転生レ級の鎮守府生活   作:ストスト

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先に言っておきます。
コイツ程ふざけたオリキャラはいません。
踊る奴もコイツ一人で充分です。
でも一番自分で考えた中では好きな方。


「地獄から舞って来た男」

「ヨーォ。悪りぃけどよォ〜、

そこどかねぇと殺しちまうぜ?」

 

そいつは軽薄そうにヘラヘラと笑うと、

台座から飛び降りた。

が、少しの間口をつぐみ、

 

「……あ〜ちっとタンマ。

喋るのが久しぶりだからさー」

と言った。

 

そして、誰も許可していないのに

滔々と喋り出した。

 

「地獄から只今登場ッ‼︎

海軍は秘密を開帳ッ‼︎

連中は顔色真っ青ッ‼︎

ついでに俺は絶好調‼︎

何故か口調はラップ調ッ‼︎

リヴァイア・サンズここに見参ッ‼︎」

 

そいつーーーーーー、いや、

「リヴァイア・サンズ」はラップを

一通り刻むと「フォーッ‼︎」と

歓声を上げてドッチキドッチキと

踊り出した。

 

「なんだこいつ……」

 

天龍がぼそりと呟く。

俺も同じ事を考えた。

敵となりそうな奴らの前で

踊る奴なんて聞いた事もないし、

見た事もない。

そもそも元いた世界でもこんな敵は

いなかった。

 

「すまねーなー。これやんないとよ、

体調が良くなんねぇんだよ。

お礼と言っちゃなんだが、

お前らは殺さねーでおくよ」

 

「とりあえず、お前は一旦

痛い目を見た方が良いと思うぜ」

 

天龍が艤装を展開しようとする。

 

「でもさー、俺痛い目見るの

嫌なんだよね〜」

 

サンズはカンカンと右手のカギ爪で

側頭部を叩く。

 

「ゲームとしてなら痛い目は

多少は我慢するけどね」

 

「……ゲーム?」

 

「そう、ゲームさ。

例えば……≪10秒の間に俺を

一発でも殴ったら勝ち≫なんてのは

どうだ?」

 

サンズはそう言って、

「その刀は使ってもいいぜ」と言い、

更に「早く来いよ‼︎」と挑発した。

 

「まぁ待て……。

……よし、いくぜッ‼︎」

 

「come on‼︎」

 

二人が互いに突進する。

天龍が艤装の刀でサンズの間合いの外から

薙ぎ払う。

 

「おォーーととォ‼︎」

ガキン、と金属音がした。

なんとどこから持って来たのか、

サンズも軍刀を持っていた。

後7秒。

 

「フェアじゃないとなあ‼︎へへッ」

 

「ちッ、小賢しい野郎だッ‼︎」

 

天龍はより早く刀を操る。

だがサンズもかなりの剣の腕で、

軍刀をフェンシングのように

使ってその太刀筋を防いでゆく。

後4秒。

その時だ。

 

「武器を捨てて手を上げろッ‼︎」

 

見ると、そこには7、8人程の銃を構えた

衛兵がいた。

騒ぎを聞きつけて来たのだろう。

天龍はこれが来ることを分かって僅かながらも

時間を稼いだのか。

 

「あれま」

 

天龍が軍刀を打ち上げてその場から

退避する。

 

「撃てーーーーーー‼︎」

 

大量の弾丸がサンズに襲いかかり、

その多くは命中した。

……何もダメージは与えていなかったが。

 

「おー痒い痒い。……お、10秒経過した。

てことは、俺の勝ちでいいよな」

 

サンズは先程の攻撃など意に介さず

自らの勝利を宣告した。

カシャカシャと指同士をぶつけながら、

 

「撃たれたけどさ、≪殴られていない≫

からねー。ま、≪罰ゲーム≫執行

しちゃうか」

 

刹那、サンズは目にも止まらぬ速さで

天龍に飛び蹴りを叩き込んだ。

 

「ぐあッ……‼︎」

 

天龍はそのまま先程サンズが座っていた

台座に叩きつけられた。

 

「安心してよ。俺って律儀だから、

ちゃんと急所は外したぜ」

 

次にサンズは衛兵に目を付けた。

 

「じゃあ、俺の愉快な艤装を

紹介しちゃうぞ〜。

F–15のイーグル君だ‼︎」

 

サンズが手を広げる。

そこから、一機の戦闘機が姿を見せた。

F–15 イーグル。

マッハ2.5の脅威的な速度で空を

駆け抜けるバケモノだ。

もちろんそんな艦載機はゲームには

実装すらされていない。

 

「さあ、パーティーの時間だ!」

 

イーグルが機銃をばら撒いてゆく。

鉄の嵐とも呼べるそれは、瞬く間に

衛兵達を肉ミンチに変えた。

血が流れる。肉が飛び散る。

 

「ハッハハーー‼︎」

 

「むごい……何てことを‼︎」

 

「あ?お前もゲームをするのか?

いいぜ。ルールは……

そうだ。≪一発でも俺に攻撃を入れたら勝ち≫

にしてやるよ」

 

既にこの怒りは頂点に達していた。

顔が怒りで熱くなる。

 

「ふざけるなあああああ‼︎」

 

「おっほー‼︎せっかちだねぇ」

 

俺の右ストレートをサンズはスイッと

避ける。そして避けた時に足を引っ掛けた。

 

「うっ‼︎」

 

起き上がろうとしたところで背中を

踏みつけられる。

 

「ところでさあ、お前運とか信じるかよ?

俺は信じてるぜ」

 

そう言いながらサンズは近くにある

折れた軍刀を手にとった。

 

「なぜなら俺はいつも‼︎

いつも‼︎最悪な時に最高のチャンスが

現れるんだからなー‼︎これこそ

天運って奴なんだろうなあ‼︎」

 

俺はその時、逆転を賭けた一撃を

思いついた。

 

「天運か。それなら今俺に現れたぜ」

 

「あんだと?」

 

「下を向いてみろ」

 

サンズが下を向いた刹那。

俺の尾ーーーーーーあの先端に

口がついているあの艤装だーーーーーー

に腹を思いっきりメギャンッ‼︎という感じで

殴り飛ばされた。

 

「うごっほああああああああ⁉︎」

 

サンズはそのまま5m程打ち上げられ、

2階まで到達し。

そこのガラスを割りながら外に落ちていった。

 

ざまあみろ、今までに殺された衛兵や

天龍の分だ‼︎

 

 

 

 

 

「アッハハハハハハーーーーッ‼︎

やっぱり俺は運に見放されて

なかったぜェェーーーーーー‼︎」

 

バイクのエンジン音が聞こえた。

まさか、外にあったバイクで逃走する気か⁉︎

 

「あばよオーー頭の固い軍人達ィーー‼︎」

 

ブォォーーン‼︎ バロロロロロ……。

 

クソ、逃げられたか……。

 

「……う、うう」

 

天龍の声と、まだ誰か、恐らく衛兵の声だ‼︎

まだ生きている人がいる‼︎

 

「誰かーーーーーー‼︎早く救急車を‼︎」

と俺は天龍を介抱しながら叫ぶのだった。




リヴァイア・サンズのスペックでも
解説。
艦種:戦艦
耐久280 火力120 装甲90
雷装70 対空70 運60
艦載機のスロット 130

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