俺【我愛羅】ってんの、宜しくね☆   作:八又ノ大蛇

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 色々投げやりな男が我愛羅くんに転生しました。


一塵~成り変わりは我愛羅~

 

 

 

 薄ぼんやりしたした視界が晴れると俺は、な、な、な、なんと!NARUTOの我愛羅くんに成っていたのです!まぁ、驚いた驚いた。

 

 最初はえっ?ナニコレ状態でした。前世では平凡な…………何だっけ?ぼやっとしてハッキリとは思い出せないけど、多分男だったと思う。うん、駄目だどんな仕事についてたのか何歳だったのかも分からない。

 ただ、こんな砂に囲まれた砂漠の中に築いたよう場所は前世でも無かった。知らないだけかもしれないが、見たことが無かった。並び立つ高層ビル、土のない補整された道路、少なくともこんな砂だらけの所には住んでいなかった。

 

 そして何より人が屋根の上をピョンピョン飛び回る光景は絶体見たことない。初めて見たときはどんな身体能力してんだよ、って思ったね。でもやってみれば何故か案外普通に出来る自分に驚いた。あと何より自分の容姿に驚いた。わぁ、驚いてばっかりだぁ。

 でも仕方ないよね。だって我愛羅くんですよ?あの初期グレグレ反抗期感が半端なかった我愛羅くんですよ?そりゃあ、驚きますわ。

 

 もう驚きすぎて勢い余って砂で壁に穴開けちゃいました。直ぐに監視役の忍が飛んできたよ。ゴメンね。

 でもさぁ、冷静になって思うんだけど俺どうしよっか?

 

 ぼくはがあらくん、ことし6さいになりました。たまにコワイ~"あんぶ"のひとがぼくを殺しにきます。

 

 夜叉丸の死亡から感情を抑えきらないで暴走しちゃって父様の命令を請けた暗部に暗殺されかけています。暗部ってのは"暗殺戦術特殊部隊"のことね。主に汚れ仕事を請け負う里の裏方で精鋭揃い。そんな人らに我愛羅くん狙われている訳よ。

 ねぇ、どうすりゃいいわけ?記憶が戻ったのが処分判断された後6歳。処分判断される前なら道は色々あっただろうけど、された後ってどうすればいいの。無理じゃん、ベリベリハードコース直行じゃん。そっから逆転王道主人公コースには流石にナルトくんぐらいのダイヤモンドのメンタルがないと無理だって。

 

 俺?あるわけないないじゃん。そもそも暗殺にきた暗殺の方々をコロコロしちゃってなんか、もうどうでもいっかなぁ。になっている。殺らねば殺られるの状態で捕獲するなんって甘ったるい選択肢は皆無。練乳と蜂蜜入りのミルクに砂糖を入れてもまだ足りないぐらい甘い。

 何で殺されかけてっんのに殺す相手の心配しないといけないの?ぼくわからない~。

 原作の方でも殺りにきた相手を我愛羅くんバンバン殺していたみたいだし問題なくねぇ?

 

 それとさ、ご都合設定なんだろうけど……暗部殺せるぐらいの我愛羅くんがなんで、中忍試験でたかが下忍に苦戦させられているの?あれずっと謎だったんだけど。

 下忍が暗部より強かったと仮定しても可笑しいよ。原作の描写じぁ我愛羅くん複数対一人で勝ちを納めているんだから、下忍一人この場合はサスケね、に追い込まれるのは可笑しいじゃん?

 

 …………まぁ、いいやぁ。もう考えるの面倒だ。「人間は考える葦である」と偉人が言ったらしいが知るか。時には思考の停滞もとい「現実逃避」も必要だろう。

 そんは訳で……

 

『守鶴さん暇です』

『…………』

『守鶴さん~』

『…………』

『守鶴たんー』

『うるせぇよ!!』

 

 『寝てんだよ、邪魔すんな!!』と怒鳴る我愛羅くんに封印された守鶴さん。原作だと疎ましい存在しているけど友達のいないないの我愛羅くんには唯一の話し相手。彼?のせいで我愛羅くんは不眠病になってたみたいで寝れない為にできた隈が凄い。寝た瞬間に乗っとるぞで恐怖で寝れない我愛羅くん。

 

 ヤバイねぇー。ん?どうしたって?寝ましたよ。

 

 二日ぐらい頑張ってみたけど無理。マジ眠い。もう暴走してもいいかなぁの自棄で寝てやると、何故か乗っ取られることは無かった。これには俺クエスチョンマーク。

 それから俺的に考えた答えは、寝ると乗っ取られるではなく寝れないという不安や恐怖からフラつく精神の隙間に入り込み乗っとるのではないかと思う。我愛羅くんなんか精神不安定だったし。可能性がないわけではないと思う。

 

 まぁ、正確にはわかんないけど。でも寝れるならいっか、って感じ。何でかこの体寝ても寝ても眠気が消えてくれない。隙あらばお寝んね。あれかね、今まで寝れなかった分のツケが回ってきた的な?

