聖杯戦争
アインツベルンの敷地内にある教会の一室のような所で、彼は魔方陣を作っていた。
その様子から英霊を呼び出すつもりなのだろう。
「アイリ、その聖遺物を中心に置いてくれ」
と、切嗣は言った。
そしてアイリと呼ばれた彼女は、
「分かったわ」
と言いながら、陣の中心にに剣の鞘を祭壇の上に置いた。
そして準備は整ったと合図をしながら衛宮切嗣は、詠唱を始めた。
「ーー告げる。汝の身は我が下に。我が命運は汝の剣に聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うのならば応えよ。」
そう言っていると、召喚陣の光は強くなっていく。
「汝三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ!」
詠唱を言い終わった瞬間、召喚陣の光が爆発した。
そして一人の男が立っていた。
切嗣はその男を見て、
「こいつがアーサー王、だと?」
と答えた。
すると召喚された男はこう答えた。
「俺は、お前が言っていたアーサー王ではない。」
アイリと呼ばれた彼女は
「嘘・・・アーサー王じゃない?」
と信じられないような表情でその男を見た。
この言葉を聞いた切嗣は
「何?では、お前はアーサー王じゃあないのなら何だ?」
すると男はこう答えた。
「俺はアサシンのサーヴァント、ソーマ・デュークだ。」
その答えを聞いた切嗣は、
「アサシンだと!?」
驚いた様子で、ソーマを見た。
「嘘は言わないでくれ。じゃあ君がその背中に背負っている剣はなんだい?」
切嗣は動揺したものの、アサシンの背負う大剣を見て答えた。
すぐにソーマは、その質問を返した。
「別に不思議な事ではないだろう?アサシンでも剣は取るし、秘書だってするだろう。」
と質問に返した。
切嗣は、気になる事を答えたアサシンにもう一度質問した。
「秘書・・・だって?アサシンである君がかい?」
するとソーマは
「あぁ。俺はどちらかと言うと秘書官だ。俺自身、なぜアサシンとして召喚されたのか分からないのでな。」
その事を聞いた切嗣は、最後の質問をした。
「君は何処の英雄なのかな?」
その質問にソーマは答えた。
「俺は、ローマ皇帝ネロ・クラウディウスの秘書ソーマ・デュークだ」
「俺自身は、聖杯などには興味はない。俺をどう使うかは、お前に任せよう。」
そう言いながら、ソーマは霊体化した。
切嗣とアイリスフィールは、召喚されたアサシンについて話合っていた。
「アイリ、あのアサシンについて何か分かった事はあったかい?」
と切嗣は聞いた。
するとアイリスフィールは、
「えぇ。調べて見たらすぐに見つかったわ。あの暴君ネロの秘書というのは間違いないみたい。彼の最後はネロと一緒に死んだと書かれているわ」
とアサシンの情報を教えてくれた。
すると切嗣は、
「アサシンが召喚されたのは予想外だったが、騎士道だの、何だの言われる事がないぶんやり易い」
それに、と切嗣は続きを言った。
「彼は聖杯には、興味がないと言っていた。だからアイリ、アサシンを護衛にするから、聖杯に何故興味が無いのかをアサシンから聞き出して欲しい。」
と切嗣は言った。
アイリスフィールはこの事を聞いて
「分かったわ」
とだけ答えた。
ソーマは、ネロがあの後自殺をした事を考えていた。
ネロはその日の朝、何かを渡そうとしていた。
何を渡したかったのか、自分の事を恨んで居ないのかと考え始めるときりがなかった。
何故、聖杯に興味がない自分が召喚されたのか分からないが、マスターを聖杯戦争に勝たせるためアサシンは準備を始めた。
冬木
ある場所に、一人の少女がいた。
その少女は、アサシンが召喚された時とても良い夢を見たと言わんばかりに、幸せそうな顔をしていた。
「待っていてくれソーマ。必ず余が会いに行くからな・・」
そう彼女は言ってから、歩いて暗闇の中に消えていった。
なんか書いていて、ネロがやばい事になった(;・ω・)
少し投稿スピードが遅くなるかも・・・