コミュ障ヘタレと9人のアイドル   作: まきパリ

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どうもまきパリです。
お待たせしました。第三話です。
また前回よりも長くしました。
今回も駄文、誤字、脱字多めですが、よろしくお願いします。
では、どうぞ!


コミュ障ヘタレと完璧少女

職員室を後にし、自分、梨子、先生の三人は教室に向かっていた。

 

その途中で梨子が

 

「私少し緊張しているの。だって転校なんて初めてだし。」

 

「安心しろ。こっちのほうが梨子の数倍緊張している。自己紹介なんて・・・」

 

「??」

 

「よし着いたぞ。お前たちは私が呼んだら入ってきてくれ。」

 

「「はい」」

 

「お前ら席に着け。HRをはじめる前に転校生を紹介する。」

 

ざわざわ・・・・

 

「一人は昨日話した男子だ。私が想像してたよりずっとイケメンだぞ。」

 

キャーーー!!ヤッターーー!!

 

なんてことを言うんだ!期待値を上げるんじゃない!

 

「入っていいぞ~」

 

クソ!すごく行きづらいじゃねーか!

 

でも・・行くしかない。

 

教室に入ると女子の視線が自分に一気に集まった。

 

その中には千歌も・・ってあれ?千歌の隣にいる奴は・・

 

「今日から転入する西王瑠惟です。よろしくお願いします。」

 

キャー!カッコイイ-!

 

全くどこがかっこいいんだ、こんなコミュ障。

 

「もう一人は東京から越してきた子だ。仲良くしろよ。」

 

「入っていいぞ~」

 

たぶん千歌は驚くだろうな。

 

「東京から来ました。桜内梨子です。よろしくお願いします。」

 

「ああ~!!」

 

「あなたは!?」

 

「奇跡だよ!」

 

「スクールアイドルやりませんか?」

 

は?こいつはバカか。答えはもちろん。

 

「ごめんなさい。」

 

「えぇぇぇぇぇ!?」

 

当然だろ。

 

「二人はあそこの空いてる席を使ってくれ。ではHR終了。」

 

席に着くとたくさんの女子が来て質問責めにされた。

 

コミュ障だと気づかれないようにしなければ。

 

ある程度質問が落ち着いてくると・・・

 

「久しぶりだね瑠惟君。」

 

「渡辺じゃないか!なんでここに・・・」

 

「よかった~覚えてくれてたんだ。」

 

この子は渡辺曜。アッシュグレーの髪に引き締まった体、ボーイッシュだが意外と可愛いところがある。ちなみに水泳と高飛び込みの選手である。

 

「まぁな。あの日のことは忘れてないよ。」

 

「いや~びっくりしたよ。まさか瑠惟君が来るなんて。」

 

「こっちこそだよ。ところでまだ水泳やってるのか。」

 

「おかげさまでね。」

 

「そうか良かった。」

 

「ねぇ曜ちゃん、瑠惟君と知り合いなの?」

 

「まぁね。」

 

「おい千歌、お前なぜ置いて行ったんだ?おかげで迷うとこだったぞ。」

 

「ごめんごめん。朝練に遅れそうだったから。」

 

「ならいいよ。できれば今度からは起こしてくれ。」

 

「OK!まかせて!」

 

「ち・・千歌ちゃん、二人はどういう関係なの?」

 

「え?従姉妹だよ。」

 

えぇぇ~!っとクラス全員が驚いた。

 

「た・・確かに目の辺りとか似てるもんね。」

 

「まさか一緒に住んでたり・・」

 

「うん!部屋も同じだよね~。」

 

千歌め・・余計なことを。

 

イイナ~ ワタシモイケメントクラシタ~イ

 

ふと渡辺を見ると、うらやましそうな顔をしていた。

 

まさかあいつ千歌のことが・・

 

そしてあるクラスメイトが聞いた

 

「千歌ちゃんは西王君の事が好きなの?」

 

「え~と・・・」

 

聞きたいけど言ってほしくない。そう思っていたその時・・・

 

キーンコーンカーンコーン

 

良かったチャイムに救われた

 

しかし、これは後々面倒なことになりそうだ。

 

 

 

それから女子高での学校生活が始まった。

 

