薔薇の皇帝と秘書   作:鉄血

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ネロが謝る話です。


ネロ、迷惑をかけたのでソーマに謝る

ソーマの秘書室

 

その日ネロは、ソーマにあることを頼み込んでいた。

 

「ソーマ!!劇場を作りたいからその許可をくれないか?」

 

とネロはそう言って入ってきた。

その事を聞いたソーマはこう答えた。

 

「まぁ最近は土地も増えたし、人気も出て人手も足りてきたから構わんが・・・急にどうした?」

 

と言ってきた。

するとネロはどや顔しながら説明した。

 

「最近面白い事が無くてな、それで劇場を作って皆を楽しませようと思ったのだ」

 

それを聞いてソーマは、

 

「まぁいいか。最近娯楽類も少なくなってきたという人も増えているから建ててもいいか・・・」

 

ソーマ自身もそれは反対しなかった。

しかし気になる事があった。誰が設計図とその劇場の舞台に上がる人を集めるのかが、気になってネロに聞いてみた。

 

「そう言えば誰が設計と舞台に上がるんだ?それがないと始まらないが?」

 

その事を聞いたネロは更にどや顔をして答えた。

 

「設計図は余がもう考えてある。それに余が舞台に上がって歌うから大丈夫だぞ‼」

 

と言ったので、ソーマは大丈夫かと思い許可をした。

しかしそれが、後になって後悔する事になる。

 

 

 

そんなやり取りがあって約数ヶ月たった。

ネロが、劇場が出来たと言っていたので、その場所に向かった。

そして目の前には、美しくそして繊細な劇場があった。

中に入ってみると、それは黄金を中心として赤や白を使った豪華な劇場だった。

そして、自分を呼び出したネロを探そうと振り向いたらネロがそこにたっていた。

そしてネロはこの劇場はどうかと聞いてきた。

 

「どうだソーマ、この劇場は。美しいであろう‼」

 

そしてソーマはこう返した。

 

「立派に出来ているな。これをネロが考えたのか?」

 

するとネロは自慢するように答えた。

 

「うむ!!余が一からすべて設計した劇場だ!!この美しさにたくさん人も集まるであろう‼」

 

子供が親に自慢するようにネロは言った。

するとソーマはネロにこう言った。

 

「ネロ、確かお前が歌を歌うと言っていたな?聞かせてくれないか?」

 

するとネロは喜んで準備をするからまっていろ‼と言いながら、舞台に上がっていった。

そしてネロが、歌い始めた時・・・・

ソーマは、ここから先何が起こったのか覚えていない。

 

 

ネロは自分で作った招き蕩う黄金劇場で独唱会を行うため、ローマ国民を無理矢理集めた。

それから、人員を出入口に配備してその劇場から出られなくした。

そしてネロが歌い始めた時、国民達は余りの退屈さから帰ろうとする人が続出したが、出入口が封鎖されているため最後までその歌を聞き続けることになった。

 

その事で、ソーマの秘書室にはその事による非難が増え、対策を取ることになった。

 

ネロのジャイアンリサイタルがあった次の日、ソーマはかなり頭を抱えていた。

まさか劇場を建ててすぐに、苦情の書かれた紙がこんなにも届くとは思っても見なかったからだ。

 

「まさかこんな事になるとは、思わなかった・・・。」

 

ソーマはそう言って頭を抑えた。

後でネロがきた時に伝えなければ・・・と考え苦情の書かれた紙を読み上げていった。

そしてしばらくしたら、ネロが嬉しそうにやってきた。

そして昨日あったことを嬉しそうに話してきた。

 

「ソーマ!!昨日はな、国民達が倒れるほどに好評だったのだ!!また次もやろうと考えているのだが、ソーマはどう思う?」

 

ソーマはネロが言った事を聞いて無言で10枚ほど机の上に置かれた紙をネロに渡した。

それを不思議に思ったネロは、一枚一枚と読み上げていく。

そして全ての苦情の書かれた紙を読み上げたネロは、震えたような声でソーマに聞いてきた。

 

「ソーマ・・・・これは本当の事なのか・・・?」

 

ネロの言葉を聞いてソーマは言った。

 

「ああ。ここにある書類全部が昨日のお前の歌による苦情だが?」

 

ソーマはそう言ってネロの顔をみた。

ネロは激情していた。

 

「なぜ余が歌ったのにこんなことを言われなければならん!!ソーマもそう思うであろう‼」

 

とネロは自分にも賛同を求めてきた。

だが、ソーマはそれを宥めるかの用にこういった。

 

「ネロ、今回はこういった苦情は多かった。だが、次はこう考えればいい。次こそは絶対に見返してやるほどに上手くなってやるってな」

 

そう言ったソーマにネロは納得したように答えた。

 

「う、うむ、そうだなそう考えればいいな‼すまなかったソーマつい激情してしまって・・・」

 

謝ってきたネロにソーマは

 

「別に気にしてはいない。分かってくれたらそれでいい。」

 

とだけ返した。

 

すると何か思い付いたのかネロはこう言ってきた。

 

「よし、今日は余自身がソーマのために料理を作ろう‼楽しみにして待っていてくれ‼」

 

ソーマはそれを聞いてネロを見ながら言った。

 

「ああ、楽しみにして待っているとするか」

 

と言いながら笑顔で答えた。

それを聞いたネロは嬉しそうにして、ソーマに手料理を振る舞うべく部屋を出ていった。

 

 

ネロとソーマはこんな日が続けばいいと思っていた。

だが、それは直ぐになくなる事になる。

 

 

 




気になる所があるのなら感想で書いて下さい

そろそろ次辺りでローマ辺を終わらせたいと思います。

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