鹿角姉妹と俺達4人は食事を終えた後、1年生は理亞ちゃんの部屋に、俺は聖良さんとキッチンで片付けをしていた。
聖良「すいません。客人のあなたに手伝わせてしまって。」
瑠惟「いいんですよ。こっちだって泊めてもらうのでこれくらいだったらガンガンこき使ってください。それに聖良さんの作ったご飯美味しかったです!」
聖良「そう言われると作ったかいがありますね。ありがとうございます。」
それからしばらく洗い物をしていると聖良さんがふとこんなことを呟いた。
聖良「こうして2人で並んで洗い物をしていると何だか私たち夫婦みたいですね。」
一瞬俺の手の動きが止まる。
彼女からすれば何気なく放った一言なのかもしれない。だがその言葉が頭から離れない。
ちらっと横を見ると聖良さんも心なしか顔が紅くなっているように見えた。
聖良「えっと・・・今のはそ、そういう意味じゃなくてですね、ただこういう意味なんです/////」
どういう意味なんですか?
それに自分で言って恥ずかしいなら言わないでくださいよ。
そして気付けば手に何も持ってなかったので慌ててまだ洗ってない茶碗を洗おうと伸ばした俺の手と同じくそれを洗おうとしていた聖良さんの手が触れ合った。
聖良「あっ・・・。」
瑠惟「おっと。すいません。」
聖良「い、いえ・・・大丈夫ですよ/////」
瑠惟「・・・」
聖良「・・・」
ただ手が当たっただけ・・・それだけだ・・・。
だが言葉で言い表せない気持ちが俺の心を埋め尽くしていった。
何だろうこの気持ち・・・俺に・・・俺に教えてくれー!
とある歌の歌詞が頭に浮かんでくるくらい気持ちが変だった。
それから俺と聖良さんは言葉を交わさなかった。
お互い恥ずかしくて、気まずいくてなにも言えなかったのだ。
そしてこの数分は俺達以外の周りの時が止まったかのようにも思えた。
聞こえるのはただ蛇口から水が流れる音だけ。
聖良「私は・・・瑠惟さんのこと・・・」
花丸「なーにイチャイチャしてるずら。」
後ろから空のコップをお盆に乗せた花丸ちゃんが呆れた声で言った。
彼女の声で俺の時間は動き出す。
瑠惟「おぅ。ずらまる。」
花丸「先輩、またずらまるって言ったずら。」
聖良「は、花丸さん。ど、どうしたんですか?」
彼女にしては珍しく取り乱している。
花丸「みんなの飲んでいたお茶が無くなったから取りに来たずら。それにしても・・・聖良さん顔が真っ赤ずらよ。」
聖良「えぇ!?そ、そうなんですか!?恥ずかしい・・・」
と彼女が顔を伏せてしまったところで俺は花丸ちゃんに耳打ちをする。聖良さんには聞かせられない話だからだ。
瑠惟「曲作りは順調か?」
花丸「まだ骨組みもできてないけど、歌いたい事はまとまったずら。」
瑠惟「そうか。頑張れよ!」
花丸「・・・ありがとうずら。先輩もあんまりふらふらしないでほしいずら。」
ふらふら?
瑠惟「いや、俺はいつも通りだぞ。ふらふらなんて・・・」
花丸「先輩は・・・花言葉とか知ってますか?」
唐突だな・・・そう思いながらも一応答える。
瑠惟「いや、そういった雑学には疎くてな。」
すると彼女はいたずらっぽく笑った。
花丸「へぇ・・・じゃあ・・・今のマルは
『黄色い薔薇』
ずらね。」
彼女の言った言葉の意味に気付いたのはもう少し後になる俺だった。
瑠惟「そういえば聖良さん、さっきなんて言おうとしたんですか?『俺の事が・・・』」
聖良「あぁぁ〜!なんでもありません!忘れてください!」
次の日、俺は一足先に静岡に帰った千歌と電話をしていた。
千歌「そっちはどう?」
瑠惟「まぁぼちぼちかな。」
適当な返事で濁す。いやまぁよく分かんないからそうなるんだけどね。
千歌「・・・本当は観光のために残ったんじゃないんだよね。」
俺の意思が伝わっていたようだ。
瑠惟「・・・まぁお前なら分かってると思ってた。」
千歌「ここに残りたいって言ってきた時ね、瑠惟君の目がそうだった。いつも私達のために何かをしようとしてる目だった。」
瑠惟「そうか・・・。」
千歌「何をやろうとしてるかは分からないけどがんばってね。」
瑠惟「がんばるのは俺じゃない。あの3人だから・・・。」
千歌「それでも何か私たちで協力できることがあったらなんでも言ってね。」
瑠惟「ん?今なんでもするって・・・」
