転生レ級の鎮守府生活   作:ストスト

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1、2、3話のUAが5000突破しました‼︎
ここまで(まだ一カ月ぐらいしか経ってないけど)
頑張れたのも皆様のおかげです‼︎



「Determination」

(最早、島なんぞ関係ない。

貴様らを一人残らず、地獄に送ってくれる)

 

イカリは残った腕の触手を身体に巻きつける。

 

(派手に踊れ、死の舞踏を)

 

次の瞬間、遠くまで触手を伸ばし、イカリは

それを縦横無尽に鞭の如く振り回した。

 

その速さに海中の58達は対応出来ず、

ことごとく打ちのめされていく。

 

(やばっ⁉︎急速潜……きゃああッ‼︎)

 

(168ッ‼︎)

 

168を救おうとした19が触手に叩かれる。

十重に、二重に。触手は全方位から襲い来る。

既に、無傷なのは58のみだった。

 

(なによこいつ……さっきまで……さっきまで

あんなに切迫した様子だったのに……

今のこいつは、まるで修羅場を何十年と

潜り抜けたような目つきをしている……⁉︎

だけど、だけど‼︎こいつのその身体に魚雷を

一発でもぶち込めば、58達の勝ちでちッ‼︎)

 

58はそう思いながら、抱えていた二発の魚雷を

イカリに発射した。

 

触手に阻まれるだろうが、それでも奴の

攻撃力を下げる事は出来るはずだ、とも

58はそう考えていた。

 

イカリは魚雷を見て、ニヤリと笑い、

触手を魚雷の進路に向けた。

 

(馬鹿か?一つ教えといてやる。

Determination状態はな。

……全ての能力のリミットを解除するんだよ。

身体能力、判断力。そして)

 

刹那、触手の先に氷の道が出来ていき、

二つの魚雷を捉え、そのまま巻き込んで

一つの氷塊を生成した。

 

(凍結能力もだ)

 

イカリはそう言いながら、触手に

ついた氷を砕きながらマスクを取った。

 

(肺活量もリミットが解除されるからな。

今ならまだ3時間…いや、5時間かな?

それぐらいは余裕で持つな)

 

そう言いながら、イカリは体内に海水を

取り込む。

 

(串刺しにしてやるよ、クソッタレの丁稚め)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ッ‼︎やばい、58達が殺される!

翔鶴さん、天龍を頼みます‼︎」

 

「待て、レ級。お前だけじゃ、あの烏賊の

相手は無謀だよ」

 

海面に潜行しようとした俺を芝浦提督が

引き止める。

 

「じゃあ、どうすればいいんですか⁉︎

もう俺がいくしかないんですよ⁉︎」

 

「俺がいるじゃないか」

 

はっとした。そうなのだ、芝浦提督も

今は深海棲艦の身体なのだ。

俺が艤装を展開した状態で潜行出来るのは

深海棲艦としての能力。つまり。

 

「あなたも行く気なんですね……‼︎」

 

「そういう事だ。……翔鶴、頼んだよ」

 

「司令官……‼︎」

 

翔鶴は何か言いたそうにしていたが、

その前に芝浦提督は海中に潜行した。

 

「翔鶴さん……。俺が、皆を連れて帰ります。

絶対に、一人残らず」

 

「レンゲ……頑張れよ」

 

「レンゲさん。貴方も無事に58さん達を

連れて帰って来て下さい」

 

俺は、二人の声を背中に受け、潜行した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(おいおいおいおいどうしたよさっきまでの

威勢はよぉ?どこに行っちまったんだ?

なぁ〜……丁稚ちゃんよォ)

 

58はイカリの触手で締め付けられ、

イカリがその気になればいとも容易くその首を

へし折れる状況に追い込まれていた。

19や168は気絶した状態で海底に横たわっている。

イカリは残っていた魚雷が先端についた槍を

58の頰に当てた。

 

(これから、貴様を殴り殺すからな)

 

次の瞬間、58の頰を思いっきりイカリが殴る。

 

(ぐっ‼︎)

 

続いて腹を。

 

(がはっ‼︎)

 

そうやって、58の身体中を容赦なく殴ってゆく。

 

(クソがッ‼︎お前らがなッ‼︎邪魔さえしなきゃッ‼︎

こんな面倒な事にッ‼︎ならなかったのによッ‼︎)

 

先程の理性的な物腰から一変、感情の赴くままに

殴る、殴る、殴り続ける。

 

やがて、58がぐったりとした頃、イカリは

58を殴っていた触手の先に刃の如く氷を

生成した。

 

(……私はね、ムカついた奴は殺さないと心の平穏を

得られないのだよ……分かるかな?

例えるなら、道端で1000円札を拾ったみたいな

気持ちになれるんだよ……幸福に浸れるんだ)

 

そして、ゆっくりと刃を58に向けた。

 

(さあ、絶望の表情を私に見せろ‼︎

そしてそのまま死んでいけ‼︎)

 

だが、イカリがその表情を見ることは出来なかった。

上から何者かが迫って来る気配に気づいたのだ。

 

(ッ‼︎何奴‼︎)

 

すかさず、58を離してイカリはその場から

離れた。直後、何かが高速で58を掴んで引き上げた。

 

(58‼︎大丈夫か⁉︎)

 

レンゲと芝浦だ。

 

(う、うう……58は平気でち。

それより、早く168と19を……‼︎)

 

(貴様……こんな幼子をここまでいたぶるとは‼︎

人間だった時の心まで捨てたか‼︎)

 

(Exactly(その通りでございます)。人間にはとっくに愛想を尽かしてるさ。

奴らの絶望の表情を見られるなら、喜んで

心なんて捨ててやる)

 

イカリはそう言って、馬鹿にするように笑った。

 

ふつふつと、俺の中に何かが湧き上がった。

怒りだ。マグマのように静かな、だがしかし

熱い怒りが。

 

(……58。悪いが、まだ動けるか?)

 

(当然。まだまだやれるでち)

 

(19と168は任せた。芝浦‼︎)

 

(呼び捨てにするな)

 

(二人で奴を叩く。いいな?)

 

(勿論だ。叩くじゃ収まらん。切り刻む)

 

腰から軍刀を抜く芝浦提督。

その目には、怒りが宿っていた。

 

(愚か者共が……私に刃向かった、その後悔を

身体に刻みつけて死んでいけ‼︎)

 

イカリが槍を構える。

俺は尾の艤装の牙を剥き、芝浦提督は軍刀を

構え、イカリに向けて吶喊した。




イカリ Determination体
耐久4 装甲8 火力28
対空0 雷撃135 運15


感想下さい。俺の動力が切れそうです。

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