Fate/EXTRA-Lilith-   作:キクイチ

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第六回戦 マトリクス

   【クラス】  :アーチャー

  【マスター】  :ジョージ・トレイセン

    【真名】  :アミール・ティムール・キュレゲン(サライ・ムルク・ハーヌム)

    【属性】  :中立・悪

 【キーワード】  :チンギス・ハンの子孫

          :創造系の宝具

 【ステータス】  :筋力A 耐久C 俊敏B+ 魔力B+ 幸運D 宝具A

【クラススキル】  :軍略B 対魔力D 陣地構築C

   【スキル】  :カリスマB 皇帝特権C 千里眼C

    【出典】  :史実

 

 

【ティムールについて】

 

 今回の聖杯戦争に参加したティムールは、チンギス王家の娘――サライ・ムルク・ハーヌムが入れ替わったことから、1370頃のティムール朝を建設した時からの史実が元に成った英雄である。

 本物のティムールを謀殺した当時は、ティムールが王家の娘を使って正当性を宣言する前だった。

 故に当時の軍関係者は、トルコ人よりもモンゴル人のほうが多く編成されていたため、ハーン家ですらないティムールに反感を抱いていた。だからこそ、事実上の君主殺害の黙認である。

 世の流れを知っていたサライ・ムルクは自身をティムールと偽り、歴史に名を残すことに成る。

 サライ・ムルクは幼いころ傾倒していたチンギス・ハンの伝説と己の状況と酷似している事に気づき、より一層傾倒、盲目的に成っていく。

 

 かつて、チンギス・ハンが破壊した都市、サマルカンドを復興させ、首都とした。チンギス・ハンの子孫を名乗り、伝説を再現するため、自身の手で軍隊を率いて戦った。

 インド遠征こそ、数ある遠征の中で最たる例である。

 

 1398年、ティムールはインドに侵攻し、トゥルグ朝の首都デリーを陥落させた。インドの宗教、ヒンドゥー教がイスラム教にとっての悪、偶像崇拝を行っていたためである。

 その際、トゥルグ朝のスルタンの軍を一蹴し、十万の捕虜を得るが、足手纏いとして皆殺しにした。

 デリーで略奪、虐殺の限りを尽くし、たった十五日間だけ留まって、膨大な戦利品と多数の捕虜を得、サマルカンドに連行した。

 

 この戦いだけで、二十万の人間を殺戮した。その殺戮もまた残酷でアリ、伝承の中のチンギス・ハンにどれだけ傾倒してたかがわかる。

 

 彼女は、チンギス・ハンの伝説を再現するという大偉業を成そうとしたが、あと一歩のところで病に倒れた。

 

 

 

 彼女はこの経歴を結局、どうしても誇れなかった。端から虚実だからである。確かに創造の事業をなしたのは自分だが、戦争で残酷をなしながらもどこか空虚であった。

 

 ――――敬愛するチンギス・ハンは自分の嘘を許すまいと。

 

 どれだけのことを成そうとも、最初の過ちを嗤われば―――。

 

 むしろ、届いていれば誇れたが、結局中途半端で終わってしまった。それこそが後悔であり、誇れぬ理由である。尊敬した人にどうして罪を誇れようか。

 

 コンビニの戸棚に置いてある商品を盗んできて、貴方のためにやったのだ、などと言って誇れるほど狂人ではなく、良識はあった。

 

 子供は、殺さなかった。いくらティムールの子であったとしても。むしろ母代わりと成って育てた。

 ライダーは愛したことなど無いだろう、といっていたが、彼女のこの記憶を見て知っていたジョージは反発したのだ。そんなはずはない、彼女は人を愛した事があると。

 

 

世界の中心で我が覇を謳う(ティムル・ベイル・アク・サライ)

 

 ランク:A

 種別:固有結界

 レンジ:99

 最大補足:500

 

 少女が成してきた事の全てが現れた心象世界。まあ、正確には対陣宝具とも言うべきなのだろうが……。

 彼女が建築したサマルカンドの南にあるシャパリサープスに建築された《アク・サライ宮殿》――現在は痕しか残っていない――を元にした心象世界。文字通り彼女の覇業はここから始まった。

 効果は自身の幸運以外のステータスをワンランクアップ程度。

 

 

 

『創造は我が手中にこそある』

 

 ランク:不明

 種別:対軍宝具

 レンジ:マップ内

最大補足:不明

 

 とんでも宝具。かのチンギス・ハンに並べ立てられ創造の概念を押しつけられた結果得た宝具。

 自身の知覚する範囲には何処にでも、創造、建造することができる。とかく何でもと言う訳ではないが、自身の設計が叶う者であれば質量を無視して使うことができる。

 余りにも強力な宝具のため、ムーンセルからアリーナではマップを完全にしなくては使え無いと言う条件を課される。

 

 

 

 

 ジョージ・トレイセン

 

 

 実は超良いところのお坊ちゃん。ちなみに十六。まさかの主人公の年下である。

 

 幼い頃、偶々テロにあい地獄を経験する。

 しばらくの間、住んでいた町がテロ組織と西欧財閥の戦場と化してしまい、死にかける。その時まで知らなかった、飢え、暴力、寒さで死に怯える日々だった。

 だは、ある日そんな自分たちを助けてくれる組織と出会った―――それが、ギャクス・ホリックである。

 故に、彼は恩義もあって傭兵としてギャクス・ホリックとして活動していく。

 だがそれは、地獄を巡る旅と同義だった。

 本当は、自国政府主体で行う様なことだった。難民の援助。テロ組織がすることでもない。

 しかし、国家はテロ組織との戦闘をすることしか頭になく、平気で見殺しにしていた。

 

 

 彼が聖杯戦争に参加する動機は十分にあった。だが、ある日、彼の決意に拍車をかける出来事があった。

 

 

 ――――アムネジア・シンドローム。

 

 此が彼にとっての地獄。

 これのせいで、ギャクス・ホリックは壊滅へと追いやられた。生き残ったのはジョージ含め四人。百三十八人が簡単に死んだ。

 

 残された道は一つだった。全てを救うには。

 

 

 

 

 ――――彼の願いは、病原体の死滅、である。

 

 




なんか婦長召喚されそうやなって

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