大海原の祖なる龍   作:残骸の獣

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遅くなり申した、仕事して最後の騎士王見て仕事して劇場版ノゲノラ見て仕事して盆が過ぎたせいです申し訳ない。
投稿が遅れたのも全部ドン・サウザンドって奴の仕業なんだ……

「ぜってぇ許さねえ…ドン・サウザンドォォォッ!!!」

ハイ

話の進み具合ゆっくりです、近々オリキャラ?が一匹と1人加入しますのでご注意をば。(オリキャラは3人と言ったな、あれは嘘だ)
なお主の趣味によりおにゃのこになる模様。



19 祖龍(モドキ)と船大工(魚人)

 

ボォーーーーーーーッ

 

 

蒸気船が汽笛を鳴らし、両舷のパドルが回転しながら波をかき分け海を進む。

やがて波を掴んだ船はパドルを格納し、マストから帆を垂らした。

帆船が主流のこの時代に蒸気船、しかもパドルシップを試作するとは流石ベガパンク(変態発明家)の所業と言ったところか。

風と波に左右されないのは良いね〜。

 

 

 

 

 

 

ハーイ皆、五老星(インチキジジイ共)に嵌められて中将のトップになっちゃった悲運の主人公、祖龍ミラルーツちゃんだよ。

 

現在魚人船大工のトムさんを乗せ、大監獄インペルダウンへ向けてタライ海流を航行中。これも総督のお仕事だ。

 

中将総督、最初はどうなる事かと思ってたけどいざなってみると案外自由な役職だった。

仕事はセンゴクさんから下りてきた分をこなすだけだし、実動は他の中将さんたちがやってくれるからわりと暇。

大将白蛇兼任で一人二役、海賊達に睨みを利かせるという見えない仕事にはジジイ共にまっこと異議申し立てをしたいところだが概ね文句無しの自由な仕事内容だ。あ、よく脱走するクザンにーさんとガープ爺さんの捕縛もよく頼まれるよ。あの2人サボり魔だから。

 

 

中将総督は基本的には一般市民に向けて公開されない秘密のお役職だ。俺の名前も目立たないように中将リストの端っこにちょろっと載ってるだけ、ただし俺にはある特殊なバスターコールの権限が与えられている。

 

それは幻の大将〝白蛇〟を呼び出すバスターコール。

 

海賊達を次々葬る『海の処刑人』、誰もが名を知りながらその正体は一切不明の謎の大将。そんな存在を呼び出す権限が俺にはある。

………マッチポンプもここまで来ると清々しいよネ。

大将白蛇とは勿論〝(ミラ)〟のこと、実際のところこの特殊バスターコールは「俺が本気で暴れるから警告だけしとくね!被害が超出るかもだけど責任は取らないからヨロシク!」という合図に他ならない。

 

それ故に、俺氏は〝中将総督としてのミラ〟と〝大将白蛇としてのミラ〟の二足のわらじを履くことになった。

これが大変大変、大将白蛇はカイドウ戦で世間に露呈した『緋色の軍刀二刀流』に『赤い雷』を使うという事実がある。それがあるから中将ミラは下手に愛刀を使う事が出来なくなった、勿論祖龍の雷も。使う時は極力身体に覇気の亜種と言い訳して纏わせたり、六式に紛れさせて飛ばしたり、直接雷撃(雷ドーンッ!)は避けている。

 

雷の出力制御に関してはいい機会だったので微調整に専念。なんとか応用させて磁力を操作したり電磁波から生じる熱線で焦がしたり…などなど電気で応用できる範囲の使い方をしてる。

 

細かいことしてる内に「こんなの祖龍の戦いじゃなーい!!!」とヤケになりそうになったこと星の如し、でも加減をする初めての『努力』に心踊らせるドラゴンソウルの赴くままに頑張ってきた。

 

外見も色々変えた。髪も下ろして纏め、大人しい雰囲気の女性を演出したり…服装もいつものドレスとは違う特別な軍服やスーツを仕立ててもらったり…などなど、俗に言う『イメチェン』というヤツだ。龍の姿から人間に戻ると自動的に髪型リセットされてシニヨンになるみたいだし、下ろすのもいいだろう。

装備も一新、今俺の腰にはいつもの『影炎』『蜃気楼』は無く、代わりに綺麗な銀色のカットラスが提げられている。

これは戦闘に使う為のものではなく、テリジアに作らせた言わば操縦桿だ。

柄を握って俺が電気を送ればテリジアの水銀を内蔵した機関部が動き出し、パドルの格納や操船を行うことが出来る便利アイテム。某パイレーツ何某(なにがし)の黒髭の船を想像してもらえると分かりやすい。

因みにこのカットラス、動力系と火器管制用の二本あり、俺が持ってるのは動力系、もう片方はガスパーデに渡して火器管制は一任してる。

これにより部下達の負担が減って仕事効率も良くなるというもの、自動化大勝利である。

 

ただ、中将モードの俺は滅多に戦わない。ていうか大将モードで好き勝手やれる分中将の時は極力戦闘を避けてくれとセンゴクさんから頼まれた。

あんまし派手に殺ると有名になっちゃうからね、仕方ないね。

 

