コミュ障ヘタレと9人のアイドル   作: まきパリ

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どうも皆さん。まきパリです。

投稿が遅れてしまい申し訳ありません。リアルのほうが最近忙しかったのでなかなか各時間が見つかりませんでした。改めてお詫びします。

あと今更なのですが「コミュ障ヘタレと9人のアイドル」をお気に入りにしてくださった方々ありがとうございます!皆様のおかげで私も楽しく書く事が出来ています。本当にありがとうございます。

毎度ながら駄文、誤字、脱字があるかもしれませんがよろしくお願いします。

ではどうぞ・・・



コミュ障ヘタレと普通になりたい堕天使

ルビィちゃんと花丸ちゃんが加入したAqours。

 

二人の加入によって人気もうなぎ登り!と思われたが・・・

 

「ランキング上がらないね。」

 

「昨日が4856位で今日が4768位・・・」

 

「まぁ落ちてはないけど。」

 

「そんな簡単に上がるものじゃないだろ。」

 

「そうだけど~。」

 

「ライブの歌は評判いいんですけど・・・」

 

「それにしても新加入の二人が可愛いってコメントが多かったな。」

 

「そうなんですか!」

 

「特に花丸ちゃんの人気がすごいんだよね。」

 

確かに花丸ちゃんとルビィちゃんの加入は大きかったな。これで注目が集まると嬉しいのだが。

 

「こ、これがパソコン!?知識の海につながってるインターネット!?」

 

そういえばこの子家がお寺で電化製品とかに触れる機会が少なかったんだっけ。

 

「触ってもいいですか?」

 

「もちろん。」

 

花丸ちゃんはパソコンの光るボタン、つまり電源ボタンが気になったのであろうか、なんのためらいもなく押した。

 

それを見ていた千歌達が慌てた様子でパソコンのデータが消えていないかを確認する。

 

「マル、何かいけないことした?」ガクガク

 

「ダイジョウブ。ダイジョウブ。」

 

この子にはパソコンを触らせたらダメだな。

 

花丸ちゃん以外全員の気持ちがシンクロした瞬間であった。

 

 

 

「さて、屋上に行きますか。」

 

ドンッ!

 

屋上に向かう廊下で女の子とぶつかった。

 

「きゃ!」

 

「ごめんなさい!大丈夫ですか?」

 

すぐにその子を起こしてあげる。制服からこの子は一年生だと分かった。

 

「心配ないわ。我が肉体はあくまで器よ。痛くもかゆくもないわ。」

 

「・・・・・」

 

この子はあれだ、中二病だ。実際に遭遇するとは思わなかった。

 

「何か言ってよ!」

 

「悪い、悪い。ぶつかって申し訳ない。」

 

「あなた、噂の転入生ね。よかったら私のリトルデーモンにならない?」

 

リトルデーモン?何のことだかさっぱり分からん。

 

「リトルデーモン?とやらにはなってもかまわないが君は誰だ?」

 

「特別に教えてあげるわ。私は堕天使ヨハネ。この地上に神々によって落とされてしまったの。」

 

「自分は西王瑠惟だ。君もしかして中二病だろ。」

 

「だから私はヨハn・・・」

 

「本当の名前は?」

 

「津島善子です。」

 

「よろしくな善子ちゃん。」

 

「善子言うな!」

 

「あっ瑠惟さんと善子ちゃん?」

 

花丸ちゃんがやって来た。

 

「げっ、ずら丸!」

 

「花丸ちゃんの知り合いか?」

 

「はい。幼稚園の時に一緒で。」

 

「善子ちゃん学校来たずらか。」

 

「たまたま近くを通りかかったから寄ってみたというか・・・」

 

ん?学校に来た?

 

「花丸ちゃん、もしかして前に言ってた不登校の子って。」

 

「善子ちゃんずら。」

 

「ちょっとずら丸言わないでよ!」

 

「ごめんごめん。」

 

この子も大変だな。

 

いかんいかん練習に行く途中だったな。

 

「そろそろ行こうか花丸ちゃん。」

 

「はいずら。」

 

「ちょっと~!!」

 

浦の星にまともな奴は居ないのか?

