薔薇の皇帝と秘書   作:鉄血

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オルレアン編スタートです!!


ソーマ、レイシフトで酷い目に合う

新しいサーヴァントを三人召喚してから一週間がたった。

アーチャーの事エミヤは食堂の主となり、キャスターのクーフーリンはソーマの賭け事の遊び相手になっていた。

自称セイバーの事、ヒロインXはアーチャーに餌付けされて普段は食堂で食べているか、ネロを抹殺しようとするかでいる。しかし、抹殺しようとしたのがアーチャーにばれて三日間の間、食事を出してもらえなかった事に懲りたのか、あれ以来おとなしくしている。

ネロはというと、ソーマの隣にいることが多い。本人いわく、その方が一番落ち着くそうだ。

その他にもマシュやマスターと一緒にいる事から、中々に良い関係を築いているようにソーマは見えた。

そしてソーマ達はロマンから次の特異点が見つかったのでその時代である情報を聞いていた。

 

「次の特異点はフランスの百年戦争があった時代だね」

 

「百年戦争・・・俺らの時代にはそんなに長く戦争が続いた事はなかったが、百年間ずっと戦争でもしていたのか?」

 

ソーマがロマンにそう言いかえした。

 

「いや、実際に百年間ずっと戦争をしていた訳ではないよ。その間に停戦もあったみたいだしね」

 

ロマンがソーマの質問にそう言いかえした。

 

「成る程、今回は前回よりも長い人理修復になりそうだな」

 

「ロマン、いつレイシフト出来る?」

 

「立香ちゃんの準備もあるだろうから明日だね」

 

ロマンはソーマにそう言った。

 

「ならマスターやアーチャー達に言っていかないとな。明日までに準備はしておくようにってな」

 

ソーマは早速言うためか、部屋から出ていこうとした。

すると出ていこうとしたソーマにロマンがこう言った。

 

「皆はまだ気づいていないみたいだけど、フォウさんの事まだ言わないでね?」

 

「・・・まだ言わん。だが言うべきと思ったら言うぞ俺は。

始めから何かネロの中にいる奴と感じが似ていたから聞いてみただけだったんだがな?まさか当たりを引くとは思わなかった」

 

ソーマはそう言って部屋を出ていった。

 

「やれやれ・・・まさかフォウさんの正体に気づいているとは思わなかった。まぁ似たような性質を持っている彼女がいつも側にいるから気づくと思ってたんだけどね。さてと僕も頑張っていくか・・・お饅頭何処に置いたっけ?」

 

ドクターはそう言って饅頭を探し始めた。

 

ソーマは廊下を歩いているとちょうど探していた立香とマシュに会った。

 

「マスターちょっといいか?」

 

「ん?何?ソーマさん」

 

立香はそう言って足を止め、ソーマを見た。

 

「どうしたんです?先輩、ソーマさん?」

 

マシュもそう言って足を止めた。

 

「いや、そう大したことじゃないんだが、新しい特異点が見つかってな。明日までに準備をして欲しいんだが?」

 

「大したことじゃないよ‼ソーマさん!?新しい特異点が見つかったの!?だったら早く準備しなきゃ‼ゴメンねマシュ、ソーマさん!!ちょっと準備してくるから‼」

 

立香はそう言ってアサシン顔負けの速さで走っていった。

取り残されたソーマとマシュはその姿を見て呆然としながら、立香が走り抜けていった廊下を見ていた。

 

「凄い速さで走っていったな・・・」

 

「はい・・・スゴい速かったです・・・」

 

それからソーマはマシュにネロが何処にいたかを聞いて今、食堂に向かっていた。

何でも色々と愚痴をクーフーリンとアーチャーに言っていたらしい。

 

「ネロの奴、酒を飲んでないといいんだが・・・飲んでいるとしたらめんどくさいんだよなぁ相手にするの・・・」

 

ソーマそう愚痴をこぼしながら食堂に向かっていった。

すると食堂から響くような泣き声と疲れたような声が聞こえてきた。

 

「ソーマぁぁぁぁぁ!!ソーマぁぁぁぁ!!」

 

「もういい加減泣き止んでくれよ・・・勘弁してくれよ・・・」

 

そこには癇癪を起こしたように泣くネロとげっそりとしたクーフーリンの姿がそこにあった。

 

「あーあやっぱり飲んでたか」

 

「アサシン、君は何でこうなったか知っているようだな?」

 

アーチャーが隣でその様子を見ながらソーマに聞いた。

 

「知ってるも何もネロにアルコール類を飲ませると後がめんどくさいんだ。泣き上戸だから・・・」

 

「成る程そういうわけか」

 

その事を聞いたアーチャーは納得して再び視線を二人の方へと向けた。

するとクーフーリンはアサシンが来ていたのに気づいたのか、助けを求めてきた。

 

「おいアサシン!!早く助けてくれ!!さっきからずっと泣きっぱなしで俺の手に負えねぇ!!」

 

「ネロにアルコール類を飲ませたからだろうが!!俺だって今のネロの相手をしたくないわ⁉」

 

ソーマはクーフーリンにそう言った。しかし怒鳴ったせいで自分の場所がネロにばれてしまい、ネロが涙を流しながらソーマに突っ込んできた。

 

「ソーマぁぁぁぁ!!」

 

「なっ!?まてネロ!?グフッ!!?」

 

強烈なタックルを食らって倒れこんだソーマは後頭部をぶつけノックアウトした。

 

それからソーマは何が起こったのか覚えていない。

 

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

 

 

そして次の日がきてソーマ達はレイシフトをする為にある装置の前にたっていた。

ソーマはその装置をみて、興味深そうに見ていた。

 

「これでレイシフト出来るのか・・・召喚装置といい、この装置といい現代はすごいな・・・」

 

ドクターは興味深そうに見ているソーマを見て言った。

 

「興味があるのは良いけど今から転移するよ。下手しら合わせた位置からずれるかも知れないからちゃんと固まってね」

 

「はいはい」

 

ソーマはそう言ってネロの隣に戻っていった。

すると立香はある変化に気づいた。ソーマの右腕にあった鎖がないのだ。その事が気になった立香はソーマに聞いた。

 

「えソーマさん何で鎖がないの?」

 

「ネロが外した時に、あの黒いセイバーに壊されたみたいでな、ごらんの通り今は自由の身って訳だ」

 

「セイバー!!そのセイバーは何処ですか!!今すぐ抹殺します‼」

 

ヒロインXはセイバーの言葉に反応して首をあっちこっちと振っていた。何とも彼女らしい反応である。

するとネロが笑顔でソーマを見て言った。

 

「ソーマ安心しろ、また新しい鎖を今作っている帰ったらまたつけるからな」

 

「勘弁してくれ・・・」

 

笑顔で言われソーマはその事に絶望しながらうつむいた。

 

「じゃあ今からレイシフトするよ‼皆は準備は良い?」

 

「大丈夫でーす!!レイシフトして下さい!!」

 

立香はドクターにそう言った。

 

「じゃあレイシフトするよ‼」

 

ドクターはそう言ってスイッチを押した。

そして光が出て爆発するとソーマ達の姿は見えなくなった。

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

辺りには青空が広がっている。ソーマが思った始めの感想がそれだった。

そして周りには誰もおらず物凄い勢いで落下している自分。

 

「は?」

 

ソーマは今の状況下を見て判断し、言葉にしたのがその言葉だった。

 

まさか上空5000メートルから落下するとは思わなかったからだ。

後にソーマは言う。

あれほど死を覚悟したことはない・・・と。




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