校内を少し見ていて思ったが意外と男の先生もいるんだな・・

 

そして何事もなく昼休みを迎え・・・

 

「千歌、スクールアイドルはお前と曜ちゃんって言ってたけど・・・」

 

「そうだよ!この子こそ!」

 

「ご紹介に預かりました!渡辺曜であります!」

 

千歌と渡辺がスクールアイドル・・・これも何かの運命なのだろうか・・・

 

「曜ちゃん、瑠惟君にはマネージャーをやってもらおうと思うけど、いいかな?」

 

「もちろん大歓迎であります!」

 

「一緒に頑張っていきまヨーソロー!」

 

「ヨ、ヨーソロー・・・。」

 

相変わらず不思議な女の子だ。

 

 

 

「瑠惟君、曜ちゃん、今から生徒会長の所に行こうと思う。」

 

生徒会長?あぁダイヤさんのことか。

 

「どうしてだ?」

 

「実は・・・・・・なんだよ。」

 

なるほど、まだ部として承認されてないとは。

 

「で・・説得しに行くと。」

 

正直あの人が認めてくれるとは思わないな。

 

でも・・・

 

「いいんじゃないか?行ってみるぐらいなら。」

 

「私もいいと思う。」

 

「よーしじゃあ行こう!」

 

 

 

ー生徒会室ー

 

「お断りします。」

 

「人は増えたじゃないですか!」

 

「大体、一人が三人になっただけじゃないですか。」

 

「あはは・・・」

 

「忘れたのですか。五人以上と行ったはずですわよ。」

 

「でも、ユーズも最初は少なくて大変だったんですよね?」

 

「知りませんか?第二回ラブライブ!優勝音乃木坂学院ユーズ。」

 

ユーズ?何のことを言っているんだ?

「それはもしかしてμ'sのことを言ってるのではありませんわよね?」

あ・・・(察し

 

絶対に地雷踏んだな

 

「あれってミューズって読むんですね。」

 

「言うに事欠いて名前を間違えるなんて!」

「μ'sは全スクールアイドルにとっての伝説・聖典・聖域・宇宙の源にまで匹敵しますわ。その名前を間違えるなんて!」

 

その後、千歌は何故かμ'sに関するクイズ(難問)を出されていた。

 

しかも、たまたまマイクのスイッチが入っていてそのやりとりは全校に放送されていた。

 

「とにかくスクールアイドル部は認めません!」

 

そう言われて三人は生徒会室を出ようとすると・・・

 

「ちょっとまってください。・・・瑠惟さん、あなたは残ってくださる?」

 

え?いったい何の用だ?

 

「二人とも先に行ってくれ」

 

「「うん」」

 

先に千歌と曜には生徒会室を出てもらった。

 

「それで・・・生徒会長どうしたんですか?まだ問題は起こしてないはずですけど。」

 

「なぜあなたは転校したばかりなのにあの子達を手伝うのですか?」

 

「千歌の本気に乗せられたんですよ。」

 

「どういうことですの?」

 

「千歌は・・・今まで何に対しても興味が無かったんです。そんなあいつが始めて本気でやりたいと言ってきたんですよ。応援しないわけにはいかないですよね。」

 

「・・・何より千歌の夢への道を一番近くで見て、支えたいと思ったんですよ。」

 

「そうですか・・・」

 

どうやら納得してくれたようだ。・・・良かった。

 

「千歌さんとはどういう関係で?」

 

「アイツとは従姉妹ですよ。もっとも家族みたいなものですけど。」

 

「どうりでよく似ていると思いましたわ。」

 

特に目はよく似てるって言われるな。

 

「ところで・・・あなたは以前私と会っていませんこと?」

 

この人と前に・・・?

