大海原の祖なる龍   作:残骸の獣

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クソネミ魔人投稿銀河(意☆味☆不☆明)


ドレスローザ編を手に入れたので次からお話が進むゾォ!





21 祖龍(モドキ)と大監獄(秘密アリ) 後

大監獄インペルダウン。世界中から集まる罪人たちを収容し、その罪に似合った罰を与える為だけに存在するこの施設は5層から成る地獄で構成されてる。

 

level1 紅蓮地獄

 

level2 猛獣地獄

 

level3 飢餓地獄

 

level4 焦熱地獄

 

そしてlevel5、懸賞金額一億ベリーの大台を超える犯罪者達が収監されている極寒地獄だ、一部の『その危険性から政府に存在を抹消された』犯罪者達はその奥に存在するといわれる「無間地獄」なる場所に拘留されるらしいが基本的にはこの五つの地獄が罪人たちを日々痛めつける。

 

その中で最上の刑罰に該当されるのが極寒地獄だ。

 

フロア内は常に極寒の空気に満たされており、電伝虫すら生存不可能。看守も居ないこのフロアでは殆ど布1枚の状態の囚人達が身を刺すような冷気に常時晒され続ける。

逃げ出そうものなら寒さに強い狼達、飢えた軍隊ウルフ達がすぐさまやって来て餌になることうけあいだ。

 

 

そんな中、俺達が何をしているのかと言うと………

 

 

『ハッハッハッハ……』

 

 

「うん」

 

 

『ハッハッハ……キューンキューン…』

 

 

「うんうん」

 

 

『ガウッ!ガウッガウッ!』

 

 

「ん、分かった。あんないして?」

 

 

『ガウッ!』

 

 

こくり、と頷いた軍隊ウルフは道案内をする様に一定の速度で歩き出した。

それに俺達とマゼラン副署長も付いていく。

 

 

「こっち行ったみたい、行こ。」

 

 

「あのお嬢さん、本当にあの凶暴な軍隊ウルフと意思疎通ができるとは…世界は広いですな。」

 

 

「あの子も能力者だからな。

それより、他のフロアは大丈夫なのか?」

 

 

「管制室からの報告によれば上の階、焦熱地獄の気温まで徐々にですが下がりつつある模様です。

その更に上、飢餓地獄は焦熱地獄の熱で成り立つフロアになっていますのでいずれそちらにも影響が出る。

時間との勝負ですな……」

 

 

「囚人達が気付いて居ないのが幸いか…急げイルミーナ!」

 

 

「うんっ、お願いおおかみさん…!」

 

 

『ガウッ!』

 

 

更にスピードを上げる軍隊ウルフを走って追いかける。

 

 

ことが始まったのは少し前、異変を察知したマゼラン副署長に無理言って同行させてもらい原因を突き止めるためlevel5に向かった。

完全に凍った入口を蹴り飛ばし、冷気が外に漏れ出さないようテリジアの水銀で壁を作って塞いでから件の原因である犯罪者の閉じ込められているはずの檻へ向かった訳だが…なんとそいつは檻から脱走していた。

檻は内側から凍らされ、塵のように細かく砕かれており、付近の檻に入れられていた囚人達は皆未来へ冷凍保存させられていた。

 

困った事にこのフロアは広大で、どこに逃げたか分からない。

そこでイルミーナが軍隊ウルフ達とお話して彼等の情報網を頼る事にしたのだ。

 

 

軍隊ウルフ独自のネットワークで脱走者は直ぐに見つかった。

 

 

そいつはフロアの隅、海とを遮る分厚い石壁に手を当てながら佇んでいた。

 

異様なほどに真っ白な肌に左目が隠れるほどの雪のように白く長い髪、こんなクソ寒い気温の中胸元の開いたワンピース1枚、そして黒のブーツ。

このフロアでは有り得ない程軽装備だ、怪しさバクハツ。

そしてそのバストは豊満であった…(忍殺並感)

 

 

こちらに気づいたのか瑠璃色の瞳がこちらを見た、ていうか俺の方を凝視してる。

 

 

「囚人番号0、この部屋の温度を下げたのはお前の仕業だな…?

