コミュ障ヘタレと9人のアイドル   作: まきパリ

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また終わらなかったよ・・・
そして投稿ペースが異常なくらい上がってますね。
とりあえず決勝編はこんな感じで駆け抜けたいと思います。


WATER BLUE NEW WORLD(中編)

さてと・・・家を出たのはいいが、どこに行こうかな?

 

そうだな、まずは今日の勝利を祈願しに神田明神に行こう。

 

 

 

神社に着くと見慣れた人物がそこにいた。

 

瑠惟「おはようございます。ダイヤさん。ルビィちゃん。」

 

ダイヤ「あら、瑠惟さんおはようございます。」

 

ルビィ「おはようございます。」

 

瑠惟「二人で御参りですか?」

 

ダイヤ「えぇ。今日の大会のことをですね。」

 

ルビィ「先輩もですか?」

 

瑠惟「 あぁ。二人と同じ。良かったら一緒にどうですか?」

 

ダイヤ「えぇ、そうさせてもらいますわ。」

 

ということで三人で勝利祈願することに。

 

 

神社の奥の方に行こうとした時、あるものが目に入った。

 

瑠惟「これって・・・」

 

それは絵馬をかける所でそこで目に見たのは大量のスクールアイドルへの応援絵馬だった。

 

ダイヤ「ここは聖地ですから、たくさんのスクールアイドル及びファンがここで祈願していきましたわ。」

 

それにしてもこんなにあるんだな・・・

 

絵馬には一度は聞いたことのあるスクールアイドルの名前がたくさんありその中には・・・

 

ルビィ「Saint Snowさんのもあるね。」

 

瑠惟「それだけじゃない。ほらこれ。」

 

俺が示したのは・・・

 

ルビィ「あっ!Aqoursの絵馬だ!それもこんなにたくさん!」

 

数だけ見れば他のグループのよりも多かった。

 

ダイヤ「それだけ応援してくれているということですわ。」

 

瑠惟「そうですね。こう見ると何か嬉しいですね。応援してくれる人がいるって。」

 

そして俺達は一人ずつ賽銭を入れてお祈りをした。

 

俺は奮発して500円玉を捧げた。

 

手を合わせて目を閉じる。

 

 

 

あいつらが・・・Aqoursのみんながステージを全力で楽しめるように。

そしてAqoursの想いが歌を聴きてくれる人に伝わりますように。

最後に・・・Aqoursが優勝できますように。

 

 

 

 

 

次に俺は秋葉原のスクールアイドルショップに向かった。

 

店に入るとラブライブの人気を思わせるくらいたくさんの人が店内にいた。

 

その中で既視感のある二人を見つけた。

 

瑠惟「二人はここに来てたんだな。・・・花丸ちゃんに善子。」

 

花丸「あっ先輩。おはようずら。」

 

善子「あら奇遇ね。あなたもここに来ていたのね。」

 

二人を見るとその手にはAqoursのグッズが握られていた。

 

瑠惟「やっぱり自分たちのグッズって気になるんだな。何買ったんだ?」

 

そう言って彼女達の持っていた袋をもらい中を見る。

 

花丸(あっ・・・その中には・・・。まずいずら!)

 

善子(あぁー!!その袋はダメなの!!)

 

中を見て絶句する。

 

一応二人に聞いてみる。

 

瑠惟「・・・これは何だ?」

 

そう言って取り出したのはAqoursのメンバーが印刷されたクリアファイルの束。

 

いや、それ自体に問題は無い。問題なのは・・・

 

 

 

瑠惟「何で俺のグッズ持ってんの?」

 

これ以前みんなで東京に来た時も言ったよなぁ!

 

それは何故か俺が印刷されたクリアファイル。

 

前はバッジだっけど今度はクリアファイルかよ!

 

何で俺がグッズ化されるの?関係ないじゃん!男だよ!?俺、歌も踊りも全くやってないよねぇ?しかも発売の話なんて一切なかったし!

 

花丸「い、いやこれは・・・」

 

善子「たまたまよ。たまたま。」

 

瑠惟「これどこにあった?」

 

そして二人が指さした方へ向かうと・・・

 

Aqoursの特設コーナー。その中に様々な俺のグッズがあった。

 

バッジやクリアファイルはもちろんマグカップにキーホルダー、いつ使うか分からないデカい団扇や俺の名前入りのタオル、果てにはサイリウムなど多数取り揃えられていた。

 

これじゃあまるでさらし者じゃあないか!