 

俺と同じ違和感だと・・・

 

思い出せ・・・絶対にどこかで会っている。

 

それも大事な時にだ・・・

 

ここである出来事が頭に浮かんできた。

 

・・・そうか!思い出したぞ!この人は・・・

 

「東京・・・」

 

「え?」

 

「確かに会っています。二年前東京で行われたスクールアイドルのイベントで。自分は観客、あなたはスクールアイドル。確か・・・『Aquors』でしたっけ?」

 

「!!」

 

「やはりそうだったのですね。」

 

何かこれ以上は話が長くなりそうだな。・・・よし、逃げるか。

 

「あ!先生に呼ばれてたの忘れてた!生徒会長、失礼します。」

 

「ちょ、ちょっと!」

 

よし逃走成功。あの時の詳細は聞くべきではない。

 

何となくそんな気がした。

 

 

その後、午後の授業を終え、三人はバス停へと向かっていた

 

「瑠惟君、生徒会長と何話してたの?」

 

「ちょっと世間話をな。」

 

「ふーん。そっか。」

 

「それにしても・・・」

 

「なんでそこまでスクールアイドル部を認めないのかな?」

 

確かにそうだ。ただ部の設立条件を満たしていないだけならあそこまでキッパリと断らないだろう。しかもかなりのμ'sファンときた。

さらにあの人は二年前・・・

 

「あ!花丸ちゃんとルビィちゃん!」

 

「こんにちは。ルビィちゃんも。」

 

「こ・・こんにちは。」

 

そこに現れたのは二人の女の子。

 

一人は栗色の髪を長く伸ばし黄色の瞳をしている。なりよりアレがすごく大きいです。

 

もう一人は赤色の髪をツインにしている。そしてまるで小動物の様な仕草。

 

とにかく二人共可愛い。間違いなく美少女である。

 

「千歌さん、その人は?」

 

「紹介するね。私たちのマネージャーだよ!」

 

「えーと・・・その・・・千歌たちと同じ二年の西王瑠惟です。一応マネージャーです。よろしくお願いします。」

 

「一年生の国木田花丸です。それでこの子がが私と同じ一年の・・・ルビィちゃんがんばって。」

 

「く・・黒澤ルビィです。よ・・よろしくお願いします。」

 

なんだかすごく怖がられてるな。そんなに怖い顔してるかな?

 

「ルビィちゃんは男の人が苦手ずら。」

 

なるほど。なら仕方ないな。ていうか、

 

「ずら?」

 

「いや、なんでもないずら。」

 

方言か何かかな。面白い子だ。

 

それにしても・・・

 

どうしても胸に目がいってしまう。

 

いかんいかん、理性を保つんだ。

 

「ところで二人はスクールアイドルに興味ない?」

 

「花丸ちゃんは?」

 

「マルは図書委員の仕事があるずら・・いやあるし。」

 

「ルビィはお姉ちゃんが・・・」

 

「ルビィちゃんのお姉さんはダイヤさんずら。」

 

へ~あのダイヤさんの妹か。姉とはあんまり似てないな。髪の色とか特に。

 

「生徒会長はなんだか嫌いみたいだもんね。スクールアイドル。」

 

「まぁそんなに無理矢理誘ってもダメだろ。」

 

「今は曲作りを先に考えた方がいいかも。」

 

「何か変わるかもしれないし。」

 

「花丸ちゃんはどこで降りるの?」

 

「今日は沼津までノートを届けに行くところで。」

 

「花丸ちゃんは沼津の方に住んでるの?」

 

「いやマルは住んでないんですけど、実は入学式日に・・・・っていうことがあって、それっきり学校に来なくなったずら。」

 

そうなのか。大変だなその子も。まさか入学式デビュー失敗するなんて。

 

「あっ私と瑠惟君はここで降りるね。じゃあね~!」

 

「またな三人とも。」

 

 

 

二人で帰る途中・・・

 

「ん?あいつは・・」

 

「桜内さ~ん!」

 

隣にいたはずの千歌がいつの間にか梨子のところにいた。

 

そしてあいつはあろうことか梨子のスカートをめくり・・

 

っおい!なんでスカートめくりしてるんだ?