千歌「言ってません。・・・じゃあもうすぐ練習だから切るね。」
瑠惟「おう。じゃあな。」
そう言って電話を切ると俺は借りた机の上でノートを広げる。
そこには色んなフレーズが書かれていた。これはAqoursがいつも使っている作詞ノートだ。たまにページの隅に梨子が怒ったような顔が書いてあるが、恐らく千歌の仕業だろう。
そして1番新しいページには少しだけ歌詞が書かれている。まぁ俺が書いたものなんですけどね。
理亞ちゃんにもらったヒントを参考にしながら少しずつ曲を作っていく。
まだまだ時間はかかりそうだ。
あれからどれくらい経ったのだろう。窓の方を見れば空が暗くなり始めていた。
どうやら1年生達は結構進んでいるらしい。下の階からにぎやかな声が聞こえる。
すると部屋の扉が空いて聖良さんが入ってきた。
瑠惟「お疲れ様です。店の方はもういいんですか?」
エプロン姿が良く似合う彼女にそう声を掛ける。
聖良「えぇ。店の方はもう閉めました。そ、それでなんですけど・・・あなたにお願いがありまして・・・。」
瑠惟「なんですか?」
聖良「今日の晩御飯と明日の買い出しに行きたいんですが、少し荷物が多くなりそうで・・・理亞たちも何だか忙しそうですし・・・もし良かったらなんですけど・・・瑠惟さんに買い物に着いていただけたらな・・・なんて/////」
やたらともじもじしているのが気になるが、まぁそれぐらいなら全然OKだ。
瑠惟「いいですよ。俺も手伝います。」
聖良「ホントですか!?あ、ありがとうございます!」
普段なら結構高圧的な聖良さんだが、こうして一緒にいるとギャップがあって◎。
ということで俺と聖良さんは家から少し歩いた所にあるスーパーに行くことになった。
が玄関で靴を履いたところで忘れ物に気づいた。
瑠惟「あっ・・・手袋を置いてきてしまった。ちょっと取りに行ってきます。」
俺は仕方なく履いたばかりの靴の紐を解こうとする
聖良「確かにこの寒さで手袋無しはキツイですね。じゃあ私はここで待って・・・( ゚∀ ゚)ハッ!」
最後まで言いかける直前で彼女は何かを思いついたかのように目を見開いた。
聖良「瑠惟さん。手袋を取りに行く必要はありませんよ。」
瑠惟「えっ?でも今、無かったらキツイって。」
聖良「だったらこうすればいいんです!」
と聖良さんは急に俺の手を繋いできた。
瑠惟「な、何してるんですか!?」
いやもう本当に何してるのこの人!
聖良「これだったら寒くないですよね。」
瑠惟「そうですけど・・・恥ずかしいっす/////。」
こんなの傍から見ればカップルに見えてもおかしくない。
聖良「いいですか、あなたが私たちの家にいる間は家族も同然なんです。だから瑠惟さんは今私の弟ということなのです。」
めちゃくちゃだ。支離滅裂もいいところだよ。
だが何も言い返せぬ。だってそんな上目遣いで見られたら断れないですよ。
聖良「私・・・家族は父以外男性はいませんし、学校もずっと女子校だったのでこうして歳が近い瑠惟さんと一緒にいると何だか本当の弟ができたみたいで嬉しいんです。」
瑠惟「・・・」
聖良「以前あなたに私たちのマネージャーになってほしいと頼んだ時も多分Aqoursの皆さんが羨ましかったんだと思います。血は繋がってないけど本当の家族のように見える皆さんの姿が。」
瑠惟「別に・・・血が繋がっていても、そうでなくても俺はAqoursのみんなや理亞ちゃん、もちろん聖良さんも大切な人なんです。だから・・・俺は聖良さんの弟ですよ。静岡に帰った後も。」
聖良「それなら・・・」
瑠惟「それなら?」
聖良「聖良お姉ちゃんって呼んでくださいね!」
瑠惟「却下で。」
聖良「えぇ〜!?なんでですか〜!」
俺がお姉ちゃんと呼ぶのはダイヤさんだけだ!!なんて言えないので黙秘権を行使する。
結局俺たちは手を繋いだまま買い物をし、そのまま家に帰った。
時間は少し遡り、場所も理亞の部屋へと移る。
一日中作詞をしていた1年生の4人だが流石に疲れが溜まり、休憩を取ろうとしていた。
理亞「私、何かつまめるもの持ってくるわ。」
そう言って理亞が廊下に出て見たのは玄関を出ようとしている姉の聖良と兄様と慕う瑠惟であった。
どうやら2人は理亞のことには気づいていなかった。
理亞(姉様と兄様・・・今から買い物に行くのかな?)
