープが入室してくる。ミラお付のメイドの1人、テリジアは2人の愛の巣(本人談)を壊されかけたことに眉を顰めていた。

 

 

「ちょっとガープ中将!扉は蹴り開け無いでくださいとあれほど御説明致しましたわよね!?」

 

 

「おお!そうじゃった!スマンスマン!

ところでテリジアちゃん、なんか飲み物をくれぃ。美味い煎餅を買ってきたんでな、ミラ達と一緒に食べようと思ってのう!」

 

 

テリジアがジト目で睨み付けるのも全く気にすることなくガハハと笑うガープ、その後からひょこっと別の女性が顔を出す。

 

 

「帰投。命令通りロシナンテ中佐の看護をおこなってきた。

容態は安定、身体に後遺症も見られない。ただし若干の記憶障害あり、潜入任務の際の記憶が抜け落ちている可能性がある。

今はセンゴク大将と面会中。」

 

 

「ご苦労さんレム。

せっかくガープ中将も来て下さったんだ、書類は一旦置いといてお茶にしようか。

テリジア、頼む。」

 

 

「はぁい!かしこまりましたわお姉様♡」

 

 

大喜びで給仕室へ飛んでいくテリジアを見送ってミラ達は来客用に設置されたコの字型の大きなソファーに腰掛ける。

 

 

「ん?この部屋のソファー、こんな豪華じゃったかのう…?」

 

 

「ええ、私も疑問に思って前に経理担当のゾルダンに聞いてみたんですが分からないとのことで…匿名の市民からの寄付だと説明されました。」

 

 

「ほぉ~、健気なことしてくれるのう。ミラが頑張っとる証拠じゃな。」

 

 

「中将もご自分の書類を頑張って欲しいんですが。」

 

 

「ちゃんと終わらせたわい!………先月の分は(ボソッ)」

 

 

「じぃじ、わるいこ…」

 

 

「ハゥッ!?イルミーナに言われるとなけなしの罪悪感が……」

 

 

「イルミたんに言われても〝なけなし〟ですのね…」

 

 

「煎餅、美味…」

 

 

 

そんなこんなで執務室で談笑するミラ達。そんな中、ミラはある事に気付いた。

 

 

「そういえばガープ中将、クザン中将見ませんでした?あの人に頼みたい案件が来ているのですが…」

 

 

「クザンかあ?知らんのお…

ここに来る前部屋に寄ったがおらんかったし。」

 

 

「そうですか、まあいつもの事ですね。」

 

 

クザンは仕事が嫌でよく行方を眩ませる、いつもなら見聞色を使い本部中を走り回ってでもクザンを捕獲するミラだがこの時はお茶の途中だし、さして急ぎの用事でも無かったため捜索は諦めることにしたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海軍本部敷地内の隅、今は使われなくなった古倉庫にて……

窓は板で完全に塞がれ、昼だというのに光も届かない真っ暗でだだっ広いこの部屋の中で蠢く影があった。

 

 

「…集まったな諸君。始めるぞ…」

 

 

男性の声に合わせて暗い部屋にロウソクの灯りが灯る、ゆらゆらと妖しく揺れる光は蠢く彼等を映し出した。

 

集まっているのは全員海兵だ、首から下は皆海兵の服装なのでそうなのだと分かるだろう。ただ全員が麻でできた目出し帽を被り顔が誰だか分からないように隠している。彼らの目線の先、ロウソクの明かりが灯る机には様々な角度から撮影されたある中将とその取り巻きのメイド達の写真が所狭しと並べられていた。

ある写真は甲板で海兵達を指揮する勇ましい姿、ある写真はメイドの淹れた珈琲を優雅に飲む姿、またある写真は膝に乗せた犬耳メイドを緩んだ顔で撫でる姿等、彼らの信奉する中将の写真で机は埋め尽くされている。

 

これは盗撮である

 

もう一度言う、こ れ は 盗 撮 で あ る

 

他の者達とは違う、赤色の目出し帽を被った海兵が重々しげに告げた。

 

 

「さあ…本日の取り引きを始めよう。

今日は中々の上物も手に入れた。我等の女神達への崇拝と感謝を込めて……」

 

 

彼の一言で倉庫内の温度が一気に上がっていく。

 

 

 

これは決して知られてはいけない同志達の秘密の宴

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

事の始まりは数年前、まだミラが海兵として活躍し始めの頃。

大将センゴクは海兵募集のポスターの被写体に彼女を選抜した。ミラはこれを快く承諾、湧き出る将校たちのアイデア(欲望)を全て採用すると言った彼女は海軍専属カメラマンアタッチャン撮影のもと、合計30枚にも及ぶ大量のコスプレ写真を撮影した。

募集のポスターに選ばれ、焼き増しされたのはその中からマトモな1枚だけだったが、残りの29枚は現物のみ。あの日あの場所でアイデアを提供した各将校たちの下へ渡っている。

 

ポスターは大きな反響を呼び、その年の海兵志願者数は前年の三倍という高倍率を叩き出し、謎の美人海兵への問い合わせがあとを絶たなかった。

 

「あの美人海兵は何処の出身だ」

「是非貴族の嫁に欲しい」

「彼女の配属先はウチの支部にして欲しい」

etc..