 

しかも商品そばのテロップには『好評につき再入荷!』と大きく書かれていた。

 

何で好評なんだよ・・・。

 

二人に買った理由を聞いてみた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花丸「先輩と離れるから・・・何か形になるものが欲しかったずら/////」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

善子「私だって寂しいのよ・・・それくらい分かってちょうだいよ/////」

 

 

 

 

 

 

 

 

自分涙いいっすか?

 

いい後輩を持てて先輩は幸せです。

 

俺は財布を取り出し一万円札を渡してこう言った。

 

 

瑠惟「好きなだけ買ってきなさい。」

 

 

 

 

 

次に俺が向かったのは音ノ木坂学院。

 

その校門に二人はいた。

 

瑠惟「今日はAqoursのみんなによく会うなぁ。」

 

鞠莉「Good morning!瑠惟!」

 

果南「おはよう。君も音ノ木坂学院に来たんだね。」

 

ここに来た理由は無い。何となく・・・でも気づいたらここに来てた。

 

瑠惟「鞠莉さんと果南さんはどうしてここに?」

 

果南「私ねμ'sに憧れてたんだ。あんまり言ったことないけど。」

 

確かに初耳である。

 

そういえば果南さん達がスクールアイドルを始めたのは本当に学校存続のためだけだったのか?

 

もしμ'sに憧れてたなら・・・

 

瑠惟「果南さんがスクールアイドルを始めたのってもしかして・・・」

 

果南「うん。君の推理通り、私もμ'sみたいになりたかった。あんな風にステージで歌って、踊って・・・誰かを笑顔にする。私がそうだったように。鞠莉やダイヤはそんな私の夢を応援してくれた。」

 

果南「だからここは私にとっての憧れの場所。最後にここだけは見ておきたかったんだ。」

 

鞠莉「私は果南がどうしてもって言うから付いてきてあげたのデース。」

 

果南「瑠惟・・・私の夢を叶えてくれてありがとね。」

 

瑠惟「そう言われると嬉しいですけど、その言葉は優勝してから聞きたいですね。」

 

果南「うん。分かった。」

 

鞠莉「私もあなた達と過ごしたこの一年間きっと忘れない。

μ'sの人達はここに何も残さなかった。でも私はあの浦の星に日本一のスクールアイドルがいたってことをラブライブの歴史に残したい。これが私の理事長としての・・・そしてあの学校が大好きな私の本当の気持ち。」

 

この大会が終わって卒業式を迎えれば三年生は離れ離れに。ダイヤさんは一緒だから大丈夫だけど、この二人とは・・・

 

そう思った俺はこう言った。

 

 

 

瑠惟「あの・・・俺と写真撮ってくれませんか?」

 

果南「いいね!鞠莉も撮るでしょ?」

 

鞠莉「Of course!」

 

よし。あとはどう撮るかだが・・・

 

俺は近くを通りがかっていて音ノ木坂の生徒に写真を撮ってくれるように声を掛けた。

 

 

 

 

 

果南「・・・見て鞠莉。」

 

鞠莉「うん。彼も成長したね。」

 

果南「少し前だったら他人の女の子に声を掛けるなんて絶対にできなかったのに。」

 

鞠莉「なんて言うんだろ・・・この気持ち。まるで瑠惟の姉になった気分。」

 

果南「私もそんな感じ・・・。

 

だから・・・・・・寂しくなるね。」

 

鞠莉「もう果南ったらまだ泣くには早いよ。」

 

果南「そう言う鞠莉だって・・・泣いてるよ。」

 

鞠莉「・・・・・・ホントだ。」

 

 

 

 

 

俺は撮影を快く引き受けてくれた子を連れてくると何故か二人が泣いていた。

 

瑠惟「だ、大丈夫ですか?」

 

え?何で?どういうことなの?

