薔薇の皇帝と秘書   作:鉄血

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皆さま初めまして。
鉄血と言います
初めて小説を書くのでわからないかも知れませんがよろしくお願いいたします。


ローマ時代
プロローグ


ここは古代ローマ 薔薇の皇帝のことネロが納める地である。そこで忙しく働いている青年がいた・・・。

 

 

 

「だから人手が足りないこの件は先伸ばしにしただろ!!ネロ!!」

 

と秘書室から怒鳴り声が聞こえてきた。

 

「だからと言ってもう一月は経つぞ!!ソーマ!!今日という今日は、本当に頼むから人手をまわしてくれぬか?」

 

と、今度は我慢ができない子供のように頼む少女の声が聞こえてきた。

 

その少女の名はネロ。翡翠の様な眼に美しい金色の髪を後ろに纏め、赤を基調としたドレスを着て民達から薔薇の皇帝と言われている少女だ。

 

「そう言ってお前は、何度も俺の仕事を増やしたよなぁネロ?少しは後始末をする俺の身にもなってくれ」

 

「うっ"だってそれは・・・余がどうしてもしたくてだな・・」

 

疲れたような声をしたソーマと、怒られた子供のように気を落としたネロがそこにいた。

 

「まぁそれは過去の事だから水に流そう」

 

と言って溜め息を吐きながらソーマは言った。

「なら!!」とネロは顔を輝かせる。

 

「だがな、それとこれとは話が別だ。何だ?新しい宮殿が欲しいって?建てるための土地は何処にある?人手もないそんな状況でよくそんな事が言えるな?」

 

とソーマは言った。

 

「此処のところ余の代わりに働きづめのソーマを思ってだな・・・。」

 

と申し訳なさそうに言うネロ。

 

「余計なお世話だ。もう少し皇帝らしくしたらどうだ?そしたら俺の仕事も減るんだが?」

 

それを聞いたネロは「何だ!!余はソーマを心配に思ってこの案を出したのだぞ‼それなのにソーマは!!」と怒ったように言った。

 

「だからと言って今は、人手やこの辺りには土地もないそんな状況でどうやって実行すると?この話は、先伸ばしだネロさっさと戻れ」

 

用は済んだと言わんばかり手をふるソーマ。

「うぅぅぅぅソーマのばかぁ!!」と言いながらネロは部屋を出ていった。

 

「まったくアイツの子供の様な考えは何とかならんのかね?」と呆れたように呟いた。

 

「まぁいいやさっさと終わらせよう」と言ってソーマは仕事に取りかかった。

 

その頃ネロはというと・・・・・・

 

「まったく何で余の心配をあんな風に言うのだまったく」

 

と言いながらソーマの自室へ上がりこんでいた。

 

ネロは本当にソーマのことを心配していた。

それはなぜか?ソーマは何日も秘書室で過ごす事が多く、寝る暇も無いと言わんばかりに働きづめでいることが非常に多かった。

一度そんなことを知らずに久しぶりに遊びに行ったネロが見た時には、眼には酷い隅ができ、赤く充血していた。

 

それを見てからは、ネロは毎日秘書室に行くようになった。今となっては、手伝いとしていくこともあったが、ソーマ自身は「皇帝のあんたがこんなことをしてどうする?」と言われ、やっていない。

 

ネロは「何をすれば良いのだ?」と考えていた。

 

手伝いも駄目、あれも駄目、これも駄目と言われて頭を悩ませたネロが思いついたのは、ソーマと一緒に寝るということだった。

ちなみにこの事でみっちりと怒られたのは、余談である。

 


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