 

 

 

別の日・・・

 

部室に行くと先日の自称堕天使が来ていた。

 

「あっ善子ちゃん。」

 

「善子言うな!今日は先輩に会いに来たわけじゃないんだからね。」

 

「ところでなんでここに居るんだ?」

 

「実は・・・・・てことがあったずら。」

 

「なるほど・・・」

 

花丸ちゃんによれば、中二病を封印して普通の女子高生のように過ごす事が出来るように花丸ちゃんに協力してもらっていたらしいが、途中でボロが出て結局いつも通りに戻ったということらしい。

 

「とにかく私は普通の高校生になりたいの!何とかして!」

 

「はは・・・」もう無理だろ

 

「・・・いい」

 

「千歌、何か言ったか?」

 

「可愛い。」

 

ん?今可愛いと言ったのか?

 

そして千歌は思いついたように

 

「これだ!津島善子ちゃん!いや堕天使ヨハネちゃん!スクールアイドルやりませんか?」

 

善子ちゃんは・・・

 

「何??」

 

多分千歌以外の全員が思ってるぞ。

 

一体部長は何を考えているんだ?

 

 

 

千歌のアイデアで堕天使系スクールアイドルをやってみようということになったAqours。

 

只今、衣装の試着中であります。

 

「これで歌うの?これでダンスしたらさすがに見えるわ。」

 

ちなみにどんな衣装かというと黒と白を基調としたゴスロリ系?の衣装である。梨子が言ったとおりスカート丈がかなり短い。少しジャンプすれば見えてしまうだろう。こちらとしては見えてくれても構いませんが・・・

 

「瑠惟君、今いやらしいこと考えたでしょ。」

 

「何のことだい?千歌さん。」

 

クソッ何で分かったんだ!?

 

それにしても・・・

 

「いいのかな?本当に。」

 

見た感じ、新鮮で良いとは思うけどな。

 

「調べてたら堕天使アイドルって居なくて結構インパクトあると思うの。」

 

堕天使系スクールアイドルなんて誰も思いつかんだろ。別の意味でのインパクトはすごいだろうな。

 

「ステージ上で堕天使の魅力をみんなで思いっきり振りまくの!」

 

「堕天使の魅力・・・ダメダメ!そんなのどん引かれるに決まってるでしょ!」

 

「大丈夫!大丈夫!」

 

本当に大丈夫なのだろうか?

 

「みんなそろそろ時間だし解散するか。」

 

「そうだね。」

 

梨子、千歌と他の奴らの見送りに来た。

 

「じゃあ衣装よろしくね。」

 

「またな曜。」

 

「ヨーソロ-!」

 

「じゃあマル達も。」

 

「失礼します。」

 

「二人とも気をつけて帰れよ。」

 

「じゃあね~」

 

千歌はなんだか嬉しそうにしている。

 

「どうした千歌?何か良いことでもあったのか?」

 

「みんな色々個性があるんだな~って。」

 

そうだな。こいつらには一人一人違った輝きがある。

 

「私たちはやっぱり地味で普通だなって思ってた。」

 

「そんなこと思ってたの?」

 

Aqoursのどこを取っても普通なところが見つからないな。

 

「でもね、みんなと話して、少しずつ皆のことを知っていくうちに全然地味じゃないって思ったの。それぞれ特徴があって魅力的で・・・だから大丈夫じゃないかなって。」

 

「ふふっ。やっぱり二人そろって変な人ね。」

 

「自分もかよ。」

 

「初めて会ったときから思ってたけど。」

 

「褒めてるの?けなしてるの?わかんないよ~!」

 

「とにかく頑張ろうってこと。」

 

「地味で普通の皆が集まって何が出来るかだね!」

 

今はまだ分かっていないだろうが皆は素晴らしい何かがある。それに気づくのにはまだ少しかかりそうだな。

 

