では、どうぞ!!
追記
少し書き直しました。
金属同士がぶつかる音が果てる事なく響いていた。
「ふっ‼」
「ふん」
ソーマが両手で握った大剣をセイバーに降り下ろした。
しかしそれは受け止められ、セイバーが反撃の魔力放出によってソーマは吹き飛ばされた。
セイバーがソーマに気にとられている間にネロは、首に向けて剣を振った。
だが、セイバーは後ろにも眼がついているかのようにその攻撃を回避し、同じように魔力放出で吹き飛ばした。
「ちっ、大丈夫か?ネロ?」
ソーマはセイバーを見つつ、ネロに大丈夫かどうかを聞いた。
「少し吹き飛ばされただけだ。ソーマこそ大丈夫か?壁にぶつかったが・・・」
「大丈夫・・・と言いたいが、さっきのあれで剣に少しだけ罅が入った。後で直るとはいえ連続で喰らうとかなり不味いな・・・」
ソーマのもつ大剣は、先程の一撃で僅かにだが罅が入っていた。宝具でも何でもないただの剣なので、次に重い一撃を喰らったりするとすぐに折れるだろう。
「そうか、なら余が奴の相手をしても良いのだぞ?その変わりに余がこの戦いで勝ったら、明日は一日中余の相手をするが良い」
ネロはソーマにそう言ってセイバーに剣を構えた。
「寝言は寝て言え。俺がそんな事を素直に聞くとでも?馬鹿を言うな・・・勝つのは俺だ。俺が勝ったら生前、お前がネロ祭で起きたあの事をマスターに言うからな?」
「まて、ソーマ!!それは、それだけは言わないでくれ!?」
ちなみにネロが他人に知られたくない事はネロ祭の戦車によるレースの時、ネロがその戦車の操縦を誤ったことで転落した事である。観客の目の前で転落したことから、ネロ祭が終わってしばらくの間自分の部屋に引きこもっていた。
「言われたくなかったら、俺との勝負に勝つことだな」
ソーマはそう言ってセイバーに顔を向けた。
「ふん、話合いは終わったか。それで次はどうする気だ?」
「不意打ちか?それとも三人係でくるか?まぁそれでも私は構わんがな」
(正直に言うとネロ以外勝ち目が無いんだけどな・・・セイバーの宝具を跳ね返したのも、マシュだからな・・・。ん?待てよ・・・セイバーの宝具を跳ね返したのはマシュだけ・・・一か八かで賭けてみるか・・・)
そしてマスターに念話でいった。
(マスター。今から危険だが勝てる可能性がある賭けにでる。マシュに俺達がセイバーに無理矢理宝具をうたせるからそれを全力で跳ね返して欲しい)
「なっ!?マシュにそんな危険な事をさせるんですか!?」
(すまないマスター。それ以外に勝てる可能性が今は無い。時間がない。すぐにマシュの答えを聞かせて欲しい)
「マシュは、どうするの?この作戦について」
マシュはもう決めてあると言わんばかりに言った。
「私はこの作戦をします。これ以外に勝てる可能性が無いのなら、私はします‼」
マシュはそう言ってマスターを見た。
(その様子だと受けるみたいだな。なら俺とネロが奴に宝具を打たせるために誘導する。だからそっちでタイミングを見て宝具を発動させてくれ、いいな?)
「分かりました。ソーマさん」
マシュはうなずきながら言った。
(さてと、此処まではいい。だが、問題はどうやってアイツに宝具を撃たせるかだな・・・)
ソーマはその事を考えながらセイバーを見た。ネロと今は良い勝負をしているが、それも時間の内に劣勢になるだろう。そうなる前に決めたい所である。
(今の所セイバーは、隙が出来る宝具は撃たないだろう。撃つとすればネロと俺が動けないタイミングだけ・・・どうすれば奴に宝具を撃たせることが出来る?)
