コミュ障ヘタレと9人のアイドル   作: まきパリ

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どうも皆さんまきパリです。

遅くなってしまいすいません。

話がまとまらなくて、気づいたら時間が過ぎていました(笑)

今回はルビィちゃんと花丸ちゃんの話です。

アニメでは第四話になりますね。

毎度の事ながら駄文、誤字、脱字があるかもしれませんがよろしくお願いします。

ではどうぞ。


コミュ障ヘタレとアイドルに憧れた少女たち

先日、無事にファーストライブを成功させたAqours。

 

途中アクシデントもあったが、それを乗り越えて体育館を満員にすることが出来た。

 

この事は今後のあいつらの自信にもつながるだろう。

 

とにかく鞠莉さんは約束通りスクールアイドル部を正式に承認してくれた。

 

ついでに部室ももらうことが出来たのだが・・・

 

「汚いな。」

 

「うわぁぁぁぁ。」

 

「片付けて使えって言ってたけど。」

 

部室はまるで倉庫のように物が散乱していた。

 

「とりあえず掃除を始めるか。」

 

「「そうだね。」」

 

「ねぇ、みんなこれってなんだろ?」

 

そう言って千歌が部室にあるホワイトボードを指した。

 

「何か書いてあるね。」

 

文字がかすれていてよく見えなかったが

 

「歌詞かな?」

 

「どうしてここに?」

 

「わからん。」

 

それにしても・・・

 

「本が多いな。」

 

「多分図書室の本じゃないかな。」

 

「そうか。なら掃除が終わったら返しに行くか。」

 

 

 

 

約二時間後、一通りの掃除を終えたので本を返しに行くことにした。

 

ガラガラッ

 

「こんにちは~。」

 

「失礼します。」

 

「あ、花丸ちゃん。」

 

そこには以前会った、花丸ちゃん。そして・・・

 

「と、ルビィちゃん。」

 

「ピギャアッ!」

 

ダイヤさんの妹、ルビィちゃんがいた。

 

「よく分かったね。」

 

「こ・・こんにちは。」ガクブル

 

あー・・・すごく怖がってるな。

 

確か男性が苦手なんだっけ。

 

少し離れるか。

 

「ちょっとトイレ行ってくる。」

 

ー瑠惟sideoutー

 

ールビィside inー

 

うぅ~どうしよ。瑠惟さん、ルビィが怖がってるのを見て気を悪くしたのかな?

 

「大丈夫だよルビィちゃん。瑠惟君はね恥ずかしがり屋さんだから、ルビィちゃんを見て緊張しちゃったんだよ。」

 

「千歌さん・・・」

 

「で、そんな可愛いルビィちゃんと花丸ちゃん、スクールアイドル部へようこそ!」

 

「ピギィ!」

 

「結成したし、部にもなったし絶対悪いようにはしませんよ・・・」

 

「二人が歌ったら絶対キラキラする!間違いない!」

 

「で、でも・・・」

 

「マルはそういうの苦手で・・・」

 

「る、ルビィも・・・」

 

ほんとはやってみたい。歌って踊ってみたい。

 

でも花丸ちゃんがそう言うなら・・・

 

「私たちそろそろ練習行くから。じゃあね。」

 

スクールアイドルか・・・お姉ちゃん、ルビィはスクールアイドルをやってもいいのかな?

 

 

ールビィsideoutー

 

ー瑠惟side inー

 

よしそろそろかな。

 

「千歌。」

 

「瑠惟君。花丸ちゃん達誘ってみたんだけど入ってくれなかったよ・・・」

 

知っている。

 

実はトイレには行っておらず、こっそりと様子を見ていたのである。

 

「まぁ仕方ないだろ。それより練習行くぞ。」

 

「は~い。」

 

先程の様子を見てて思ったのだが、あの二人、お互いが気を遣っていて、結果両方とも一歩目を踏み出せずにいる。

 

すこしお節介を焼きますか。

 

 

 

翌日の昼休み、自分は一年生の教室に行った。

 

理由は花丸ちゃんにある提案をするためだ。

 

ここか・・・

 

「あの・・・」

 

やったぜ。向こうから来てくれるとは。

 

「花丸ちゃん。こんにちは。」

 

「こんにちは瑠惟さん。どうしてここに?」

 

「ちょっと花丸ちゃんに提案があってな。」

 

「マルに提案?」

 

花丸ちゃんは不思議そうに首を傾げる。

 

「昨日の千歌の誘いを断ったって聞いたよ。」

 

「でも、ルビィちゃんも断った。」

 

「・・・・」

 

「恐らく花丸ちゃんはルビィちゃんにスクールアイドルをやって欲しいと思っている。でも、ルビィちゃんも花丸ちゃんに気を遣っている。」

 

「そこでだ、こういうのはどうだ?」

 

「・・・・・・」

 

「仮入部ですか?」

 

「そうだ。仮入部ならお試しって事で二人ともやりやすいだろ。」

 

「確かにそうですね。ありがとうございます。ルビィちゃんに聞いてみます。」

 

「おぅ。もし仮入部するなら部室で待ってるぞ。」

 

 

放課後・・・

 

「瑠惟君、まだ練習始めないの?」

 

「あと少し待ってろ。」

 

もうそろそろだと思うが、やっぱりダメだったか?