 

「また海に入ろうとしてる?」

 

わぉ・・意外っ!それは黒のレース!意外と派手なんだな。

 

いかんいかん。ガン見してはいかん。目をそらさなければ。

 

「してないです!」

 

「こんなところまで追いかけてきても、答えは変わらないわよ。」

 

「違う違う、通りかかっただけ。」

 

「そういえば海の音聞くことは出来た?」

 

「・・・・」

 

「じゃあ今度の日曜日空いてる?」

 

「どうして?」

 

「お昼にここに来てよ。海の音聞けるかもしれないから。」

 

「聞けたらスクールアイドルになれって言うんでしょ。」

 

「だったらうれしいけど、その前に聞いてほしいの。歌を。」

 

「梨子ちゃんスクールアイドルのこと全然知らないんでしょ?」

 

「だから知ってもらいたいの。ダメ?」

 

「もちろん瑠惟君もだからね。」

 

「へいへい。」

 

「あのね私ピアノやってるって話したでしょ。」

 

「小さい頃から続けてたんだけど、最近上達もしなくてやる気もでなくて。それで環境を変えてみようと海の音を聞きたくて。そして何かが変わるのかなって。」

 

「変わるよきっと。」

 

「たぶん変わるんじゃないか?」

 

「簡単に言わないでよ二人とも。」

 

「わかってるよ。でも、そんな気がする。」

 

「変な人ね。でも、スクールアイドルなんてやってる暇はないの。」

 

「なら、海の音だけでも聞きに行ったらどうだ?梨子。」

 

「スクールアイドルのことは置いといて。」

 

「ほんと変な人たち。」

 

 

 

その夜、自分に一通の電話がかかってきた。

 

この番号は誰だ?とりあえず出るか。

 

「はいもしもし。」

 

「瑠惟君だよね?」

 

「渡辺か。先に何故電話番号を知っている?」

 

「今日、千歌ちゃんに教えてもらったの。」

 

個人情報だだ漏れじゃないか。

 

まだ渡辺だから良かったものの。

 

「で、何の用だ?」

 

「いや、特に用とかはなくて、強いて言うなら今日あんまり話せなかったから・・・」

 

「そういえば、今日は忙しかったからな。」

 

「約、二年ぶりかな?」

 

「そうだね。まさか会えるとは思ってなかったんだ。」

 

何を隠そう渡辺とは以前会っているのである。

 

ーーーーーー

 

あれは自分が中学三年生の夏。まだ東京に住んでいた頃。

 

水泳部の友達が東京で開催される全国大会に出場するので見に来て欲しいとういことで会場に向かう途中だった。

 

電車に乗って行くつもりだったので、切符を買おうとすると、路線図の前であたふたしている女の子を見つけた。東京の駅ではよくある事なのでスルーしようとしたが・・・

 

よく見るとその子は水泳部と書かれたジャージを着ていた。

 

恐らく全国大会に出場する選手なのだろうと推測した。

 

このまま置いて行けば後味が悪くなりそうだったので、思い切って声を掛けた。

 

「あの〜何かお困りですか?」

 

声を掛けられた女の子は少しびっくりしたようだったがすぐ答えてくれた。

 

「ここってどうすれば行けますか?」

 

案の定推測した通りだった。

 

「そこなら今から行くので、一緒に行きませんか?」

 

するとその子は嬉しそうに

 

「はい!ありがとうございます!」

 

こうして一緒に会場に行くことになった。

 

その道中・・・

 

さっきまで元気だったその子が急に下を向いた。

 

「どうしたんですか?」

 

「私、今すごく不安なんです。地元の子は期待して送り出してくれたけど、自信が無いんです。もし本番で失敗したらどうしようとか、レースに負けてしまったらどうしようなんて考えてしまいます。」

 

強いスポーツ選手ほど責任意識が強く、プレッシャーも大きいと聞く。

 

こういう時は励ますべきなんだが

 

素人の自分に何が出来る?

今にも泣き出してしまいそうなこの子に何が出来る?

 

何事に置いても心の持ち方は大切だ。

 

このままじゃ恐らくこの子は言った通りのことになってしまうだろう。

 

今の自分にできること。それは・・・

 

「君は誰の為に泳いでるんだ?」

 

「へっ?」

 

「親?友達?違うだろ。自分自身のためだろ。水泳が好きだからだろ。」

 

「私自身のためにですか・・・」

 

「きっと君の友達は君に勝ってほしいと思っている。でもそれ以上に君の輝いている姿が見たい。君に全国という舞台で楽しんでほしいと思ってるんじゃないか?」

 

「もし君が不安そうな顔で泳いでいるのを見たら君の友達はどう思う?」

 

「それこそ期待を裏切ることになるんじゃないか?」

 

「・・・」

 