千歌と梨子、楽しそうに走って行く二人を見てそんなことを思った。

 

 

 

そしてヨハネちゃんが加入して堕天使系スクールアイドルとなったAqoursの紹介映像をネットに投稿したところ、かなりの評判で順位も900位台にまで上がった。

 

そして自信満々にダイヤさんと鞠莉さんに見せたのだが・・・

 

 

「・・・・・」

 

「あの・・・ダイヤさん?」

 

「こういうものは破廉恥と言うのですわ!」

 

それはもう激おこぷんぷん丸であった。

 

あのダイヤさんがそう簡単に褒めてくれるわけはなかったのだ。

 

まぁ破廉恥というかセクシーというか、今までとは違った格好をしているからな~。

 

とくにルビィちゃんは・・・なんというか・・・すごく可愛いです。妹にしたいです。はい。

 

「そもそも私がルビィにスクールアイドル活動を許可したのも節度を守って自分の意思でやりたいと言ったからです。こんな格好をさせて注目を浴びようなど・・・」

 

「ごめんなさい。お姉ちゃん・・・」

 

「とにかくキャラや個性が立ってないなどの理由でこういうことをするのはいただけないですわ。」

 

すると曜がすぐに

 

「でも一応順位は上がったし・・・」

 

そうだよ(便乗)

 

「そんなもの一瞬に決まってるでしょ。試しに今ランキングを見てみればいいですわ。」

 

ダイヤさんからパスされたパソコンを開くとそこには・・・

 

「!!」

 

昨日の900位台から1500位台まで落ちていたのだ。

 

「本気で目指すならどうすればいいか、もう一度考えることですね!」

 

全員が驚いてる中、ダイヤさんは総括した。

 

「はい・・・」

 

自分たちはただ目の前の順位を見て、落胆するしかなかった。

 

もう一度方向性を考える必要がありそうだ。

 

 

 

「失敗したな~。確かにダイヤさんの言うとおりだね。こんなことでμ’sになりたいなんて失礼だよね。」

 

別に悪くなかったと思うが、一体何がダメだったのだろう?

 

アイデアとしては良い線行ってる。結果、一時期ではあったものの順位が跳ね上がった。

 

う~ん分からん。何を言ったら良いか・・・

 

「千歌さんが悪いわけじゃないです。」

 

ルビィちゃんがフォローを入れる。

 

「そうよ・・・いけなかったのは堕天使。やっぱり高校生にもなって通じないよ。」

 

「善子ちゃん・・・」

 

「なんかスッキリした。明日から今度こそ普通の高校生になれそう。」

 

「じゃあスクールアイドルは?」

 

「やめとく。迷惑かけそうだし・・・。少しの間だけど堕天使に付き合ってくれてありがと。楽しかったよ。」

 

去って行くその背中からはどこか寂しさが感じられた。

 

あいつもあいつなりの形で輝きたかったんだろう。自分には何かがあると信じて。

 

「千歌達はこのままで良いのか?」

 

「え?」

 

「善子ちゃんに入って欲しいんだろ?」

 

「うん!」

 

「よし!じゃあみんなで明日スカウトに行きますか!」

 

 

 

翌日・・・

 

皆よりも少し早く善子ちゃんの家に来た。

 

ん?なんで家を知ってるかって?色々あったんだよ。

 

「お!いたいた。おはよう善子ちゃん。」

 

「!!」

 

「先輩、こんなところで何してるんですか?というかここ私の家・・・」

 

「まぁまぁ。少し話をしないか?」

 

「話?ですか・・」

 

「単刀直入に言おう。善子ちゃん、スクールアイドルにならないか?」

 

「・・・昨日も言いましたけど、皆に迷惑かけそうだし、何より堕天使なんて・・・」

 

「善子ちゃんはAqoursのファーストライブを見に来ていたよね?」

 

「なんでそれを知ってるんですか。」

 