 

すると部室のドアが開いた。

 

「失礼します。」

 

おっ来たな。

 

「花丸ちゃんにルビィちゃん、どうしたの?」

 

「まさか・・入部してくれるの!?」

 

「実は・・・・」

 

「へぇ~仮入部しに来たんだね。」

 

「あの~できればこの事は生徒会長には内密に・・・」

 

「わかった。」

 

「じゃあとりあえず練習に参加してもらうのが一番ね。」

 

「じゃーん。」

 

梨子が取り出したのは練習のメニュー表。

 

「いろんなスクールアイドルのブログを見て、瑠惟君と相談しながら作ったの。」

 

メニュー表を見て曜が一言。

 

「曲作りは?」

 

そう、メニュー表に書いてあるのは主に基礎体力養成、ダンスレッスン、ボイストレーニングだ。

 

「それは別に時間を見つけるしかなくてな。これが限界だったんだ。」

 

ルビィちゃんは嬉しそうにメニュー表を見ている。

 

本物を見るのは初めてなのだろう。

 

「でも練習はどこでやるの?」

 

その言葉を待っていました!

 

「それなんだが、すでに確保してある。」

 

きっと喜ぶだろう。

 

「じゃあ練習場所に行きますか。」

 

そうして連れて行ったのは・・・・

 

「うわ~!屋上だ!すっご~い!」

 

そう屋上だ。あのμ’sも屋上で練習していたとのことなので、先生に使えないかと聞いたのだ。

 

まぁ、聞いたときにすごく不審がられたのはまた別のお話。

 

「屋上で練習できるなんて・・・」

 

「瑠惟君、ありがとう!」

 

「仕事をしただけだ。」

 

「とにかく練習始めるぞ。」

 

こうして一年生二人のスクールアイドル部の体験入部が始まった。

 

自分は練習が始まると、二人の動きを見ていた。

 

ルビィちゃんはスクールアイドルが好きなだけあってよく動けている。

 

さっき教えたばかりのダンスも難なく踊れていた。

 

一方、花丸ちゃんは運動が苦手と言っていたが見ている限りでは、そこまで悪くは無いと思う。

 

しっかりと練習にもついて行けている。

 

あと彼女に必要なのは・・・

 

練習も終盤にさしかかり、ようやく最後のメニューとなった。

 

「最後はここでやるよ!」

 

最後のメニュー、それは階段ダッシュだ。

 

一番下のこの場所から小さな祠のある頂上までダッシュで登っていく。

 

見れば分かるが、それなりの距離があって、普通に上るのもしんどい。

 

しかし、スクールアイドルは常に笑顔で何曲も踊り続けられる体力が必要なので、ここはその体力作りにはもってこいだ。

 

「これ一気に登ってるんですか?」

 

「いつも途中で休憩しちゃうけどね。」

 

以前、自分もここをダッシュで登ってみたが死にかけた。

 

見た目以上にきついのである。

 

千歌達は途中休みながらも登り切っているが、この二人は大丈夫なのだろうか?

 

「二人とも、しんどくなったら途中で休んでいいし無理はしないように。」

 

「自分も後ろに居るから何かあったら言ってくれ。」

 

「「はい。」」

 

「じゃあμ’s目指して、よーい・・・スタート!」

 

スタートと同時に二年生三人は猛スピードで階段を駆け上がっていく。

 

ルビィちゃん、花丸ちゃんも最初は三人について行っていたが、途中で花丸ちゃんが遅れ始めた。

 

それに気づいたルビィちゃんが花丸ちゃんのところまで戻ってきた。

 

「一緒に行こう!」

 

ルビィちゃんは小さなその手を差し出す。

 

しかし・・・

 

「ダメだよ。」

 

「え?」

 

膝に手を着いて肩で息をする花丸ちゃんは絞り出すように声を出した。

 

「ルビィちゃんは・・・走らなきゃ・・・」

 

俯きながらも彼女は言葉を紡いでいく。

 