が彼女はあることに気付いた。
聖良が顔を真っ赤にして瑠惟の手を引いていたのだ。
そして彼女は瑠惟に何かを言っているようだ。
理亞は耳をすまして聞き取ろうとした。
理亞(うーん、上手く聞き取れないわ・・・。)
が彼女は諦めずに続けると・・・
聖良「私・・・・・・・・・こうして瑠惟さんといると・・・・・・嬉しいんです/////」
理亞「!?」
そして続けて瑠惟の声も聞き取れた。
瑠惟「・・・・・・もちろん聖良さんも大切な人なんです。だから静岡に帰った後も・・・・・・」
理亞「!!??」
彼女はこう思った。姉と彼はそういう関係になっていたのだと。
理亞(姉様ったらいつの間に!それに兄様も!漫画でしか見た事なかったけど・・・こんなことが本当にあるなんて・・・。)
彼女は急いで部屋に戻った。
バンッ!と勢いよくドアを開けるとそれに驚いた3人が理亞の方を見る
ルビィ「ど、どうしたの理亞ちゃん!?」
理亞「みんな大変よ!姉様と兄様が!」
善子「兄様?あんたのお兄さんがいたの?」
理亞「そうじゃないの!と、とにかく一緒に来て!」
と言うと理亞は半ば無理やり3人を外に連れ出した。
ルビィ「理亞ちゃん、どこに行くの?」
何故か急に外に出ろと言われた3人は何が何だか分からないまま理亞について行った。
しばらくして4人は近くのスーパーに着いた。
理亞「・・・あっ!いたわ!」
そう言って理亞はどこかを指さした。その先にいたのは・・・
「「「あっ!」」」
ルビィ「あれは!」
善子「聖良さんと我がリトルデーモン!!」
花丸「一緒に手を繋いでるずら!」
3人は驚いた。だが花丸だけは嫌な予感が当たったと言うべきか、どこか浮かない顔をしていた。
花丸「やっぱり先輩はマルから離れて・・・」
ルビィ「ん?花丸ちゃん何か言った?」
花丸「ううん。なんでもないずらよ。」
一瞬、親友が物憂げな顔をしたように見えたが本人が否定したので、彼女は特には気にしなかった。
ルビィ「それにしても聖良さんと先輩は・・・もう・・・つ、付き合ってるのかな?」
理亞「そうよ!私聞いたの!姉様が『一緒にいると嬉しい』って。それに兄様も『聖良さんも大切な人』だって!」
ルビィ、善子、花丸の3人は自分達が恋してるとまではいかないだろうが、大切に想っている彼を聖良に取られたと思い少し嫉妬に似た感情が浮き出たが、本心ではあの2人がお似合いだということも薄々感じ始めていた。
それは・・・瑠惟の心から嬉しそうなあの笑顔を見てしまったからだ。
ずっと彼を見てきた3人だから、彼の過去を知っている3人だから・・・彼には幸せになってほしいと。そして彼の隣にいるべきなのは自分達じゃないと・・・
ルビィ「理亞ちゃん、帰ろう。」
理亞「えっでも・・・」
ルビィはゆっくりと首を横に振った。
彼女の言わんとしてることを察したのだろう、理亞は何も言わずに3人を連れて帰った。
あれから数日が過ぎた。
1年生の方は曲が完成したらしく、さっき振り付きで見せてもらった。
完成度の方はかなり高く、正直これをラブライブで披露できないのが惜しまれる。
そして1年生からのお願いでこれを静岡にいるメンバーと聖良さんに教えてほしいと頼まれた。是非AqoursとSaint Snowとで歌いたいとのことだ。
もちろん快く引き受けて千歌達と連絡をとった。ダイヤさんが泣きそうな声で喜んでいたのでサプライズ?としては成功だろう。
そして聖良さんの方は・・・
瑠惟「聖良さん、これを見てください。」
聖良「これは・・・」
1年生が一丸となって作った曲を撮って動画として見せている。
彼女は終始黙って動画を見ていた。
最後まで見終わりスマホを返してもらう時に気付いた。
聖良さんの頬に雫が落ちていたのを。
そして彼女は目元を拭きながら言った。
聖良「瑠惟・・・あなたには感謝してもしきれませんね。」
瑠惟「何度も言ってますけど、俺は何もしてません。がんばったのはあの4人。俺はただ・・・見守ってただけです。」
今回の旅で分かった。あいつらには・・・Aqoursにはもう俺がいなくても大丈夫だって。
別に悲しんでいるわけではなく、むしろ成長していく姿が見れて嬉しかった。
瑠惟「聖良さん、俺に感謝してるなら見せてください。この曲が真に完成した姿を。11人が織り成す輝きを。」
聖良「そこまで言われたらやるしかないですね。いいでしょう見せてあげましょう最高のステージを!」
そしてライブ当日、久々にAqoursのみんなが揃った。
なお北海道までの旅費は鞠莉さんがポケットマネーでなんとかしてくれた。太っ腹ァ!