さっさと元に戻すんだ!」

 

 

叫ぶ副署長、吐く息が白い。

4人ともかなりの厚着をしたがそれでも肌に冷気が突き刺さる、なのにマゼラン副署長は元気なこった。

 

 

「………毒の人に用は無い…」

 

 

その女が呟いた直後、空気中から生成された巨大な氷柱がこちらに向かって何本も飛び込んで来た。

 

 

「お姉様危ないっ!」

 

 

いち早く感知したテリジアが銀の壁を創り出し氷柱の猛攻を防ぐ。

マシンガンのように連発される氷柱を防ぎきり、テリジアは水銀の壁を解除した。

 

 

「……?その力は見た事がない、非常に興味深い…」

 

 

「お姉様。私が言うのも何ですがあの女、かなりキちゃってますわ。」

 

 

「お前自分がおかしい自覚あったのな」

 

 

「ええそれはもう!私をオカシクしたのは他でもないお姉様ですものぉ♥」

 

 

ダメだこいつ早く何とかしないと

 

 

「貴様ァ…反抗するか。

御三方、少し私から離れて!

監獄内での揉め事は私が止めねばならない、暫く毒漬けになって反省していろ!!!」

 

 

怒るマゼラン副署長の背中から紫色のどろりとした液体が漏れだした、それはまるで意思を持ったように浮き上がり三つ首のドラゴンの様な姿に象られる。

 

へえ、これが副署長の能力か

 

 

毒竜(ヒドラ)ァ…!!!」

 

 

ヒドラと呼ばれた毒の塊が動く度、ボタボタ周りに飛び散った毒で床が溶ける。

テリジアが慌てて水銀の膜を張り、毒が付着するのを遮ってくれた。

 

 

「なんなんですのあの気色悪い能力は…貴方!お姉様に毒が掛かっていたらどうするおつもり!?」

 

 

「むう…申し訳ない、能力の性質上仕方の無い事なのです。

勘弁して頂きたい……」

 

 

申し訳なさそうに平謝りした副署長は再び女囚人の方へ向き直りヒドラの首の一つを容赦なく突っ込ませた。

 

 

女はなんの抵抗も示さずにヒドラに飲み込まれ、毒が付着した床や壁がジュワジュワ音を立てた後即座に部屋の冷気に冷やされ固まっていく。

 

 

「……麻痺系、神経毒。

完全解毒に要する時間…15秒…。」

 

 

女がそう呟いたのが聞こえた、なんと毒の塊を浴びても倒れずその場に突っ立っていたのだ。これには副署長もビックリ。

 

 

「……解毒完了。毒ならワタシも得意……」

 

 

続けざま彼女の周囲の氷が足元から徐々に濃い紫色に変色し、まるでグレープジュースの様に白銀の世界を彩っていく。

 

ん?グレープジュース?どっかで見た事あるぞ?

 

 

「ワタシはもう此処に居る必要が無いと思考、判断した、故に出ていく。そう結論付けた。

毒の人、何故引き留める?」

 

 

「貴様が大監獄へ収監されている以上、責任は私にある。

このままお前を好きにさせればインペルダウンの面子が立たん、今すぐlevel5の温度を元に戻すんだ!」

 

 

「面子…………?それはそちらの事情、ワタシには関係無い。」

 

 

紫色の氷はどんどん広がり、変色した地面から氷柱が凄い勢いで伸びてくる。

 

 

「警告、触れない方がいい。

毒の人の能力は解析済み、その氷柱の毒は更にその上をいく。」

 

 

ギシギシと金切り声を上げながら迫り来る氷柱剣山を

 

 

 

「なら吹き飛ばしてしまえば問題無いな。」

 

 

ガッシャアアンッ!!!

 

 

俺は雷速で副署長の前に移動して右手に雷を溜め、思いっきり横に振り払った。

 

何も感電させる事だけが電気の能じゃない、電圧を上げて温度が上がればその〝熱〟で敵を攻撃できる。抵抗とか難しいことは知らん!

 

俺の放った熱はあっという間に毒入り氷柱を吹き飛ばして蒸散させた、凄まじい温度差で水蒸気が舞い上がる、直ぐに極寒地獄の温度でダイヤモンドダストみたいにキラキラ空中で固まった。

 

囚人の女は随分驚いた表情をしている

 

 

「そのチカラ…不可解。

ワタシの氷が溶かされたのは初めて、ハンターでも不可能だったのに……」

 

 

「あ?…ハンター?