ソーマはそう考えていると、後ろから自分に声がかかった。
「わりぃ!!アーチャー相手に時間がかかっちまった‼」
その声は正体はキャスターだった。
「いや、丁度良いタイミングだ。キャスターお前はまだ宝具を使う事が出来るか?」
「あぁ、後一回なら使えるぜ。だが、どうする気だ?」
「セイバーに宝具を撃たせてマシュに跳ね返してもらう。それしか勝ち目が無い。」
「かなり危険なギャンブルだなおい‼実証はあるんだろうな‼」
「あると言ったら?」
ソーマはそう言ってキャスターを見た。
するとキャスターは諦めたのかこう言った。
「分かったよ。だが、倒しきれなくても知らねぇぞ?」
キャスターはソーマにそう言った。
「すまん、キャスター」
するとセイバーと戦っていたネロから声がかかった。
「ソーマ!ソーマ!」
その声がやけに嬉しそうな声だったのでソーマはこんな危機にと思いながらネロを見た。その横にいたキャスターもネロの方を見る。
すると其処には、満面の笑みを浮かべたネロがそこにいた。しかしその顔には返り血がつき、胸元の部分や服にも大量の血がついていた。そしてネロのその左手には、頭から下がないセイバーの首が血を滴らせながら握られていた。
ソーマはそれを見てすぐさまマスターの方を向いて言った。
「マシュ!!マスターの目を今すぐ隠せ!?」
「隠しています‼」
「な、何!?一体何が起こったの!?」
困惑しているマスターにマシュ焦りながら言った。
「何でもありません‼何でもありませんから!!」
必死に何でもないと叫ぶマシュとソーマ達が慌ている理由さっぱり分からないネロの姿が其処にあった。
「さてと・・・ネロ、俺が考えている間に一体何があった?」
するとネロは、キョトンとした顔でこう言った。
「む?何があったとは一体どういう事だ?」
「だから、一体何があってセイバーを倒したのかを聞きたいんだよ!!」
するとネロは何やら嫌な事でもあったのか怒りの形相でソーマに言った。
「そうだ‼あのセイバーがな余を殺した後、すぐにソーマを殺すと言ったから余はすぐにあのセイバーの首を跳ねてやったのだ‼別に良いであろう‼」
理由を聞いたソーマはやっぱりかと思いながらため息をついた。ネロにとってソーマを殺すと言うのは逆鱗に触れると言う事。つまりあのセイバーはネロの逆鱗に触れて斬殺されたと言う事だ。そんな呆気ない終わり方にソーマはセイバーに心の中で謝りつつ、マスターに言った。
「問題のセイバーは倒したんだ。これでこの特異点は、終わりだろう?」
「うんこれで終わりだよ。お疲れ様よく頑張ったねカルデアでゆっくり休むと良いよ」
「やっと終わりか・・・さてとそのカルデアとやらでゆっくりしたいな・・・ネロ、マスター、マシュ、所長さん、帰るか?」
ソーマはそう言ってマスター達を見た。
「はははは・・・私も少し疲れたかな?大変だったし」
「そうですね。私も疲れました。ちゃんと休息を取りたいですね」
「私もよ・・・流石に走り続けたりして疲れたわ・・・早く帰りたい」
「うむ、そうだな。早く帰ってソーマと一緒に寝たいぞ」
何やらネロから聞き捨てならない事が聞こえたが、ソーマはそれを聞こえないふりをした。流石に疲れたからである。
「それじゃ帰ろうぜさっさと休みたい」
そしてオルガマリーは、ロマンに言った。
「ロマン、早く転送して頂戴」
「分かった。なら直ぐに転送準備をするよ。少しだけ待っていてくれ」
ロマンはそう言って通信をきった。
そしてソーマは地面に大の字になりながら言った。
「あーしんどい。ありゃ大変だわ」
そしてソーマはそのまま意識を落とした。
次はちょっと勘を取り戻すために番外偏をかこうと思います。
誤字や感想よろしくお願いします‼