 

果南「大丈夫。さっ撮ろっか。」

 

鞠莉「ほら瑠惟こっちだよ。」

 

彼女に手を引かれ二人の間に入る。

 

そしてスマホのレンズがこちらに向けられる。

 

「ではいきますよー。ハイ!チーズ!」

 

 

 

 

 

 

音ノ木坂学院を後にした俺は集合時間よりも少し早く着くようにアキバドームに向かっていた。

 

その途中・・・

 

またまた見慣れた人物三人がそこにいた。

 

しかし今回は少し違う。

 

見たところ厄介な男達に絡まれているようだった。

 

「ちょっとやめてください!」

 

「いいじゃないの〜。俺達とイイコトしようぜ。」

 

「もしかしてこいつらスクールアイドルじゃあねぇのか?」

 

「へぇ〜益々気に入った。兄貴に知らせるか。」

 

急いで俺はその場に割り込んだ。

 

 

 

瑠惟「部員に何か用ですか?」

 

「「「瑠惟君!」」」

 

瑠惟「大丈夫か?千歌、曜、梨子。」

 

「おいおいなんだお前?こいつらは今から兄貴のとこに連れてくんだよ。」

 

そう言って男は千歌の腕を掴んだ。

 

千歌「嫌!やめて!」

 

すぐさま俺は男の腕を振りほどいた。

 

 

 

瑠惟「おい、マッポ(警察)の世話になりたくなきゃとっとと失せろ。」

 

 

 

ーーーーーーー

 

Side 千歌

 

曜ちゃん、梨子ちゃんと私はアキバドームに向かう途中に変な男の人達に声を掛けられ、しつこく迫られていた。

 

そんな時に彼が・・・瑠惟君が助けに来てくれた。

 

しかしある男の人が私の腕を無理矢理つかんで連れていこうとした。

 

千歌「嫌!やめて!」

 

私は必死に抵抗した。

 

しかし私の力では振り切れない。

 

けど瑠惟君が振りほどいてくれた。

 

「おい、マッポの世話になりたくなきゃとっとと失せろ。」

 

その時の彼は見たことがないくらい怖かった。

 

あれは本当に瑠惟君なの?

 

瑠惟君は基本的に温厚な性格で怒る時もあるけれど、その中には彼なりの優しさが感じられた。

 

でも今、目の前にいる瑠惟君からはそういった優しさは感じられない。むしろ・・・

 

 

 

『怒り』

 

 

 

そんな感情が見て取れる。

 

彼の言葉を聞いた男の人達は一瞬たじろいだがそれでもなお私達のことを諦めようとはしていなかった。

 

「てめぇ舐めてんじゃあねぇぞ!!」

 

私達三人はあまりの怖さで怯えてしまう。

 

瑠惟「もう一度だけ言う。消えろ。」

 

さっきよりも低く冷たい声で彼は言った。

 

「その戯言を言えねぇようにしてやる!」

 

そう言って男は瑠惟君に殴りかかってきた。

 

「「「危ない!」」」

 

瑠惟君は受け身の体勢だけをとっている。

 

拳が当たる直前・・・

 

「何やってんだ?」

 

声の方を見ると瑠惟君よりも背が高く顔に傷がある男の人が路地裏から出てきたのだ。

 

すると男は殴りかかった拳を下ろし男に頭を下げた。

 

「お疲れ様です!兄貴!」

 

この人が・・・

 

兄貴と呼ばれるその人は瑠惟君を見て目を見開いた。

 

「あんたは・・・」

 

瑠惟「ん?誰?」

 

そう発した彼からはさっきまでの雰囲気は消え、いつも通りの彼に戻っていた。

 

彼の言葉を聞いた男は少し落胆したように見えた。

 

「そうか・・・やっぱ覚えてねぇよな。」

 

バッ!

 

すると男は突然土下座をしたのだ。

 

「あの時はすまなかった!許してもらえるとは思ってねぇ。だが、あんたに直接言いたかった!」

 

突然の出来事に瑠惟君も私達も理解が追いつかなかった。

 

瑠惟「ちょっと何のことか分からないんだけど。あ、頭を上げて。」

 

男は立ち上がりこう言った。

 

「俺は中学時代のあんたのチームメイト・・・そしてあんたを怪我させる計画の首謀者だ。」

 

瑠惟「!!」

 

私達は驚いた。

 

瑠惟「そうか・・・あぁ思い出したよ。ふっ、あん時から随分と変わったな。昔はもっと好青年に見えたんだけど。」

 

「思い出してくれたか。・・・本当に悪かった。」

 

彼はニッコリと笑ってこう言った。

 

瑠惟「大丈夫。もう気にしてないし、脚だってほらこんな風に飛んだり、走ったりできるから。」

 