「ルビィちゃんはもっと自分の気持ち大切にしなきゃ。」

 

ルビィちゃんは驚いたように彼女を見つめていた。

 

「自分に嘘ついて、無理に人に合わせても辛いだけだよ。」

 

と花丸ちゃんが言った時に彼女の表情が少し変わった気がした。

 

「だから前に進まなきゃ。ルビィちゃん一人でも大丈夫だから。」

 

友の背中を押してあげる彼女の優しさがそこにはあった。

 

それと同時に彼女の目的はスクールアイドルになることではなく、スクールアイドルになりたい友を助けることであったのだと気付いた。

 

「で、、でも。」

 

「さぁ。」

 

戸惑うルビィちゃんに彼女は「大丈夫」と微笑む。

 

「・・・・」

 

「うん!」

 

そうしてルビィちゃんは階段を駆け上がり、花丸ちゃんはゆっくりと下に降りていった。

 

後から登ってきた自分は花丸ちゃんと対面する。

 

ここからがマネージャーの仕事だ。

 

「花丸ちゃん、大丈夫か?」

 

「はい。大丈夫です。」

 

と言っている彼女に自分は持っていたドリンクを手渡す。

 

「なら良かった。ところでなんでルビィちゃんと一緒に行かなかったんだ?」

 

「マルはルビィちゃんにスクールアイドルになってほしかった。」

 

「でも」と言葉を挟み彼女は続ける。

 

「いつもマルのことを気にして自分のことは後回しにしちゃう・・・。」

 

「だからマルはルビィちゃんの背中を押してあげようと思ったんです。」

 

「・・・・」

 

素直に自分の気持ちを話してくれた彼女に俺は思ったことを言った。

 

「花丸ちゃんがさっきルビィちゃんに言ったこと。あれはルビィちゃんに向けて言った言葉だけど、自分は花丸ちゃん自身にも言った言葉だと思った。」

 

「え?」

 

自分の事を言われると思っていなかったのか驚いてこちらを見つめた。

 

「自分に嘘をついて、ルビィちゃんに合わせて本当に辛い思いをしてるのは花丸ちゃんだろ?花丸ちゃんだって本当はスクールアイドルをやってみたいんじゃないのか?」

 

「でも・・・マルはルビィちゃんみたいに可愛くないし、二年生の人たちみたいにダンスも出来ない。」

 

「だからマルにはスクールアイドルなんて・・・」

 

「無理だって言うのか?」

 

「!!」

 

「二年生の三人も最初はダンスもあんなに踊れなかったし、この階段にも苦戦していた。でもあいつらは変わろうとした。μ’sを見て、あんな風に輝きたいって。そして必死に足掻いて努力を重ねてファーストライブを成功させた。」

 

夕焼けのオレンジの光が向き合う二人を照らしている。

 

彼女は今日一番の真剣な表情で話を聞いている。

 

「ルビィちゃんはそんな三人を見て思ったんじゃないか?私もあんな風になりたいって。花丸ちゃんと一緒に変わりたいって。」

 

「マルと?」

 

「きっとルビィちゃんは花丸ちゃんの本当の気持ちに気付いてるはずだよ。」

 

「ルビィちゃんが・・・マルのことを・・・。」

 

「スクールアイドルになるのもならないのも花丸ちゃんの自由だ。でも、もう一度自分自身に本当の気持ちを聞いてみてもいいんじゃないか?」

 

「マル自身の気持ち・・・」

 

「自分はハッキリ言って人と関わることが苦手だ。」

 

今この瞬間もかなり緊張してるしな。

 

「それでも千歌たちの夢を支えたいと思った。だから自分なりに変わろうと努力している。今のルビィちゃんと似たようなものだよ。」

 

一通り言いたいことは言ったな・・・。

 

そろそろ上に行くか、みんなが待ってる。

 

「じゃあ、あいつらのところに行くよ。気をつけて帰れよ。」

 

「あの・・・!」

 

「ん?」

 

階段を登ろうとする自分を花丸ちゃんは今日一番大きな声で呼び止めた。

 

「マルは・・・私は変われますか?」

 

この子は変わろうとしている。新たな一歩を踏み出そうとしているんだ。

 

「変われるんじゃないか?変わりたい気持ちがあれば。」

 

「そうですか・・・ありがとうございました!」

 

花丸ちゃんなら大丈夫だ。君は君が思ってる以上に素晴らしい子だ。

 

皆のところに行くとルビィちゃんとどこから来たのかダイヤさんが話していた。

 

ルビィちゃん、今度は君が花丸ちゃんの背中を押してあげる番だよ。

 

 