 

一般人、海兵問わず様々な所からそんな話題が上がる。

因みにそれらはもちろんミラの事を隠蔽する『五老星』によって上手い具合にはぐらかされた訳だが…

そしてあの時ポスターに釣られて入隊した訓練兵達は皆海兵となり、各々の持ち場で働いている。そんな彼らは数ヶ月に一度、憧れの美人将校ミラを密かに撮影した写真を本部内で密かに開かれるオークションで買い求め、明日への活力としていたのだった。

 

 

「次、ミラ中将の貴重な戦闘のお姿を収めた写真だ。まずは2000ベリーから…」

 

 

司教と呼ばれる赤色帽子の司会が提示した写真にはかつて敵船と交戦した際、指示を出しながら腰のカトラスを抜き放つ凛々しいミラの姿が写されている。

 

 

「2500!」「2560!」「2700!」「2900!!」

 

 

「……決まりだ、2900の値を出した35番の同志にこの写真を贈ろう。」

 

暗闇から数字の書かれたプラカードが次々と勢い良く挙がる、それからもオークション方式で無駄なく捌かれていく写真達。

 

 

 

 

なおこの興行で得た収入は全てミラ中将にバレぬように何かしらの形で彼女へ還元されるらしい、給仕の使う食材がワンランク良いものになったり、船の設備の修繕費になったりするようだ。

彼らはその対価として金を出し、写真を求める。

好きなものにならいくらでも投資できる海兵達は現代におけるアイドルオタクの姿が重なるが彼等は純粋に海兵としてミラのことを尊敬しているのだ。

 

日々を海の上で過ごし、正義の為に命を掛ける彼らには娯楽が必要なのだ。

少しくらいのやんちゃは多めに見るべきだろう。

 

例えそれが盗撮だとしても…

 

正義ってなんだっけ(哲学)

 

……

 

 

「次は大物だ…甲板にて、イルミーナ給仕長の頭を撫でるミラ中将のお姿。

3500から始めよう」

 

 

「おお…」「ふつくしぃ…」

「イルミーナちゃんもキュートです…」

「私もなでなでしたい…」

 

感嘆する声の中には女性海兵も含まれる。ミラやそれに従うイルミーナ達は男女問わず人気があり、「お姉様」と慕う者もいるほどだがお姉様呼びは既にテリジアが独占しているので言うに言えない。その中でも特に給仕長をテリジアと共に務めるイルミーナはその容姿の愛らしさから女性人気が高かった。

 

結局この写真は女性の海兵が8000ベリーで落札した、覆面なので表情までは分からないがきっと彼女は幸せだろう。

 

 

 

 

 

余談だが当会合においてやってはならない事が二つある。

 

『情報の漏洩』と『手に入れた写真の焼き増し』

 

この二つは絶対の禁則とされ、破ったものには相応の罰が与えられる。

 

まずは情報の漏洩だが、当然といえば当然か。

これは秘密の宴、皆が知ってしまっては秘密の定義が損なわれる。ましてや噂が広まりミラの耳にまで届いてしまっては写真の入手元がなくなってしまう可能性だってありうるのだ。よって情報の秘匿は絶対といえるだろう。

 

 

二つ目、焼き増しの禁止についてだが…

 

 

「同志、分かっているとは思うが…」

 

 

「勿論です。私の正義に掛けて、禁は破りません。」

 

 

ベリー紙幣と写真を手渡しで交換し合う覆面達。

 

この宴で最も禁じられているのが『写真の焼き増し』だ。

写真とは一期一会、あまつさえミラ中将のお姿を収めた写真が複製されて他所者に見られるのはプライドが許さない。

と撮影者きっての要望で現像されたミラ中将の写真の全ては焼き増しを禁じている。

結果的に複製品による転売の阻止にも繋がっているわけだが…盗撮しといて今更何を言っているのか。

 

コレガワカラナイ

 

しかし禁を破った者への罰は重く、過去に軽い気持ちで写真を焼き増しし転売しようとした者が後日路地裏で無惨な死体となって発見されるという事件が起こったためそれから焼き増しがされる事は無くなった。

写真販売には政府の高官が関わっていて、彼等の機嫌を損ねた結果だとか黒い噂も囁かれているが真相は闇の中である。

 