正当防衛(過剰な反撃)はするけど(ニッコリ)

 

 

そこで考案したのが部下達や頼れる2人のメイド達に極力戦闘を任せよう作戦だ。

可愛いイルミーナが傷つくのは本気で嫌だが本人が「頑張る」と言ったのだからママ(心はパパだが)は娘の希望に任せようと思う、やりすぎるなとテリジアにも言ってあるしね。

 

 

そんな感じにここ数年でイメチェンしてきた訳だ。

 

 

 

んで、センゴクさんから『海賊王の関係者処刑リスト』なる物騒なものが俺の手に渡ってきてトムの罪を知った俺は司法船に同伴するスパンダムに頼んでトムの護送を請け負った。

 

 

「まあ座ってくれ、色々話したいことがあるんだ。」

 

 

手枷を外し自由にしたトムを応接室まで案内しソファに座らせる、机を挟んで反対側に俺も座りテリジアに茶菓子を持ってくるよう言った。

 

 

「まずは初めましてだな。

私の名はミラ、海軍本部の中将をやっている。

君が海賊王の船を作った男、船大工トムで間違いないよな?」

 

 

「……ああ、わしがトムだ。」

 

 

ちょっぴり怪訝そうな表情で答えるトムさん。急に連れてきちゃったし怪しまれて当然か。

 

 

「なあトム、率直に聞こう。

死ぬのは嫌か?」

 

 

「なんだって…?」

 

 

「死ぬのは怖いか?」

 

 

「………怖くねぇ、だが嫌だ。

海列車の活躍を見れねぇのは心残りだし、トムズワーカーズの皆も置いて来ちまった。

たっはっは……情ねぇなあ。

胸を晴れとか言っといて死ぬのが嫌とは…」

 

 

「そうか、分かった。

なら君に2つ、選択肢をやろう。

一つ目、大人しくこのまま護送される。

現在この船は大監獄インペルダウンへ向かってる。君はこのまま幽閉されて二度と陽の光を見る事は出来ないだろう。大体の奴はこうなったら終わりだ。

そして二つ目……

私の船で残りの人生を水夫として働く、給料は出せないが衣食住は保証しよう。この船は見ての通り蒸気船でな、新型で試作品な分問題がスグ起きるんだ。そこで海列車の蒸気機関開発に携わった君なら力になれるだろう。重宝させて貰うよ?」

 

 

トムが呆気に取られているのが分かる、そりゃ死ぬと思ってたもんね。意外よね。

 

 

「そりゃあオメェさん…俺を…」

 

 

「ああそうさ、君はここで死なすには惜しい。

世界を一周するほど偉大な船を作り、たった10年で島と島に列車を走らせるほど優秀な逸材だ。監獄で余生を過ごさせるのは少しばかり勿体ないだろう?」

 

 

そう、俺はトムを機関士としてこの船で雇うためにここまで来た。

唯一心配だった人格面もこの通りなら問題なさそうだ、そう確信して改めて勧誘してみる。

 

 

「さあトム。衣食住付き、完全週休二日制の優良物件だ。必要な資格は不問、あえて言うなら蒸気機関の知識に長ける者を一名募集中なんだが…これに見合う者が居るかなあ……(チラッチラッ)」

 

 

「ぷ……たっはっはっはっはッ!ッッ!………ッ!//」

 

 

…………トムさん笑いすぎちゃう?

 

 

「お前さんは面白い奴だなあ!まるであの海賊王みたいに剛胆で愉快な奴だ!

分かった、お前さん所の蒸気船、このトムがきりもってやろう!船のことならドンと任せな!」

 

 

「助かるよ。ようこそトム、私の船へ」

 

 

「おうとも!」

 

 

さっきまでとはうってかわって、豪快に笑い飛ばしながらトムさんは快く引き受けてくれた。

そんでもってお互い握手を交わす。

 

 

「魚人と龍でもこうして手を取り合えるというのに、人間は何をやっているんだか…」

 

 

世界政府は現在、聖地マリージョアを襲撃した大犯罪者フィッシャー・タイガーを捕まえるのに躍起になっている。海軍も動員されてボルサリーノ中将のところが管轄してたはずだ。

奴隷の身からの脱走と他の奴隷の解放、世界の禁忌(タブー)を犯した彼は超危険人物として指名手配されている。

オマケに魚人達を率いて海賊団まで結成する始末、海のプロフェッショナル達にボルサリーノ中将のとこも手を焼いているみたいだ。

 

俺の所にも協力願いが来ていたけど…先におつるさんに別の仕事の手伝い頼まれちゃったからなあ。

裏切り者のバレルズ中将の捜索もやらんといかんし…

 

『奴隷』なんて人間のエゴの塊、時代遅れじゃない?前世を生きた身としては人間を隷属させるなんて馬鹿馬鹿しい。

……現代には代わりに社畜という奴隷が存在してたね、悲しいね。

 

 

「……?なんか言ったか?」

 

 

「いや、何でもないよ。

早速機関室に案内しよう、一通り終わったら君を自由にするための手順も説明しないといけないな。」

 

 

テリジアの淹れたコーヒーを飲み干し、トムを機関室へ案内するために立ち上がったその時、部屋の扉が開かれた。息を荒らげながらポルポ少尉が入ってくるなり敬礼してまくしてたてる。

 

 

「失礼しますミラ中将!先程判明したのですが…実は『鷹の目』が船内に潜伏しており……只今甲板にて〝釣り〟を行っている模様で……その…扱いに困っていまして……。」

 

 

「ミホークか。

外は暑いだろ、冷たい麦茶を差し入れてやってくれ。イルミーナ、ポルポと一緒に行け。ついでに()()()の様子も見てきてくれるか?」

 

 

「うん。行こ、ぽるぽさん。」

 

 

「ハッ!…え?