お前狩人を知っているのか!?」

 

 

「貴方こそ、あの連中を知っている、何者?」

 

 

「「…………………」」

 

 

 

お互い気まずい沈黙が流れる、マゼラン達は見つめ合う俺達に首を傾げていた。

 

 

「お前、名は?」

 

 

「………名などない、ワタシは番人。

我が寝床を荒らす不届き者を誅する門番……だった筈。

少し記憶が混濁していて…

確か…ハンター達はワタシを『ドゥレムディラ』と呼称していた。」

 

 

ドゥレムディラ!

 

あの『天廊の番人』と呼ばれた龍、ゲームじゃあまりにも難し過ぎてクソゲー呼ばわりされたあの可哀想な子!その凶悪な龍がなんでこんな格好でこんな所にいるんだろ…

祖龍の俺も人のことは言えないが。

 

 

「ドゥレムディラ…私はお前の事を知っているぞ。」

 

 

「…!?知っている?ワタシの事を?」

 

 

「ああ、お前の名も、どんな(ヤツ)でどんな強さを持っているのかも知っている。」

 

 

「…詳しく知りたい、檻の中はもう飽きた。

ワタシを此処から連れ出して。」

 

 

「ああ、いいぞ」

 

 

すんなりぃ

 

 

「いやいやいや!彼女は一応囚人で…」

 

 

慌てて副署長が口を挟む。デスヨネー

 

 

「まあまあ副署長、上に掛け合うだけ掛け合ってみよう。

テリジア、ちょっと来い。」

 

 

「はぁい」

 

 

とことこやって来るテリジア、そのお腹に思いっきり手を突っ込んだ。

 

 

「!?!?」

 

 

副署長がギョッとしてるのは無視無視

 

 

「あぁんお姉様//そんないきなりぃ…♡

もっと激しくまさぐって下さっても…」

 

 

「変な誤解を生むから辞めろ、あとイルミーナの教育に悪い。

えーっと、どこにあったかな……あった!」

 

 

「はぁんっ♡ふひ…ふひひへ…//」

 

 

傍から見れば衝撃映像にしか見えない光景だが俺は無事テリジアの腹の中から例の電伝虫を取り出した。

地上波でお見せできない顔してる変態(テリジア)は見なかったことにしよう。

俺と五老星専用回線の電伝虫…こいつ生意気にもコート着て寒さを凌いでやがる。

 

 

「副署長、此処電波通るのか?」

 

 

「ここじゃ普通の電伝虫は凍死してしまいますから試したことは…」

 

 

ファイッキライダ!…ファイッキライダ!…ファイッキライダ!…ファイッキ(ガチャ

 

 

あ、繋がった。出たのは最早お馴染み五老星の1人。この声はいっつも刀研いでるハゲの人だな。

 

 

『君か、連絡を寄越してくるのは久しぶりだな。』

 

 

「今インペルダウンに来ていてな、面白い囚人を見つけた。」

 

 

『……面白い、とは?』

 

 

「私と同じ存在、と言えば理解出来るな…?」

 

 

『…!成程、君の他にも…しかもインペルダウンにか。こちらの認識不足だったな…

それで、報告はそれだけじゃ無いんだろう。目的はなんだ。』

 

 

「奴を釈放する許可が欲しい。どの道此処(インペルダウン)を破壊して出ていくつもりだったようだし、釈放して私の手元に置いた方が穏便に事が納まるだろ?」

 

 

電話越しにふむ、と考え込むような声を出した彼は向う側で他の五老星と話した後再び受話器を取った。

 

 

『構わない、インペルダウンの者には我々から伝えよう。

その代わり、くれぐれもその龍の手綱を握っていてくれ。』

 

 

「手綱とはまるでペットみたいな言い方だな…友人として上手く付き合っていくつもりだよ。」

 

 

『聡明な君なら我々も安心できる、頼むよ。』

 

 

「頼まれた、じゃあな。」

 

 

受話器を置く、そんでもってマゼラン副署長にことの次第を説明した。

彼は心底驚いたみたいだったけどlevel5を出た時に所長から直々に釈放のお達しがあり渋々ながら納得してくれた。

 

 

「ドゥレムディラも長いし…今日からレムと呼ぶことにしよう。

宜しくなレム。」

 

 

「……?その手は一体…」

 

 

「握手だよ握手、人間が友好を結ぶ時に取る手段の一つだ。

ホレ、お前も手を出せ。」

 

 

「了承、ワタシの新しい名はレム。

宜しく……貴女は…」

 

 

「ミラだ。本名はミラルーツだがな(ボソッ」

 

 

「ミラ……レム……ふふふっ…

新鮮…」

 

微笑むドゥレムディラことレム。

肌は白いがミステリアス美人って奴だネ。

 

監獄の外でマゼラン副署長達にまた仰々しく見送られ、俺達はインペルダウンを後にした。

 

 

 

▶ドゥレムディラ が なかまに なった!

