東方白狐録√B【準備中】   作:白狐さぐじ

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 一か月一話投稿予定のサグジです。
 このペースで投稿していると、四年掛かるみたいで焦っています。
 前作が48話で、一年が12か月なので…。
 計算式はこれですが→48÷12=4

 少し早めて投稿させていただきました。
 現在、夏休み中なので書ける時間はあるにはあるので、月一投稿は一時的になくなると思います。

 


第二話 「白い狐の生活風景」

 いつもの洞窟、いつもの朝。

 少し眠いけど起きなといけない。

「ふあぁー、んん。よく寝れた…のかな?」

 と呟いてみたりする。けれども、その返答を返してくれるヒトは居ない。なんとも寂しいものだ。居たら居たで怖いけど…。

 私はこの洞窟で暮らしている一匹の狐だ。狐と言っても妖怪の狐だけど。

 

 さてと、今日もあの村に行こうかな。

 支度をしようとしても何もないし、とりあえず人型になった。人型の私は、真っ白でちょっと長めな髪をしている。

 長いから切ろうとしたら、切っても切っても元の長さに戻るので、そのままにしている。

 村に向かう道は殆どが獣道。それも仕方ない事だと思う。自分も獣だから。

 

 

 

 

 けれども、そんなに簡単に村に着いたりはしない。

 私とは違う厄介な妖怪たちに出会ってしまった。彼らはそれなりの知能はあるのか、これは待ち伏せに近いかもしれない。

 彼らはオオカミに近い姿をしていて、殆ど群れで行動しているのを見る。まあ、妖力が少ないから数で押し切る形になるのは仕方がないと思う。

 いつもなら飛んで逃げるのだけど、今日は清々しい朝を邪魔されたから、殺してしまうかな。

 片手に妖力の塊を出して、丁度良い大きさのを数個造り出す。

 それを火の形にして、群れにぶつけた。数匹が物凄い勢いで燃え始めた。これは所謂、狐火なのだと思う。

 それでも、まだ扱いが不慣れだから2、3匹に逃げられてしまった。

 燃やした数匹は火を消した後、地面に埋めといた。

 

 

 途中いろいろあったけど、やっと村にたどり着いた。

 村の人達は稲を刈っているらしく、忙しくて構ってもらえなかった。でも私が手伝いをする隙間もないので、米を狙う鼠を捕まえている事にした。

 今年は豊作で出来が昨年より良いらしい。そのせいか、鼠が多く直ぐに蔵に穴が空いてしまって困っていると聞いた。

 村の人からは、そのことから色々とお礼を言われるが、私にとっては食料が手軽に手に入るチャンスなのでお礼を言われる事をしたとは思っていない。

 最近、村のいろんな人から「此処に住まないか」と言われる。それはとても嬉しい事なのだが、私の家はあの洞窟だと決めているのので、やんわりとそれとなく断っている。それに、今から家を建てるとなると、冬を通り越して春になってしまう。なので村の暮らしを優先してほしいと思ってる。

 

 

 

 

 秋が終わり、冬の足音の真っただ中。

 私は村で刈り取った稲の藁を取りに来ていた。私が住んでいる洞窟は、冬になると風や雪が入らなくてもとても寒くなってしまう。そのため、藁が無いと冬を越す事は難しい。

 藁を貰う代わりに、冬の間だけ夜の時間帯の見回りをしている。人間は冬になると活動が鈍くなるので、妖怪が襲いに来る確率が上がるのだ。

 まあ、それは此処に来る理由の一つで、洞窟で一人ぼっちは寂しいので、村の人達と話したいのがもう一つの理由だ。

 

 

 

 

 自分でも分かる小さい体で藁を洞窟まで持ってきたが、そんなに重くは感じなかった。

 私は今までコレといった力仕事と呼べる仕事をしたことがなかった。妖怪の体は人間とは違うから、もしかしたら岩を軽々と持ち上げることも可能かもしれない。

 そんな事を考えていたら、直ぐに敷き終わった。余った藁は、濡れないように洞窟の奥の方に置いといた。

 そこから少し抜き取り、石を丸く囲んだだけの囲炉裏?に薪を置いて、火を出した藁に灯して薪に落としといた。

 少し待つと薪にも火が付き、少しづつだが洞窟内も暖かくなるだろう。

 

 その温かさを元に、この寒い夜は越せるかな?

 明日もあるし、そろそろ寝なきゃな。

 

 




 下の画像はミクラの幼少期の予想画像です。


【挿絵表示】


 こんな感じで「九本の狐の白い尾が付いてるんだな~」と想像していただけたらと思います。(誰か描いてくれないかな…)

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