数日ぶりにみんなと顔を合わせる。
俺のところに真っ先に来たのはもちろんアイツだ。
千歌「久しぶり!」
瑠惟「おぅ。久々だな。」
千歌「・・・・・・えっへん。何か言うことないの?」
はい?俺なんかやらかしたかなぁ。
瑠惟「おい、曜。千歌のやつどうしたんだ?怒ってるのか?」
隣にいた曜に助けを求める。
曜「う〜ん・・・そういうのじゃないかな・・・でも、何か気づくことない?千歌に。」
そう言われ千歌をよく観察する。
あっ!分かったぞ!
瑠惟「千歌お前・・・太った?」
瞬間強烈なパンチが飛んできた。
瑠惟「お前何すんだよ!」
千歌「太ってなんかないもん!・・・・・・たぶん。」
まぁ冗談だけどな。そろそろ茶化すのはやめよう。
瑠惟「髪切ったの・・・似合ってるぞ。」
千歌「ありがとう/////」
全く可愛いやつだ。
瑠惟「よし。みんな揃ったな。では俺達合わせて『Saint Aqours Snow』今夜限りのステージ全力で楽しんでいこう!」
全員「おぉー!!」
今日のライブはここ函館で行われるクリスマスイベントの企画のひとつで一般からの持ち込み企画を採用してくれるとのことなので応募したら見事に採用された。なのでステージ等はラブライブに負けず劣らずの立派なものだ。
司会「さて次はえーと・・・Saint Aqours Snowのライブです!では・・・どうぞ!」
1年生の力で完成させたこの曲『Awaken the power』
結局全体で振り合わせできたのは数時間だけだが、それでもAqoursとSaint Snow というラブライブ優勝候補が1つになっただけあってそのパフォーマンスは圧巻の一言だった。
そしてなによりメンバーみんなが本当に楽しそうだった。
そして曲が終わり、観客席からは拍手の嵐が巻き起こる。
それを見てメンバーは喜び合っていた。そして俺も舞台袖でガッツポーズをしていた。よっしゃ!
・・・で、ここからが本当のサプライズ。
俺は司会の人にあらかじめ伝えておいた合図を送る。
司会「Saint Aqours Snowの皆さん素晴らしいステージをありがとうございました!・・・そしてここでメンバーの方からお話があるそうです。ではお願いします。」
司会がそう言うと理亞ちゃん、ルビィちゃん、善子、花丸の4人が前に出てメンバーの方を振り返った。
4人はポケットから手紙を取り出し、そして・・・
理亞「Aqoursの皆さんそして姉様、今日は私たちと一緒に歌って下さりありがとうございました。
・・・私はラブライブ予備予選の時に姉様と喧嘩をしました。私はその事をライブで失敗してからようやく後悔しました。でも一番悲しんでいたのは姉様でした。
予備予選の後、姉様は1人泣いていた。ミスしたのは私なのに・・・」
聖良「理亞・・・」
理亞「私は心配されていたのだと思います。もうすぐ姉様は卒業してSaint Snowは私1人になってしまう。
私は今までスクールアイドル活動については全部姉様が敷いてくれたレールの上を一緒に進んでもらっていただけ・・・。だから姉様は心配だった・・・私が1人になるとどうなってしまうのか。
そんな姉様に見せたかった・・・私はこんなに成長したんだと。ラブライブ決勝が終わった後も私は私自身のスクールアイドル道を突き進むんだと。
今日のライブは本当に楽しかった・・・そして今まで姉様がどれだけ大変なことを1人でやっていたのかを理解した。
姉様・・・ありがとう。そして・・・これからもよろしくね!」
聖良さんは理亞ちゃんの元に駆け寄り彼女を抱きしめた。
聖良「私もごめんなさい・・・理亞にプレッシャーばかりかけてしまって。私の理想をあなたに押し付けてしまって・・・。ごめんなさい・・・。」
理亞「そんなことない!」
聖良「!」
理亞「プレッシャーとか姉様の理想とか関係ない!私は姉様と一緒のSaint Snowが大好き!私の理想はこのSaint Snowなの!」