その場で跳ねたり走ったりする彼が少し可愛く見えた。

 

「それで何があったんだ?」

 

瑠惟君は事情を説明した。

 

そしたらその男は血相を変えて取り巻きにこう言った。

 

「おい!テメェら!」

 

「「「ヒィ!」」」

 

「何度も言ったよなぁ?夢を追いかける奴の邪魔はすんじゃあねぇってよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それを聞いて私の中で感情が弾けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

千歌「なんで・・・」

 

梨子「千歌ちゃん?」

 

 

 

 

千歌「何であなたが言うの!瑠惟君の夢を邪魔して壊したあなたが!」

 

「・・・」

 

瑠惟「おい、千歌。」

 

 

 

千歌「私は彼がバスケをしてる姿を見るのが本当に好きだった。

 

 

 

 

 

夏休みや冬休みに内浦に来た時に試合の話をしてくれるのが・・・

 

 

 

 

 

一緒にバスケをしてくれる時間が・・・大好きで本当に楽しかった。

 

 

 

 

 

でもね、そんな瑠惟君がある日から全くバスケの話をしなくなった!

 

 

 

 

 

ボールにも触らなくなった!

 

 

 

 

 

そして何より・・・前みたいに笑ってくれなくなった・・・。

 

 

 

 

 

あなたに分かる!?私の気持ちが!

 

 

 

 

 

あなたに分かる?大好きなものを理不尽に奪われた彼の気持ちが!」

 

 

顔は涙でぐちゃぐちゃ。スクールアイドルらしからぬ顔をしていた。

 

でもそれでもなお私の『怒り』は収まらなかった。

 

 

 

「・・・そうだ。俺もあんたを失って初めてその大切さに気づいた。

 

あんたがいなくなってからチームは変わった。

 

練習中も試合中も誰も笑わなくなった。

 

誰も進んで声を出そうとしなかった。

 

聞こえるのは機械的に発せられる応援歌と気持ちのこもってないアドバイスばかり。

 

シュートを決めても誰も喜ばず、ディフェンスで相手を止めても無反応。

 

試合に勝っても負けても何も感じなかった・・・

 

誰がこれを部活動だといえるのか。

 

あんたを怪我させた俺達は後悔した。

 

こんなことしなきゃ良かったって。前みたいに楽しいバスケがしたいって。

 

あんたが憎かった。

 

一年生からスタメンで試合に出て、チームを全国大会優勝に導いて・・・何よりいつも楽しそうにバスケしていたあんたが・・・憎くて

 

・・・・・・・・・羨ましかった。

 

だから少し困らせてやろうと思った。

 

ほんのちょっと。

 

試合中に転べばいいかなって。

 

だが現実は違った。

 

あんたは試合中に大怪我をし、全国大会を前に引退せざるを得なくなった。

 

俺達のやった事が学校にバレると俺は退部・・・いや退学まで覚悟した。

 

だがあんたは・・・あんたはこともあろうに俺達を許せと泣いて頼んで俺達を責めずに言ったのは・・・

 

 

 

 

『俺のせいですまんな。』

 

 

 

何でなんだよ!俺は・・・到底許されないことをした!なのにあんたは逆に俺たちに謝った。

 

それが分からなかった。

 

この数年それだけが心のどこかで引っかかっていた。

 

それから俺はこの様だ・・・

 

非行に走り、舎弟まで作り誰かを傷つけることであんたのことを忘れようとしていた。

 

だけど、俺は・・・何かに打ち込んでる奴や夢を追いかける奴を見るとあんたを思い出すようになった。

 

そして俺はそんな奴らに手を出すことができなくなった。

 

だから俺達の理念は夢を追いかける奴の邪魔はしねぇことだ。

 

俺が胸張って言えたもんじゃないがこれだけは守ってきた。

 

だがさっきはこいつらが迷惑を掛けたな。本当に悪かった。」

 

瑠惟「あんたが来てくれなかったら危うく殴られるところだったよ。」

 

彼は笑いながらそう言った。

 

(何が危うくだよ。兄貴に止められて気づいたがお前はカウンターの準備をしてやがった・・・あのまま殴ってたら逆に俺がやられてた。人が良さそうな顔して黒い人間だぜ。)

 

だが私の気持ちは収まらない。

 