 俺自身寝ることが嫌いではなく大好きだし、遊べる友達もいない。寝る子は育つ、いいじゃんドンドン寝よう。

 

 でもさぁ、寝過ぎても暇。

 

『守鶴さぁ~ん、暇ぁ~』

『知るか!』

『「しりとり」しようよ~』

『一人でやってろ!俺様は寝てぇの!』

『守鶴さんのケチ』

『第一人柱力が俺様に気軽に話しかけんじゃねぇ!俺様は人間が大嫌いなんだよ!』

『じぁ、俺からね。「しりとり」のりだから「りんご」』

『勝手に始めんじゃねぇーー!!』

 

 まったく守鶴さんはツンツンだなぁ。でもなんだかんだ言いながらしりとり暇潰しに付き合ってくれる守鶴さん優しい~!多分暇なんだろうね。だって彼寝ること以外することないだろうし。そりゃ外に出たいわな。

 

 俺は普段勉強とか術の修行とかしてる。勉強結構ムズいけど他にすることないからしてると本来アカデミーで教わること終わっちゃた。

 元から我愛羅くん頭良かったのもあると思う、だって臨の書にサクラまではいかないもサスケよりは良かったと書いてあったし。覚えるの早いし理解も早いよこの頭。

 

 するとだいたい術の修行になるだけど、正直これは暗部の先生方と殺りあった方が熟練度が上がると思う。ほらゲームの敵を倒したら経験値ゲット的な?想像するより現物と殺った方が早い。

 

 なのでやることが幻術か体術にシフトチェンジ。幻術と言えば打倒うちは・サスケ、体術ならロック・リーを目指しております。

 幻術はまぁまぁだけど我愛羅くん体術駄目だね。成長途中なのもあるけど根本的に力が弱い、臨の書にも唯一女と同じぐらいと書かれていたよ。なので回避に主点を置くことにした。下手な鉄砲数打ちゃ当たるじゃないけど、攻撃は砂でやった方が何倍も強い。防御も砂でなので棒立ちになる。

 これ当たらなければカッコいいけど、油断して当たるとめちゃカッコ悪い。

 

 なので体術頑張って逝こうー!あっ、間違えた。

 頑張って行こうー!

 

『トカゲ』

『ゲ……激怒プンプン丸』

『……はぁ!?何それ!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ぼくはがあらくん、ぼくはきょうは"あかでみー"にはいりますー。

 

 はいっ!とやって参りました!

 

 右手に見えますは子供たちの学舎砂隠れのアカデミーになります。子供が少ない砂隠れでありますがここにはたくさんの子供達がおり和気あいあいと和やかな雰囲気に包まれております。そんな中にいます私こと我愛羅はとてもとても居心地が悪いのですよ。はい。

 

「…………」

 

 意味わかんねぇー、ナニコレふざけんなし。俺から分かりやすく一定の距離を保つの止めろ。マジで傷つくから。俺泣いちゃうよ?

 チラッと近くの(三メートル離れた)子に目を向けると顔を青ざめて他の子の所に走っていった。…………。いいもん……俺には守鶴たんがいるもん。一人じゃないもん。おい、あれボッチ乙とか聞こえたような……いや、俺に話しかけてくれるヤツはいない。

 

 いいんだよ?そう言っても。だからそんなに離れないで、俺のガラスのハートが粉々に粉砕するから。

 

『もう一度融解して直ぐに再生するだろ』

『しないもん、砕けたまたまただもん!』

『あぁ、それで回りを傷つけるんだな』

『ちゃんとチリトリであつめるもん!』

『一人でな』

『そう言うのヤメテ!私のライフはもうゼロよ!』

 

 一人ちゃうもん、守鶴たんいるもん。『俺様を含むのは止めろ』とかぼく聞こえないもん。

 

 はい、と言うわけで俺が長々と守鶴さん脳内会話をしていると風影様の話は終わりました。本当父様鬼畜ぃよね。俺の方を睨んでから退場していったよ。熱い目線とはこの事だろうか?熱過ぎて逆に背中がヒヤッとしたよ。

 眠気眼で話聞いてたから?それとも昨日暗部の方々を三途の川を渡る船に乗せたせいだろうか?多分後者かな?

 

 まぁいいや、今日から俺の忍者アカデミーの開幕だからね。人間第一印象が肝心ここは完璧な自己紹介で皆の目線を集めてクラス一位…………は百パーセント無理だから友達一人は作りたい!

 頑張るぞ~!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「我愛羅だ……」

「はい、じゃあ次の人」

 

 はい、コミュ症乙自分。

 

 分かってたよ。分かってたんだ。そうだよ、無口なんだよ。必要最低限の事しか我愛羅くん喋らないんだよ。砂とか出来のいい頭脳を受け継いだら無口も受け継ぐのね。

 要らん!

 

 黒板前に立った瞬間、頭の中に何回も繰り返した紹介文が真っ白の生地に早変わり。もう名前言うのが精一杯です。えっ、何で?我愛羅くん別に恥ずかしがりやという訳ではなかったと思うけど……。消去法に従って導き出す答えはーー俺か……。

 俺って緊張に弱かったんだね、初めて知ったよ。普段誰とも喋らないから全然知らなかった。

 

 無口プラス緊張に弱いこれが掛け合った結果、名前だけ。

 

「…………帰りたい……」

 

 机にうつ伏せになり静かに声が口から漏れた。それとついでとばかりに目から水が溢れそうになった。

 

 

 

 




 
 不定期更新です。
 ナルト転生はあっても我愛羅くんないなぁ~と思って書き出しました。

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