 

 

 

 

 

 

 

 

「取り敢えずこの世界じゃ力を抑える事を覚えろ、ハンター程強靭な人間も殆どいないんだ。

サポートはしてやるから、お互い仲良くやって行こう。」

 

取り敢えず毒の方は危ないから禁止な!とあの人は笑いながら語ってくれた。

 

 

あの監獄から連れ出されて数刻、ワタシはミラからこの世界について色々な事を聴取した。

 

ヒトのこと、世界のこと、島のこと、動物のこと、植物のこと、組織のこと、ワタシの知りたい事はなんでも教えてくれた。

 

月の出た夜、〝フネ〟の〝カンパン〟と呼ばれる板張りの空間へ出て船縁へ肘をつく。

夜空を見上げると、満天の星空が輝いていた。空気が澄んでいて気持ちがいい。

 

海、空、星、風、そしてヒト

 

目に映るもの全てが新鮮で

 

五感の全てが十二分に冴え渡る

 

もっと知識を、もっと経験を

 

番人であった束縛から逃れ、暗い監獄から抜け出してワタシは好奇心の赴くまま、この世界を生きるのだ。

 

 

全ての龍、その祖なるあのお方と共に

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ぷるぷるぷるぷる……ぷるぷるぷるぷる…ガチャ

 

 

『お・か・き〜〜ッ!』

 

 

「あられ、だ。

この合言葉考えた奴は誰だよ……おつるさんお久しぶりです。」

 

 

『ミラ、バレルズの居場所が判明したよ。悪魔の実を秘密裏に海軍へ売り払おうとしてる。場所は北の海、スワロー島で取引が行われる予定さ、そこをアタシとアンタのとこで待ち伏せする。

海賊の方は任せな。

アンタはバレルズを頼むよ』

 

 

「やっとか。…ああ、承知した。

どこで合流すればいい?」

 

 

『バレルズを監視してるヴェルゴという海兵がお前に連絡してくるはずさ、そいつからの指示を待ちな。

他に聞きたいことはあるかい?』

 

 

「……バレルズは何の悪魔の実を売ろうとしてるんだ?」

 

 

『オペオペの実、名のある医者が使えば神のごとき力を得るという悪魔の実さ。』

 

 

「へえ、面白いものをバレルズは持っているんだな。

分かった、そのヴェルゴからの連絡を待つよ。」

 

 

『ああそうしとくれ、くれぐれもバレルズを逃がすんじゃないよ。』

 

 

「勿論だ」

 

 

ガチャ

 

 

「お姉様、次のお仕事が決まったのですね?」

 

 

「みら、最近ずっとその〝ばれるず〟って人追ってる。」

 

 

「元私の同僚で海軍を辞めた裏切り者だよ。

さあ、レムも加わったことだしお仕事頑張らなきゃあな。」

 

 

珈琲の入ったカップを片手にイルミーナの頭を撫でるミラは不敵に微笑んだ。

 

 

 

死人(トム)番人(レム)を迎えたミラ中将の船は進路を変え、北の海へと突き進む。

 

 

 






突然のQ&Aコーナー!

Q…フロンティアのキャラしか出さないの?

A…えー、特に主はそこまで深く考えてキャラを出している訳では無いので気に入ったモンスをオリキャラや擬人化して出してる感じです。
フロンティアのモンスは魅力的なのが多いですからね〜。
因みにイルミーナも大元のアイデアはミドガロンかヒュジキキでした。登場させたら新宿のアヴェンジャーになってましたが…
戦闘時はあの爆速で動くと思っていただければ。

本家のゴグマジはなあ…好きだから出したいんだけどなあ…いっそ別の作品に出すのもアリか…



Q…ピサロ死んだんだけど

A…死にましたよ?(無邪気)今作、こと黒ひげ海賊団にはかなりシビアにいきますので黒ひげの好きな方ごめんなさいとここで謝っておきます。


ドレスローザ偏の漫画を手に入れたのでお話は更に加速する!(早く投稿できるとは言ってない)ので次回はローの過去、ミニオン島のお話になります。
あの島で起こる悲劇を原作に支障が出ないように覆す事が……出来るといいなあ。


次回、エピソード・オブ・ミニオン

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