「会場に似たような子がいたんだよ。ところで善子ちゃんはあの時のあいつらを見てどう思ったんだ?」

 

「・・・・・・」

 

「多分だけど、羨ましかったんじゃないかな。ステージの上で輝いてたあいつらが。だから千歌の最初の提案も受け入れてくれた。」

 

「確かに少し良いなとは思いました。でもやっぱりアイドルは・・・」

 

「少しは信じてみてもいいんじゃないか?あいつらのこと。あいつらならきっとどんな善子ちゃんでも受け入れてくれる。たとえそれが堕天使であっても。そしてきっと素晴らしい物を見せてくれる。そう確信したから曜も梨子もルビィちゃんも花丸ちゃんも入ってくれた。自分もマネージャーを引き受けた。」

 

「・・・少し考えてみます。ありがとうございました。」

 

「どういたしまして。じゃあ待ってるよ。」

 

さて、ここからはあいつらの出番だな。

 

「瑠惟君~!なんで先に行ったの~」

 

皆そろって準備は整ってるな。

 

「悪い千歌。少しやることがあってな。じゃあ千歌、後は頼んだ。」

 

「うん!まかせて!」

 

あとは千歌達が善子ちゃんの背中を押してあげるんだ。

 

「堕天使ヨハネちゃん。」

 

「「「「「スクールアイドルに入りませんか?」」」」」

 

「・・・・・」

 

「ううん。入ってください!Aqoursに!堕天使ヨハネとして。」

 

「昨日話したでしょ。もう・・・」

 

「良いんだよ!堕天使で!自分が好きならそれでいいんだよ!」

 

「ダメよ。」

 

そう言って善子ちゃんは駆けだした。

 

「待って!」

 

千歌達もすかさず後を追いかけた。

 

ー瑠惟sideoutー

 

ー善子side inー

 

「ハァハァハァハァ」

 

まだ追いかけてくるの?

 

「私ね、μ’sがどうして伝説を作れたのか、どうしてスクールアイドルがそこまで繋がってきたのか考えてみて分かったんだ。」

 

「もういい加減にして~!」

 

「ステージの上で自分の好きを迷わず見せることなんだよ。」

 

 

『羨ましかったんじゃないかな。ステージの上で輝いていたあいつらが。』

 

 

「お客さんにどう思われるかとか、人気がどうとかじゃない。自分が好きな姿を、輝いている姿を見せることなんだよ。だから善子ちゃんは捨てちゃダメなんだよ。自分が堕天使を好きな限り。」

 

 

『あいつらならきっとどんな姿の善子ちゃんでも受け入れてくれる。たとえそれが堕天使であっても。』

 

ここなら。Aqoursでなら・・・

 

私は堕天使のままでいい・・・

 

私が堕天使を好きな限り。

 

あの人達を信じてみてもいいわよね?

 

「いいの?変なこと言うわよ。」

 

「いいよ。」

 

この人達となら・・・

 

「時々儀式とかするかも。」

 

「その位我慢するわ。」

 

きっと・・・

 

「リトルデーモンになれって言うかも!」

 

「それは・・・でも、嫌だったら嫌だって言う!」

 

なれるかも・・・

 

「だから・・・」

 

私は差し伸べられた千歌さんの手を取った。

 

瑠惟さんの方を見ると彼はにっこりと笑っていた。

 

私やってみるわスクールアイドル。堕天使ヨハネとして。

 

ー善子sideoutー

 

ー瑠惟side inー

 

こうしてAqoursに新たなメンバーが加わった。

 

でも千歌たちはまだ知らなかった。

 

浦の星女学院がまさにかつての音ノ木坂のような状況になろうとしていたことを。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




まずは最後まで読んでくださりありがとうございます。

やっぱり善子は書くのが難しいです。(笑)

できるだけそれっぽくしてみましたがどうでしたでしょうか?

次は確か「夜空で夢を照らしたい」の話でしたよね。

なるべく早く書こうと思いますのでよろしくお願いします。

ではまた次回・・・


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