どんどんとオークションは進み、残りはいよいよラスト1品。

司会の男は勿体ぶってこう告げる。

 

 

「さあ…本日最後の写真だ…。

……君達は先日我等の部隊がとある任務の為『夏島』へ数日間滞在していたのを知っているか?」

 

 

ざわり…ざわりと察しの良い者達がざわつき始めた。更に彼は続ける。

 

 

「場所は有名な『スイートピアガーデン島』、海軍支部が近く治安が偉大なる航路(グランドライン)で何処よりも良く、気候の安定したその島は海兵、一般人の滞在できる観光地になった。

年中夏でサンサンと照りつける太陽…美しい砂浜…澄み渡る青い海……。

そこで我々に告げられた言葉は、『3日間の自由行動』だった。そして船員全員に余る程の小遣いを渡し、班ごとにホテルの鍵を渡され「では解散!」と宣言なされた…。

あの御方は我々全員に慰労の為、サプライズでバカンス島での休暇を御用意してくださっていたのだ…ッ!!

私は感動のあまり涙が止まらなくなったッ!ミラ中将の懐の深さに感涙した…ッ!!!!

感動の余りシャッターが切れず、殆どが涙で滲む中、一枚だけ良好な状態で現像できた写真だ。」

 

 

この一枚で君達にも夏を感じて欲しい。そう締めくくって暗がりの奥から額縁に入れられたポスターの様に大きな写真が現れる。

 

大きさはA3位だろうか。そこにはビーチパラソルの作る日陰の下、ビーチチェアへ優雅に寝そべる水着姿のミラの姿が写し出されていた。

白に赤のコントラストの入ったビキニを着用し、体の線が強調されより妖艶な雰囲気を醸し出す。そしてミラの上で寝そべるスクール水着姿のイルミーナも気持ち良さそうに頭を撫でられていて、傍にはクーラーボックスに腰掛けうっとりとミラを眺めるパレオ付きの青いフリルビキニを着たテリジアと黒いハイビスカスの付いた大きな麦わら帽子を被り、ラムネ片手に水平線を物憂げに見つめる白ワンピース姿のレムもいた。

4人ともスタイルは抜群(イルミーナは幼児のためスタイル云々は関係無いが)、容姿も相まっていっそう美しい写真に仕上がっている。

 

 

 

倉庫内が怒号のような歓声に包まれる、至高の一枚の登場にギャラリー達のボルテージは最高潮に達していた。

 

 

「うおおおおおッ!!!海軍最高の華達が勢揃い…だとッッ!?!」

「ミラ中将…イルミーナちゃんにテリジア様も……それに今人気急上昇中の『氷の姫君』レムさんまで揃って…」

「司教…アンタ最高だぜ…最高の仕事だ……!!」

 

「違う…私が不甲斐ないばかりにこの写真しか残せなかった…。

己の能力(チカラ)も上手く扱えんとは…」

 

「顔を上げてくれ司教、アンタがいるから俺達は今此処に居る。」

「そうよ司教様。私達の至るべき場所(アヴァロン)は貴方が作ってくれたの…それだけでも感謝しきれないわ…!!」

「そうだぜ司教様!」

「やっぱり俺達の司教はアンタしかいない!」

 

 

皆に激励され、顔を上げる司教。

まるで困難に立ち向かう主人公の様な面持ちに皆の歓声が高まる、凄くいい話だったように聞こえる。

 

 

 

 

 

何度も言うがこれは盗撮である。

 

 

 

 

 

「ありがとう…ありがとう……

気を取り直して、5000ベリーから始めようと思う。

欲しい者は札を…」

 

 

「1万!」「1万7千!」「1万9千!!」

「に…1万6千!!」「3万ァァン!」

 

堰を切ったように次々と札が上がり、それにつれ一気に写真の値が上がっていく。

それでも彼らはまだ止まらない。

全ては浜辺で輝く女神達の写真を手に入れる為、その為ならば明日の生活に困っても構わないと言わんばかりの猛烈な勢いだ。

しかし6万ベリーを超えたあたりで流石に彼らの心にもストップがかかったのか、徐々に声が小さくなり額の上がり幅も狭くなってきた。

 

 

「6万6千!」「6万6500!」

「なら6万7千…!」「くっ…6万9千!!」

「そう……7万!」

「ちっくしょおおおッッ!!」

 

 

遂に7万の大台を超え、覆面の男が悔しさのあまり声を張り上げる。

どうやら勝負はついたようだ。

 

誰もがこの女性の手に写真が渡る…と確信していたその時

 

 

 

「……10万」

 

 

「「「「ハァッ!?!?」」」」

 

 

静まり返った倉庫に男の声が谺響した。

皆が呆気に取られる中、10万を宣言した男は人の波を押しのけスタスタと司教と写真の前までやって来る。

 

 

「他にいる?居ないのォ?