千歌「・・・だったら最初から人を傷つけないでよ・・・。なんで瑠惟君なの?瑠惟君が何かした?瑠惟君は優しいから言わないだけ。だけど私はあなたを絶対に許さないから。」

 

「すまねぇ・・・本当に悪かった。許してくれとは言わない。ただお前の気が済むまで好きなだけ何でもしてくれ。」

 

それを聞いて私はとっさに手が男の顔を捉えようとしていた。

 

だが・・・

 

 

 

 

 

 

瑠惟「千歌。」

 

彼の声ですんでのところで手が止まった。

 

 

 

 

 

 

瑠惟「もういい・・・。お前も言いたいことはたくさん言っただろ?」

 

そして彼は私の手をとってこう続けた。

 

 

 

 

 

瑠惟「お前のこの手は誰かを傷つけるためにあるんじゃない。

 

 

 

 

この手は千歌の目指す未来や夢を掴むためにある。

 

 

 

 

違うか?」

 

千歌「・・・瑠惟君の言う通り。」

 

瑠惟「俺が何で怒らないか、何であいつらを責めないか分かるか?」

 

千歌「・・・」

 

私は無言で首を横に振った。

 

瑠惟「梨子には前にも言ったけど・・・確かにあいつらに誰かの夢を奪っていい権利なんてどこにも無いよ。

 

だけどそれは俺も同じこと。

 

何かされたって俺があいつらからバスケを奪っていい理由にはならない。

 

甘い奴だって思うかもしれないが、これが俺なんだ。

 

あいつらを責めたところで俺の足が治るわけじゃない。だから俺はあの時前を向くべきだったんだ。今の俺にできるのは何だろうって。

 

でも、現実はそうはいかず俺は心を閉ざした。どうしても誰かを信じるのが怖かった。

 

でもそんな俺に千歌や梨子、曜に花丸、ルビィ、善子、ダイヤ、果南、鞠莉は笑顔を向けてくれた。

 

誰かを信じることの大切さ、夢を追うことの楽しさを教えてくれた。

 

だから俺はまたバスケをやろうって思うことができたし、みんなとラブライブの夢を追いかけたいと思った。

 

不謹慎かもしれないが足を怪我したおかげでみんなに会えた。

 

これもまた運命なんだって思えた。

 

それに怒りとか憎しみってどうしてもパフォーマンスに影響するんだ。

 

彼の話でもよく分かっただろ?

 

だからそんな気持ちでラブライブに臨んでほしくない。

 

千歌には涙じゃなくて笑顔が一番似合ってるから。

 

ほら・・・笑ってくれよ。」

 

彼は私の口元をクイッと上げて笑顔を作ってくれた。

 

瑠惟「うん、やっぱりその方がいい。・・・綺麗になったな千歌。」

 

え?ちょっとな、何?急にそんなこと言われたら・・・

 

曜「千歌ちゃん、大丈夫?顔赤いよ。」

 

千歌「な、何でもないから!ほらもう行くよ!」

 

瑠惟「よっしゃじゃあ夢を掴みに行くか。」

 

「あの・・・俺は・・・」

 

 

 

瑠惟「おう、もう気にしてないから。それよりちゃんと学校行けよ。・・・・・・それで、またバスケやろうな。」

 

 

「・・・・・・分かった。それと俺も見に行っていいのか?ラブライブとやらに。」

 

瑠惟「・・・ダメって言う理由なんてないよ。お前も見に来ればわかる。スクールアイドルのすごさとか夢を追う少女達の輝きを。」

 

男はその場で泣き崩れた。

 

そんな彼らを背に私達はアキバドームへと足を進めるのであった。

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

Side 瑠惟

 

アキバドームに着くと間もなくAqours全員が集合した。

 

瑠惟「みんな・・・準備はできてるか?」

 

そう言って一人一人の顔を見る。

 

瑠惟「うん。大丈夫そうだな。じゃあここからみんなは控え室、俺は会場のどこか・・・まぁ関係者席辺りでぶらぶらしてるから何かあったら連絡をくれよ。

 

今日は特別なことは何も言わない。

 

みんな自分が何をすべきか分かってるはずだから。

 

だから俺からはこれだけ・・・

 

 

 

 

 

 

みんな!楽しんでこいよ!

 

 

 

 

 

 

以上!次会うのは本番直前!舞台裏でまた会おう!」

 

 

 

 

 




これ後編で終わるかなぁ?

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