聖良「・・・良かった。私は・・・その言葉を聞けたことが何より嬉しいです。・・・ありがとう。」
あーヤバい。ある程度内容を知ってはいたがこうして聞くと自分のことじゃあないのに涙が出そうになる。
理亞「私からは以上です。次は・・・ルビィ。」
ルビィ「私は今日のライブを理亞ちゃんと企画しました。そして花丸ちゃんや善子ちゃんも一緒にやりたいって手伝ってくれました。
このライブはAqoursの2年生、3年生にいつも頼りっぱなしだった1年生の私達でも自分たちの力でライブを完成させることができるって伝えたかった。じゃないとお姉ちゃんや果南ちゃん、鞠莉ちゃんが安心して卒業できないから。不安を残して行ってしまうから。
でもこうして理亞ちゃん達と一緒にライブを成功させることができました!ありがとう理亞ちゃん!」
理亞「ルビィ・・・ありがとう。」
ルビィ「そして親愛なるお姉ちゃん。」
ダイヤ「!」
ルビィ「ルビィはこうしてお姉ちゃんと一緒にスクールアイドルができて本当に嬉しい。
毎日遅くまで練習して一緒に帰って・・・大会に出たり合宿をしたり・・・そしてみんなとがんばってラブライブ決勝に進出することができた。お姉ちゃんと一緒に出来るのもあともう少しだね。
・・・でも本当はもっとお姉ちゃんと一緒にスクールアイドルをやりたい。もっとたくさんの曲を歌いたい!憧れのお姉ちゃんと一緒に!
だけど気付いたの・・・それはルビィのワガママだって。いつまでもお姉ちゃんの背中を追いかけていたら、お姉ちゃんはずっとルビィのことを心配するだろうって。
だから・・・ルビィは変わるね。
ルビィは・・・お姉ちゃんよりもすごいスクールアイドルになってみせる!憧れのお姉ちゃんを超えてみせるって!Aqoursのみんなと一緒に!
だからお姉ちゃん・・・もう・・・泣かないで・・・。」
ダイヤさんは泣いていた。でもそれは悲しみの涙ではなくきっと・・・
ダイヤ「私はずっとルビィのことが心配でした。北海道に残ると言った時もそうでした。あの時は瑠惟さんがいるから大丈夫だと。
でも・・・ルビィはちゃんと成長していたのですね。今日一緒に歌ってみて分かりました。
ルビィ・・・大きくなりましたわね。それに一段と美人になりました。
あなたのような素敵な妹がいること私は誇りに思いますわ。
そして・・・今日私たち3年生に素晴らしい時間をありがとうございました。」
もうこれを聞いて泣くなと言われる方が無理です。だってステージのみんなと司会者の人ですら泣いてるんだもん。
花丸「では私たちからは・・・」
善子「この数日間私たちを支えてくれた人に手紙を送ります。」
花丸・善子「「瑠惟先輩。」」
え?
俺に手紙?てっきりAqoursのみんな宛てかと・・・
花丸「この数日間、マルたちを見守ってくれてありがとうございました。」
善子「そして私達の計画に協力してくれてありがとうございました。」
花丸「マルたちが先輩に残ってもらいたかったのは先輩に一番近くで私たち1年生の姿を見てほしかったからです。
だって・・・私たちのことを一番心配していたのは3年生じゃなくて・・・瑠惟先輩だったから。」
・・・やっぱり気づかれてたよな。
善子「3年生と同じく春にはこの学校を去ってしまう先輩には安心して次の場所へと行ってほしかったの。先輩はバカでコミュ障ヘタレでその癖女の子に鼻の下を伸ばけど・・・誰よりも優しい先輩に私たち1年生・・・いや、Aqoursは支えられてきました。
そんな先輩にAqoursを代表して私と花丸が感謝を伝えます。」
「「ありがとうございました!!」」
「「そして・・・ラブライブ決勝、絶対に勝ちましょう!」」
もう涙でぐちゃぐちゃだった俺だけど涙が止まらなかった。
ありがとよ・・・1年生・・・。
ラブライブ決勝・・・絶対に勝って優勝したい!
そう心に誓う俺なのであった。
今回で北海道編は終わりです。
次回は・・・未定です。