七武海とはいえ密航者ですよ!?処分は…」

 

 

「放っておけ、考え無しに海を渡る軍艦のど真ん中で暴れ出すほど奴は馬鹿じゃない。

おおかたタライ海流でしか釣れない珍しい魚でも釣りたいんだろう。それにここで暴れられても困る、穏便に対応しておけよ。」

 

 

「しょ…承知致しました、では!」

 

 

「ぴしーっ」

 

 

ポルポ少尉はビシッと敬礼し、てくてく歩くイルミーナの後ろについて部屋を出ていった。

俺はトムさんの案内があるからね、ミホークの話相手はイルミーナに任せよう。

 

ていうかアイツ七武海の仕事はどうした……まあ賞金稼ぎに定期的に仕事しろってのも無理な話か。

 

 

 

「ようしトム、テリジア、行くぞ。

インペルダウンに着くまでに一通り施設を見てもらわないとな。」

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

 

☆おまけ☆ 鷹と狼

 

 

ポルポ「(ミラ中将にああ言われたとはいえ。イルミーナちゃん、あの鷹の目相手にどうするんだろう…)

あ、ミホークさん。お茶です、ミラ中将から。」

 

 

ミホーク「……そこに置いておけ」

 

 

ポルポ「アッハイ(鷹の目怖ぇええええッッ!殺される!こんなん目え合わしたら即殺されるわ!)」

 

 

イルミ「…………」ちょこん

 

 

ミホーク「………………」

 

 

イルミ「…………(じーーーー)」

 

 

ミホーク「……………」

 

 

ポルポ「(さっきからイルミーナちゃんが隣に座ってじっとミホークをガン見してるんだが…何も喋らねえ…。間が持たねえよ…)」

 

 

ミホーク「…………………」

 

 

イルミ「………………(じーーーー)」

 

 

ミホーク「……………」

 

 

イルミ「………………(じーーーー)」

 

 

ミホーク「……………………」

 

 

イルミ「……じーーーー……」

 

 

ミホーク「……………」

 

 

ポルポ「(さっきからお互い黙ったまま見つめあってるんだけど!てかイルミーナちゃんそんなにガン飛ばしたら鷹の目に……)」

 

 

ミホーク「…………」スッ

 

 

なでなでなで

 

 

イルミ「……………//」

 

 

ポルポ「(頭撫でたアアアアアァァァッ!?)」

 

 

イルミ「…………むふー//(尻尾ふりふり)」

 

 

ミホーク「飴がある、食うか?」

 

 

イルミ「うんっ」きらきら

 

 

ポルポ「(超和やかムードだ……アレ?もしかして鷹の目ってロリkヒュンッ!)

ひいいっ!?」

 

 

ミホーク「すまん、邪な考えを持った輩を見つけたのでついな。」

 

 

ポルポ「スンマセンでしたあアアアアアアッッ!」脱兎

 

 

イルミ「??(あめおいしい…)」ぺろぺろ







アレェ?思ってたより短いぞぉ?

考えた結果、本作主人公はインペルダウンを終えた後1人の裏切り者の海兵を追うことになりました。
彼はある悪魔の実をとある海賊団に売り渡すつもりだそうです、構想段階ですがこのお話を書く方向でいきます。
スパンダムに引き続きトムさんまで…原作介入が激しい今日このごろですがミラ様はグリグリ過去に首を突っ込んで行きますのでその辺は御容赦を。
クルスの詳しい内容は次回に明かされますのであしからず。

あと主のギャグセンスは壊滅的です、不快に思われた方本当に申し訳ない。銀〇やギャグ漫画〇和並のセンスが欲しい…




それから、かなーりの余談ですが作者の頭の中のCVは

ミラ……川澄綾〇さん(言わずと知れたアルトリア声)

イルミーナ……小澤〇李さん(艦こ〇のプリンツ、月刊少女野〇くんの千代ちゃんなどされている方)

テリジア……原由〇さん(オバ〇のアルベド、アイマ〇の四条貴音などを演じられている方)

と趣味全開の脳内ボイスとなってます、自分で書いといてかなりキモいな。
考えるだけならタダなので…

次のオリキャラの脳内CVは…井上喜〇子さんかなあ…
(ていうかコメントで次に俺が登場させようとしてるモンスをピタリピタリと言い当ててくる方々は一体何者なんだ…エスパーなの?)


次回…大監獄の秘密、囚われの番人

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