んじゃ、コイツは俺のモンだな。

おい司教様、大きさ元に戻してくれよ。飾るにゃ便利だがこのままじゃ部屋に隠せねえ。」

 

 

「…承知した、通常写真サイズで宜しいか?」

 

 

「頼むわ、ほい10万。」

 

 

10万ベリーPON☆とくれたその男から金を受け取った司教は慣れた手つきで枚数を数え、そして写真に手を掛ける。

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

そして皆が注目する中写真を男へ手渡す。

 

 

「確かに受け取った。我が至高の一枚、大切にして頂きたい。」

 

 

「あいよ、今日はいい買物したぜ。

んじゃな。あと…アイツが言ってた。次はコング元帥のお疲れ様会だとよ。」

 

 

「……!情報感謝する。」

 

 

そう言い残し、もう用は無いとばかりに男は倉庫を後にした。

 

 

「本日の宴はここまでだ、各々気を付けて帰りたまえ。

次は…もっと私も精進しよう。」

 

 

司教の言葉と共に他の覆面達も去っていく、そしてロウソクの灯りが消え真っ暗になった倉庫の裏手から密かに司教も立ち去った。

倉庫と倉庫の間を歩きながら目出し帽を脱ぎ、空を見上げる彼は呟く。

 

 

「まさか中将殿がいらしたとは、正直肝が冷えたな…最初の30枚(オリジナル・レジェンド)を持つ者が来ていたとは…。

ミラ中将、貴女に頂いたこの〝パシャパシャ〟の能力…まだまだ私は使いこなせていない。

このゾルダン、精進致します。全ては貴女様に報いるために……」

 

 

その眼差しは決意の固さを示すように真っ直ぐで、ゾルダンと言ったこの男がいかに真面目かが良くわかる。

 

やっている事は盗撮なのだが…

 

 

 

ミラ中将を影で支える海兵達の秘密の宴、それが海軍本部七不思議の一つとして後に語り継がれるようになるのはまた別のお話。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミラ中将執務室近くの廊下にて

 

 

「よおレム、煎餅の袋なんか持ってどうしたんだ?」

 

 

「回答。ガープ中将から頂いた煎餅が美味だったのでクルスに分けて上げようと提案、主に許可されたので早速行こうと思って移動中。

…クザン、貴方は?かなり心拍数が上がっている。動悸?」

 

 

「ちっげぇよ。

まぁ〜その…なんだ…ちょっといい買物しちまってよ。」

 

 

「買物……?」

 

 

「そうそう買物買物。

クルスに食わせに行くなら俺も付いてくわ、ちょっと俺の執務室寄ってくけどいいか?。」

 

 

「問題無い。」

 

 

「……そうだレム、麦わら帽子似合ってたぜ。」

 

 

「………………そう、褒められるのは悪い気分では無い。」

 

 

「無表情で言っても可愛く無ェなあ。」

 

 

 

 

 

レムとクザン、性格は正反対だが同じ氷の能力を持つ者同士どこか気が合うのかもしれない。

 

 

時を同じくして偉大なる航路ではある海賊団が徐々に名を上げ始める、その噂は五老星の耳にまで届いていた。

 

「ふむ、こやつは…」

「使えるやもしれんな」

「候補には加えておく、後は彼女の裁量に任せよう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

「………?不可解。なぜあの時居なかった筈のクザンがワタシの麦わら帽子を知っている?」

 

 






オリジナル悪魔の実〝パシャパシャの実〟解説
超人系、証拠現像人間。
能力者の見た光景を静止画として記憶に収め、フィルムに念じる、もしくは紙とペンがあれば即座に現像できる能力。カメラ要らず、見るだけで証拠が残せる便利能力。

要は盗撮し放題

作った写真は額縁などの装飾自由、引き伸ばし可能。
過去にこの実を手に入れてゴシップ王と呼ばれることになった者もいた。


オリキャラはミラの部下の1人です。階級は大佐、部隊では経理、会計業務を担当しています。
見た目は紫髪のオールバックにガスパーデとは正反対のすらっとした高身長。若い頃のマキ〇・ズォ〇ケンがイメージとして一番近いかな?
実は昔政府の諜報員でスパンダムと同期とか、ミラに憧れて政府辞めて海兵になったとか裏設定あったけど多分もう詳しく話すような場面出てこないからいいよね!
これからはあとがきにオリジナルの設定とか余裕あったら載せていこうと思います、スランプ気味で相変わらず更新安定しませんが宜しくです。


次回、今度こそ七武海の話書く

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。