「だから君は目一杯楽しむ。誰もためでもなく、自分のために。」

 

「・・・はい。あなたの言う通りです。私、大切な事を忘れてました。全国大会だからとにかく勝たなきゃってずっと思ってました。でも違った。本当に大事なのは楽しむ事。あなたのおかげで思い出せました。」

 

「こっちも会ったばかりの人に知ったようなことを言ってすまなかった。」

 

「全然そんなことありません。大切なことを教えてくれてありがとうございました。」

 

「どういたしまして。じゃあレースがんばれよ。」

 

「あの・・名前を聞いてもいいですか?」

 

「西王瑠惟。君と同じ歳だし敬語じゃなくてもいいよ。」

 

「じゃあ・・・私は渡辺曜。もし良かったら私のレース観てくれないかな?」

 

そんな上目遣いで頼まれたら断れないだろう。

 

「わかった。観ておくよ。」

 

そう言うと、渡辺は自身いっぱいに会場に入っていった。

 

 

 

ー大会後ー

 

結果から言うと渡辺は負けてしまった。彼女は素晴らしい泳ぎをしたがそれでも負けた。自分もなぜだか悔しかった。

 

「瑠惟君!」

 

渡辺が走ってこっちに来た。どんな言葉をかけたら・・

 

「どうだったかな?」

 

「惜しかったな。でも凄かったよ!」

 

「私負けちゃった・・・。瑠惟君が私のこと励ましてが・・んばってって言ってくれたのに。」

 

彼女は泣いていた。相当悔しかったのだろう。

 

「渡辺。お前はよく頑張った、全力を出して楽しんだ。結果負けてしまったが、自分は渡辺が他の誰よりも輝いて見えた。他の誰よりも楽しそうだった。だから胸を張っていこうじゃないか。」

 

「もし悔しかったならその分だけ泣けばいい。その涙はきっと次の力になる。」

 

そう言って優しく彼女を抱き寄せた。我ながらものすごい度胸である。

 

抱きしめられた彼女は自分の胸で泣いた。人目を気にせず、涙が枯れるまで泣いた。

 

しばらくして泣き止むと二人共我に返ってすぐ離れた。

 

「す、すまん渡辺つい・・。」

 

「ううん。嬉しかったし心がポカポカした。」

 

「そうか・・・なら良かった。まぁとにかく今日はお疲れ様。じゃあ行くわ。」

 

そう言って、会場を出ようとすると

 

「瑠惟君!また会えるかな?」

 

「わからない。でも・・会えるといいな。」

 

「うん!今日はありがとう〜!」

 

彼女の顔はとても嬉しそうだった。

 

ーーーーーー

 

「あの時は本当にありがとう。」

 

「いえいえ。それほどでも。」

 

当時の自分は今では考えられないぐらい大胆だった。

 

結果、その大胆さが一人の女の子を救ったのだが。

 

「私、今日瑠惟君が教室に入ってきた時、びっくりしたんだ!絶対来るはずのない人がいた。でも本当にまた会えた!」

 

「あぁ。自分も渡辺がいるとは思わなかったよ。」

 

二年前に会った女の子。その子は従姉妹の親友だった。

 

神様の悪戯にはお手上げです。

 

「瑠惟君!頑張ろうねスクールアイドル!」

 

「もちろんだ。何かあったら相談しろよ。」

 

「うん!ありがとう!」

 

「ごめんね。夜遅くに。」

 

「そんなことないさ。おやすみ曜。」

 

「!?」

 

「おやすみ!瑠惟君!」

 

少しもどかしく思いながら電話を切った。

 

十千万に戻ると千歌が待っていてくれた。

 

「どこいってたの?」

 

「まぁちょっとな。」

 

「千歌、もう寝るぞ。」

 

「うん。」

 

明日は日曜日か・・・面倒臭いな

 

こうしてコミュ障ヘタレは昔の事を思い出し、懐かしむのであった。




先に、最後まで読んでくださりありがとうございました。
どうでしたか第三話?
気に入っていただけたでしょうか?
とにかく楽しんでいただけたのならうれしく思います。
さて次回ですが、アニメに合わせるために少し短くなるかもしれません。
申し訳ございません。
それでは次回また会いましょう。


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