 

翌日・・・

 

「よろしくお願いします。」

 

部室に訪れたルビィちゃんは入部届を提出してくれた。

 

「よろしくね。」

 

ということでルビィちゃんが正式にスクールアイドル部に入部しました。

 

「はい!がんばります!」

 

「そういえば国木田さんは?」

 

ずっと一緒にいた花丸ちゃんがこの場に居ないことが気になった梨子はルビィちゃんに聞いた。

 

「そのことなんだが、ルビィちゃん少しいいか?」

 

「??」

 

「きのう花丸ちゃんと話したんだが・・・・・・というわけだ。」

 

「やっぱりそうだったんですか・・・」

 

「そこでルビィちゃんに一つお願いしたい。」

 

「ルビィですか?」

 

「花丸ちゃんをスクールアイドルに誘ってくれないか?」

 

「はい!ルビィも花丸ちゃんとがいい!」

 

「よし。なら今から行くか。」

 

待ってろよ花丸ちゃん。

 

ー瑠惟sideoutー

 

ー花丸side inー

 

『花丸ちゃんと一緒に変わりたいって。』

 

『変われるんじゃないか?変わりたい気持ちがあれば。』

 

でも、もう夢は叶ったから・・・

 

「大丈夫。一人でも。」

 

バイバイ。スクールアイドル・・・

 

「ルビィね!」

 

「!?」

 

「ルビィちゃん?」

 

私が振り返るとそこには私の親友がいた。

 

「ルビィね、花丸ちゃんの事見てた!」

 

「ルビィに気を遣ってスクールアイドルやってるんじゃないかって。」

 

「ルビィの為に無理してるんじゃないかって、心配だったから。」

 

「・・・・」

 

「でも、練習の時も、屋上にいた時も、皆で話してる時も、花丸ちゃん嬉しそうだった。」

 

そうだったんだ。私、楽しかったんだ。

 

「それ見て思った。花丸ちゃんルビィと同じくらいスクールアイドルが好きなんだって!」

 

「マルが?まさか・・・」

 

「じゃあなんでその本ずっと読んでたの?」

 

それは私が何回も読んでいたスクールアイドルの雑誌だった。

 

「それは・・・」

 

「ルビィね、花丸ちゃんとスクールアイドルができたらってずっと思ってた。一緒に変われたらって。」

 

ルビィちゃん・・・

 

「ううん。それでもオラには無理ずら。体力ないし向いてないよ。」

 

「そこに写ってる凛ちゃんもね最初はスクールアイドルに向いてないってずっと思ってたんだよ。」

 

星空凛。彼女はμ’sのメンバーの一人だ。  

 

私は彼女に憧れていた。こんな風にになれたらって。

 

「でも好きだった。」

 

「!!」

 

そこには千歌さん達と瑠惟さんがいた。

 

「最初はそれでもいいと思うけど?」

 

私は・・・

 

「ルビィ、スクールアイドルがやりたい!花丸ちゃんと!」

 

「マルに出来るかな?」

 

「私だってそうだよ。」

 

「一番大切なのはできるかじゃない。」

 

「やりたいかどうかなんじゃないか?それに・・・何をやりたいかも大切だが、誰とやりたいかはもっと大切なことだと思う。ルビィちゃんは花丸ちゃんとスクールアイドルがやってみたい。そう言っていたよ。」

 

千歌さん。瑠惟さん・・・

 

「一緒に目指さないか?スクールアイドルの頂点。」

 

私がやりたいこと。そして誰とやりたいか。それは・・・

 

「はい!よろしくお願いします。!」

 

ー花丸sideoutー

 

ー瑠惟side inー

 

こうして花丸ちゃんが入部し、スクールアイドル部は六人となった。

 

「じゃあ、ラブライブにエントリーするか。」

 

ここから始まるんだな。

 

「「「「「「せ~の!」」」」」」

 

「4999位!?」

 

さすがに参加グループが多いな。

 

ていうか全国にスクールアイドルどれだけいるんだよ!

 

でも・・・

 

「上に5000組もスクールアイドルが居るってこと!?」

 

「いいじゃないか。そうでなくちゃ面白くないしな。」

 

「えぇ!?」

 

「さぁ!ランニング行くずら~!」

 

よし!皆で駆け上がろうじゃないか。頂上まで・・・

 

コミュ障ヘタレとAqoursはまた新たな一歩を踏み出したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




まず、最後まで読んでいただきありがとうございます。

どうでしたでしょうか?

一年生と主人公を結構絡ませたつもりですが、楽しんでいただけましたでしょうか?

次回はヨハネ回です!

ではまた次回・・・


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