サボってる訳じゃないんです!ちょっと気分転換したいなぁ…みたいな?あ、やめて!ウニを投げないで!痛いし苦手なんです!(切実)
二人分の"記録"
少女には秘密がある。
少女は今年で15歳、高等学校入学を控えていた。
しかし、少女は普通ではなかった。
と言っても、小学校に入学するまでは落ち着きのある少し聡い程度の少女だった。
しかし、入学式を控えた数日前から少女はある夢を見るようになった。
世界のどこにも無いような、それでいて既視感を覚えるような地球の風景。
少女は直感でそこが別の世界の地球であると悟った。
少女が見る情景には必ずある少年、少女にとってはかなり年上に見えたが、彼は周囲から
少女の見ていた夢は彼の、『早瀬浩一』の"記録"だった。
何故記憶ではなく"記録"なのか?
当時の少女には説明できなかったが高校生になる少女にはそれが説明できた。
そこには彼の感情が含まれていなかったのだ。
淡々と彼が関わった出来事を上映していく、ノンフィクション映画のようなものだった。
少女が二年生に上がる前にはその"記録"は見なくなったが、二年生に上がってから再び新たな"記録"を見るようになっていた。
この"記録"こそが少女が天才と呼ばれるようになった原因だった。
それは一人の天才の"記録"だった。
天才の名前は"記録"が終わった今も分からず終いだったが、何故かはわからないが彼の研究は全て理解できた。
そして、その研究内容は"記録"を見終わった現在でも何一つ記憶から薄れることなく少女に定着している。
天才が発明したナノマシンとそれを動力源とする巨大ロボット『マキナ』。
その基本設計が少女の脳内に残っている。
それに付随する形で様々な分野(特に物理学に関するもの)の知識を少女は得ていた。
そんなものを少し聡い程度の少女が見たら発狂してもおかしくなかったが、一年近くをかけて一人の人間の人生(その中には痛ましい人の死や残酷な情景もあった)を毎日見続けていた少女は精神的に成長し、すんなりと受け入れることが出来ていた。
それから少女は天才と呼ばれるようになった。
流石に『マキナ』やナノマシンを開発でもすれば、普通の生活が出来なくなると理解していた少女だったが、それでも周囲や両親に誉められることが嬉しく、つい、持っていた知識を振るってしまった。
それから少女は周囲から孤立してしまった。
誰も彼もが少女を天才と呼び、持て囃し、同級生たちも親に言い含められ、敬遠し、今までと同様の態度で接してくれたのは両親だけであった。
それを少女は寂しいと感じていたが、精神的に成長してしまった少女はそれを表に出すことはなかった。
しかし、そんな少女に転機が訪れた。
時は少女が小学校三年生に上がった時である。
こんな感じで進めて逝きます。
D×Dの方より、よりライトな感じに仕上げたいと思います。